ブーンミコ酢 ブーン系過去作まとめ

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( ^ω^)ブーンは謎の光を浴びてしまったようです

2 名前:名無しさん 投稿日: 2006/11/29(水) 12:45:08
( ^ω^)「くそあっちいお・・・」

日が沈みかけたニュー速を、一人歩く青年。

( ^ω^)「にしても、今日はツイてなかったお・・・・」

彼の名は内藤ホライゾン。どこにでもいるフリーターの青年である。

( ^ω^)「せっかくの休日だから買い物へ行ったって言うのに、目当てのものは売り切れてるし、帰りの電車で痴漢に間違われるし、バイト先にはそれが原因で首にされるし・・・・」

がっくりと肩を落しながら、ブーンはつぶやいた。
すでに日は暮れ、辺りは暗くなりつつある。

(#^ω^)「あー!今更ムシャクシャしてきたお!」

ブーンが腹いせに道端のゴミ箱からはみ出して落ちていた空き缶を蹴飛ばした、その時。

「キャアアアアアッ!」

女性の悲鳴が聞こえた。


3 名前:名無しさん 投稿日: 2006/11/29(水) 12:52:23
( ^ω^)「な、なんだお?!」

ブーンは聞こえた方向に走り出した。
女性の声がした方向へ進むにつれ、大きな道から反れ、人気のない脇道に入っていく。
そしてその脇道で女性を見つけた時、ブーンは見た。

( ;^ω^)「なんだお・・・・あれは・・・」

今までに見たこともないモノが、女性へと迫っている。
青黒く透明な鉱物のようなモノに、6本の足が生えている。
動いているから、生き物なのだろうか。
だが、とてもソレが生き物だとは思えなかった。

( ^ω^)「・・・!そんなこと考えている場合じゃないお!」

ブーンは我に帰り、路地の壁に何本か立て掛けられていた鉄パイプを握りしめる。
鉄パイプを振り上げながらそれに向かって走り出した。

(#^ω^)「うおおりゃあっ!」

叫び声と共に鉄パイプを思い切り振り下ろす。風を切る音がして、鉄パイプは音を立てソレに命中した、が。

「無茶苦茶かTEEEEEEEEEEEE!!!!111」

そのボディにはヒビすら入らない。むしろ鉄パイプが歪んでしまっている。
それでも、とりあえずこちらに気を向かせることは出来たようで、それはゆっくりとこちらを向いた。
とはいっても、体を反転させただけで、そこが頭かどうかは分からないが。
向き終わった瞬間、いきなり先端が鋭角な脚をブーンに向かって振り上げてきた。

( ;^ω^)「うわっ!」

ブーンは反射で後ろに飛んだが、僅かに腕に脚の先端が触れ、バランスを崩し尻餅をついた。
掠った腕を見ると、服の袖がスッパリ切れて、そこから覗く腕には一文字に切れた傷が出来て、赤い血が滲んでいる。
ブーンはすぐに前を向いて、鉄パイプを握り締め直す。が、いい手は思いつかない。

( ;^ω^)「ヤバイお・・・全くもって勝算が無いお・・・・」

ならば、取る手段は一つ。
ブーンは鉄パイプをソレに投げつけ、猛ダッシュで女性の元に駆け出した。
三十六計逃げるに如かず!
かなり若い人だ。自分と同じ位の年だろうか。腰が抜けたのか、その場に座り込んでしまっている。

( ^ω^)「大丈夫ですかお!?」

ブーンは女性の脇に駆けつけ、女性を起こそうとするが、なかなか上手くいかない。
そうこうしているうちに既にあの奇妙なモノはこちらを向いていた。
ソレは何やら自身の顔・・・だと思われる部分の前に光の球を作り出している。
だんだん球は大きくなっていく。ブーンは直感した。

( ;^ω^)(なんだか分からんけど、ヤバイお!)

球の膨張が止まった。

( ;^ω^)「危ない!」
「キャッ!」

女性を咄嗟に突き飛ばした次の瞬間、女性がさっきまでいた位置・・・今ブーンがいる場所に向かって閃光が迸り、ブーンに命中した。


4 名前:名無しさん 投稿日: 2006/11/29(水) 12:58:54
(;^ω^)「うおっ!まぶしっ」

目を瞑り、背を向けるブーン。完全に閃光がブーンを包み込む。

やがて閃光は徐々に弱まり、遂には消えた。
ゆっくりと目を開いたブーンは、すぐに自分の体を見回した。
だが、外傷は見受けられない。

(;^ω^)「なんだったんだお・・・・・?」

ブーンがそう呟いたその次の瞬間。

(;゚ω゚)「・・ッ!・・・グウゥッ・・・・」

ブーンは心臓を締め付けられるような感覚と、体全体が焼けるような凄まじい痛みを感じた。

(;゚ω゚)「ア゛ア゛ア”ッ!!111」

悲痛なうなり声が響く。

ブーンに閃光を浴びせた奇妙な物体は、ゆっくりとこちらに向かってくる。

「・・・・・・・・。」

女性はもはや恐怖で言葉を発せない。

(;゚ω゚)「う・・・・っく・・・!」

ブーンは何とかして起き上がろうとするが、激痛のせいか全身に力が入らない。
意識が遠のいていく。

アレはもう一度赤い球を作り出している。今度こそ女性に当てる気だろう。

(;゚ω゚)(あの人を・・・助けないと・・・・)

その時。

ダダダダッ、と沢山の駆け足の音が聞こえた。

「目標を発見!」

突然戦闘服に身を包んだ人達が現れ、女性とあのモノの間に割り込んだ。

「食らいやがれ!」

戦闘服の一人が、持っていたマシンガンをアレに向けて発砲。
物体は金属がぶつかり合うような音と共に体を削られ、火花を散らせながら後退していく。

目の前が霞む。ブーンは、自分が助けようとした女性が彼らに助けられるのを見て、そして自分にも駆け寄る人を見ながら倒れた。


5 名前:名無しさん 投稿日: 2006/11/29(水) 13:03:54
暗闇。
どこまでも続いていそうなその漆黒の中に、ブーンはいた。

「いよぅ。」

唐突に後ろから声がしてブーンが振り向いた先には、

(=゚ω゚)ノ「どうもだよぅ。」

自分より少し年下のような少年が片腕を挙げて立っていた。

( ^ω^)「誰だお?」
「僕はいよぅとでも呼んでくれればいいよう。」

いよぅは上げていた手を降ろす。

(=゚ω゚)ノ「突然で悪いんだけど、しばらく君の中にお邪魔するよぅ。」
( ^ω^)「・・・・・はぁ?」
(=゚ω゚)ノ「・・・・・・もう時間だよぅ。」
( ^ω^)「え?ちょtt・・・・・」

そういっていよぅの身体は段々と消えていった。

( ;^ω^)「・・・・・・なんだったんだお・・・・」

ブーンがそう呟いた瞬間、

(;^ω^)「うわっ!」

足元が無くなる感じがして、ブーンは落ちていった。


6 名前:名無しさん 投稿日: 2006/11/29(水) 13:12:01
( ^ω^)「う・・・」

ブーンが意識を取り戻し、上半身を起こすと、そこは一室のベッドの上だった。

( ^ω^)「ここは・・・・?」

辺りを見回す。

( ^ω^)「・・・・なんか忘れている気がするお・・・・」
何だろう。何か夢を見たような気がするが、思い出せない。

「あ!」

いきなり声がして、ブーンはビクっと体をすくめた。

ξ゚⊿゚)ξ「ごめんなさい、驚かせちゃった?」

声のする方を向くと、そこには金髪の巻き毛の女性が立っていた。
ブーンには見覚えがあった。
あの時あの化け物に襲われていた女性だ。

( ^ω^)「あのー・・・ここは?」
ξ゚⊿゚)ξ「あ、ここは病院。アナタあの後倒れちゃったでしょ。」
( ^ω^)「あー・・・なるほどだお・・・」

改めてよく見回してみれば、そこは確かに病室のようだった。

( ^ω^)「僕はどれ位眠っていたんですかお?」
ξ゚⊿゚)ξ「二日よ。」
( ^ω^)「二日・・・・。」

ξ゚⊿゚)ξ「私はツンデレ。皆からはツンって呼ばれてるわ。アナタは?」
( ^ω^)「あ、内藤ホライゾンですお。ブーンって呼んでくれればいいですお。」

ツンに自己紹介しつつ、ブーンはまだ少し混乱していた。
女性を助けようとして、変な光を浴びて、確か倒れる前に、戦闘服の人が来て・・・
彼らは一体誰だったのだろう?

ξ゚⊿゚)ξ「あ、それから・・・・」
( ^ω^)「? なんですお?」
ξ///)ξ「あの時は・・・・・・その・・・・・・アリガト・・・・・・」

ツンが顔を真っ赤にしながら、小さくお礼を言った。

( ^ω^)(うはwwwwwテラ萌えスwwwwwww)

( ^ω^)「いえいえw」

その時、ドアが開いて、やや落ち込み気味のような顔の男性が入ってきた。


7 名前:名無しさん 投稿日: 2006/11/29(水) 13:18:44
(´・ω・`)「やぁ。起きたみたいだね」
( ^ω^)「!・・・アナタはあの時の・・・・」

あの時自分に駆け寄ってきた男性だ。

(´・ω・`)「覚えていてくれたんだ。うれしいね。」

ショボくれた顔を少し嬉しそうにして、男性は手に持っていた紙袋からボトルを取り出した。

(´・ω・`)「僕はショボン。それから、これはお見舞いのテキーラ・・・」
ξ゚⊿゚)ξ「隊長!彼は一応病人です!」
(´・ω・`)「冗談だよ。冗談。」

( ;^ω^)(よく分からん人だお・・・・)

どうやらツンとショボンも知り合いのようだ。

(´・ω・`)「さて、僕からも、彼女を助けて貰ったお礼をさせて貰う。有難う。内藤ホライゾン君」
( ^ω^)「!・・・どうして僕の名前を?」

ブーンと彼は面識が無いはずだ。

(´・ω・`)「ちょっとね。君の周りのことは調べさせてもらった」

ショボンはその後数分間でブーンの悲惨かつ情けない経歴やら学歴やら思い出したくない色々な思い出を一通り全て思い出させてくれた。

(´・ω・`)「・・・ってところかな。何か間違ったところはあるかい?」
( ^ω^)「・・・・全て事実ですお・・・というかなんでそんなことまで・・・」
ξ;゚⊿゚)ξ「・・・・・」

ブーンはツンが後ろから哀れみの視線を送っているのを感じながら、肯定した。

(´・ω・`)「それで、本題なんだけど・・・・」
( ^ω^)「本題・・・・ですかお?」
(´・ω・`)「今の君についてちょっと、ね。」


8 名前:名無しさん 投稿日: 2006/11/29(水) 13:26:54

(´・ω・`)「うん、それで、ここからが本題の本題なんだけど・・・」
(´・ω・`)「さっき言ったように、光を浴びた人は「結晶化」するんだけど・・・光を浴びたその時点で「結晶化」することが確認されている。」
(´・ω・`)「しかし君は光を浴びたはずなのに、君は今こうしてちゃんとしている」
( ^ω^)「・・・?どういうことですかお?」
(´・ω・`)「つまり、君は「結晶化するはず」なのに「していない」のさ」
( ^ω^)「はぁ・・・」
(´・ω・`)「僕らもそんな症例は見たことが無いし、この後君がどうなるのかは分からない。」
(´・ω・`)「だから、君の安全の為にしばらくはここで過ごして貰わなくちゃならない。」
( ^ω^)「・・・・・わかりましたお。」
(´・ω・`)「・・・というのが本題だったんだけど、何か質問とかあるかい?出来る範囲でなら答えるけれど。」

質問したいことなんて山ほどある、とブーンは思った。
そもそも自分が置かれている状況をうまく飲み込めていなかった。

( ^ω^)「じゃぁ・・・僕はいつまでここにいればいいんですかお?
(´・ω・`)「・・・そうだね。君の安全が完全に保障されるまでは、ここにいて貰わなくちゃ困るんだ。外出位はツンが付き添うならいいよ。」
( ^ω^)「アナタは一体誰なんですかお?」
(´・ω・`)「・・・ショボンは本名だよ。それ以外は答えられない。」
( ^ω^)「僕を助けてくれた人たちは?」
(´・ω・`)「・・・それも答えられない。」
( ^ω^)「FOXはどうやって出てきたんですかお?」
(´・ω・`)「それも答えられない。」
( ^ω^)「・・・・・・・・・・
(´・ω・`)「他に何か?」
( ^ω^)「いえ・・・もういいですお。」

このまま質問を続けても、「答えられる範囲」に、ブーンの知りたいことは無いと、ブーンは思った。恐らくは、世間にも知られていることしか答えてはくれないだろう。
落ち着いて考えてみれば、一般人であるブーンに、情報操作しなければならないほど極秘なことを教えられるわけが無いのだ。

(´・ω・`)「そう。じゃぁ、僕はこれで失礼するよ。君の世話はツンがやってくれるだろう。」
( ^ω^)「・・・・・・わかりましたお。」
(´・ω・`)「じゃぁ、頼んだよ、ツン。」
ξ゚⊿゚)ξ「了解です。」

ショボンはそう言って足早に部屋から出て行った。


9 名前:名無しさん 投稿日: 2006/11/29(水) 13:32:37
( ^ω^)「・・・・・・」

ブーンはしばらく黙っていた。今の自分の状況を整理しようと勤める。
だが、一向にまとまらない。頭に浮かんでくるのは限りないクエスチョンマークだけだ。

ξ゚⊿゚)ξ「ごめんね・・・・。」
( ^ω^)「え?」
ツンが申し訳なさそうに言った。
ξ゚⊿゚)ξ「アナタはあたしを助けてくれたのに、アタシは何も話せないの。」

( ^ω^)「・・・別に気にしてないお」
( ^ω^)「ショボンさんも大変そうだったし、どうせバイトも首になったところだし、飯が満足に食べられるならいいおw」

そういってブーンは笑った。

ξ゚⊿゚)ξ「そう・・・ありがとね・・・。」

その日の夜。

「いいんですか?」
「何が?」
「彼にあのことを伝えなくても・・・」
「・・・FOX因子のもう一つの効果についてかい?」
「ええ。FOX因子は人体を「結晶化」させる他に・・・」
「FOXに変異させる場合がある・・・・か。」
「・・・・彼は当事者です。それくらいのことは知ってもいいと思いますが。」
一瞬の沈黙。

「隊長・・・彼は・・・FOXになってしまうのでしょうか。」
「さあね・・・それは分からない。まだ検査の結果も出ていないしね。」
「それに、普通なら結晶化もFOX化も、すでに起こっているはずだからね・・・」
「・・・・・・」
「とりあえず、様子を見よう・・・・」

一方、ブーンの病室では・・・

( ^ω^)「・・・ZZz・・・・・・・ZZz・・・・」

この後に自分を待ち受ける運命など知る由も無いブーンが、安らかに寝息を立てていた。


10 名前:名無しさん 投稿日: 2006/11/29(水) 13:33:12
今日はここまでです。
失礼しました。


11 名前:名無しさん 投稿日: 2006/11/30(木) 11:50:06
ブーンが入院してから、三日が経った。
病院での生活に慣れたブーンは、それなりの生活を送っていた。
あれ以来、ショボンに会っていない。
未だに自分の症状すら教えてもらえないことに少し苛立ちを感じ始めていたし、
ツンに聞きただそうと思ったことはあったが、結局そうはしなかった。

今は病院からの外出許可を貰い、ブーンはツンと病院近くの公園を並んで歩いていた。
とは言っても、もう日は沈んで、辺りは真っ暗。勿論人気などない。
等間隔に立っている電灯の光だけがブーン達を照らしていた。

( ^ω^)「ツンはずっと僕に付き添ってくれているけど、仕事とかは大丈夫なのかお?」
ξ゚⊿゚)ξ「え?・・ええ、大丈夫よ。隊長からの許可も貰っているし」
( ^ω^)「そうかお。なら良いお」


ツンはショボンを隊長と呼ぶ。多分彼女はショボンの元で何らかの仕事をしているのだろう。
それが何の仕事かと言う質問には、やはり教えてくれなかったが。

それでも、幾らブーンが命の恩人とはいえ、さらにショボンからの命令とはいえ、見ず知らずの男性の世話を何の文句も言わずこなしてくれるツンに、ブーンは感謝していた。
スタイルも良いし、キツめの口調は優しい性格の裏返しだし、良い娘だな、ブーンは思っていた。
ただ、それを口にする勇気は無かった。なんかオヤジ臭い気もしたので。

ξ゚⊿゚)ξ「どうしたのよ?黙りこくっちゃって。」

ツンがややうつむき気味のブーンの顔を下から覗き込んだ。
その仕草が可愛らしすぎて、ブーンは慌てて顔をそむけた。顔が熱くなるのを感じる。

(;^ω^)「な、なんでもないお!ちょっと考え事していただけだお・・・」
「そう?ならいいけど・・・」

(;^ω^)(・・・いかんお・・・・たぶん顔真っ赤だお・・・)
(;^ω^)(というか全身が熱いお・・・)

ブーンはそれに違和感を感じた。顔が火照っているのは赤面しているせいだろうが、体全体が火照っているような感覚がある。風邪でも引いたかな・・・・?

ξ゚⊿゚)ξ「ちょっと、ブーン?本当に大丈夫?」

そうツンが声を掛けた瞬間。

「うわぁああっ!」

ブーン達は叫び声を聞いた。


12 名前:名無しさん 投稿日: 2006/11/30(木) 12:14:02
ブーン達が叫び声の方向を見ると、頭にネクタイを巻いた中年のオヤジが尻餅をついている。
その視線の先には・・・・・・

ξ゚⊿゚)ξ(FOX・・・・・・!?)

オヤジはすぐさま立ち上がって一目散におぼつかない千鳥足でこちらへ逃げてきて・・・・・・
通り過ぎた。
こちらのことなど見えていないようだった。

ξ;゚⊿゚)ξ「とにかく、ここから離れないと・・・。・・・ブーン!?」

ツンが振り返ると、ブーンが胸を抑えながら倒れていた。

(;^ω^)「ぐっ・・・・・・!」
(;^ω^)(またかお・・・・・・!)

ブーンはあの光を浴びたときと同じ激痛に襲われていた。

ξ゚⊿゚)ξ「ブーン!?大丈夫!?」

ツンがブーンの横に駆け寄って来る。

(;^ω^)「だい・・・・・・じょ・・・・・・」

なんとか返事をしようとするが、体中が焼け付くように痛む。喉も焼けたような痛みに刺され、うまく発音が出来ない。

ξ゚⊿゚)ξ「ブーン!しっかりして!ブーン!」

ツンの声を聞こえる。ブーンは何とか体を起こそうとするが、全く力が入らない。

カツン、と音がした。

ツンが振り向くと、FOXがこちらに歩んでくるのが見えた。
ξ;゚⊿゚)ξ「あ・・・・・・」

手足の生えた結晶のようなフォルム。何処が顔なのかは分からないはずなのに、ツンはFOXの視線を感じた。
人々はすでに逃げていなくなっている。助けは求められそうに無い。

ξ;゚⊿゚)ξ(ヤバ・・・・・・)

ツンはそう思った。ブーンは身動きが取れない。かといって、ブーンを置いていくことも出来ない。
そうこうしている内にFOXは確実にこちらに近づいてきている。

ξ;゚⊿゚)ξ「逃げるわけにはいかないわね・・・・・・」

ツンは手を握り締めた。


13 名前:名無しさん 投稿日: 2006/11/30(木) 12:28:30
ブーンは辛うじて意識を保っていた。

(;^ω^)「うっぐ・・・・・・」

依然体には力が入らず、激痛が身を襲っている。ただそこにうずくまる事しか出来ない。
目の前にはツンとFOXがいる。ツンは抵抗するつもりなのだろう、ブーンの前に立ち、身構えていた。

(;^ω^)(無茶だお・・・・・・)

ブーンが誰より分かっていた。男性の全力で鉄パイプで殴りつけても傷一つ付かない相手に、女性が、しかも素手で立ち向かうなど、自殺行為に等しい。

ツンもそれを悟ったのだろう、FOXに警戒しながら、辺りに武器となるものを探し始めた。
しかし、あたりに手ごろなものは無い。

ξ゚⊿゚)ξ「どうしよう・・・・・・」

そう呟いて、ツンは一瞬だけブーンのほうを見た。その隙を、FOXは見逃さなかった。

(;^ω^)「危ない!」

必死に絞り出したブーンの声で、ツンは素早く向き直ったが、それ以上にFOXの動きは素早かった。
FOXがグン、とツンに接近して、

ξ;゚⊿゚)ξ「きゃあっ!」

前脚でツンの体を数メートル吹き飛ばし、ツンは道脇の草むらに投げ出された。

(;^ω^)「ツン!」

倒れているブーンには目も暮れず、FOXはツンの方向に歩いていく。
立ち止まり、そのままツンを見据えながら、FOXは目の前に紅い光の玉を形成し始めた。
ブーンが受けたあの光だ。

ツンは倒れたまま動かない。

(;^ω^)(くそっ!)

