ブーンミコ酢 ブーン系過去作まとめ

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ヒーロー演じる 第二話

16:◆XCUz.aHnWE
04/01(火) 23:32 0UoVv+080

( ^ω^)「な、なんだお!? これは……」

( ФωФ)「簡単なことだ。
     お前は選ばれたのだ、悪を打ち破る光の戦士として」

( ФωФ)「さぁ、今こそ光の力を授けよう!」

瞬間、強烈な光が満ち溢れる。
何処からともなく込み上げて来た煙が二人を包み込む。

何も見えない。何も。





( ・∀・)「カーット!!」

現場監督の鋭い声。
直後、照明が正常の明るさに戻される。

( ・∀・)「ヒート! これじゃなんにも見えねえぞ!
    光が強すぎるんだ。それと煙も減らせ!」

ノパ⊿゚)「いいじゃねえかモララー監督!
    こっちの方がいいんだよ、迫力が!」


17:◆XCUz.aHnWE
04/01(火) 23:34 0UoVv+080

(;^ω^)(いつもこんな調子だお。
    ひとまず撮影は中断だお)

( ФωФ)「ブーン、もう少し肩の力を落とすといいぞ。
     筋はいい。あとは緊張を解すんだ」

( ^ω^)「あ、はい。ありがとうございますお、ロマネスクさん」

ロマネスクは一足先に舞台から離れていった。

( ^ω^)(さすがベテランだお。
    台詞も、僕ならすぐ噴き出すとこだお。
    それをあんなに真面目に……すっかり引き込まれたお)

('A`)「おぅい、ブーン! 遊びに来たぜ」

ドクオが声に気付き、ブーンは顔を綻ばせる。

( ^ω^)「今行くお!」

モララーとヒートが口論を交わしている脇を抜けて、ブーンは駆けていった。

18:◆XCUz.aHnWE
04/01(火) 23:34 0UoVv+080

二人はスタジオ外の廊下を歩いていた。

('A`)「しかし、あれからもう一週間だな」

ドクオが言っているのは、ショボンと出会った日のこと。
――ブーンがヒーローを演じることになった日のことだ。

('A`)「どうだ? 撮影」

( ^ω^)「最初は戸惑いも多かったお。
    ブーンは初心者だし、迷惑は掛けられないお。
    だから真剣にやらなきゃだお」

('A`)「そうかぁ。大変なんだな。
   俺も変わってやりたかったけどよ、社長がどうしてもブーンがいいっていうもんだから」

(#^ω^)(このヤロ…………)

(*'A`)「ところでさ、ここって撮影スタジオだろ?
    だったら、やっぱあんのか?
    ほら、着ぐるみとか衣装とか」

(´・ω・`)「そういうものは大概衣装倉庫に入れられているな」

(;'A`)(;^ω^)「「社長!!」」

大柄な体が、二人の前面に現れた。

19:◆XCUz.aHnWE
04/01(火) 23:35 0UoVv+080

(´・ω・`)「どうだ、ドクオ君。行きたいか?」

(*'A`)「は、はい!」

ドクオの声から、明らかに気持ちの高ぶりが感じられた。

(´・ω・`)「今二人が来た向きと逆の向きに行けば第二スタジオがある。
     第二スタジオ入口の右隣に、観音開きの大きな扉があるんだ。
     そこが衣装倉庫だ」

(*'A`)「あ ありがとうございます!!」

そういうと、ドクオは今来た道を逆走していった。

(´・ω・`)「……さて、ブーン君。調子はどうだ?」

(;^ω^)「あ、はい! 大変だけど頑張ってますお!」

いきなり話し掛けられて、ブーンは焦った。

(´・ω・`)「ふむ、そんなに緊張しなくていいぞ。
     実をいうと、私も不安はあった。果たして一般市民の素人を使っていいものかと」

ショボンはゆっくり歩きだす。
ブーンもそれについていった。

20:◆XCUz.aHnWE
04/01(火) 23:36 0UoVv+080

(´・ω・`)「何故この撮影が始まったのかはもう話したかな?」

( ^ω^)「はいですお!
    確か元々はスーパーヒロインものをやるはずだったのに
    TV局長のモナーさんが中止にしたって聞かされましたお」

(´・ω・`)「そうだ。
     元来うちはスーパーヒーローものを撮影してきた。
     だが、路線変更すれば今までのファンは離れてしまうかもしれない。
     モナー局長は危惧したんだ」