このままではツンが結晶化されてしまう。
だがブーンは何も出来ない。光は大きくなるばかりだ。

(;^ω^)「やめ・・・る・・・・・・お・・・・・・」

ブーンが叫んだつもりの声は、掠れて叫びにならない。

光の玉が膨張を止めた。

(;^ω^)「やめろーーっ!!!!」

何かが裂けるような音と共に、FOXから紅い閃光が走った。


14 名前:名無しさん 投稿日: 2006/11/30(木) 12:45:58
しかし、それはツンには命中しなかった。

なぜなら、ブーンがツンを抱きかかえてその横に立っていたからだ。

( ゚ω゚)「・・・・・・。」

ブーンは自分が何をしたのか分からなかった。それなのに今、自分はツンを抱きかかえて立っている。
ツンは気絶しているようだ、ぐったりとしている。
FOXはゆっくりとこちらに向いた。
ツンを道の脇にそっと降ろし、ブーンはFOXを見据えた。
そしてゆっくりと自分の体を見た。変わり果てた自分の姿を。
指や肩の部分が鉱石のようになっている。腕は肩まで青黒く変色していた。
それはまるであの化け物のように。
足の方も恐らくは上半身と同じようになっているだろう。
が、ショックを受けている場合ではない。
彼女を守らなければ。

( ゚ω゚)「おおおっ!!」

ブーンはFOXに向かって走り出した。体が空気のように軽い。
常人の比ではない速度で向かってくるブーンに、FOXが足を横なぎに払った。
ギリギリのところで避けて、ブーンはFOXの横側に回り込む。

( ゚ω゚)「んぎぎ・・・・・・」
FOXの胴体を爪でガッチリと掴み、思い切り振り回す。十分に勢いが付いたところで、

( ゚ω゚)「うりゃあっ!」

近くのトイレへとブン投げた。
FOXはトイレに激突し、ガラガラと大きな音を立てて建物が崩れる。
ブーンはそこであることに気付いた。

( ゚ω゚)「身体能力が上がってる・・・・・・?」

確かに力仕事は得意なほうだったが、こんなにまでじゃない。

完全に崩壊した建物の瓦礫の中から、FOXがゆっくりと立ち上がった。
あまり、というか殆どダメージを負っていないようだった。

( ゚ω゚)「・・・・・・」

ブーンはゆっくりとFOXに向かって歩いていく。
ブーンが数歩FOXに歩み寄ったとき、FOXが低く跳躍し、ブーンに向かってきた。
その体当たりをブーンは横っ飛びに避ける。
FOXはそのまま木に激突し、木はメキメキと音を立てて倒れた。
もう一度ブーンに向かってFOXが体当たりを繰り出す。
ブーンは避けなかった。

( ゚ω゚)「ぐう・・・・・・っ!」

FOXの体当たりをモロに受けながらもFOXを掴み、地面と足の裏を摩擦させながらずり下がる。

突進を止めた後、ブーンは両手を組み合わせて、

( ゚ω゚)「おおおおっ!!」

思い切りFOXに振り下ろした。
衝撃と共にFOXが地面に叩き付けられ、足元の地面が凹む。
今まで全く傷の付かなかったFOXのボディにひびが入った。

( ゚ω゚)「らあああああっ!!!」

もう一度。ブーンの一撃がFOXを打ち据える。地面が一層その凹みを大きく、深くする。
その衝撃に、二度もFOXのボディは耐えられなかった。
一撃目で入っていたヒビが大きくなり、体を突き抜けて、FOXは音を立ててコナゴナになった。
細かく砕けた結晶がキラキラと空中を舞って、やがて粉末状になって、風が運んでいった。

( ゚ω゚)「ハァ・・・・・・ハァ・・・・・・」


ブーンは膝に手を付いた。身体が徐々に戻っていく。青黒かった肌は本来の色を取り戻し、硬質化していた指先や肩も元に戻る。
完全にブーンが人間のブーンに戻った後、ブーンはそのまま倒れこんだ。


15 名前:名無しさん 投稿日: 2006/11/30(木) 13:18:15
( ^ω^)「う・・・・・・?」
ブーンは意識の復活をまたも病室のベッドの上ですることになった。
ξ゚⊿゚)ξ「ブーン・・・・・・!良かった・・・・・・!」

ベッドの脇にはツンがいた。頬にガーゼが当てられている。FOXにやられた痕だ。
ふと自分の手に温かみを感じた。見るとツンの両手がブーンの手を握っている。
何か夢を見ていたような気がするが、またも思い出せなかった。

( ^ω^)「ツン・・・・・・ずっといてくれたのかお?」
ξ///ξ「べ、別にアナタが心配だったわけじゃないわよ!」

握っていた両手を素早く離し、真っ赤になりながら顔をそらした。

( ^ω^)「・・・・・・ごめんだお」

普段ならば
( ^ω^)(ヤベwwwwwマジカワユスwwwwwwwww)

などとほざいているのだろうが、今のブーンはとてもそんな気分ではなかった。
公園でのことが頭から離れない。同時に、あんな目にあわせてしまったツンに申し訳なくて、ブーンは下を向いたままだった。

( ^ω^)「僕が倒れたりしなかったら、ツンはそんな怪我しなかったお。」
ξ゚―゚)ξ「いいのよ、そんなこと。それに結局アナタは私を助けてくれたじゃない。」

ツンは、FOXを倒したブーンが倒れる直前に目を覚ましていたらしい。
ブーンが倒れた後、救援を呼んだのもツンだそうだ。
一通りの事情を聞いて、ブーンは「そうかお・・・・・・」と力なく呟いた。

ξ゚⊿゚)ξ「また借り作っちゃったわね。」

そういってツンは立ち上がり、ベッドから離れ、コーヒーを入れ始めた。

( ^ω^)「・・・・・・ツンは」
ξ゚⊿゚)ξ「・・・・・・何?」

ツンは振り向かない。

( ^ω^)「ツンは・・・・・・あのときの僕を見たのかお」
ξ;゚⊿゚)ξ「え・・・・・・」

ツンはブーンが倒れる前に目を覚ましていたと言った。それなら。

( ^ω^)「あのときの僕は・・・・・・あの化け物みたいだったんじゃないかお?」
ξ;゚⊿゚)ξ「・・・・・・」

コーヒーのカップを持ったまま動かないツンに、ブーンは問い詰めた。
もしかしたらあれは夢であったかもしれないと思いながら。
ツンの傷が「ありえない」と主張しているのに。
どうしても、聞かずにはいられなかった。

( ^ω^)「僕は・・・・・・あんな化け物になろうとしているのかお?」
ξ;゚⊿゚)ξ「それは・・・・・・」
( ^ω^)「本当のことを言って欲しいお。」

その言葉を最後に、病室が静まり返る。
耐え難い沈黙。殆ど肯定のようなその無言が、ブーンを締め付けた。

その時、病室のドアが開いた。


16 名前:名無しさん 投稿日: 2006/11/30(木) 13:32:03
(´・ω・`)「やぁ、ちょっといいかな。」

そこには、どこか情けない顔の、男性が立っていた。

「ショボン隊長・・・・・・」
(´・ω・`)「ブーン君に話があってね。ここ、いいかな?」

そういってショボンはベッド脇の椅子に腰掛ける。

( ^ω^)「・・・・・・何ですかお。」

明らかにショボンに対して不機嫌さを滲み出させているブーンに、ショボンは相変わらずの口調で話しかける。

(´・ω・`)「君のことについてね。」

ショボンの目つきが変わった。

(´・ω・`)「ツンから話は聞いた。」
( ^ω^)「・・・・・・そうですかお。」

(´・ω・`)「・・・・・・この前話したように、君は「FOX因子」に侵されている。」
( ^ω^)「・・・・・・。」

ブーンは黙ってショボンの話を聞いている。

(´・ω・`)「本来なら「結晶化」しているところだけど、君は何故か発症していない、という話もしたよね。」
( ^ω^)「・・・・・・。」

ブーンの沈黙とショボンの話は続く。

(´・ω・`)「で、今回の件で突然豹変して、FOXを撃退した。」
( ^ω^)「僕は、」

唐突にブーンが口を開く。

( ^ω^)「僕はあの時、あの化け物と同じようでしたお。僕は・・・僕は、あの化け物みたいになるんですかお?」

ツンにも問いかけたことを、ショボンにも突きつける。
だが、ショボンは冷静だった。

(´・ω・`)「それはまだ分からない。言ったろう?僕らにもまだ完全に君の症状を把握できてはいないんだ。」

嘘だ。ブーンは直感した。

(´・ω・`)「しばらくはやっぱりここで過ごしてもらわなきゃならないと思う。」

(  ω )「・・・・・・もういいお・・・・・・」

ブーンが呟いた。
苛立ちが限界に来てしまった。
もうこの僕に何も教えてくれないこの状況に耐えられない。

(#^ω^)「もう良いって言ってるんだお!出ていってくれお!」
ξ゚⊿゚)ξ「ブーン!?落ち着いて・・・・・・」

ツンがなだめようとするが、ブーンは両腕を振り回しツンを遠ざける。
ベッド横のテーブルが倒れ、置いてあったりんごを乗せた皿や花瓶が大きな音を立てて床に落ちた。

(#^ω^)「もう沢山だお!何も聞きたくないお!出て行ってくれお!」

(´・ω・`)「・・・・・・分かった」

ショボンは椅子から立ち上がって、

(´・ω・`)「すまない。」

そう一言だけ言い残して、部屋から足早に出て行った。

再びの沈黙。

(  ω )「ツンも・・・・・・出て行ってくれお・・・・・・」

辛うじて涙声にならないように出したその声は、とても情けなく、力無かった。
ツンは何も言わず、落ちて割れてしまったりんごや皿と花瓶の欠片を拾う。
全てを片付け終えると、

ξ  )ξ「ごめんね・・・・・・」

そう涙声ながらに謝って、部屋を出て行った。
ツンの目から零れ落ちた涙が、頬のガーゼに吸い込まれるのを、ブーンは見た。

自分以外誰もいなくなった病室。

( ;ω;)「おっ・・・・・・おっ・・・・・・」

その病室で、ブーンはベッドから上半身を起こしたまま、泣き始めた。

( ;ω;)「おっおっ・・・・うう・・・・・」

なぜこんな目に自分は遭っているのだろう?誰のせいで?
あの時FOXに襲われたツンのせい?助けに来るのが遅かったショボンたちの部下のせい?それともあの光を避けられなかった自分のせい?
ブーンの中で渦を巻く怒りと悲しみは、そのベクトルを向ける方向を見つけられなかった。


17 名前:名無しさん 投稿日: 2006/11/30(木) 13:32:15
次の日、ブーンは誰とも会うことを拒んだ。
ツンですらも、ブーンに「入らないでくれお。」の一言で一蹴されてしまった。
食事すら取らず、ただ一人で、病室で何かを考えていた。

ξ゚⊿゚)ξ「・・・・・・・」

日が沈み、ツンは再びブーンの病室の前に訪れた。
どうしても放って置けない。そう思ったから。それがブーンに本当のことを黙っている自分の身勝手だとも知りながら。
ノックをして、中にいるはずのブーンに声を掛ける。

ξ゚⊿゚)ξ「ブーン?」

返事は無い。

ξ゚⊿゚)ξ「せめて食事位は摂らないと・・・・・」

やはり返事は無い。

ξ゚⊿゚)ξ「ブーン?」

ツンはもう一度彼の名前を呼ぶが、いつまで経っても彼の声は聞こえない。
おかしい。
ツンは直感し、ドアを開けた。鍵はかかっていなかった。

ξ゚⊿゚)ξ「・・・・・!」

病室の中にブーンの姿は無く、開いた窓から入り込む風にカーテンが揺れていた。

ξ;゚⊿゚)ξ「ブーン・・・・!」


18 名前:名無しさん 投稿日: 2006/11/30(木) 14:15:34
ブーンは無意識のうちに病院を抜け出し、気付くと街中をあても無く歩いていた。服装もパジャマのままだ。
通り過ぎる人々の不審そうな目線も気にならない。
自分はどうすればいいのだろう。ただそのことだけがブーンの中に渦巻いている。
化け物となった自分に、行く場所など無い。それにこれから先自分の体に何が起こるか分からない。
そんな自分に、誰が接してくれると言うのだ。ツンですら躊躇していたのに。
そんな考えが、ブーンの心を絶望にジワジワと塗りつぶしていく。
ため息すら出なかった。

( ^ω^)「・・・・・・・・」

いきなり、ブーンの肩に誰かがぶつかった。謝りもせず走っていく。
ブーンは一旦振り返ったが、すぐに前を向いた。
見えたのは、こちらに向かって走ってくる大勢の人達だった。
誰も彼もが必死な形相で、持っていた荷物を投げ出してまで走ってくる。

( ^ω^)「なんだお・・・・」

異様な光景に、思わず呟いたブーンは、怪獣映画に出ているエキストラみたいだ、と思った。
まるで、何かから一目散に逃げているようだと。
そして、その予想は的中した。
人々がブーンの前から後ろに逃げていくにつれ、段々と前方の光景が見えてくる。
その先にいたのは、FOXだった。
前の二体とは違う。ケンタウロスのようなボディに、六本のうちの二本は地面を離れ、大きさもブーンの5倍ほどはある。目の前にあるものを、その二本の腕で薙ぎ払いながらこちらに向かってくる。

( ^ω^)「・・・・・・・」

ああ、そうか。
ブーンは理解した。なんでこんな簡単なことに気付かなかったんだろう。
そうだ。ツンを襲ったのも、僕に勝手に何かを植え付けて、こんな体にしたのも。
全部、アイツのせいだ。

( ^ω^)「アイツが・・・・全部・・・・・」

瞬間、激しい怒りが体の中で渦巻いた。
行き先の無かったベクトルが集中し、ブーンの脳を沸騰させていく。

(  ω )「・・・・だお・・・・」

硬く握った拳を震わせながら、目の前で暴れているそれに、ブーンは怒鳴った。

( #゚ω゚)「なんなんだお!お前はーーーっ!」

ブーンの体が赤黒く染まり、指先が硬質化していく。
そして、ブーンは半FOX化した。


19 名前:名無しさん 投稿日: 2006/11/30(木) 14:16:38
( ゚ω゚)「おおおおっ!」

ブーンは足の力を最大限利用し、前に駆けた。まるでその怒りのベクトルをそのまま勢いにしたようなスピードで、FOXとの距離をみるみるうちに縮めていく。
FOXもこちらの存在に気が付いたらしかったが、ブーンは勢いをとどめない。そのままのスピードをもってFOXの懐に入り込む。相手の身の丈が高い分、足元は絶好の死角だ。

( ゚ω゚)「くらえっ!」

助走の勢いを生かし、ブーンはFOXの胴体に右腕で強烈な打撃を打ち込んだ。
衝撃がブーンの腕にも伝わり、空気がビリビリと震えるような感覚を感じた。
が、FOXはひるみもしない。前の二体よりも更にその身体は強固だ。
FOXは四本の内の一本、前の左足を上げて、ブーンに向かって打ち下ろす。

( ゚ω゚)「ふっ!」

ブーンはそれを余裕を持ってさけ、一旦距離をとる。
今度は思い切り高く、やや斜めに飛んだ。ビルの側面に足をつき、もう一度跳躍する。
道の両端の建物を利用して、ブーンは飛び回った。
戦術に関してなら、アクションゲームばかりやってきたブーンには腐るほど思いつく。
そして、今ならそれを実行する力もあった。
FOXがブーンを完全に見失ったのを見計らって、横に突き出した電灯に逆さに捕まり、
勢いをつけて急落下。空中で体制を立て直してFOXの背中に踵落としを食らわせる。
硬質化した足から繰り出された一撃は、恐らくはその足と同じ構造のFOXにヒビを入れた。
だが、FOXはそれを全く気ににしてはいないようだった。

( ゚ω゚)「がっ!?」

空中にいるブーンは、格好の的だった。FOXが裏拳の様に繰り出した腕が、ブーンの体に直撃した。
辛うじて片腕でのガードは間に合ったが、ブーンはそのまま吹き飛ばされた。
軽く十数メートルは吹っ飛んで、ブーンは地面に激突。そのままバウンドしながら転がった。


20 名前:名無しさん 投稿日: 2006/11/30(木) 14:18:31
( ゜ω゜)「ぐっ・・・くそっ!」

起き上がったブーンに、FOXは素早い追撃を仕掛けてきた。
もう一度腕を横薙ぎに払ってくる。今度はギリギリのところで後ろに避けたブーンは、もう一本の腕の横払いを今度は相手に突っ込むような形でかわして、もう一度そのまま足元へと駆けた。
突き下ろされる前右足をくぐり抜け、後ろ右足に向かって跳躍する。
狙うは、足と胴体を繋ぐ細い結合部。ブーンは前のFOXとの戦いの時のように手を組み合わせ、その結合部へとまるでダンクシュートをするように腕を思い切り振り下ろした。

バキッという音と共に、結合部は折れた。足を一本失ってバランスを崩し、倒れそうになっているFOXの下から脱出する。
振り返ってみると、FOXは辛うじてバランスを保ったようだった。不安定な体制で立っている。
ブーンが追撃のためにもう一度跳躍の体勢を取った、その時。

ガキンチョA「な、何だアレ!」

FOXとブーンが同時に振り向いたその先には、路地裏から出てきたのであろう、中学生あたりの男子が三人いた。
FOXを見て腰が抜けたのだろうか、その場に座り込んでしまっている。

( ;゜ω゜)(なんでこんなところに!)

アレだけ騒いでいたのに気付かなかったのか!一体何をしていたんだ!
今更そう思っても遅い。FOXは目標を変えた。恐らくはブーンよりも三人組のほうが楽にやれると思ったのだろう。
何とかして彼らを守らなければ。

だが三人組への距離はFOXのほうが遥かに近い。間に合うか。
三人組は腰を地面につけたままずるずると後退するが、FOXとの距離は確実に縮まっていく。

( ゚ω゚)「おおおおっ!」

ブーンはありったけの脚力を持って駆け出した。
踏み込んだ地面を凹ませ、鈍い衝撃音と共に跳躍する。

( ;゚ω゚)(間に合え・・・ッ)

FOXの足の間を抜け、三人組の前に着地。そして・・・


21 名前:名無しさん 投稿日: 2006/11/30(木) 14:19:51
( ;゚ω゚)「ガッ・・・ハッ・・・・!」

間に合った。
FOXに背中を向けて三人組の前に仁王立ちした格好で、ブーンはモロに強烈な打撃を食らった。

だが吹き飛ぶわけにはいかない。足を踏ん張って、その場に踏みとどまる。ブーンが足を突いている地面が凹む。
FOXからの追撃がブーンの背中を打ち据えるが、それでもブーンは退かなかった。

( ;゚ω゚)「早く・・・逃げるお・・・・」

背中に激痛を感じながら、ブーンは三人組に言った。

ガキンチョB「う・・・うわわ・・・・・・」
(#゚ω゚)「腰なんか抜かしてる場合じゃないんだお!!早く行くんだお!!」
ガキンチョABC「うわーっ!!」

ブーンの怒声に気おされて、三人組は叫びながらもと来た細い路地裏を抜けていった。
それを見届けた直後、ブーンの体はFOXの横払いによって吹き飛ばされた。

地面と摩擦しながら数メートル吹き飛ばされたブーンは、立ち上がろうと力を込めたが、無理だった。攻撃を受け続けた背中が痛む。

(;^ω^)(ここまでかお・・・・)

身体はゆっくりと肌色に戻っていく。
FOXはまるで勝者の余裕を見せ付けるかのように近づいてくる。
ブーンは仰向けの体勢から力を込めて上半身だけを起こし、FOXを見据えた。もうそんなに距離は無い。すでにブーンは元に戻っていた。
もうすぐFOXはあの足で自分を貫くのだろう、それを覚悟して、ブーンは目を瞑った。
だが、自分を貫く音の代わりに聞こえたのは、車のエンジン音だった。


22 名前:名無しさん 投稿日: 2006/11/30(木) 14:21:53
(;^ω^)(なんだおアレ!?)