エレベーターで上階に上がり、ある部屋の前に来た。

――社長室――

(´・ω・`)「入ってくれ。
     合わせたい人がいるんだ」

ショボンは扉を開けてブーンを促した。

21:◆XCUz.aHnWE
04/01(火) 23:37 0UoVv+080

 _
( ゚∀゚)「…………」

社長室にいた男はじっとブーンを見つめていた。

(;^ω^)「こ、こんにちわですお」
 _
( ゚∀゚)「ん、あぁ。ど~も」
 _
( ゚∀゚)「ショボン社長、この人は誰だ?」

(´・ω・`)「この人がブーンだ、ジョルジュ。
     前に教えた、ヒーロー役の人だよ」
 _
( ゚∀゚)「なるほど、こいつがねぇ」

ジョルジュはブーンの上から下まで目を配った。
ブーンは身を強張らせる。

(;^ω^)「な、なんだお!?」
 _
( ゚∀゚)「いや、思ったより若造でな。
    ちょっと驚いた。まぁいいんだけどな」

(´・ω・`)「あぁ、実際撮影は上手く行っている」

(´・ω・`)「ブーン、この人は脚本家のジョルジュさんだ」

22:◆XCUz.aHnWE
04/01(火) 23:38 0UoVv+080

ブーンも驚いていた。
あのヒーローの物語はジョルジュによって作られたものだったから。
ブーンはきっと子供っぽい人に違いないと思っていたのだ。

(;^ω^)(この人、結構年取ってるお)

ジョルジュはお世辞にも若く見えない。
少なくともショボンと同じ、初老の年頃に見える。

(´・ω・`)「作品のことを知るには、作者に聞くのが一番だ。
     まぁジョルジュから頼まれたことでもあったがな。
     それでは」

ブーンが何かを言う前に、閉じられる社長室の扉。

(;^ω^)(ちょ、なんで行くんだお……)

( ^ω^)「あ、あのジョルジュさん。
    頼まれたって、ショボンさんが言ってましたけど」

23:◆XCUz.aHnWE
04/01(火) 23:39 0UoVv+080

 _
( ゚∀゚)「あぁ、俺が頼んだんだ。
    ブーン、ヒーロー役をするお前に言っておかなきゃならないことがある」

 _
( ゚∀゚)「本当のヒーローはどういうものだと思う?」


(;^ω^)「ほぇ!?……」

いきなりの質問に、ブーンは答えるのを躊躇した。

――ヒーローは悪い者を倒す者
そう思い付き、口に出そうとして、はたとやめる。

( ^ω^)(僕はショボン社長を助けるとき、悪者を倒してはいないお。
    結果的に助かったとしても、あれは僕だけの力じゃないお)

ブーンはショボンが自分をヒーローに選んだ理由を考えた。

――勇気。次に浮かんだ言葉。
ショボンは自分に勇気があると言った。
だから、答えた。

( ^ω^)「勇気が……あることだと思いますお」

24:◆XCUz.aHnWE
04/01(火) 23:40 0UoVv+080

 _
( ゚∀゚)「難しい質問だ。そうだろ?」

ジョルジュは暫く不敵に口端を吊り上げた。
 _
( ゚∀゚)「今はまだ、疑問に思っていてくれればいい。
    俺もまだ答えを見つけたわけじゃないからな」

ブーンはどことなく釈然としなかった。
結局、自分の答えは違うのか。
よくわからない。
 _
( ゚∀゚)「俺からの話は以上だ。
    ま、このことを念頭に入れてくれれば、幸いなんだが――」

突然、社長室の扉が開かれた。

ξ゚⊿゚)ξ「…………」

ブーンは振り向いて、彼女を見た。
彼女の方はジョルジュばかりを睨み付けている。
 _
(;゚∀゚)「お、おいツンじゃねぇか」

25:◆XCUz.aHnWE
04/01(火) 23:42 0UoVv+080

ξ゚⊿゚)ξ「ジョルジュさん、話があるわ」

彼女は毅然とした態度でジョルジュの前に立つ。
彼女の年齢はブーンと同じくらいに見える。

(;^ω^)(僕のことは目に入ってないようだお)
 _
(;゚∀゚)「なんだ? もう話すことはないはずなんだがな」

ξ゚⊿゚)ξ「簡単なことよ。
     あたしに何か役をちょうだい」

すると、ジョルジュは明らかに迷惑そうな顔つきになる。
 _
(#゚∀゚)「調子にのるなよ!
    お前が主役をやる話はもう潰れたんだ。
    今更やれる配役だってない」

ξ#゚⊿゚)ξ「なんでもいいわよ!
      せっかくの久々の仕事だったのに、簡単に手放せるわけないでしょ」

( ^ω^)(なるほど、どうやら潰されたスーパーヒロインものの主役がこの人かお。
    確かジョルジュさんはツンって言ってたお)