目を開くと、自分の後ろから馬鹿でかいコンテナを積んだトラックがこちらに猛スピードで向かってくるところだった。
FOXも気付いたのだろう。トラックの方向を向いている。

(;^ω^)「ってか・・・・これ轢かれるんじゃないかお・・・・・?」

だがトラックはブーンの予想に反して、トラックはブーンの少し手前でドリフトし、派手なブレーキ音を立ててFOXにコンテナの側面を向けるようにブーンの数メートル手前で止まった。
すぐにドアが開いて、見覚えのある服装の男達が次々に降りてきた。
ツンを庇い、光線を浴びたあの時、ブーン達を助けてくれた彼らだ。

「目標を確認。攻撃を開始!」

彼らは持っているマシンガンでFOXに銃撃を始める。
放たれた弾丸は容赦なくFOXに命中し、そのボディを削っていく。
FOXは銃撃の勢いに押され後退している。
呆気に取られるブーンに、

「やあ、大丈夫かい?」

と、何処かで聞いた声が後ろからかけられた。

( ^ω^)「ショボンさん!?」
(´・ω・`)「間に合って良かったよ。」
(;^ω^)「何でここにいるんですかお!?」
(´・ω・`)「まぁ、詳しい話は後でね。」

一方、FOXと戦闘を続けている男達はというと・・・

( ゚∀゚)「オラオラァ!喰らいやがれこのバケモンめ!」

男が、マシンガンから放たれる弾丸をこれでもかというほどFOXに浴びせ掛けていた。
足元に三本目の使い切られたマガジンが落ちる。
その銃撃の最前列で戦っている彼等の後ろで何かやっていた二人が、

( ´_ゝ`)b「準備完了!」d(´<_` )

と叫んだ。
最前列の男達は銃撃の勢いを緩める事なく、列の間を空ける。

二人がその空間に移動させたのは、彼等の身長の何倍もありそうな大砲のようなものだった。
一部が回転しており、バチバチと電気を発生させている。

( ´_ゝ`)「エネルギー充填率百パーセント!撃てるぞ!」
ミ,,゚Д゚彡「よし!ブッ放せゴルァ!」
( ´_ゝ`)「了解!」(´<_` )

銃身の回転が見えなくなるほど高速になって、その銃身からレーザーが発射され
、光の束がFOXに直撃した。

(;^ω^)「・・・・すごいお・・・・」

FOXから少し離れたところに非難したブーンは、FOXのボディを穿つ光の束を見て驚愕の声を上げた。

FOXは溶解し、すでにその原型を崩しつつあった。
レーザーを最初から受けていた右半身は、手足を完全に失い、今は倒れこんでいる。片足では立つことも出来ず、レーザーはなすがままに晒されたその背中に当たっていた。
ブーンがアレだけ苦労した化け物は、あっさりとその存在を消滅させられそうになっている。

(´・ω・`)「まったく、病院を抜け出したと聞いたときは驚いたよ。」
(;-ω-)「・・・・・すいませんお。」
(´・ω・`)「まぁ無事だったし、今回のところは見逃してあげるよ・・・・終わったみたいだね。」

見ると、そこには焦げた道路があるだけで、FOXの姿は無かった。


23 名前:名無しさん 投稿日: 2006/11/30(木) 14:23:27
ミ,,゚Д゚彡「隊長!目標の消滅を確認しました!」

隊員がショボンに作戦の終了を報告した。

(´・ω・`)「うん、ご苦労様。撤退しようか。ブーン君も乗ってくれ。」
(;^ω^)「あ、分かりましたお。・・・・あ痛ッ!」

立ち上がろうと手を付いた瞬間、右腕に鈍い痛みが走った。
恐らくはあの三人組を庇ったときに痛めてしまったのだろう。
そういえば、あいつら大丈夫だったんだろうか・・・・・
そんなことを思って、少し動作が止まったのを気にしたショボンが話しかけた。

(´・ω・`)「大丈夫かい?」
( ^ω^)「いえちょっと・・・右腕が」
(´・ω・`)「どれどれ・・・・?」
(;゚ω゚)「あっちょっとまtt亜qwせdrftgyふじこl痛い痛い痛い!!!!!1111」

ただでさえ痛む右腕を思い切り持ち上げられて、挙句曲がらない方向に引っ張られ、ブーンは思わず叫ぶ。

(´・ω・`)「うん、骨は折れてないみたいだね」
(;^ω^)「もうちょっとで折れるところでしたお・・・・」
(´・ω・`)「聞こえないな。早く乗ってね。」
(;^ω^)「ヒドスwwwwwww」

立ち上がり、ブーンは歩こうとした。

( ^ω^)「あれ?」

ふいに立ち眩みに襲われる。

( ^ω^)「クラクラ・・・・する・・・・お」

ブーンはそのまま倒れた。


24 名前:名無しさん 投稿日: 2006/11/30(木) 14:25:27
もう見慣れてしまった天井を見て、ブーンはまた意識を失ったのだということを感じた。

「ブーン?」

そして、聞き慣れた声を聞いた。ゆっくりと体を起こす。
ベッドの傍らにツンが見えた。
と同時に、強烈なビンタを喰らう。

ξ#゚⊿゚)ξ「この、大馬鹿!」

ツンの怒声が響く。

ξ#゚⊿゚)ξ「何なのよ!いきなり引き篭りだしたと思ったらいつの間にか居なくなって、一体何考えてるの!」
( ^ω^)「・・・。」

ブーンは黙っている。言い返す言葉など無い。

ξ゚⊿゚)ξ「本当に・・・何考えてるのよ・・・。」

ツンの顔が沈んでいく。

ξ;⊿;)ξ「あ、アタシがどれだけ心配してたか、アンタわ、分かってるの!?」

ツンの肩が小刻みに震え出した。

( ^ω^)「ゴメンだお・・・。」

ベッドのシーツ越しにブーンの脚へ顔を埋めながら、ツンは泣き始めてしまった。

(;^ω^)「・・・・・・あうあう・・・・・」
(´・ω・`)「あのー・・・。」
(;^ω^)「うわ!ショボンさん!?」

声の主はドアの横に立っていた。

(;^ω^)「いつからそこに!?」
(´・ω・`)「いや、君が目を覚ます前からだけど・・・。」
(;^ω^)「全く気付かなかったお・・・。」
(´・ω・`)「どうせ僕は影の薄い人間ですよーだ」
(;^ω^)「う・・・。な、何か用ですかお?」

ブーンは話を逸らした。

(´・ω・`)「君に会いたいって人がいるから、連れて来たんだ。入りなよ。」

そういってショボンはドアを開けて手招きした。
ツンは慌てて涙を拭いて、コーヒーを入れにベッドから離れた。
入って来たのは――――


25 名前:名無しさん 投稿日: 2006/11/30(木) 14:26:06
( ^ω^)「あ!」
ガキンチョA「ど、どうも。」

ブーンが庇ったガキンチョ三人組だ。


(´・ω・`)「どうしても君に会いたいって五月蝿いから、内緒にするっていう約束で連れて
来ちゃった。」
( ^ω^)「ちょ、そんな適当な・・・。」
ガキンチョB「あの・・・。」

ガキンチョ三人組はベッドの真ん前に来て、頭を下げた。

ガキンチョABC「あの時は有難うございました!」
( ^ω^)「あ、いえいえ。」

ブーンも何故か会釈を返す。

ガキンチョC「ケガ、大丈夫ですか。」
一人が右手に巻かれた包帯を見て、申し訳なさそうに聞いた。

( ^ω^)「だいzyξ゚⊿゚)ξ「大丈夫よ、そいつ馬鹿みたいに頑丈だから。」
( ^ω^)「ちょwwwwヒドスwwwwww」

ツンがこちらを見ずに言い放つ。まだ、というか当たり前に怒っている。
後でまた怒られるかな、とブーンは思った。

( ^ω^)「おまいらは大丈夫なのかお?」
ガキンチョA「あ、大丈夫です。」

それから少しの間話した後、ガキンチョ三人組は帰って行った。

「絶対誰にも言いません!任せてください!」

と言い残して。

ブーンは、少し清々しい気分だった。

ξ゚⊿゚)ξ「はい。」

暫く窓の外をボーッと見ていたら、ツンからコーヒーカップを手渡された。


26 名前:名無しさん 投稿日: 2006/11/30(木) 14:26:54
( ^ω^)「・・・まだ、怒っているかお?」

恐る恐る、窓の外を見ながらコーヒーを飲んでいるツンに聞く。

ξ#゚⊿゚)ξ「あったりまえでしょ。もう一発ひっぱたいてやりたいぐらいよ。」
( ^ω^)「う・・・。」

ツンは窓の外を見続けながら、でも、と付け加えた。

ξ゚⊿゚)ξ「あの子達を助けたことに免じて、さっきの一発で許してあげるわ。」
( ^ω^)「・・・ホントにゴメンだお。」
ξ///)ξ「もういいって言ってるじゃない!」

何故かツンはこちらを見ようとしない。窓の外をずっと見ている。

( ^ω^)「お?どうして赤くなってるお?」
ξ///)ξ「ど、どうだって良いでしょ!」

頑なに窓の外を見続けるツンの顔を見て、ブーンは無意識に口に出してしまった

(*^ω^)「可愛いおー」

ツンがコーヒーカップを落とした。

ξ///)ξ「な、な、な、な・・・!」

顔を林檎の様に真っ赤にしている。

(;^ω^)「あ、いや!別に特別な意味は無いお!」

顔の前で手を振るブーン。

(;^ω^)「あ、でも嘘じゃないお!」

墓穴を掘るブーン。

ξ///)ξ「馬鹿っ!」(;^ω^)「ひでぶっ!」

さっきよりも強烈な一撃を喰らって、ブーンはベッドから落ちた。

(´・ω・`)「あのー・・・。」

部屋の壁の近くで、空気と化していたショボンが、申し訳なさそうに手を上げて
いた。

(;^ω^)「あ!ショボンさん居たんだったお!」

ベッドの横から起き上がったブーンが再び気付く。

(´;ω;`)ブワッ
(;^ω^)「ちょ、泣くなお」


27 名前:名無しさん 投稿日: 2006/11/30(木) 14:27:40
(´・ω・`)「さて、改めて。VIP隊隊長、ショボンだ。よろしくブーン君。」
( ^ω^)「あ、よろしくですお。」

ベッド脇の椅子に座るなり、いきなり真面目な顔になったショボンに握手を求められ、ブーンは戸惑いつつもその手を握った。

(´・ω・`)「今まで色んなことについて、君に辛い思いをさせてしまって、本当に済まなかった。この通りだ。」

そういってショボンは頭を下げた。

( ^ω^)「そのことはもういいんですお。それより・・・・・・一つ、質問がありますお。」
(´・ω・`)「?・・・何だい?」
( ^ω^)「VIPって言うのは、FOXを倒すための組織ですかお?」
(´・ω・`)「・・・ああ、今はそうだね。」
( ^ω^)「じゃあ、お願いがあるんですお。」
(´・ω・`)「お願い?」
( ^ω^)「僕を、VIPに協力させてほしいんですお。戦闘員として。」
(´・ω・`)「え?」

ショボンが驚いた顔をした。

( ^ω^)「無茶なお願いだということは分かってますお。」

ブーンは生まれて今までこれ以上の真剣な顔をしたことはない、というような顔をしている。

(´・ω・`)「・・・何故VIPに協力したいと?」
( ^ω^)「僕は・・・・僕のやれることをやりたいと思ったんですお。僕のこの力を、誰かのために使いたいと思ったんですお。僕が僕である限り。」
(´・ω・`)「なるほどね・・・・」
( ^ω^)「お願いしますお。」

そういって、こんどはブーンが頭を下げた。

(´・ω・`)「・・・よし。取り敢えず場所を移そうか。」

場所を移す?

(´・ω・`)「一応君の今の状況は機密事項だからね。ツン。彼の退院手続きを頼む。」
「あ、分かりました。」

ツンが急ぎ足で出ていった。
ショボンも席を立つ。

(´・ω・`)「それに、ここで「全部」を話すのは、ちょっと気が引けるからね。」
( ^ω^)「どこに行くんですかお?」
(´・ω・`)「VIPの本拠地にさ。」


28 名前:名無しさん 投稿日: 2006/11/30(木) 14:28:33
今日はここまでです。
失礼しました。


29 名前:名無しさん 投稿日: 2006/12/01(金) 12:04:32
ブーンは手続きから2分で退院をして、車に乗せられ、そして降ろされた。

目の前には真っ白な壁がライトで照らされ、何ともいえない雰囲気の建物がある。
建物の周りを取り囲む壁に「2ch国立研究所」と書かれたプレートが張ってあった。

( ^ω^)「ここは・・・・?」
(´・ω・`)「ここが実質上のVIPの本拠地さ。」

ブーンの隣にショボンが立ってそういった。

(´・ω・`)「さ、入ろうか。」

ショボンは入り口から離れ建物の裏へと進んでいく。

( ^ω^)「え?ここが本拠地じゃないんですかお?」
(´・ω・`)「本拠地はここだけど、VIP基地への入り口はここじゃないんだ。」
( ^ω^)「??どういうことですかお?」
(´・ω・`)「付いてくれば分かるよ。」

そういったショボンについていくと、何やら奇妙なドアの前に到着した。

(´・ω・`)「ここだよ。建前上は裏口になっているけど、研究所には通じていないんだ。」

ちょうど北海道の玄関のように、本命のドアの前に部屋があり、その部屋にももう一つドアがある。

(;^ω^)(何処からどう見ても怪しいお・・・・)
正面玄関よりもセキュリティの厳しい裏口なんて見たことがないと、ブーンは思った。

(´・ω・`)「まぁ、こんなところに入る物好きは少ないから大丈夫。」
(;^ω^)(心読まれたお・・・・。)
ξ゚⊿゚)ξ「あの人心読めるのよ。下手なこと考えると痛い目に遭うわよ。」
(;^ω^)(ツンも読んでるお・・・・・)

(´・ω・`)「最初のドアはパスワード、その次のドアは生体認証のロックが掛かっている。」
( ^ω^)「厳重ですおね・・・・・・」
(´・ω・`)「さすがに盗みに入られると困るからね。」

そういいながらショボンはパスワードを入力していく。

( ^ω^)「入られちゃったことはあるんですかお?」

第一のドアが開き、ブーン達は第二のドアへ進む。

(´・ω・`)「うん。パスワードを運良く当てて開けたこそ泥が、生体認証で引っかかって第一のドアと第二のドアの間で閉じ込められてたことならあったけど。あれは面白かったなぁ。」

そういって笑いながら、ショボンが手のひらで生体認証を確認させる。

(´・ω・`)「16桁のパスワードだったんだけどね・・・・。運が良いこそ泥だよ。」
(;^ω^)(運がいいのか悪いのか判らんお・・・・・)

そう思いながら、ブーン達は第二のドアの中へと進んだ。

外見よりも少しグレーがかった内部を、ショボンは足早にズンズンと進んでいく。
ブーンは辺りを見回しながら、早足でショボンの後についていった。


30 名前:名無しさん 投稿日: 2006/12/01(金) 12:05:27
やがて、一つの扉の前に着いた。

(´・ω・`)「さぁ、ここがVIP作戦室。」
( ^ω^)「・・・お邪魔しますお・・・・」

VIP作戦室。やや広めの部屋には、楕円形のテーブルと、大きなスクリーンが置いてある。

ブーンを席に案内して、ショボンは向かいに座った。

(´・ω・`)「さて、協力の件だけど・・・・・・実は僕のほうからもお願いしようと思っていたんだ。」
( ^ω^)「え?」
(´・ω・`)「ただ、戦闘にまで参加させるつもりはなかったけどね。あくまで一市民としての協力さ。」
「そうですかお・・・・」
(´・ω・`)「だから、全てを話そうと思ったんだけど・・・君から志願してくるとは思わなかった。・・・ただ、君がそうしたいというなら、一つい聞きたいことがある。」
( ^ω^)「?・・・なんですかお?」
(´・ω・`)「半FOX化で戦うことは、君の命を縮めることになるかもしれない。」

(´・ω・`)「正直な話、君が戦線に立ってくれるというのなら、それはとても心強い。だけど、その代償は大きいよ。」

キツイ眼差しで、ショボンはブーンに問うた。

( ^ω^)「・・・・」

それは、ブーンが一番分かっていた。
半FOX化した後の体力の消費、反動。激痛。アレだけ体内にダメージを与える行動を繰り返して、ブーンの体がもつなどという保障は、全く何処にもない。

(´・ω・`)「君がそれを覚悟しているというのなら、僕は拒まない。」

一瞬の沈黙。
そして、

( ^ω^)「・・・・覚悟は・・・出来てますお。」

ブーンはそう言い切った。
もう決めたから。その志を決して曲げないと。

(´・ω・`)「そう。じゃあ僕は君を歓迎しよう。」

そういってショボンは立ち上がって、

(´・ω・`)「よろしく。」

と、今日二回目の握手を求めた。

「よろしくですお!」

そしてブーンは、先の握手よりも強く、それを握り締めた。


31 名前:名無しさん 投稿日: 2006/12/01(金) 12:06:19
(´・ω・`)「まぁ、その話はまた今度にして、とりあえず、FOXについて説明させて貰おうか。」
( ^ω^)「分かりましたお。」

一息おいて、ショボンは説明を始めた。

(´・ω・`)「FOXって言うのは、今地球に侵攻している、地球外生命体のことさ。」
( ^ω^)「地球外生命体・・・?」

いきなり話が予想していない高さまで飛躍して、ブーンは思わず聞き返した。

(´・ω・`)「前にFOXが人を結晶化させているということは話したよね?」
( ^ω^)「それは聞きましたお。」
(´・ω・`)「うん。あれはFOXの餌を作るためにやっていると考えられている。」
( ^ω^)「餌!?」
(´・ω・`)「うん。人が結晶化するとき、人の体内にあるエネルギーは殆どFOX因子によって吸収される。」
(´・ω・`)「彼らの目的は、僕らという大量の餌だよ。」

まるでゲームのような展開に、ブーンは心の中で驚いた。
地球外生命体?自分達を餌にしようとしている?
ショボンは続ける。

(´・ω・`)「結晶化は感染してしまえばほぼ100%の人が発症する。回避する手立ては今のところ感染そのものを回避するしかない。ただ、君のような例外も確認されている。その「例外」がFOX化だ。」
( ^ω^)「FOXになる・・・・って事ですかお。」
(´・ω・`)「そう。FOX因子が人間を結晶化させるにとどまらず、乗っ取ってしまう現象さ。これは今までで二例しか報告されて無い。君ともう一人。」

一瞬ショボンの顔が暗くなったのを、ブーンは見逃さなかった。
その顔はすぐに元に戻り、ショボンは時々話を区切りながら続ける。

(´・ω・`)「君の場合、体内にFOX因子に対する抗体があるみたいでね。それが乗っ取ろうとしたFOX因子の侵食を抑えるばかりか、その上取り込んで君の身体と同化させてしまった。だから、君の場合は「半FOX化」と呼んでいる。FOXみたいになれたり、人間に戻れたりするからね。」
( ^ω^)「半FOX化・・・・・。」
(´・ω・`)「詳しく分かりやすく説明するなら、「半FOX化」とは、君に感染していて抗体に抑えられているFOX因子を、強制的に活性化させること、ってところだ。」

あの変身はそういうことだったのか。


32 名前:名無しさん 投稿日: 2006/12/01(金) 12:06:59
(´・ω・`)「もう一つ。FOXはどうやって来たか・・・。」
ショボンはスクリーンに大きな隕石の映像を映し出した。

(´・ω・`)「これを装ってやって来た。一般にはモリタポ隕石と「呼ばせている」。」
( ^ω^)「モリタポ隕石って・・・ちょっと前に落下したあの?」

モリタポ隕石。一ヶ月前ニュー速島に落下した巨大隕石だ。

(´・ω・`)「そう。公式には「奇跡に奇跡が重なって被害が全く無かった」ことになっているけ
ど・・・・、大体おかしいと思わなかった?」
( ^ω^)「言われてみればそうですおね。」

確かに。あれだけの質量を持つ隕石が落下すれば、ニュー速島など消し飛んでもおかしくはない。

(´・ω・`)「驚いたことに、モリタポ隕石は落下中に普通じゃ有り得ない角度の方向転換や減速をかましてる。」

もちろん、通常の隕石にそんなことが起こりえるはずがない。
だとしたら・・・

(´・ω・`)「あれは普通の隕石じゃない・・・つまりはFOXってことさ。」
( ^ω^)「でも・・・あの大きさのFOXが落ちてきて、何で動かないんですかお?そのまま侵攻してきたら・・・・」
(´・ω・`)「その心配はない。」

ショボンが切り返す。

(´・ω・`)「隕石として落ちてきたFOXを僕らは「マザー」と呼んでいる。」
( ^ω^)「マザー?」
(´・ω・`)「そう。まざーです。」
(´・ω・`)「どうもまざーはふぉっくすをうみだすせいさんぷらんとのやくわりをしているようなんです」
(;^ω^)「ちょwww声おかしいですおwwwww」

(´・ω・`)「つまり、僕らが戦っているのは兵隊として生み出されたFOXなのさ。」

素早く声を元に戻して、ショボンは続ける。

( ^ω^)「マザーそのものは攻撃をしてはこないということですかお?」
(´・ω・`)「そう、なかなか飲み込みが早くて助かるよ。」
( ^ω^)(似たようなストーリーのゲームのシナリオを覚えてて、こんなところで役に立つとは思わんかったお・・・・・・)
(´・ω・`)「ちょっと説明の順序がバラバラになって分かりにくかったけれど、FOXについてはこんなところかな。」
( ^ω^)「よく分かりましたお。」
(´・ω・`)「そう。なら次はVIPについて説明しようか。」


33 名前:名無しさん 投稿日: 2006/12/01(金) 12:08:25
ショボンがスクリーンを消し、椅子に腰を降ろした。

(´・ω・`)「VIPとは、僕が隊長を務めている対アンノウン特別チームのことさ。今は病院で言ったとおり対FOXチームとして活動している。メンバーは僕を含めて8人だね。本拠地はさっきも言った通りここ。」

その時、ドアが開いて、少しにやけているような顔の男が入って来た。

( ゚∀゚)「隊長。今終わったぜ。」
(´・ω・`)「あ、ちょうど良いところに来たね。ジョルシュ、隊員を全員この部屋に呼んでくれるかい?」
( ゚∀゚)「あいよ。」
(´・ω・`)「・・・いつになったら敬語を使ってくれるのかな?」
( ゚∀゚)「固いこというなよ。同期の桜じゃねぇか。」
(´・ω・`)「・・・・わかったから、早く呼んで来て。」
( ゚∀゚)「アーイアーイサー」

ジョルシュと呼ばれた隊員が出て行って少しすると、ゾロゾロと六人が入って来た。

(´・ω・`)「あれ?もう一人いる筈だけど・・・。」
ミ,,゚Д゚彡「ドクオはトイレですよ。もうすぐ来ると思いますが。」
(´・ω・`)「全く。後でks」(;^ω^)「ドクオ!?」

ショボンの声を遮って、ブーンが驚いたとき、ドアが開いてドクオが入って来た。

(;'A`)「スイマセン!遅くなりました!」
(´・ω・`)「遅いよ。後でks」( ^ω^)「やっぱりドクオだお!」
('A`)「ブーン!?」

ブーンが勢いよく立ち上がり、ドクオも驚きの声を上げた。

(´・ω・`)「・・・・・・。」
( ゚∀゚)「何だ?知り合いなのかドクオ?」
('A`)「あ・・・ええ、高校時代の同級生です。」
( ^ω^)「久しぶりだお!」
('A`)「どうしてお前こんなところに・・・・って、何してるんですか隊長?」

見ると、ショボンは部屋の隅に小さくなって座っていた。

(´・ω・`)「どうせ僕なんて無視される存在ですよーだ・・・」
(;'A`)「子供ですか・・・・」


34 名前:名無しさん 投稿日: 2006/12/01(金) 12:09:31
(´・ω・`)「じゃあ突然だけど各自簡単に自己紹介をヨロシク。」
ミ,,゚Д゚彡「自分はギコ隊員であります。主に戦闘担当であります。よろしく。」

フサフサに髭を蓄えた隊員が挨拶をした。

( ゚∀゚)「えー、自分はジョルシュ隊員であります。ギコさんと同じ戦闘担当で、好きなものはおpp」ゴン!「痛ってぇ!」

ニヤケ顔の隊員は、少し気の抜けた挨拶の途中で隣にいた女性にグーで殴られて頭を抑えた。

川 ゚ -゚)「クー隊員であります。主に移動手段の運転手兼オペレーター担当であります。」

ジョルシュを殴った端整な顔立ちの女性は、何事も無かったかのように敬礼した。

( ´_ゝ`)「兄者です。」
(´<_` )「弟者です。」
( ´_ゝ`)「二人で対FOX武器担当をしています。よろしく。」(´<_` )

そういって同時に自己紹介をした二人の隊員は、顔から背格好、声色までそっくりだった。

( ^ω^)(マナカナみたいだお・・・・)

ξ゚⊿゚)ξ「ツン隊員です。オペレーターの担当です。よろしく。」

そういってツンは敬礼した。そういえばやっとツンの職業を知ったな、とブーンは思った。
('A`)「ドクオ隊員です。ギコ隊員達と同じく戦闘担当であります。ヨロシク。」

そういってドクオも敬礼をする。昔よりも少しだけ鬱な顔がマシになってるお、とブーンは思った。

(´・ω・`)「これで全員だね。」

そうショボンが言ったのと同時に、白衣を来た男性が入ってきた。

( ´∀`)「隊長。すいませんモナー。・・・・ちょっと話したいことが出来ましたモナー。」
(´・ω・`)「ああ、彼のことも紹介しようか。ブーン君、彼はモナー研究長。ここの研究所の所長だよ。」
( ´∀`)「あ、モナーですモナ。よろしくモナ、ブーン君。」
そういってモナーはブーンに近づいて、握手を求めた。ブーンも慌てて立ち上がる。
( ^ω^)「ヨロシクですお。」

そういって二人は握手を交わした。

(´・ω・`)「彼は対FOX武器開発とFOX研究に協力してもらっている。君の体のことも調べてくれた。」

ショボンがそういうと、モナーは申し訳なさそうな顔をした。

( ´∀`)「申し訳なかったモナ。僕がFOX因子の進行を抑えられていれば、君の症状も抑えられたかもしれなかったモナ。僕の力が及ばなかったモナ。」
( ^ω^)「いえ、モナーさんの開発した武器のおかげで命拾いしましたお。十分感謝してますお。」
( ´∀`)「そういってくれるとうれしいモナー。」

モナーの顔がほころんだ。

(´・ω・`)「それで、話したいことってなんだい?」

ショボンが話を切り戻した。

( ´∀`)「ああ、凄いことが見つかったモナ。とりあえずラボの方へ来て欲しいモナ。」
(´・ω・`)「わかった。すまないがブーン君、あとの説明はツンに聞いてくれ。」
( ^ω^)「分かりましたお。」


35 名前:名無しさん 投稿日: 2006/12/01(金) 12:17:56
ショボンとモナーが足早に出て行った後、

('∀`)「おい!久しぶりだなブーン!」
( ^ω^)「ドクオも元気そうだお!鬱な顔は相変わらずだけどw」
('∀`)「一言余計なんだよwww」

そういって二人は肩を掴みあった。
後ろからジョルシュに声を掛けられた。

( ゚∀゚)「ショボンから話は聞いてる。大変だな、お前さんも。」
( ^ω^)「いえ・・・・・・。」
( ゚∀゚)「安心しな。いろいろ教えてやっからよ。」
( ^ω^)「お願いしますお」

いつの間にか隊員たちが集まってきていた。

( ゚∀゚)「改めて。俺はジョルシュ。好きなものはおpp」ゴン!( ゚∀゚)「痛tt(ry)
今度はギコに殴られた。
(;゚∀゚)「お前そこさっきクーが殴ったところ・・・・」
そういってジョルシュはしゃがみ込んで悶絶している。
ミ,,゚Д゚彡「ギコだ。ギコさん、でいいぞゴルァ」
( ^ω^)「二人ともヨロシクですお。」

ミ,,゚Д゚彡「何かあったら、すぐに言えよゴルァ。」
( ^ω^)「あ、分かりましたお。」
( ´_ゝ`)「俺らは流石兄弟と呼んでくれ。よろしくな。」(´<_` )
( ^ω^)「ちょ、同時に握手を求められると困るおwww」

( ゚∀゚)「ところでコイツ高校からこんな顔なの?」

そういって素早く立ち上がったジョルシュはドクオの肩を叩いた。

(;'A`)「痛いですよジョルシュさん!」
( ^ω^)「高校の頃はもっと酷かったですお。口癖が「ウツダシノウ・・・・」でしたおw」
(;'A`)「お前も余計なこと言うなよ!・・・・・・ウツダシノウ」

笑い声が響く。

( ゚∀゚)「さて、俺達はやらなきゃならないことがあるんでね。失礼するぜ。」
('A`)「また後でな。ブーン。」
( ^ω^)「また後で、だお。」

ドクオ達が部屋から出ていった後、

ξ゚⊿゚)ξ「ブーン、一旦施設内を案内するわ。着いて来て。」
( ^ω^)「あ、分かったおー。」


36 名前:名無しさん 投稿日: 2006/12/01(金) 12:19:24
休憩室。

ブーンは施設内の一通りの説明を受けて、ツンとそこで一息ついていた。

ξ゚⊿゚)ξ「本当に良いの?」

ツンは自販機で買った缶コーヒーをブーンに渡しながら言った。

ξ゚⊿゚)ξ「協力するってことは、貴方の身体に負荷を掛けることになるのよ?」

ブーンの隣に腰掛けてツンは聞く。

( ^ω^)「・・・・・・。」
ξ゚⊿゚)ξ「私は、賛成出来ないわ。だって・・・・・・・」

その先を聞かずに、ブーンは言った。

( ^ω^)「僕は、ずっと考えていたんだお。こんな身体になってしまった僕は、生きてちゃいけないんじゃないか、って。」
ξ゚⊿゚)ξ「そんなこと――――!」

ツンはブーンの方向を向く。ブーンもこちらを見ていた。

( ^ω^)「でも、ツンはそんな僕の心配をしてくれたお。とても嬉しかったお。それに、あの力で人を救うことも出来たお。」

一息置いて、ブーンは続ける。

( ^ω^)「僕は見つけたんだお。こんな僕でも・・・・僕を心配してくれる人と、僕が出来る事を。それを失いたくは無いんだお。だから・・・・・・」

ツンの顔をしっかりと見ながら、ブーンは言った。

( ^ω^)「ツンや皆を守りたいんだお。・・・たとえ、それが自分の命を削ることになることだとしても。」

ツンはブーンの顔からしばらく目を離さずに黙っていた。しばらくして、唐突にブーンに向けて小指を向けた。

ξ゚⊿゚)ξ「約束して。無茶はしないって。」
( ^ω^)「・・・分かったお」
そういって、ブーンも小指をツンに向けた。
( ^ω^)「約束だお。」
ξ゚⊿゚)ξ「破ったらぶっ飛ばすからね。」
( ^ω^)「分かりましたお・・・。」
そういって二人は指切りをした。

('A`)「おー、いたいた。」
川 ゚ -゚)「今良いかい?」
ドクオとクーが、休憩室のドアを開けて入ってきた。
ドクオは大きなショルダーバッグをもっている。
ブーンは慌てて結んでいた小指を離した。

川 ゚ -゚)「手ぶらのようだったからな。一応日用品を買ってきた。」
( ^ω^)「こんな夜中にわざわざ!?」
川 ゚ -゚)「ついでだ。バッグも私のお下がりだしな。」
( ^ω^)「そんな、充分ですお。えっと――――」
川 ゚ -゚)「クーでいい。」
( ^ω^)「ありがとうですお、クーさん。」
川 ゚ ―゚)「貸しだからな。いつか返してくれよ?」
('A`)「オイコラ、俺にはお礼の言葉はねーのかよ。」
( ^ω^)「ありがとうだおどくおたすかったお」
('A`)「何だよその棒読みは!・・・ウツダネヨウ」
( ^ω^)「お休みだお。」
川 ゚ -゚)「ああ。ではな、。」
ξ゚⊿゚)ξ「お休みなさい。」


37 名前:名無しさん 投稿日: 2006/12/01(金) 12:19:54
ξ゚⊿゚)ξ「ここがブーンの部屋よ。」
( ^ω^)「ありがとうだお。」
ξ゚⊿゚)ξ「それじゃ、また明日ね。」
( ^ω^)「お休みだおー」
ξ゚―゚)ξ「お休み。」

ツンが歩いていくのをしばらく見た後、ブーンはドアを開けた。
部屋は意外と広かった。少し質素なホテルの一室の雰囲気に近い。
ツンに言われた通り、部屋にトイレや風呂は無かったが。
ベッドに腰を、その脇にバッグを降ろして、一息ついた。

( ^ω^)「今日は色んなことがあったおー。」

背伸びをしながら呟く。
思い返せば目まぐるしい一日だった、とブーンは思った。
今日の朝には病院のベッドにいた筈なのに。そのベッドで僕は絶望していたはずなのに。

( ^ω^)「何にせよ、とにかく疲れたお・・・。」

ショルダーバッグの中身を確認すると、日用品のほどんどが入っていた。
クー(あとドクオ)に改めて感謝しつつ、入っていた無地のパジャマに着替えてベッドに寝転がる。
お風呂・・・・面倒臭いからいいや。

( ^ω^)「それにしても、皆良い感じの人だったおー。」

何とかやっていけそうだ、と思いながら、目を瞑る。
ジョルシュやギコ、ドクオ、クーの顔が浮かんで、最後にツンの顔がうかんだ。
( ^ω^)(何故顔が赤くなるんだお・・・・・・。)

そんな事を考えながら、ブーンはいつの間にか眠りに就いた。


38 名前:名無しさん 投稿日: 2006/12/01(金) 12:22:00
一夜明けたブーンの部屋。

( -ω-)「Zzz・・・」

ブーンが安らかな寝息を立てている。
コンコン、とドアをノックする音が聞こえた。
・・・・・・ガチャッ・・・・・

(´・ω・`)「・・・・・・・・・」

ドアが開いて、ショボンが入って来た。何故か忍び足で一歩一歩近づきながら。
そしてベッドに到達し・・・。

(´・ω・`)(いただきまー・・・)
( ^ω^)「あー!良い朝だおー!」

ブーンが唐突に起きた。

(´・ω・`)「!」

ショボンは脱ぎかけていたズボンを目に見えない早さで素早く穿きなおした。

(´・ω・`)(・・・惜しかったな・・・)
( ^ω^)「あれ?何でショボンさんがいるんですかお?」
(´・ω・`)「あ、ああ、君を起こしに来たのさ。」

そういったショボンの表情が、どこか悲しそうに見えたのは気のせいだろうか。

(´・ω・`)「話したいことがある。僕らは作戦室で待っているから、急いで来てね。」
( ^ω^)「分かりましたお。」

ブーンが急いで着替えを済ませ、作戦室に着くと、そこには全員が集まって、楕
円形のテーブルに座っていた。

(´・ω・`)「来たね。それじゃあ話を始めようか。」

ショボンが立ち上がって、投影機を起動させた。

(´・ω・`)「昨日、モナーからFOXのエネルギー供給法を解明したと報告があった。」
( ^ω^)「エネルギー供給法?」
(´・ω・`)「そう。僕等にとっての食事と同義のモノさ。」
( ^ω^)「え?でもFOXは僕らを餌に・・・・」
(´・ω・`)「モナーからの報告によれば、FOXが今まで結晶化した人から吸収したエネルギー量は、FOXの活動によって消費されるエネルギー量に殆ど足りていない。」

確かに、結晶化に被害にあったのは十数人だ。それだけで足りるとは思えない。

( ゚∀゚)「足りていない?じゃあ奴らはどうやって動いてるんだ?」
(´・ω・`)「うん。そこなんだ。」

立ち上がった投影機を操作して、ショボンは巨大な隕石の映像を映し出させた。
モリタポ隕石。マザーだ。

(´・ω・`)「奴らの主なエネルギー供給源はコイツだ。」
ミ,,゚Д゚彡「マザー、ですか。」
('A`)「でもあれの役割はプラントじゃ?」
(´・ω・`)「うん。勿論それも担っているよ。これはモナーから説明してもらっても良いか
な?」
( ´∀`)「分かりましたモナ。」

モナーも立ち上がり、スクリーンの横に移動した。


39 名前:名無しさん 投稿日: 2006/12/01(金) 12:22:58
( ´∀`)「えー、以前から取り組んでいたFOX因子の研究により、FOX因子が結晶化されたヒトからエネルギーをFOXに運んでいることが分かりましたモナ。また、FOX因子を視覚化することに成功しましたモナ。」

そういうとモナーはパソコンを操作する。

( ´∀`)「FOX因子を視覚化した映像を出しますモナ。」

先ほどと同じマザーの映像にピンク色の靄のようなものが付け足されていた。

( ´∀`)「このピンク色がFOX因子を視覚化したモノですモナ。」

場がざわめく。

( ´∀`)「見てわかる通り、マザーからパイプのように流れ出ているように見えますモナ。このパイプのようなFOX因子が、他のFOXにエネルギー供給の役割を果たしていますモナ。」

暫くして、ジョルシュが膝を叩いた。

( ゚∀゚)「あー、なるほどね。要はそいつを潰せば良いんだな。」
( ´∀`)「そうモナ。マザーを叩いてしまえば、FOXはプラントとエネルギー供給の手段を同時に失うことになるモナ。」

( ^ω^)「あのー( ´∀`)「あ、ブーン君には影響ないから安心していいモナ。君はマザーからのエネルギー供給は必要無いみたいだモナ。」

まさにそれを聞こうとしたブーンに、モナーが先手を打った。

ミ,,゚Д゚彡「確かに有効な手段だが、一体どうやってアレを叩くんだゴルァ。」
(´・ω・`)「そう、問題はそれだ。」

ショボンがテーブルに手をついて身を乗り出す。

(´・ω・`)「今の僕等に、マザーに致命的なダメージを与える有効打はない。」
ミ,,゚Д゚彡「じゃあどうやってやるんだゴルァ?」
(´・ω・`)「無ければ作るまでだ。」
('A`)「マザーに致命的ダメージを与える兵器を作ると?」
(´・ω・`)「そうだ。もう準備は進めてある。」
( ´∀`)「現在僕と流石兄弟の方でOINARISANの改良型を開発中モナ。」
( ^ω^)「お、おいなりさん?」
(´・ω・`)「君も見ただろう。この前の戦闘でFOXに撃ったあれさ。対FOX兵器OINARISAN。Light Amplification by Stimulated Emission of Radiationだよ。」
( ^ω^)「え?ライトアップリケあqswでfrtgyふじこ?」
(;´・ω・`)「・・・・・レーザーのことだよ。」
( ^ω^)「ああ!なるほどですお!」


40 名前:名無しさん 投稿日: 2006/12/01(金) 12:24:08
アホな会話に額にしわを寄せながら、モナーは続ける。

(;´∀`)「レーザーの出力も、大きさもOINARISANの比じゃないモナ。ただ、どれだけ急ピッ
チで進めても、完成までに後一月は必要モナ。」
(´・ω・`)「というわけだ。」

再びショボンが話の主導権を握る。

(´・ω・`)「もはや一刻を争う状況だ、おそらくはこの一ヶ月が僕らの明暗を分けるだろう。」
(´・ω・`)「僕等はOINARISANの改良型が完成する間での間、FOXの進攻を何としても防ぐ。
いいね。」
「了解!」

全員が敬礼をする。

(´・ω・`)「それともう一つ、さっき言ったとおり、そこにいるブーン君が彼たっての希望で協力してくれることになった。」
(´・ω・`)「彼は特殊な体質を持っている。モナーから彼に取り込まれたFOX因子の暴走は無いとの判断もある。戦闘面において力強い味方となるだろう。よろしく頼む。」

ショボンは投射機の電源を落として、

(´・ω・`)「報告は以上だ。各自解散してくれ。」

そういっていつも通り足早に部屋を出ていった。

ブーンが席を立とうとした時、

('A`)「お前本気か?」
( ^ω^)「ドクオ・・・・」

ドクオが声を掛けてきた。


41 名前:名無しさん 投稿日: 2006/12/01(金) 12:26:21
('A`)「分かってるんだろ?」

色んな意味を含んでいるであろう問いに、ブーンは答える。

( ^ω^)「・・・・・・分かってるお。」
('A`)「じゃあ何で・・・・・・」
( ^ω^)「決めたからだお。誰が、なんと言おうが。」
('A`)「ブーン・・・・・・。」


こういうときのブーンは頑固なのだということを、ドクオは知っていた。
そして、そういう態度を取るのは決まってブーンにとってとても大事なときだけなのだ。

('A`)「・・・・・・・分かったよ。俺はもう何も言わない。その代わり、お前を同じ仲間として扱うぞ。」
( ^ω^)「望むところだお。」
('A`)「じゃぁ、よろしくな。ブーン隊員。」
( ^ω^)「よろしくだお、ドクオ隊員。」