ジョルジュとツンは少しの間口論を続けていた。
ツンは自分に配役がほしいとの趣旨だが、ジョルジュは一向に受け入れようとしない。

26:◆XCUz.aHnWE
04/01(火) 23:43 0UoVv+080

 _
(#゚∀゚)「俺の書いたシナリオを変える気なんてねぇ!
    大人しく家帰って、放送されるのを見てろ!」

ξ#゚⊿゚)ξ「誰が見るもんですか!」

ツンは罵声を吐いてその場を去ろうと踵を返す。
と、そこでようやくブーンに気付いたようだった。

ξ゚⊿゚)ξ「…………あんた誰?」

(;^ω^)「……ブーンですお」

先程の喧騒を聞いていて、ブーンは引き攣らずに話せるはずがなかった。
ましてや自分が、ツンに代わった新しいヒーロー役などとは口が裂けても――

 _
( ゚∀゚)「あぁ、そいつはお前の代わりに来たヒーロー役だ」

言っちゃいました。

ξ゚⊿゚)ξ「へぇ……見ない顔ね」
 _
( ゚∀゚)「一般から引き抜いたからな。ズブの素人だ」

27:◆XCUz.aHnWE
04/01(火) 23:44 0UoVv+080

ξ ⊿ )ξ「…………」

ツンは俯いて、表情はブーンからはわからなくなる。

(;^ω^)「お……あの」

ブーンが言葉を言い終わらないうちに、ツンはさっと扉へ向く。

(。ξ⊿)「……」

ブーンの目に映る、光る何か。

( ^ω^)(……涙)

扉は強烈に閉められた。
途端に、ブーンは居ても立ってもいられず、扉に向かう。

( ^ω^)「ジョルジュさん、ありがとうでしたお。
    質問の答え、いつか必ず用意しますお」

28:◆XCUz.aHnWE
04/01(火) 23:44 0UoVv+080

ジョルジュの言葉を聞く前に、ブーンは扉を閉めて廊下に出た。
瞬間、辺りを見回してツンを探す。

ξう⊿゚;)ξ「……な、なに!?」

ツンはすぐ隣にいた。

(;^ω^)「あ、あの……その……」

( ^ω^)「すいませんでしたお」

ξ;゚⊿゚)ξ「はぁ?」

( ^ω^)「ブーンは別に自分からヒーロー役になったわけじゃないんですお。
    社長に気に入られたからヒーロー役になることになって……
    そのことがツンさんを傷つけてるなら、謝ろうと思って」

ブーンは一気に喋り、ツンの答えを待っていた。
ツンは暫く固まり、やがて口を開く。

29:◆XCUz.aHnWE
04/01(火) 23:45 0UoVv+080

ξ゚⊿゚)ξ「ばっかじゃないの!」

(;^ω^)「お!?」

ξ゚⊿゚)ξ「別にあんたなんかが謝ったところで、何にも変わらないでしょ。
     ま、あんたが直々にヒーロー役を降りるって言うなら考えてあげてもいいけど」

(;^ω^)「ちょ、それはちょっと困るお」

ξ゚⊿゚)ξ「当然、冗談よ。
     勝手にヒーロー役やればいいじゃない。あたしなんか構わなくていいわ」

( ^ω^)「で、でも」

ξ゚⊿゚)ξ「……? 何よ」

( ^ω^)「やっぱり、ツンさんに申し訳ないお」

ξ#゚⊿゚)ξ「あぁ、もう!」

痺れを切らしたツンは、イライラしながら人差し指をブーンに向ける。

ξ゚⊿゚)ξ「じゃあ私と約束して!
     ヒーロー役やって、凄い人気者になって、大成功してみせるって!」

30:◆XCUz.aHnWE
04/01(火) 23:47 0UoVv+080

(;^ω^)「約束……ですかお?」

ξ゚⊿゚)ξ「えぇ。むしろ命令かしらね。
      とにかく、あたしの後釜ならそのくらいしてよ」

ξ ⊿ )ξ「まぁ……あたしはどうせ見ないからどうってことないんだけど」

ブーンは頷いた。
強制的だが、そうしなければこの場は切り抜けられない。

ξ゚ー゚)ξ「それでよし。
      それじゃ、頑張ってね」

冷や汗を垂らすブーンをよそに走り去っていくツン。

(;^ω^)(見ないのに頑張らなきゃなのかお。
     ていうかさっきの涙は何だったんだお。わけわからんお)

(*^ω^)(でも……いい笑顔だお)




その日も、撮影は順調だった。
やがて、放送の日は近づく。

~第二話 終~

[ 2008/05/21 21:21 ] 中篇まとめ | TB(0) | CM(0)

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