そういって、二人は握手を交わした。

「ブーン君。」

( ^ω^)「何ですかお?」

呼んだのはモナーだ。

( ´∀`)「ちょっと君に渡したいものがあるから、付いてきて欲しいモナ。」
( ^ω^)「分かりましたお。じゃぁドクオ隊員、また後で、だお。」
('A`)「ああ。」

モナーの研究室。彼専用の部屋にもかかわらず、何台ものパソコンが一斉に稼動して、何らかのデータを目まぐるしく表示し続けている。

( ´∀`)「これなんだモナ。」

モナーから手渡されたのは、銃だった。

( ^ω^)「これは・・・?」

( ´∀`)「FOX因子のエネルギーを利用して弾丸を打ち出す君専用の対FOX銃モナ。名づけて「2ch」だモナ。」
( ^ω^)「厨くせぇwwwwwってかパクリかおwwwwww」
(#´∀`)「失礼な!その威力を見てから言うモナ!」

モナーも指差した先には試し撃ちするための部屋があった。
どうやらモナーの部屋はその部屋を通して研究室に繋がっているようだ。

ブーンは部屋の中に入る。中はかなりの広さがあり、壁は金属で出来ているようだった。
マイクを通してモナーの声が伝わってくる。

(#´∀`)「ここなら安全モナ。さぁ、撃ってみるモナ!」

どうやら先ほどの発言にえらく怒っているようだ。早く撃てと催促をしてくる。

(;^ω^)「銃を撃つのは初めてだお・・・・」

いつもはゲームやテレビの中にあるそれの、ずっしりとした重みを感じながら、ブーンはゲームキャラの格好を真似て構えた。

的に照準を合わせて――――

大きな音と共に、反動でブーンの腕は跳ね上がった。

(;;;^ω^)「・・・・・・・」(;;;´∀`)

二人は言葉を失う。その威力は凄まじいものだった。

その銃身から発射された弾丸は的を半分ほど溶解させて、合金の壁にめり込んでいた。

(;^ω^)「KOEEEEEEEEEEE!!!!!!!11!!!」

ブーンは尻餅をついた。

(;´∀`)「予想GUYモナ・・・・・」

モナーすらも驚いている。どうやら思った以上の破壊力だったようだ。

( ^ω^)「威力までそっくりだお・・・・」

だが、それだけの威力が物語っている。

( ^ω^)(確かにこれなら、半FOX化しなくても、後ろからの援護位は出来そうだお・・・・・・)

そこまでのことをこんな短期間で考えて、実行してくれていたショボンとモナーに感謝した。

( ^ω^)「モナーさん、有難うございますお。」
(*´∀`)「い、いきなりどうしたモナ?ちょっと照れるモナー。」


42 名前:名無しさん 投稿日: 2006/12/01(金) 12:28:09
モナーの部屋を後にしたブーンは、それからしばらくジョルシュに色々と教えてもらって――――昼食を終えて自分の部屋に戻っていた。
部屋の真ん中に立って、目を瞑っている。

( ^ω^)「・・・・えいやっ!」

気合と共に、ブーンは半FOX化した。

( ^ω^)「・・・・・・。」

ブーンは半FOX化を解いた。途端、軽い疲労感がやってくる。

(;^ω^)「変身は自分の意思で出来るけど・・・あまり長い間は体力が持たないお・・・・」

自分がやるといった以上、彼らに迷惑はかけられない。
走りこみでもするか、と思った矢先。

(;^ω^)「うぐっ!!」

胸が締め付けられるような痛みが走った。
しばらくじっとしていると、それはすぐに治まった。
ブーンはゆっくりと立ち上がり、自分の手を見た。微かに震えている。

( ^ω^)「・・・・・・かなりきついかも知れんお・・・・・・」

誰もいない部屋で、ブーンは一人呟いた。


43 名前:名無しさん 投稿日: 2006/12/01(金) 12:30:36
深夜の倉庫街。
倉庫の影から人が走って来る。

「来たぞ!そっちだ!」

マシンガンの連続した銃声が聞こえる。
倉庫の屋根に、FOXがいた。
弾丸が屋根で跳ねる中、六本足での蜘蛛のような走り方には似合わない猛スピー
ドで移動している。何棟かを飛び渡って、自分を狙う男のすぐ横の地面に飛び降
りた。
何発かの弾丸を喰らい、体を削られるが、気にせず相手に向かって突っ込む。

「クソッ!」

男は体当たりを右後ろに飛んで交わした。
片手で後ろに銃を撃って、走りだした男をFOXが追い掛ける。
次第にその差は縮まり、やがて手を伸ばせば届きそうな距離にまで追い付かれた。
FOXが飛び掛かかる。

「ドクオ!」

その声に反応して、FOXに飛び掛かられそうになっているドクオは横っ飛びをする。
刹那、暗闇から閃光が飛び出して、FOXの左半身を飲み込んで飛んでいった。
半身を奪われたFOXは、慣性で地面をスライドして、やがて止まり、粉となった。

( ^ω^)「危なかったおー!」

ブーンがドクオに駆け寄りながら叫んだ。
その手には2CHを握っている。

('A`)「危ないも何も、作戦通りだったろ。ジョルシュさん達が追い詰めて、俺が囮に
なって、お前が撃つ。そうだろ?」
(;^ω^)「いや、危うくドクオを撃ちそうに・・・・。」
(#'A`)「・・・お前な・・・。」

その時、耳に着けているイヤホンからツンの声が聞こえて来た。

ξ゚⊿゚)ξ「ブーン!さっさとトラックに戻って!」
(;^ω^)「り、了解だお。」

研究所、もといVIP本拠地へと戻るトラックの中。

( ゚∀゚)「取り敢えずは作戦終了だ。諸君!お疲れ!」

ジョルシュが陽気な声で叫んだ。
(;^ω^)(この部隊本当に極秘特殊部隊なのかお・・・?)

作者の都合(主に筆力)です。御了承下さい。

ブーンがVIPに協力すると決めてから、三週間が経った。

ミ,,゚Д゚彡「ブーンも大分馴れてきたなゴルァ。」
( ゚∀゚)「俺らの特訓のお陰だろ!なあブーン?」
( ^ω^)「一日10時間トレーニングと言われた日には泣きそうでしたお。」

ジョルシュ達のスパルタな特訓や、ツン達のサポートのお陰で戦線に立ったのは
二週間前。
半FOX化は緊急事態に限る、とのショボンの指示で、あれ以来部屋でこっそりとす
る以外は控えていた。

( ゚∀゚)「しかし、最近流石兄弟はモナーと研究所に篭りっきりだな。」
('A`)「仕方ないっスよ、改良型生産の為に忙しいんですから。」

対マザー最終兵器、OINARISAN改良型の開発は順調らしい。が・・・。

ミ,,゚Д゚彡「最近はFOXの出現頻度が高いからな。モナーや流石兄弟も焦っているんだろう。」

ブーンが戦線に立ってから、既に三回。
FOXが現れる回数は急激な増加を辿っていた。
後少し・・・。
FOXが押し切るか。ブーン達が耐え抜くか。後一週間、ブーン達の戦果に全てがかかっている。
研究所に帰り、やっと一息つけた頃には、夜が明けていた。


44 名前:名無しさん 投稿日: 2006/12/01(金) 12:31:13
( ^ω^)「ふぅ。疲れたおー。」

何か一杯飲んでから寝ようかと、休憩室で自動販売機を前に悩んでいると、

('A`)「やっぱりここか。」

と、ドクオが入って来た。

( ^ω^)「一杯飲みたかったんだお。」
('A`)「俺もだ。俺の場合は一服だけどな。」

そういって、ドクオは胸ポケットから煙草を取り出して、火をつけた。
息を大きく吐いて、煙が舞い上がった。

( ^ω^)「どうして、ドクオはVIPに入ったんだお?」
('A`)「何だよ急に。」
( ^ω^)「特に意味はないお。」
('A`)「まあ、話せば長くなるんだけどよ。」

煙草を持つ手を変えて、ドクオは今度は上に向かって煙を吐き出した。

( ^ω^)「産業で頼むお。」
('A`)「兵隊としての腕を買われ、
新しく結成される特殊部隊に、
ショボンさんから誘われた。」
( ^ω^)「把握したお。」
('A`)「元からそういうのに憧れてたから、二つ返事で承諾したけどな。」

そういえば、大学もそういうところに行くって言ってたっけか、とコーヒーを一口飲みながら、ブーンは思った。
あの時のドクオは、自分のしたいことも見つかっていなかったブーンにはとても大人びて見えたものだ。

('A`)「俺以外に誘われたのは、ジョルシュさんとクーと、ツンと流石兄弟だな。」
( ^ω^)「ギコさんは違うのかお?」
('A`)「ああ、あの人はな・・・自分から志願したんだそうだ。」
( ^ω^)「確かに、血の気は多そうだお。」

少し笑いながらそういったブーンに、

('A`)「違ぇよ。」

と、ドクオは少し怒りを含んだ口調で言った。

('A`)「ギコさんな・・・。娘さんがいたんだそうだ。」

そして、何故か過去形で話し始めた。


45 名前:名無しさん 投稿日: 2006/12/01(金) 12:33:00
彼が重苦しい雰囲気で喋り出す時は、決まって真面目な話だとブーンは知っていたから、黙っていた。

('A`)「その娘さんと休日に買い物に出掛けてな・・・」

一旦区切るドクオ。
今までで一番大きく煙を吐き出して、続けた。

('A`)「FOXに襲われたんだそうだ。」
( ^ω^)「え!?」

思わず声を出すブーンに、ドクオは口に指を立てて静かにしろ、と呟いた。

以下暫く――――ギコとドクオの回想シーン――――

ミ,,゚Д゚彡「いい娘だった・・・。反発もせず、俺の誕生日には必ずプレゼントをくれた。去年は時計だったな。」
ミ,,゚Д゚彡「あの時・・・パニックの中で、俺はあの娘の手を放してしまった。急いで見つけて、流れを掻き分けて追い掛けたときには、遅かった。」

そしてギコは見たのだ。
FOXから紅い閃光を浴びて、FOX化していく・・・化け物になっていく我が子を。
その後は絶叫だった。
ただ溢れてくる怒りだか悲しみだか分からない感情に任せて、走り出した。
だが、駆け付けた警官達に押さえ込められた。
どけ!という叫びも空しく、まさかアレが「彼女だった」とも知らない彼等は、FOXと「彼女」に発砲し、「彼女」を粉に変えてしまった。

ミ,,゚Д゚彡「今でも頭に焼き付いて離れない。あの娘のお父さん!という声が。あの娘が変わり果てていく光景が。」
「ミ,,゚Д゚彡何故あの時、手を放してしまったんだろうと、夢に見る度に後悔する。」
ミ,,゚Д゚彡「妻は気が狂ってしまった。俺も、FOXに復讐することだけしか考えられなくなってしまったよ。」

ギコはそういって自虐的な笑いをした。

自分以外の、もう一人のFOX化の症例は彼の大事な人だったのか、とブーンは心の中で呟いた。

('A`)「だからよ。あの人はFOXを「憎んで」る。他の隊員の誰よりもな。」

血の気が多そうに見えるのは、怒りを抑え切れてない裏返しなのかもな、とドク
オは呟いた。

('A`)「悪い。お前には余計な事話しちまったな。」

( ^ω^)「・・・・・・そんなことないお。」

ブーンは俯いたまま言った。

('A`)「じゃあ俺は行くぜ。・・・自分が勝手に言っといて何だけど、あまり思い詰めるなよ。」
( ^ω^)「了解だお。」

ブーンは曖昧な返事をして、ドクオは去って行った。
ドクオは別に悪くない。ブーンのギコに対する誤った認識を正してくれただけだ。

(  ω )「・・・。」

むしろ、ブーンにとっては目を覚まさせられた思いがした。
ギコさんに申し訳なく思った。
FOXの被害者は自分だけではないのに。自分だけが辛いのではないのに。
そんな思いが込み上げて来て、
あの時、自分だけが被害者のような面をしていた自分を、そして今もその待遇に甘えている自分を、情けなく思った。


46 名前:名無しさん 投稿日: 2006/12/01(金) 12:34:25
次の日。
ジョルシとのスパルタトレーニングを終えたブーンは、シャワーを浴びてシャワー室から出てきた。
すぐにある直進と右折の交差を右折しようとすると、

(;^ω^)「あいたっ!」ξ゚⊿゚)ξ「きゃっ!」

何故か大量のプリントを持ったツンと正面衝突。
ツンの持っていたプリント達は宙に舞った。

ξ#゚⊿゚)ξ「ちょっと、何処見てんのよ・・・・ってブーン?」
(;^ω^)「ご、ごめんだお!」

ブーンは急いでプリントを拾う。
全てのプリントを拾い終えて、ブーンはそれをツンに渡して、

(;-ω-)「ごめんだおー」

と力なくもう一度謝って、その場を去ろうとして――――

( ゚ω゚)「ぐえっ」ξ゚⊿゚)ξ「ちょっと待ちなさいよ」

襟首を掴まれた。というか、引っ張られた。

(;^ω^)「な、何か私に至らぬところがございましたでしょうかお?」
ξ゚⊿゚)ξ「いいからコッチ来なさい。」

襟首を掴んだまま、ツンはブーンを引っ張っていく。

(;^ω^)「ちょ、ちょっと苦し・・・。」

そしていきなりパッと離された。
作戦室の前だ。

ξ゚⊿゚)ξ「ショボン隊長、頼まれた書類です。」
(´・ω・`)「あ、御苦労・・・」

ショボンが言い切る前に、ツンは思い切り扉を閉めた。

(´・ω・`)「・・・・・・・・・」
(´;ω;`)ブワッ

(;^ω^)「ゲッホゲホ!ゲッグェ!」(い・・・息が出来ないお・・・・)

また、まだ咳込んでいるブーンの襟首を再びひっ掴んで引っ張っていった。
また離された。ツンの部屋の前だ。
ブーンが涙目になりながら聞く。

(;^ω^)「え?ここツンの部屋のじゃ・・・」
ξ゚⊿゚)ξ「そうよ。ほらさっさと入る!」

押し込められたツンの部屋は意外とさっぱりしていた。
物はあまり置かれていない。

ξ゚⊿゚)ξ「テキトーに座って。」
(;^ω^)「テキトーにって・・・。」

本当に物が少ないツンの部屋には、椅子が無い。
かといって床に直接というのも感じが悪い。
残るは・・・。

(;^ω^)(ベッドかお・・・。)

でも一応ツンのベッドだぞしかしツンはテキトーに座れと言ったしいや待てそも
そもベッドはテキトーな場所なのだろうかだってベッドってあれだろベッドイン
のベッドだろいやいやいやいや何を考えているんだ僕は落ち着け落ち着け落ち着
け素数を数えるんだ

ξ#゚⊿゚)ξ「はよ座らんかい」(;^ω^)「すいません」


47 名前:名無しさん 投稿日: 2006/12/01(金) 12:35:20
結局悩んだ末ベッドに座ったブーンの隣に、ツンは座った。

ξ゚⊿゚)ξ「で。」
(;^ω^)「はい。」
ξ゚⊿゚)ξ「何考え込んでるのよ。」
(;^ω^)「え?」

コーヒーカップを手渡しながら、ツンは話しを切り出した。

ξ゚⊿゚)ξ「今日のアンタおかしいわよ。何だかずーっと悩んでるみたいで。」
( -ω-)「・・・・ギコさんのことを考えてたんだお。」
ξ゚⊿゚)ξ「・・・ああ・・・・」

ツンもやはり知っているようだった。

( -ω-)「ギコさんは僕よりももっとつらい目に遭ってるお。なのに、僕はギコさんよりも皆に気遣ってもらってるお。僕は、それでいいのかなって・・・・」

ブーンは思いを吐き出した。

( -ω-)「こんな状態で、僕は人を助けたいなんて言う権利はあったのかお・・・・?」
ξ゚⊿゚)ξ「そんなこと関係ないじゃない。」
( ^ω^)「え?」
ξ゚⊿゚)ξ「どっちが不幸かなんて関係ないじゃない。あんたは不幸なほど強くなるの?皆より不幸じゃなきゃ人を助けたりしちゃいけないの?」
(;^ω^)「別にそういうわけじゃ・・・」
ξ゚⊿゚)ξ「だったら良いじゃない。あなたがどれだけ不幸であれ、アナタよりも不幸な人がどれだけいるであれ、アナタは今アナタのできることを精一杯やりなさいよ。」
「その通りだ。」

外から声がした。
ドアが開いて、入ってきたのは・・・・


48 名前:名無しさん 投稿日: 2006/12/01(金) 12:36:48
(;^ω^)「ギ、ギコさん!?」

ミ,,゚Д゚彡「悪いな。盗み聞きしちまった。」

そういってギコは部屋の中に入ってきて、床にドカッと座った。

ミ,,゚Д゚彡「俺は別にお前と同じように特別扱いして欲しくないし、お前が特別扱いされてるのが不満だなんて思っても無い。」

ブーンの瞳を見ながら、ギコは話し始めた。

ミ,,゚Д゚彡「俺は、俺がやりたいことをやるだけだ。お前もそうだろう?」

しわが目立ち始めた顔で、ブーンを見つめる。

ミ,,゚Д゚彡「自分の望んだ道を行けよ。その途中で助けが必要なら、俺やジョルシュ達が助けてやるよ。それは別に情けないことなんかじゃないし、特別扱いになることでもない。」
ミ,,゚Д゚彡「俺だって皆に助けられてる。一人で戦ってるわけじゃない。」

ギコは立ち上がった。

ミ,,゚Д゚彡「それだけ言いたくてな。無断で入ってきてすまなかった。」

そういって、ドアに手をかける。

ミ,,   彡「・・・・・俺の娘の分まで、頑張ってくれ。」

小さな声で、ギコはそういった。

( ^ω^)「ギコさん!」

ブーンも立ち上がって、ギコは振り返らずに聞き返した。

ミ,,   彡「なんだ?」

( ^ω^)「・・・トレーニング、またお願いしますお」
ミ,,゚Д゚彡「ああ、言われんでもやってやるよ。」

ギコは笑いながらそう言って、ドアを閉めた。


49 名前:名無しさん 投稿日: 2006/12/01(金) 12:47:48
ξ゚⊿゚)ξ「・・・・で、悩みは晴れた?」

ツンが腰に手を当てて聞く。

( ^ω^)「・・・ありがとうだお。」
ξ゚⊿゚)ξ「な、何よいきなり?」
( ^ω^)「ツンが話を聞いてくれようとしなかったら、僕はきっとまだウジウジしてたお。」
ξ///)ξ「べ、別にアンタのこと心配した訳じゃ・・・・」
( ^ω^)「もう迷わないお。僕は、僕のできることを精一杯やるお。」
ξ゚―゚)ξ「そう・・・まぁ頑張りなさい。・・・私も助けてあげるからさ。」
( ^ω^)「了解だお!」

その時。

「エマージェンシーコール!エマージェンシーコール!」

けたたましくサイレンが鳴った。

( ^ω^)「!警報だお!」
ξ゚⊿゚)ξ「行くわよ!ブーン!」


数分後、研究所から、一台のトラックが飛び出して行った。

(´・ω・`)「現状は?」

ショボンがオペレートルームに足早に入って来て尋ねた。

ξ゚⊿゚)ξ「FOXは二体同時に出現しました。それぞれ別行動を取っています。」

ツンはあくまで冷静に状況を伝えた。

FOXの複数同時出現は、今までに例が無い。

(´・ω・`)「二体か・・・とうとう、というべきかな。」

ミ,,゚Д゚彡「どうしますか。隊長。」無線からギコの渋い声が聞こえている。
(´・ω・`)「・・・仕方が無い。分散してくれ。」
( ゚∀゚)「それじゃ戦力に不安があるぞ。個別に破壊したほうが・・・。」
(´・ω・`)「人命の保護が最優先だ。」
( ゚∀゚)「両方とも討ち漏らしたら意味ねぇだろうが!」

ジョルシュが怒鳴る。

( ^ω^)「・・・。僕が行きますお」

ブーンが唐突に呟くように言った。

( ^ω^)「ツ、・・・オペレーター、人気の少ない方にいるのはどっちだお?」
ξ゚⊿゚)ξ「え・・・・港の方だけど・・・・。」
( ^ω^)「わかったお。」
(´・ω・`)「待て、ブーン君!一人で行くつもりか!」
('A`)「俺も行きますよ。」

そういったのはドクオだ。

('A`)「俺とブーンで一体は何とか食い止めます。その間にもう一体を破壊してください。」
( ^ω^)「ドクオ・・・・・・」
('A`)「お前一人で行かせられっかよ。」

一瞬の沈黙。

( ゚∀゚)「・・・隊長、アンタが決断してくれ。」
(´・ω・`)「・・・・。分かった。だが、無理はしないでくれ。いいね。」
( ^ω^)「了解!」

しばらくして、猛スピードで走行するトラックのコンテナが開いて、青黒い肌の人間と、一台のバイクが飛び出して行った。


50 名前:名無しさん 投稿日: 2006/12/01(金) 12:48:57
夜景の中を、ブーンはビルの屋上を飛び移って行く。

(;'A`)「スゲェ・・・・。」

そんなブーンを見上げながら、ドクオはブーンを追走する。
とは言え、混む時間帯の道路をバイクで走るドクオは、だんだんとブーンとの距離を離されていく。

( ^ω^)「大丈夫かお?」

ブーンからの無線が入る。

('A`)「仕方ねぇ・・・裏道使うか。」

ドクオは呟くと、車体を90度回転させ、停まったまま地面にタイヤを回転させた
後、猛スピードで路地に入っていった。

ビルの屋上を飛ぶブーンはかなり緊迫していた。
何しろ、初めて自分の意思でこの姿になっての戦闘だ。
自然と自分の身体を意識してしまう。

ξ゚⊿゚)ξ「ブーン?聞こえる?」

不意にツンの声が聞こえた。

( ゚ω゚)「聞こえるお。」
ξ゚⊿゚)ξ「そう。・・・他には聞こえないようにしてあるわ。」
(;゚ω゚)「ちょ、そんな勝手にしていいのかお?」
ξ゚⊿゚)ξ「大丈夫よ。そのまま進めばFOXに遭遇するわ。・・・ねぇ、ブーン。」
( ゚ω゚)「何だお?」
ξ゚⊿゚)ξ「約束。・・・・・・無理しないでね。」

それは、ツンの精一杯の想い。

( ゚ω゚)「・・・了解だお!」

ブーンは硬い拳を固く握り締めて、コンクリートの屋上を思い切り蹴って跳躍した。

一方、ジョルシュ達は。

(;゚∀゚)「クソッタレ!」

連射される弾丸の中を跳ぶFOXに苦戦していた。
大きさこそ並程度だが、そのスピードは素早く、隊員達の隙を縫って脚を突き出してくる。

ミ,,゚Д゚彡「ぬうっ!」

背後から繰り出されたその突きを、ギコはギリギリのところで身を捻って交わす。
が、完全には避けられず、右肩を掠めた。

ミ,,゚Д゚彡「っ!」
( ゚∀゚)「ギコさん!」

ジョルシュがバランスを崩したギコの援護に射撃を放つが、しかしそれも交わされる。

( ´_ゝ`)「参ったな・・・。」

兄者が苦々しく呟く。
あれだけスピードがあると、OINARISANを命中させるのは困難だ。
FOXは街灯にしがみついてこちらを嘲笑うかのようにじっとしている。

(;゚∀゚)「コンニャロ、なめんなよ。」

ジョルシュは腰の後ろに手を回した。

(;゚∀゚)「一か八か、やってやるぜ・・・」


51 名前:名無しさん 投稿日: 2006/12/01(金) 12:49:48
( ゚ω゚)「見つけたお!」

ビル街を抜け出したブーンは、コンテナで動くFOXを見つけ、大きく跳躍した。

('A`)「ブーン!あくまで目的は足止めだ!無茶すんなよ!」

ドクオから無線で声が入る。

('A`)「俺ももうすぐ着くからよ!」
( ゚ω゚)「了解だお!」

そしてブーンは、衝撃と共にFOXの近くに着地した。硬質化している足は地面にめり込む。
FOXがこちらを向いて、威嚇するように前の二本の脚を振り上げた。
ブーンはしゃがみ込んだ着地の体制から、ゆっくりと立ち上がる。
FOXが突っ込んでくるのと、ブーンが地面をさらに陥没させて駆け出すのは、全く
同時だった。

(;゚∀゚)「弾切れか!」

役に立たなくなったマシンガンを握りながらジョルシュに悔しそうに言った、そ
の時。

ミ,,゚Д゚彡「ジョルシュ!」
(;゚∀゚)「!うおっ!」

ジョルシュがマシンガンを見た一瞬、FOXがジョルシュに襲い掛かった。
ジョルシュはその足から繰り出される突きをマシンガンで受け止めるが、マシンガンは弾けとび、ジョルシュは後ろに吹っ飛ばされた。

FOXはビルの側面に張り付いて、もう一度、今度はジョルシュを串刺しにしようとFOXは跳ぶ。
だが、ジョルシュはそれを待っていたのだった。
腰につけていた丸い何かをFOXに向かって投げつける。と同時に、ジョルシュは「目を瞑れ!」と叫んだ。

FOXの目前で、それは爆ぜた。
強烈な光と爆風がFOXを襲う。
FOXはバランスを崩し、背中から地面に激突する羽目になった。
すぐさま起き上がろうともがき、やっとのことで起き上がるが、

( ´_ゝ`)「遅いな。」
(´<_` )「喰らえ。」

OINARISANから放たれた閃光が、FOXを飲み込んだ。


52 名前:名無しさん 投稿日: 2006/12/01(金) 12:50:49
( ゚ω゚)「おおおっ!」

ブーンの拳はFOXにかわされ、地面に小さなクレーターを作る。すぐさまその場を飛びのく。FOXの脚が突き刺さった。
ブーンは手近にあった鉄パイプを持つ。あの時とは状況が違う。思いっきりFOXに向かってブン投げた。
FOXは楽々と空中に逃げる。それが狙い。
鉄パイプを投げつけたブーンはすぐさま跳躍し、FOXの脚を掴む。地面に向かって叩き付けた。
FOXは空のコンテナに派手な音をたてて激突した。
ブーンは着地してFOXが突っ込んだコンテナを見た。
コンテナはひしゃげて原形をとどめていない。

( ゚ω゚)「やったかお・・・・?」

一瞬の油断。
その隙を待っていたかのように、コンテナの残骸からFOXが飛び出してきた。

(;゚ω゚)「ぐふっ!」

身構えられずにその体当たりを食らったブーンは、倉庫のコンクリートで出来た壁にぶっつけられた。

(;゚ω゚)「・・・・・・・油断したお・・・・」

肺から空気が押し出され、一時的に呼吸が出来なくなる。
何とか立ち上がって、壁にもたれる。
FOXが身を低くした。もう一度突進をするつもりか。
が、ブーンはまだ満足に動けない。
どうする。

その時、バイクのエンジン音が聞こえた。
立て続けに銃声が聞こえて、立て続けにFOXに銃弾が命中する。
バイクに乗ったドクオが、こちらに向かって走ってきていた。

ξ;゚⊿゚)ξ「ブーン!大丈夫?」

ツンの心配そうな声が無線から入る。

( ゚ω゚)「なんとか・・・・・。」
('A`)「ったく、無茶すんなって言ってるだろうが。」

走りながら無線で声を掛けてくるドクオに、ブーンは答えた。

ブーンの前まで走ってきたドクオは、バイクをドリフトさせながらFOXに銃を撃つ。
その精度は百発百中だった。

('A`)「ジョルシュさんから連絡が入った。今こっちに向かってるそうだ。」

今度は無線ではなく、ヘルメットをはずし直に話す。

( ゚ω゚)「・・・・・・把握したお!」

ブーンは身構える。もう大丈夫だ。

('A`)「救援まで耐え抜くぞ。と言う所なんだろうが、やっちまうか。」

ドクオが少し笑う。

( ゚ω゚)「・・・・・・・賛成だお。」

ブーンも笑った。ちょっと怖い。

('A`)「行け、援護は請け負った。」
( ゚ω゚)「頼むお!」

ブーンが走りだし、ドクオはFOXに銃撃を放つ。
FOXは銃撃を避けるが、それは囮。ブーンの一撃を避けることは出来ず、地面に叩き付けられる。
そこにドクオの追撃。正確無比な弾丸がFOXを穿つ。
弾丸を受けながらも起き上がったFOXは脚を一本失っていた。


53 名前:名無しさん 投稿日: 2006/12/01(金) 12:52:28
それから少し経ったVIP司令室。

ξ゚⊿゚)ξ「FOX、二体とも破壊されました。」
(;´・ω・`)「ご苦労様。帰還してくれ。」

オペレーションルームのショボンは、マイクから隊員たちに語りかけて、大きく息を吐いた。

ξ;゚⊿゚)ξ「大丈夫ですか?」

ツンが心配そうにいう。

(;´・ω・`)「ああ、大丈夫だ。」

それが明らかに強がりであることを、ツンは知っていた。
ここ一週間の彼の睡眠時間は果たして二桁に届くだろうか。
VIP隊長として外部とのやり取りは殆ど彼に任されている。
しかもここ最近のそれは、彼を殺してしまわないかと言うほどハードだった。

(;´・ω・`)「もう限界かな・・・・。」

唐突にショボンが呟いて、ツンはギクリとした。

ξ;゚⊿゚)ξ「隊長!無理はしないでください!」

ショボンは少し驚いたような顔をして、すぐに笑った。

(´・ω・`)「いやいや、僕の話じゃないよ」

その笑顔にすら元気は無い。

こんな平和な島で、軍備等充分に揃っている訳がない。
最後に行われた戦争は50年前。宗教も人種も一つなため紛争すら起こらなかった、
この世界にたった一つの統一された小さな島国。
軍備など必要なく、武器の開発も犯罪防止の為に致死性を出来るだけ下げる方向に進んで来た。
地球外からの侵略等、殆ど想定されていなかったのだ。
VIPが発足したのは奇跡だったと言える。

そんなVIPに、出番がやってきてしまった。
FOXという「想定内」なはずの「想定外」な敵の侵略。
そんな過酷な状況を、今まで持ちこたえて来たのは殆どがショボンの功績と言っていい。
武器の開発、メンバーの増強、上部とのやり取り、戦闘時の総指揮。
それら全ての統括を彼一人でやってのけている。
のしかかる重圧と疲労は想像を絶するだろう。

(´・ω・`)「隊員達が戻って来たら、至急作戦室に来るように言ってくれ。」

立ち上がりながらショボンはツンに命令する。

ξ゚⊿゚)ξ「分かりました。」
(´・ω・`)「頼んだよ。」
そういってショボンは部屋を出ていった。


54 名前:名無しさん 投稿日: 2006/12/01(金) 12:53:32
( ^ω^)「ふう。」

格納庫でトラックから降りたブーンは、一息着いて戦闘服の襟を緩めた。

('A`)「お疲れ。」

ドクオが後ろからブーンの肩を叩く。

( ^ω^)「お疲れだお。」

ブーンはそのまま通り過ぎていくドクオにそう返した。

ξ゚⊿゚)ξ「隊員は至急作戦室に集合せよ。繰り返す・・・」

その時、ツンの声でナレーションが入った。

( ゚∀゚)「何だ?」
ミ,,゚Д゚彡「行けば分かるさ。」

ジョルシュとギコが銃器を片しながらやり取りをする。
ブーンも、ドクオの後を追って駆け出した。





(´・ω・`)「OINARISAN改良型完成のめどがたった。」

作戦室に、ショボンの声が響き渡る。

(´・ω・`)「あと一週間だ。一週間後、FOX掃討作戦を開始する。」
('A`)「とうとうか・・・。」

ドクオが呟く。

(´・ω・`)「が、油断は出来ない。ここ数週間のFOXの勢いは止まることを知らない。急激な
戦闘の過激化が予想されるだろう。」

もはやその口調に、余裕やユーモアは一欠けらも残されてはいない。

( ゚∀゚)「上等だぜ。」

ジョルシュは掌に拳を突き当てて意気込む。

( ゚∀゚)「俺ぁ最高のオッパイを揉みしだくまでは死ねn(ry)ゴゴン!
(;゚∀゚)「あでっ!」

ギコとクーのゲンコツが立て続けに命中した。
(;^ω^)(あの人は空気読めないのかお・・)

(´・ω・`)「・・・とにかく、より一層キツイ戦いになるだろう。全力を尽くしてくれ。」
全員「了解!」


55 名前:名無しさん 投稿日: 2006/12/01(金) 12:54:10
ミーティングの後、自分の部屋に戻ったブーンは洗面台で顔を洗っていた。
二、三度顔に水をぶつけた後、タオルを取ろうと手を伸ばしたその時。

(;^ω^)「ぐっ!」

あの感触が襲い掛かった。

(;^ω^)「・・・!」

無言で耐えるブーン。声を出せば、外にいる誰かに気付かれるもしれない。
必死にタオルを握り締める。
やがて、それは引いていった。

(;^ω^)「ハァ・・・ハァ・・・。」

ゆっくりと呼吸を整えて、ブーンは立ち上がった。
これでVIPに入ってから四度目。
ブーンは半FOX化の反動がゆっくりと、しかし確実に影響していることを理解していた。

( ^ω^)「負ける訳にはいかないんだお・・・」

とりあえず、今日は早めに休もうと決めた。


56 名前:名無しさん 投稿日: 2006/12/01(金) 12:54:41
次の日。
大通りに面したデパートから、ブーンとツンが出て来た。
手には大きなビニール袋が握られている。

ξ゚―゚)ξ「ゴメンね。買い出しに付き合わせちゃって。」

隊員たちは皆研究所暮らしなため、定期的に近くのデパートへと日用品や食糧を買いに行かねばならない。

( ^ω^)「いや、いい気晴らしになったお。」

そういえば、外出するのも久し振りだお、とブーンは付け足した。

ξ゚―゚)ξ「何言ってんのよ、夜な夜な飛び出して行って暴れてるじゃない。」

ツンが意地悪く笑いながらいう。

(;^ω^)「誤解を招くような言い方は止めて欲しいお・・・」
ξ゚⊿゚)ξ「・・・大丈夫?」
(;^ω^)「え?」

いきなりの問い掛けにブーンは戸惑った。

ξ///)ξ「無理・・・・してないでね。」

ツンはこちらを見ないで続ける。
どうやら恥ずかしいときに顔を反らすのは、彼女の癖のようだった。

)ξ///)ξ「もうアンタの看護なんか懲り懲りなんだから。」
( ^ω^)「・・・了解だお。」

ブーンも前を向いたまま答えた。
少しだけ、胸が痛んだ。

研究所の前に着いて、その門を通ろうとした、その時。

(ブーン・・・・・・)

頭に声が響いた。この声は・・・

( ^ω^)(いよぅ!?)

頭の中で聞き返す。

(=゚ω゚)ノ(そうだよぅ・・・・・・覚えててくれてよかったよぅ・・・・・)

ξ゚⊿゚)ξ「どうしたのよ?」

急に立ち止まったブーンに、ツンが声をかける。

(;^ω^)「あ、いや、何でもないんだお。」
( ^ω^)(何で、ってか一体どうなってるんだお?)
(=゚ω゚)ノ(話してる暇はないんだよぅ・・・・・・・FOXがいるんだよぅ・・・・・)
( ^ω^)(え!?)

何で分かるんだと聞こうとして、質問を変えた。

( ^ω^)(何処だお!)
(=゚ω゚)ノ(商店街の方向だよぅ・・・・・・)
( ^ω^)「・・・ツン、買い忘れを思い出したから、ちょっと買って来るお。」
ξ゚⊿゚)ξ「買い忘れ?アンタ付いて来ただけじゃ・・・」
( ^ω^)「悪いけど荷物持って行ってくれお!」
ξ;゚⊿゚)ξ「ちょ、ちょっと!待ちなさいよブーン!」

ツンの呼び止めも空しく、ブーンは駆け出していった。


57 名前:名無しさん 投稿日: 2006/12/01(金) 13:10:40
(詳しい位置は分からないのかお!)

ブーンが頭の中で叫ぶ。
 
(ピンポイントには分からないけど・・・・多分商店街の中心だよぅ。)
(・・・・・・本当に何者なんだお。アンタ。)
(・・・・・・・・・・・・・。)

いよぅは答えない。

(・・・・・・とにかく急ぐお!)

ブーンは走った。

商店街の入り口に着いたブーンは。いよぅの言ったことが正しかったと確信した。
奥から入り口へ。全速力で逃げてくる人たちで、商店街はパニック状態だった。
ブーンはその流れに逆らって奥へと進んでいく。

「・・・・・・!いたお!」

商店街の中心。大きな噴水が置かれている十字路に、FOXが居た。

もはや掻き分ける人もいなくなった道をブーンはFOXに向かって駆けていく。
段々とFOXに近づくにつれて、その大きさが、

(;^ω^)「でかっ!」

今までの比ではないことをブーンは悟った。

(FOXが本格的な侵略を始めた証拠だよぅ・・・・・・)

いよぅが説明を加える。
が、だからといってブーンに逃げるつもりは勿論全くない。

( ゚ω゚)「おおおっ!」

駆けながら半FOX化して、そのスピードを爆発的に上げる。
その時、FOXはこちらに向かって咆哮した。
正しくは音を発しただけだが、その音はまさしく叫び声だった。

(;゚ω゚)「っっッ!」

その耳を劈くような高音に、ブーンは思わず立ち止まって耳を押さえた。
その手を話せば頭が割れそうだ。
FOXが咆哮を止めて迫ってくる。
ブーンは身構えるが、最初に聴いてしまったせいで、ふらつく。

(;゚ω゚)「ガンガンするお・・・」

しかし、FOXに容赦は無い。
突進しながら前足を横凪ぎに払ってくる。
ブーンは辛うじてバックステップで避けて、大きく距離を取った。
ふと腰に手が伸びる。ホルダーに納められた2CHに触れた。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

( ´∀`)「あーそうそう。2chは半FOX化してるときには絶対使っちゃ駄目モナ。」
( ^ω^)「?何でですかお?」
( ´∀`)「エネルギーが暴発してえらい事になるかも知れないモナ。」
(;^ω^)「・・・・・・・・・・マジスカ」
( ´∀`)「マジモナ。だからそれはあくまで「生身の」君専用モナ。いいモナね。」
(;^ω^)「分かりましたお。」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

駄目だ。この姿での使用は止められている。
ブーンは伸ばした手を戻そうとして・・・
突如横からの衝撃を受けて吹っ飛んだ。


58 名前:名無しさん 投稿日: 2006/12/01(金) 13:12:38
(#゚∀゚)「もっと飛ばせないのかよ!」
ジョルシュがトラックの運転主・・・クーに怒鳴った。
川 ゚ -゚)「これでも限界なんだ!」
クーが怒鳴り返す。

ツンが研究所に戻ってすぐに、FOX出現の一報が入ってきた。
場所は商店街。ブーンが走っていった方向。
何故FOXの存在を察知したのかは分からなかったが、ブーンが一人でFOXの元に向かったことは明白だった。

ξ;゚⊿゚)ξ「ごめんなさい・・・・止めなかったアタシが馬鹿だったわ・・・・」

無線から落ち込んだ声が入る。

('A`)「ツンちゃんの所為じゃない。あの馬鹿が勝手な行動に走ったのがいけないんだ。」
「もうすぐ到着だ!」
(;'A`)「ブーン・・・無事でいろよ・・・・・」





轟音を起てて、ブーンはショーウィンドウに突っ込んだ。
硝子が粉々になって、マネキンが倒れている。
ブーンに激突したもう一体のやや小型のFOXは、ゆっくりとショーウィンドウに近
付いていく。
その時、ショーウィンドウの奥から閃光が走って、小型のFOXを軽々と飲み込んだ

生身に戻っていたブーンが、2chを構えながら中から飛び出した。
身体を空中で横にした状態で、もう一度2chのトリガーを引く。
FOXに向かって閃光が放たれて・・・。
しかしそれは命中しなかった。

その巨大な体躯からは想像できないほどの速さで身体をひねって、FOXは閃光を交わしたのだ。
(;;^ω^)「げっ・・・・」
ブーンはそのまま地面に落ちる。
2chを命中させる自信があったブーンは、完全に隙だらけだ。
FOXがすぐに近づいてくる。

( ゚ω゚)「ッ!」

ブーンは寝っ転がった体勢で半FOX化した。
FOXは得意の前足による突きを繰り出そうと、カマキリのような体勢で突っ込んでくる。
そしてブーンの胴体に向かって思い切り突き降ろした。
その脚が貫いたのは地面。
ブーンはFOXが方を向いた逆立ちの体勢になっていた。
そのまま思い切り地面を押して、FOXの背後へと棒高跳びの要領で飛び込む。
着地してすぐに、FOXは振り向く。
それも計算済み。ブーンはFOXの真下にしゃがみ込んでいた。

( ゚ω゚)「昇龍k(ry)!!!11!!!

十分に力を溜めて打たれたアッパーは、FOXの胴体を捕らえた・・・はずだった。
FOXは片方の前足を盾にして、アッパーの軌道を胴体からずらしていた。

(;゚ω゚)「マズtt・・・・・・・」

同時に、何かが貫かれる音。

空中で片腕を上げている隙だらけのブーンを・・・FOXの前脚が貫いた。


59 名前:名無しさん 投稿日: 2006/12/01(金) 13:13:30
(;゚ω゚)「ぐっふ・・・・」

口から血が溢れる。
自分を貫く前足を掴むが、力が入らない。

(  ω )「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

やがて、ブーンの両手足は力なく垂れ下がり、その目は空ろになった。

FOXが咆哮を上げた。

トラックが商店街の入り口に着いて、中からジョルシュ達が飛び出した。

(;゚∀゚)「いたぞ!」

ジョルシュとギコが先陣を切って走り出す。

そこに広がっていた光景は、残酷だった。

ξ;⊿;)ξ「イヤァァァァァァァ!!!!!!!!」



ツンが絶叫を上げて耳を塞ぎながら崩れ落ちた。
見えたのは、FOXの前足に貫かれ、全く動かないブーンの姿。

(;´・ω・`)「なんてことだ・・・!」

(#'A`)「野郎オオオオオォォォ!」

ドクオが怒声を上げてマシンガンを撃ちながら走る。
弾丸を受けてそちらを向いたFOXは、まるで鬱陶しいとでも言うかのようにブーンを貫いた前足を振って、ブーンは壁にぶつかって落ちた。

ミ,,゚Д゚彡「喰らえッ!」

ギコとドクオのマシンガンがFOXに浴びせかけられるが、いつものようにはいかない。
FOXは銃弾をはじき返し、ボディには傷一つ付かない。
ジョルシュが口でグレネードの安全ピンを引き抜き、FOXの左半身を狙って投げ込む。
爆発音と共に爆炎がFOXに襲い掛かった。
土煙が上がって、FOXと隊員たちの間に壁を作る。
ギコとドクオはその攻撃の手を休めない。煙の中に幾数もの弾丸が吸い込まれた。
やがて煙が去っていく。その奥には・・・
先ほどと何も変わっていないFOXがいた。
「馬鹿な・・・・!」
(;'A`)「ホンモノの化け物かよ・・・・・・」

隊員たちが唖然とする中、FOXは咆哮をあげた。

(;゚∀゚)「うおっ!?」
ミ,,゚Д゚彡「ぐあっ・・・・!」

あの高音がジョルシュたちを襲う。
隊員は一斉に耳をふさいだ。

(;´・ω・`)「状況は・・・・最悪か・・・・」

トラックに備え付けられたカメラからの映像を映し出すモニターを見ながら、ショボンは悔しそうに悪態をついた。
モナーはツンの横に腰を下ろしている。

ξ;⊿;)ξ「嫌よ・・・ブーン・・・・約束したのに・・・・」

ツンの切ない嗚咽だけが、作戦室に響いた。


60 名前:名無しさん 投稿日: 2006/12/01(金) 13:15:15
暗闇。
( ^ω^)「僕は・・・死んだのかお・・・」
身体が異様にだるい。ここは地獄?天国?それとも・・・

(=゚ω゚)ノ「ここは君の中だよぅ」

振り向くとそこにはいよぅがいた。
ああ、そうか。ここは僕の中だっけか。頭がボーっとしてまともな思考が働かない。

( ^ω^)「・・・・・・ということは・・・・まだ僕は生きているのかお・・?」
(=゚ω゚)ノ「今のところは生きているよぅ。」

いよぅは少し沈んだ口調で喋る。

(=゚ω゚)ノ「でも、このままここにいればいずれ死ぬよぅ。」
( ^ω^)「・・・・・・・・じゃあどうすればいいんだお・・・・?」

回らない頭が、会話のペースを遅くする。

(=゚ω゚)ノ「・・・方法はあるよぅ。でも・・・・」
( ^ω^)「でも何だお?」
(=゚ω゚)ノ「君が君じゃなくなってしまうかもしれないよう。」
( ^ω^)「・・・・どういうことだお・・・・?」
「君が生き返るためには、君の中のFOX因子の侵食の度合いを大きくしなきゃいけないよう。」
「だから、君の抗体と僕で侵食の制御しきれなくなったら、君はFOX化してしまうかもしれないよぅ。もし制御が利いても・・・・・・」

一度区切って、いよぅは言った。

(=゚ω゚)ノ「君は、二度と人間の君には戻れないよう。」

( ^ω^)「・・・・なんでそんなこと知ってるんだお・・・・・」
(=゚ω゚)ノ「・・・・・・・時間がないよぅ」

またはぐらかされた。

(=゚ω゚)ノ「怒らないで・・・・・・どうするんだよぅ。・・・・・・僕は君に任せるよう。」
( ^ω^)「いいのかお?」
(=゚ω゚)ノ「・・・君を「こんな体」にしたのは僕の責任なんだよぅ。最後まで付き合うよぅ。」
( ^ω^)「・・・・・・」
(=゚ω゚)ノ「だから、君の望むようにしてくれれば良いよぅ。」

この際彼については後回しにしよう。そうブーンは思った。
どうすればいい?
このまま死を選べば、僕はFOXには成らずにブーンとして死ねるだろう。
生を選ぶなら、僕はもうブーンには戻れない。FOXと成るか、どっちつかずの化け物。
どちらにしろ、僕にブーンとしての生はもう無いのだ。
でも、それでも、何があっても。

( ^ω^)「僕は・・・・・」


61 名前:名無しさん 投稿日: 2006/12/01(金) 13:17:09
ミ,,゚Д゚彡「ぬあああああっ!」

ギコがマシンガンを惜しむことなくFOXに撃ちつづけ、その前進を阻んでいた。
ドクオは片腕から血を流して壁にもたれ掛かっている。
ジョルシュはFOXに向かって走っていく。というより突っ込んでいった。

( ゚∀゚)「おおらあああああああ!!!」

FOXの突き降ろしをギリギリのところで避けて、壁に激突する。
しかし同時に、最後のグレネードを投げていた。

爆発が起きてFOXと自分達を隔てる煙が舞い上がった。。

( ゚∀゚)「今だ!」

ジョルシュが叫んだ。

( ´_ゝ`)「行けぇっ!!」(´<_` )

OINARISANからレーザーが発射される。
全てを使い果たした隊員たちの、最後の手。
レーザーは煙の壁に穴を開けてFOXに向かって飛んでいく。
手ごたえはあった。
しかし、会心の一撃にはならなかった。
FOXは前片脚を失いながらもその場に立っていた。上半身をひねって直撃コースから身を逸らしたのだ。

(#゚∀゚)「畜生!」

ジョルシュが壁を殴る。

ミ,,゚Д゚彡「ここまでか・・・・・」

空になったマガジンが装填されているマシンガンを構えながら、ギコが呟く。

ただ一人、ドクオだけは。

('A`)「ブーン・・・・?」

FOXの奥から立ち上がった人影を見た。


62 名前:名無しさん 投稿日: 2006/12/01(金) 13:18:57
FOXの奥から立ち上がった人影を見た。

意識はハッキリしている。
手を二、三度グッパして、感触を確かめる。
大丈夫。「僕」はまだ「僕」だ。
復活の途中、頭が割れそうな絶叫を何度も聞いた。
あの身を焼かれるような痛みを何度も感じた。
意識を何度も持っていかれそうになった。
それでも。

( ゚ω゚)「僕は・・・・まだ死ねないんだお」

守るために。救うために。そして、約束を守るために。

( ゚ω゚)「FOX・・・・・・僕は帰ってきたおぉ!」






(;゚∀゚)「あれが・・・・ブーン・・・・?」

立ち上がったブーンの姿を見てジョルシュは唖然とした。
ジョルシュもブーンが半FOX化した状態を一度は見ている。
だが、あれほどの変化はしなかったはずだ。

硬質化した部分は二の腕にまで及び、膝と膝の先にまで突出している。
そして、全身が青黒い。
顔も例外ではなく、髪は漆黒と呼ぶにふさわしい。その瞳は金色に輝いている。

(;゚∀゚)「まさかFOX化しちまったのか・・・・?」
ミ,,゚Д゚彡「違う。あんな姿にはならない。」

ギコが呟く。

('A`)「大丈夫ですよ。」
(;゚∀゚)「え?」

ドクオは確信を持って言った。

('A`)「あれはブーンです。それ以外の何でもありませんよ。」

一方作戦室では。

(;´・ω・`)「FOXの侵食度が増しているのか・・・・」
(;´∀`)「FOX化のギリギリ一歩手前モナ・・・・」

モニターを凝視する二人。

ξ;⊿;)ξ「ブーン・・・・!」

ブーンは大きく息を吸った後少し身体を屈めて、
消えた。

ミ,,゚Д゚彡「!?」

速い。

もはや目で捉らえ切れない程にまで高まったスピードで、ブーンはFOXの背中に飛び移ったのだ。

おもむろにFOXの脚と胴体の連結部分を掴んで、

(#゚ω゚)「ふんっ!」

気合い一発握り潰した。

硝子が砕けるような音と共に、FOXの左中脚が本体と離れ離れになった。

FOXが仕返しとばかりに上半身を捻って自分の背中へと裏拳を繰り出す。

しかし、ブーンはまたも消えた。

と同時に、FOXが押し潰されるように地面にはいつくばった。

ブーンは両足でFOXの背中を押し蹴り、その反動で空中に飛び上がったのだ。

(;゚∀゚)「スゲェ・・・」
ジョルシュが感嘆の声を上げ、ブーンは回転しながら着地する。

( ゚ω゚)(身体が空気みたいに軽いお・・・)

その力に困惑すらしながら、ブーンは地を蹴った。


63 名前:名無しさん 投稿日: 2006/12/01(金) 13:19:56
今度は真っ向から突っ込んだ。
FOXはそのスピードに追いつけないまま、得意の横払いすら出来ずに、ブーンに懐への侵入を許してしまう。

ブーンは軽く息を掃いた後、

(#゚ω゚)「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!!!!!!!!」

立て続けに拳を撃ち込む。
絶え間ない打撃音が聞こえた。

(;゚∀゚)「現実で残像なんて初めて見たぞ・・・?」

まるでテレビの画面の前で手を振ると手が幾つも見えるように、ブーンの繰り出
す腕は何本にも見える。

FOXはその勢いに反撃すら出来ずに、両前足でガードしながら後退していく。

(#゚ω゚)「無駄無駄無駄無駄無駄ァ!」


何かが折れる音がして、またFOXが脚を失った。
左前脚が円を描いて飛んでいく。

それでもブーンは攻撃の手を緩めない。

(#゚ω゚)「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオ
ラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ」


すでに三本もの脚を失ったFOXはもはやなすがままだ。
咆哮すら上げることなく拳の雨に打ち晒されている。

(#゚ω゚)「オラオラオラオラオラオラオラオラァッ!」

ブーンの動きが止まった。
FOXは、幾つもの破片に成り果てていた。

ガラガラと音を立てて地面に落ちて、粉となった。

そして全てが落ちた後、

('∀`)「心配かけやがって。」

壁にもたれたドクオが嬉しそうに言って、

( ゚ω゚)「スマンかったお。」

ブーンは謝った。

ξ;⊿;)ξ「良かった・・・・・ブーン・・・・・」


64 名前:名無しさん 投稿日: 2006/12/01(金) 13:21:27
毎度お馴染み作戦室。

(;´・ω・`)「もう元に戻れないだって!?」

ショボンの驚きを含んだ叫び声が響いた。

(;-ω-)「すいませんお・・・・・・」

謝るブーン。

ξ;゚⊿゚)ξ「そんな・・・・・・!」

手で口を押さえて絶句するツン。

(;゚∀゚)「モナー!どうにかなんねぇのか!」

怒鳴るジョルシュ。

( ´∀`)「無理だモナ・・・・・・手の施しようがないモナ。」

悔しそうに言うモナー。その握られた拳は震えている。

ミ,,゚Д゚彡「・・・・・・」

黙りこくっているギコ。

川 - )「・・・・・・・・・済まない。私の運転が遅れたせいだ。」

唇を噛んで謝るクー。

( ゚ω゚)「そんなことありませんお!」

ブーンが叫んだ。

( ゚ω゚)「これは僕が決めた結果ですお。僕以外の誰の責任でもありませんお!」

もう戻れなくなった。僕は「完全に」ヒトじゃなくなった。
それでも。僕は生き返って皆を守りたいから、この道を進もう。

それがブーンが選んだ結果。
ブーンが望んだものの為に払った代償。

( ゚ω゚)「僕は、後悔していませんお。」

ブーンは静かにそう告げた。

(´・ω・`)「・・・・・・分かった。」

ショボンが言った。

(´・ω・`)「作戦の決行は明日だ。勿論雨天決行。」

誰も笑わない。

(´・ω・`)「なお、作戦決行の12時間前に一般への公表を行い、同時に近辺住民には退避してもらう。」

(´・ω・`)「今までに無い大規模な戦闘になるだろう。各自覚悟しておいてくれ。」

ショボンはブーンを見た。
(´・ω・`)「僕からはもう言うことは無いし、言えない。君は君の信念を貫いてくれ。」

( ゚ω゚)「・・・・・・了解!」

ブーンは敬礼した。

(´・ω・`)「以上だ。」

ショボンは足早に出ていった。


65 名前:名無しさん 投稿日: 2006/12/01(金) 13:24:51
「ブーン。」

振り向くと、ツンが立っていた。目が少し腫れている。

( ゚ω゚)「ツン・・・・・・。」
ξ#゚⊿゚)ξ「アンタって本当に勝手よね。無茶しないって約束したのに。」
(;゚ω゚)「・・・・・・ごめんだお。」
ξ#゚⊿゚)ξ「もう聞き飽きたわよ。」
(;゚ω゚)「・・・あうあう・・・」

ξ゚⊿゚)ξ「・・・・・・死なないでね。」
( ゚ω゚)「え?」
ξ゚⊿゚)ξ「絶対に。何があっても。」

ξ゚⊿゚)ξ「あなたがどんな姿になっても、私にとって貴方はブーンよ。」

ξ゚⊿゚)ξ「アタシが貴方がブーンだと何時までも覚えておいてあげる。」

ξ゚⊿゚)ξ「アタシが貴方の帰る場所になるわ。だから・・・・・・」

ツンの目から涙が零れた。

ξ;⊿;)ξ「お願い。絶対に死なないで。絶対に生きて帰って来て!」

言い切ったツンの肩が小刻みに震えている。

( -ω-)「ツン・・・・・・」

('A`)「任せろ、絶対に死なせねぇよ。」

ドクオがブーンの肩を掴んで言った。

( ゚ω゚)「ドクオ・・・・・・」

( ゚∀゚)「当ったり前だ馬鹿。まだブーンにおっぱいの良さを教えて」
ブンッ
(;゚∀゚)「っぶね、教えてねぇからよ!」

クーのげんこつを避けながらジョルシュが意気込む。

「約束は俺もしたぞ。」

振り向くと、ギコが掌に拳を打ちながら言った。

ミ,,゚Д゚彡「こんな所で死んでもらったら娘が浮かばれんからな。」

( ´_ゝ`)「OINARISAN改良型は完全に完璧に100%完成した。作戦に支障は無い。」
(´<_` )「マザーのどてっ腹に風穴開けてやるよ。」
( ´_ゝ`)b「俺達は流石兄弟だからな!」d(´<_` )

流石兄弟が肩を組んで親指を前に突き出した。

( -ω-)「皆・・・・・・ありがとうだお・・・・・・」
ミ,,゚Д゚彡「ただし!」

ギコが釘を刺す。

ミ,,゚Д゚彡「勘違いするなよ。目標は「全員生還での」マザー破壊だ。ブーンだけじゃねぇ。誰ひとりとして死ぬんじゃぬぇぞゴルァ!」

全員「了解!」

作戦室に、皆の声が響き渡った。


66 名前:名無しさん 投稿日: 2006/12/01(金) 13:26:55
――――本日午前9時――――――
―――――政府からの発表によりますと―――――
――結晶化事件の犯人は―――――であることが判明したとの―――――
本日作戦が決行され―――――――近隣住民の方は速やかに――――――

この日が来た。
ブーンはいつもとは違うトラックのコンテナの中で一人ラジオ放送に耳を傾けていた。
トラックの外ではVIP隊員とこの二日で緊急収集された警察官達が準備に勤しんでいる。
彼らも大変だ。
たった二日で本来ならば一ヶ月はかかりそうな化け物と戦う特訓と技術を叩き込まれたのだから。
ブーンは姿を見せる訳にもいかず、ただトラックの中でじっとしていた。

( ゚∀゚)「準備完了だ。」

ジョルシュがコンテナの中に入ってきた。

( ゚∀゚)「出発すっぞ。覚悟は出来てんだろうな?」

ジョルシュがニヤッと笑う。

( ゚ω゚)「大丈夫ですお。」
( ゚∀゚)「よーし、んじゃあ作戦の説明な。念のためだ。」
( ゚ω゚)「ハイですお。」
( ゚∀゚)「俺達が居るのはここだ。」

ジョルシュが地図を開く。

( ゚∀゚)「で、こっからこの道を通って海岸に出る。マザーは目の前だ。」

地図の上を指で辿りながら、ジョルシュは続ける。
地図にはないマザーを指すように、海の部分を指で叩いた。

( ゚∀゚)「まずは俺ら第一トラックと第二、第三トラックが先陣を切って行く。ギコは第二トラックだ。その後第四・五・六、第七・八・九。 んで最後に第十トラックが来る。第十は・・・・」
('A`)「OINARISAN改良型を搭載。」

ドクオがトラックに入ってきた。

( ゚∀゚)「そうだ。これが到着してから発射するまでの時間を俺らが稼ぐ。単純で簡単だろ?」
('A`)「言うのは簡単ですけどね。」
( ゚∀゚)「なーに、案ずるより生むが安し、だ。」
( ゚ω゚)「使い方間違ってますお・・・・」
(;゚∀゚)「え、マジ?」

ξ゚⊿゚)ξ「なーにお喋りしてんのよ。」

無線からツンの声が入る。

ξ゚⊿゚)ξ「全トラック、準備完了しました。第一トラック、発進してください。」
「了解!」

ブーンを乗せたトラックは走っていく。やがて見えなくなった。

(´・ω・`)「行ったか・・・・・・。」
( ´∀`)「そうですモナね・・・・・。」

ξ゚⊿゚)ξ「第一、第二、第三トラック、第一目標地点通過!」
ξ゚⊿゚)ξ「第四、第五、第六トラック、発信してください!」
エンジン音を上げて後続のトラックが走り出す。

順調にトラックは発進していく。そして、

ξ゚⊿゚)ξ「第十トラック!」

クーの運転する、OINARISAN改良型を搭載したVIPのトラックが唸りを上げて最後
に走り出した。

(´・ω・`)「頼んだぞ・・・・・・。」


ショボンが呟いた。


67 名前:名無しさん 投稿日: 2006/12/01(金) 13:31:42
(;゚∀゚)「見えてきたぜ・・・・・・・!」

住宅が辺りに見えなくなって、広がった視界にマザーが入ってきた。
ブーン達を乗せたトラックはそれに向かって走る。
そして砂浜の手前にある段差で停まった。
この段差が防衛ライン。ここを破られないように、ブーン達は戦うのだ。

トラックから、ブーンが飛び出した。
ジョルシュとドクオが続く。
段差の先に広がる砂浜にさらに奥。数キロ沖合に、それはあった。
マザー。FOXの母。
巨大なそれを前に見ながら、ブーンはFOXが辺りにいないか確認する。

ジョルシュ達は何かを設置し始める。銃座。かなりの大型だ。

( ゚∀゚)「準備オッケーだぜ!」
('A`)「こっちもだ!」

( ゚ω゚)「了解だお!」

その時、水面が音を立てた。

FOXだ。もう嗅ぎ付けたのか、ブーンが初めに遭ったものと殆ど同じフォームのそれが三匹、ぞろぞろと砂浜に上がってくる。

( ゚∀゚)「ブーンは砂浜で!ドクオは突破してきたのを頼む!」

ジョルシュが設置した銃座に座って言った。

( ゚ω゚)「了解!」

瞬間、ジョルシュの跨る銃座のマシンガンが火を噴いた。
手に持てるそれとは比較にならない威力で、FOXを砕いていく。

だが既に後続のFOXが砂浜に上がってくる。

( ゚ω゚)「おおおっ!」

それをブーンが叩く。
かつては手も足も出なかった化け物を、圧倒していく。

後ろからはドクオが援護してくれる。
負ける気がしなかった。

やがてこちらの後続も到着し始めて、銃座が増える。
かつてない大規模な戦闘。
ブーンは心を満たしているのが緊張から高陽になっていくのを感じた。


68 名前:名無しさん 投稿日: 2006/12/01(金) 13:32:29
ξ゚⊿゚)ξ「戦闘開始を確認!」
(´・ω・`)「始まったか・・・・・・」
( ´∀`)「いよいよモナね・・・・・・」
(´・ω・`)「・・・・・・第七トラックの到着まで後何分だい?」
ξ゚⊿゚)ξ「後5分です!」
(´・ω・`)「耐えてくれよ・・・・・・」

FOXがどんどんと上がってくる。
そのサイズもちらほらと大型のものが見受けられるようになってきた。

「アパーム!弾薬持ってこい!アパーム!」

誰かが叫んでいる。

('A`)「逃がさん!」
ドクオの正確かつ連続した射撃がFOXの関節を穿つ。

( ゚ω゚)「らああああっ!」
ブーンがFOXを投げ飛ばしFOXにぶつける。

誰もが必死だった。

「うわあああっ!」
( ゚ω゚)「!」

ブーンが素早くその悲鳴に反応する。
誰かがFOXに襲われている。
その思考に一瞬身体が硬直する。

その時、

ミ,,゚Д゚彡「ゴルァァァァ!」

ギコが吠えながらFOXに立ち向かっていった。
重心の低い体勢で肩から突進して、FOXのバランスを崩させる。

ミ,,゚Д゚彡「ッ!・・・・・・ゴルァ!」

鉄塊に体当たりしたかのような衝撃の鈍い痛みに耐えて、
直ぐにマシンガンで弾幕を張り、寄せ付けない。
それを皮切りに、襲われていた兵を助けようと兵が続く。

( ゚∀゚)「ブーン!」

ジョルシュが叫ぶ。

( ゚∀゚)「今はFOXにだけ集中しろ!お前は守るために攻めるんだ!」

( ゚ω゚)「了解ですお!」

ブーンは力強く駆けた。

不意に、エンジン音が聞こえた。

見慣れた巨大トラックが走ってくる。
その荷台にはコンテナの代わりに巨大な砲身があった。

( ゚∀゚)「来たぜ!おい!」

ジョルシュは振り向かずに言った。
耳にこびりついたエンジン音だ。聞き間違える訳がなかった。

ミ,,゚Д゚彡「後一頑張りだ!」

ギコもFOXにマシンガンを放ちながら叫ぶ。

だが、既にFOX側にも段差を上ってこちらに乗り込んでこようとする個体がチラホラいる。時間との戦いだった。


69 名前:名無しさん 投稿日: 2006/12/01(金) 13:35:50
ブーンは巨大なFOXに強烈な右腕からの一撃を加えて再起不能にし、すぐさま別のFOX
に視線を向ける。

( ´_ゝ`)「待たせたな!」
(´<_` )「もうちょっとだけ耐えてくれよ!」

流石兄弟も叫ぶ。

OINARISAN改良型が唸りを上げ始めた。

( ゚∀゚)「おーし、このまま押し切っぞ!」
(;'A`)「もうちょっと・・・・・・もうちょっとだ!」
ミ,,゚Д゚彡「怯むな!油断するな!」
( ゚ω゚)「いけるお!」

唸りが高くなっていく。

その時。

赤い閃光が走った。その元はFOX。
が、閃光は人を狙うどころか掠めもしない。
閃光が駆けた先には。

( ´_ゝ`)「何ッ!?」
(´<_` )「しまったッ!?」

狙いはOINARISAN改良型だった。閃光は砲身の先端に当たる。

閃光を発していたFOXはすぐにブーンによって砕かれたが、遅かった。
すでに光・・・・FOX因子によって先端に結晶を形成され、その勢いは止まらない。

(;゚∀゚)「クソッ!後一歩で・・・・・・!」

(#´_ゝ`)「大丈夫だ!!このままでも撃てるッ!」
(´<_`;)(だが、恐らく出力が低下するぞ・・・・・・。)
(#´_ゝ`)「んなもん分かっとる!仕方がないじゃろが!」
(´<_`;)「興奮しすぎだぞ兄者・・・・。」

そして、

(#´_ゝ`)「いっけェェェ!」

砲身から極太のレーザーが発射された。

直線状に伸びるその光はマザーに瞬く間に到達し、その化けの皮を剥がし始める。

砲身の結晶も溶け始めた。
ジョルシュは見ない。
ギコも見ない。
見ている暇がない。
FOXは増え、戦線は後退しつつある。
もはやそれは銃座の目と鼻の先だ。

マザーの消滅まで、手を抜く訳には行かなかった。
が、

(;´_ゝ`)「「やはり出力が足りんのか・・・・・・!」

マザーは予想以上に強固だった。
その身を穿つレーザーに耐え、未だにFOXを生み出し続けている。

(´<_`;)「このままではかなりの時間がかかるぞ・・・・」

「そんなに耐え切れるかよ!何とかしてくれ!」

誰かが叫ぶ。

「これ以上は限界だ!」

悲痛な叫び声で誰かが叫ぶ。

( ゚ω゚)「・・・・・・・・・・」

ただ一人、ブーンだけは黙ってFOXを圧倒していた。
ある考えを、頭の中に創りながら。

(=゚ω゚)ノ(ブーン・・・・・)
( ゚ω゚)(いよぅかお・・・・)
(=゚ω゚)ノ(・・・・・・・それ本気なのかよぅ?)
( ゚ω゚)(ここままじゃ黙ってやられるだけだお。時間を稼がないと。)
(=゚ω゚)ノ(確かにあれを使えばそれは可能だよぅ。でも、)

(=゚ω゚)ノ(今度は本当に死んじゃうかも知れないよぅ?)


70 名前:名無しさん 投稿日: 2006/12/01(金) 13:36:27
「撤退――――!」

とうとう銃座の一つが落ちた。
FOXが崩れた一番右端の段差の防衛拠点から攻めてくる。

(;゚∀゚)「畜生!まだかよ!」

OINARISAN改良型は未だにマザーを飲み込みきれていなかった。
確実ではあるが、しかし遅すぎるスピード。

( ゚ω゚)(・・・・・・いよぅ、手伝ってくれお・・・・・)
(=゚ω゚)ノ(・・・・・・・・)
( ゚ω゚)(頼むお。)
(=゚ω゚)ノ(・・・・・分かったよぅ・・・・・)

(;´_ゝ`)「むぅぅ・・・・・・」
(´<_`;)「兄者!チャンバー内の加圧を増やしたらどうだ!」
(;´_ゝ`)「いかん!それでは砲身が耐え切れん!」
(´<_`;)「しかしこのままではどの道FOXの餌食だろう!」
(;´_ゝ`)「・・・・・・・仕方ない!弟者!手伝ってくれ!」
(´<_` )「把握した!」

「くそっ!駄目だ!退けぇっ!」

もう一つ銃座が落ちる。限界は目の前だった。

その時。

ブーンがFOXとの戦闘を止めて、2chを取りだした。

( ゚ω゚)「・・・・・・・・・・」

誰も気付いていない。

銃身からエネルギーが溢れだし、パリパリと音を立てている。

その銃口を砂浜を横に平行にして向けて・・・・・

撃った。


71 名前:名無しさん 投稿日: 2006/12/01(金) 13:37:30
(;'A`)「うわっ!」
(;゚∀゚)「なんだぁ!?」

ドクオたちの前を光が塗りつぶす。

(;´_ゝ`)「何事だ!」
(´<_`;)「あれは・・・・・まさか!」

(;´∀`)「なんてことを・・・・・」

モニターを見ているモナーが呟く。

(;´・ω・`)「何があったんだ!」

ショボンが問い質す。

(;´∀`)「・・・・・・・ブーンが2chを撃ってるモナ・・・・・」

砂浜。

ミ,,゚Д゚彡「あんな威力を出せたのか・・・・?」

モニター室。

(;´∀`)「通常の方法じゃ無理だモナ。」

砂浜。

ミ,,゚Д゚彡「一体どうやって?」

モニター室。

(;´∀`)「・・・・・・体内のFOX因子のエネルギーを無理やり引っ張り出して自分から2chに注ぎ込んでるんだモナ・・・・・。」

砂浜。

(;´_ゝ`)「しかしそれではブーンは・・・・・・!」
(´<_`;)「ああ・・・・・・」

モニター室。

(;´∀`)「最悪FOX化を通り越して死ぬモナ・・・・・・」


72 名前:名無しさん 投稿日: 2006/12/01(金) 13:38:47
(;'A`)「うわっ!」
(;゚∀゚)「なんだぁ!?」

ドクオたちの前を光が塗りつぶす。

(;´_ゝ`)「何事だ!」
(´<_`;)「あれは・・・・・まさか!」

(;´∀`)「なんてことを・・・・・」

モニターを見ているモナーが呟く。

(;´・ω・`)「何があったんだ!」

ショボンが問い質す。

(;´∀`)「・・・・・・・ブーンが2chを撃ってるモナ・・・・・」

砂浜。

ミ,,゚Д゚彡「あんな威力を出せたのか・・・・?」

モニター室。

(;´∀`)「通常の方法じゃ無理だモナ。」

砂浜。

ミ,,゚Д゚彡「一体どうやって?」

モニター室。

(;´∀`)「・・・・・・体内のFOX因子のエネルギーを無理やり引っ張り出して自分から2chに注ぎ込んでるんだモナ・・・・・。」

砂浜。

(;´_ゝ`)「しかしそれではブーンは・・・・・・!」
(´<_` )「ああ・・・・・・」

モニター室。

(;´∀`)「最悪FOX化を通り越して死ぬモナ・・・・・・」

目の前を過ぎる光が去っていった。

砂浜の上には何もなかった。

(;゚ω゚)「・・・・・・・・」

銃身を持つ右腕が完全に硬質化している。影響が出ているのだ。

(;゚ω゚)「・・・・・・早くOINARISANを・・・・・・・」
(´<_` )「兄者!」
( ´_ゝ`)「ああ!」

兄者がケーブルを繋いだ。

唸りをさらに上げて、砲身から放たれる光がよりその量を増した。

ミ,,゚Д゚彡「持ちこたえてくれよ・・・・・!」

誰もが、固唾を呑んで見守る。

頼む。貫いてくれ。

そして・・・・・・・・

OINARISANの一部が爆発を起こした。

(;´_ゝ`)「ぬぅっ・・・・!」
(´<_`;)「・・・・・・限界か・・・・・・!」

急激に唸りが小さくなり、光は細くなって・・・やがて消えた。

誰もがマザーの方向を見る。

見えたのは、中心に大きな穴を開けて、しかしそこに佇むマザーだった。

(;'A`)「・・・・・・・やったのか?」

マザーはその機能を、動きを止めたのだろうか。

一瞬の、しかし長い沈黙。

それを破ったのは。

水面から出てきたFOXだった。

(#゚∀゚)「畜生!」

ジョルシュが銃座を再び持った。

(;'A`)「・・・・・・ッ!」

声にならない声。銃を握る手に悔しさが篭った力が入る。


73 名前:名無しさん 投稿日: 2006/12/01(金) 13:39:37
そんな中。

( ゚ω゚)「ジョルシュさん!ドクオ!」

ブーンが叫んだ。そして、笑った。

( ^ω^)「援護、よろしくですお。」

握っているのは2ch。 

(;'A`)「ブーン・・・・・・・?」

その手を、そしてブーンの目を見て、ドクオは・・・、ジョルシュは、全てを悟った。

(#゚∀゚)「・・・・・・・・・ちっくしょおおおあああああああああああ!!!!111」

ジョルシュは銃座からありったけの弾を撃ちまくった。

ミ,,゚Д゚彡「!・・・・・・クソ!退きやがれゴルァアアアア!!!!」

ギコはFOXに阻まれてブーンを止める事が出来ない。
イかせてなるものか! 想いは・・・・届かなかった。

(;A;)「大馬鹿野郎・・・・・・ホントに、大馬鹿だよ、ブーン!」

ドクオは泣きながら撃った。撃って撃って撃って撃ちまくった。

ξ;⊿;)ξ「ブーン!やめて!」

聞こえたのはツンの声。泣いている。

「約束したじゃない!ブーン!また破るの!?」
( ゚ω゚)「・・・・・・そうだお。」

ブーンは言った。
そしてゆっくりと構える。
目標は、マザー。

( ゚ω゚)「僕は、守りたいお。その為だったら、僕は約束も破るお。」
ξ;⊿;)ξ「ブーン・・・・・・」

両肩まで結晶化が進む。銃身は今やバリバリと音を立てている。

それはあまりに酷くて、そして優しすぎる決断。

( ゚ω゚)「でも・・・・・・」

( ^ω^)「何度も約束破ってごめんだお、ツン。」
ξ;⊿;)ξ「待って!ブーン!」

サヨナラ、だお。

ξ;⊿;)ξ「ブ――――――――――ン!!!!!!!」


74 名前:名無しさん 投稿日: 2006/12/01(金) 13:42:10
凄まじい、轟音がすると思っていた。
しかし何も聞こえず、かわりに、その光景がはっきりと見える。
2chから、とんでもない大きさと勢いを持った光が解き放たれ、マザーを吹き飛ばしていった。

やがて、それは段々とブーンの視界を真っ白に染めてしまうほど大きくなる。
自分の体は、今や首まで結晶化している。
それでもブーンの心は、穏やかだった。
恐れも何もない。あるのは満足感と、少しの切なさだけ。

そして・・・・・やがて何もかも真っ白になって行った。


75 名前:名無しさん 投稿日: 2006/12/01(金) 13:42:53
無音の真っ白な世界に、ブーンは浮いていた。
ブーンは元に戻っている。素っ裸なのがアレだが。
ああ、ここは天国なのかな、とブーンは思った。

しかし、足元からスルスルと黒い手が幾本も伸びてきて、ブーンの足を掴んだ。
強い力で引っ張ってくる。
手は増えて、腕を、胴体を、全てを引き込もうとする。

ふと、今度は上に持ち上げられるような感触を覚えて、見上げた。

(=゚ω゚)ノ「いよぅ。」

無音の世界に唯一響く声。

いよぅはそのままブーンの手や足に絡みつく黒い手を、ゆっくりと剥がし始めた。
いよぅにも手は絡みついてくるが、いよぅはブーンに付く手だけを剥がして行く。
やがてブーンは黒い手から開放され、代わりにいよぅが引きずり込まれていく。

( ^ω^)「いよぅ!」

ブーンは手を伸ばした。
しかしいよぅは首を横に振った。

(=゚ω゚)ノ「今までありがとうだよぅ・・・・・・。」
(=゚ω゚)ノ「君を散々な目に合わせたお返しに、コイツは任せてもらうよぅ。」

何を言っているんだ。訳が分からないよ、いよぅ。

(=゚ω゚)ノ「だから、サヨナラなんだよぅ。」
(=゚ω゚)ノ「でも・・・君はこっちに来ちゃ駄目だよぅ・・・・・」
そしてにっこりと微笑んで言った。

(=゚―゚)ノ「君は生きるんだよぅ。君を待ってる人たちがいるんだから・・・・」

( ^ω^)「いよぉぉぉぉぉぉぉぅ!」

いよぅは、静かに沈んでいった。


76 名前:名無しさん 投稿日: 2006/12/01(金) 13:44:39
(´・ω・`)「・・・・・・彼の容態は?」
(;´∀`)「外部、内部共に異常はありませんモナ。ただ・・・いつ目覚めるかは・・・・」
(´・ω・`)「そうか・・・・・・」



「ブーン君・・・・・・ありがとう。本当にありがとう。だが、命令だ。起きてくれ。
・・・・・・起きてくれないとksmsしちゃうぞ?」

「ブーン君!あれだけ2chの使い方には注意したのに!・・・・・・早く起きてくれないと、ショボン隊長と二人で実験しちゃうモナよ?」


誰だ?誰かの声が聞こえる。


「おい!ブーン!起きろよ!マザーの野郎は吹っ飛んじまったよ!FOXも消えた!
・・・・・・だからよ、お前も起きてくれよ。」

「・・・・・・ブーン。よくやってくれた。きっと娘も喜んでるよ。でもな、やっぱりお前には生きて欲しいんだ。我侭か?」

「ブーン。まだ私は日用品の貸しを返してもらっていないぞ。言っておくが基本三倍返しだからな。寝てる間に5倍になるかもな。」

「おいおい、ブーン。俺達流石兄弟を差し置いて流石な行動とってくれたじゃないか。」

「お前が死んだら俺らの流石ップリを教えられんじゃないか。早く起きろ。」


誰だったろう?とても大事で、忘れてはいけない人達・・・・・


「おい、ブーン。何眠ってんだよ。ツンが待ってるんだぜ。俺だって待ってる。皆待ってるんだ。
お前が目を覚ますのを待ってるんだよ。ほら、ツンが怒るんだよ。俺たちが約束破ることになるんだよブーン、お前が死ぬとさ。だから起きてくれ。」

「ブーン!何堂々と約束破ってんのよ!・・・・・早く起きなさいよ!今度という今度は許さないんだから!
・・・・・・・・ねぇ、アナタがいないと寂しいのよ・・・・・・ブーン。聞こえてるの?聞こえてるんだったら・・・・・・・返事ぐらいしなさいよ、馬鹿ぁ・・・・・・」


そうだ。僕の大事な人たち。僕が守ろうと、救おうとした、そして助けられ、救われた人達だ・・・・・・


そして・・・・・・ブーンは、目を覚ました。

――――――おかえり―――――――

――――――ただいまだお――――――

   ブーンが謎の光を浴びてしまったようです 完


77 名前:名無しさん 投稿日: 2006/12/01(金) 13:47:15
以上でお終いです。
勝手に始めて、勝手に終わってすいません。
多分色々なところで誤字脱字その他諸々あると思います。すいません。
トリップも付けませんでした。
でももし、こんな稚拙なモノを呼んでくださった方が居たとしたら、
心から感謝します。どうもありがとうございました。




ここから質問



78 名前:名無しさん 投稿日: 2006/12/01(金) 17:37:35
結局(=゚ω゚)ノの正体はなんだったんだぜ?
もとネタ知らんおいらに教えてプリーズ

79 名前:1 投稿日: 2006/12/01(金) 18:21:23
>>78
やっぱりそこですよね・・・・・・。
元ネタはあるといえばあるんですが、非常に分かりづらいと思うので・・・。
正体ををバラしてしまうと、彼は「故郷をFOXに滅ぼされ、思念体としてFOXに憑いて来た存在」
です。結果ブーンに乗り移るわけですが・・・・・・。
何故か?とか彼は結局どうなったのか?等は、想像にお任せします。

ともあれ、こんな作品でも読んで下さって有難う御座います。


84 名前:名無し 投稿日: 2007/04/23(月) 01:50:23
この作品って「ブーンが謎の光線を~」とは無関係?


85 名前:ただの通りすがり 投稿日: 2007/04/23(月) 19:58:08
>>84
厨房がまとめるブーン系小説 さんに
( ^ω^)ブーンが謎の光を浴びてしまったようです

っていうのがまとめられているみたいですが、

このスレは
( ^ω^)ブーンは謎の光を浴びてしまったようです

と、タイトルが酷似しているみたいですね。

前者のほうはちゃんと読んでいないので詳しくは分かりませんが、
内容も少し似ていたような気がします。

ただ「ブーンが謎の光線を~」というのは私は知りません……
ググっても引っ掛かりませんでした……


86 名前:名無し 投稿日: 2007/04/25(水) 11:38:45
>>85
酷似と言うか、設定が似てるので作者が同一人物かと思ったんだ。
あとすまん、ブーンが謎の光を浴びてしまったようですだ。
タイトルが同じで設定が似ていて内容が違うから、中の人が一から書き直してるのかとおもただけなんだ。


87 名前:名無しさん 投稿日: 2007/04/28(土) 20:03:32
>>86
ご名答です。
結局のところ納得の行くリメイクはなりませんでしたが・・・・・・。


88 名前:名無し 投稿日: 2007/05/08(火) 23:51:12
じゃあ、もう一方の「( ^ω^)が謎の光を浴びたようです」は書かないの?。生身でレールガン撃ったりするほうの更新は無いの?


89 名前:名無しさん 投稿日: 2007/05/11(金) 23:32:11
リメイクということはこれもまとめた方が良いのかな? かな?


90 名前:名無しさん 投稿日: 2007/05/17(木) 13:44:46
亀ですいません。
>>88
今の所これ以上この二作について更新・リメイクは考えていません。
同じタイトルの作品を三度も投下するのはどうかと思っている部分もあります。

>>89
是非是非お願いいたします。



これリメイクなんだ・・・元の見ようとしても厨房さんもうやってないんだよな
[ 2008/04/04 21:01 ] 短編まとめ | TB(0) | CM(0)

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