ブーンミコ酢 ブーン系過去作まとめ

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ハインメンヘラ 5

55:◆ITqALJqy5Y
12/21(金) 00:39 US8OKFKV0

「高岡、どうすんだよ!?」

うるさい。

「ショボンの方がイケメンだよね」

うるさい。

「お前ぐらいヤリマンなら、長岡の方が合ってるんじゃねwww」

うるせぇんだよ。黙れ。


(  _ゝ)


从 ∀从

オレたちを、そんな目で見るな。

56:◆ITqALJqy5Y
12/21(金) 00:39 US8OKFKV0

从-∀从「・・・・・・」

どうやって家に帰ったのか、思い出せない。


兄者本人は何て言ってた?

思い出せないのか。・・・無言だったのか・・・。

从-∀从「・・・・・・」

どうすりゃいいんだよ。
電話するか?一人一人に。

ツンに何て説明する?言えるか?

長岡とクーの事を。

クーに電話するか?

オレは好きじゃないから安心しろ・・・って?


从 ∀从「無いな」

どれもこれも、オレの口から言える話じゃない。
完全に手詰まり。チェック・メイトだ。

从 ∀从「・・・3年生になったら♪3年生になったら♪」

友達、全員、失った。

57:◆ITqALJqy5Y
12/21(金) 00:40 US8OKFKV0

ξ ⊿)ξ「・・・・・・」

このぐちゃぐちゃの紙袋、何かしら。

・・・ああ。高岡に作ってあげたクッキーだった。

ξ ⊿)ξ「・・・どうして、よ」

『長岡と付き合わせる訳にはいかない』

何よあの台詞。・・・全員に好かれていたいって事?
ちゃっかり兄者は彼氏にしておいて。
他の男の子からもチヤホヤされて。

私の気持ちを無視して。

ξ;⊿)ξ「・・・・・・ッ」

また涙が出てきた。息が詰まる。
どうして急にそんな事になったの?相手が長岡だって知った途端、気が変わったの?

ξ;⊿)ξ「最低よ」

58:◆ITqALJqy5Y
12/21(金) 00:40 US8OKFKV0

川 -)「・・・・・・」

教室に戻った後、質問攻めされていたハイン。
助け舟を出さなかった私。

いい気味だ、なんて笑えなかった。重苦しい固まりが胸につっかえて、たまらなく。

悪いのは彼女じゃない。責めるべきは・・・誰だ?
ショボン。・・・私。
何も分かり合おうとしてなかった―私たち。

川 -)「・・・バラせば・・・良かったのに」

屋根から音が鳴る。雨が降り出したようだ。

あの日と同じ、薄暗い空の日。

川 -)「・・・・・・」


  _
( ゚∀゚) 『オレら付き合ってるんだぜ』

一年の時に

川 ; -;)『嫌だ!!』

私が
  _
( ゚∀゚)『この倉庫誰も来ねぇんだよ』


川 -)


長岡としていた事を。

59:◆ITqALJqy5Y
12/21(金) 00:41 US8OKFKV0

(♯´_ゝ`)「はぁ、はぁ、はぁ・・・」

(´・ω・`/)「ぐ・・・っ」

ガキの頃、いつもこの公園で遊んだものだった。こいつと。

(♯´_ゝ`) 「立てよ!!」

胸元を掴み上げる。

(♯´_ゝ`)「お前、自分が何をしたかわかってんのか!!」

(´・ω・`/)「がっ!!」

頬に一発。
喧嘩ははじめてじゃない。けれど。親友を殴ったのは、はじめてだった。

(♯´_ゝ`)「ハインも!クーも!」

二発。

(♯´_ゝ`)「どっちも苦しめて、楽しいか!?」

そのまま突き飛ばした。
ぐちゃ、とぬかるんだ音を立ててショボンの制服が泥に塗れる。
いつの間にか雨は本降りになっていた。

(´・ω・`メメ)「・・・好きな人が・・・変わっただけさ」

(♯´_ゝ`)「ふざけっ・・・!?」

顔面めがけて泥が跳ねる。両腕で塞いだ視界に衝撃。

(; _ゝ)「グッ!!」

背中から泥に突っ込む。マウントを取られた。

(♯´・ω・`メメ)「自分でもわかってるさ!クーに悪い事ぐらい!!」

襟首を捕まれて怒鳴られる。握った拳の中で砂利の感触がした。

(♯´_ゝ`メ)「わかっててやった方が性質が悪いだろうが!!」

(♯´・ω・`メメ)「好きな気持ちって我慢出来るものなのか!?
        僕は出来なかった!!君だってそうじゃないのか!?」

(♯´_ゝ`メ)「・・・随分偉そうな事言うようになったな。クーの時はあれだけ行動を起こせなかった癖に」

(♯´・ω・`メメ)「そうさ!だから思った!高岡に対する気持ちが本当の恋愛感情なんじゃないかって!!
        兄者が周りに何を言われても彼女と別れないように!!」

(♯´_ゝ`メ)「・・・・・・」

60:◆ITqALJqy5Y
12/21(金) 00:43 US8OKFKV0

土砂降りの中、俺たちの体が濡れていく。視界は最悪だ。目が巧く開かない程に。

(♯´_ゝ`メ)「・・・よく分かってるじゃないか。その通り、俺はハインと別れるつもりは無い」

(♯´・ω・`メメ)「高岡が決める事だろう」

(♯´_ゝ`メ)「アイツは俺を選ぶ。クーを絶対に裏切れないから」

(♯´・ω・`メメ)「クーが納得したら?」

(♯´_ゝ`メ)「俺が納得しない!!」

襟元の手が緩んだ。
ショボンがゆっくりと立ち上がる。

(♯´・ω・`メメ)「・・・僕も納得出来ないね」

親友だという言葉が吹っ飛ぶには、充分過ぎたのかもしれない台詞。

(♯ _ゝメ)「・・・いい加減にしろよ。お前がハインを好きな理由って何だ?
       学校で流れてる噂を鵜呑みにしてるからじゃないのか!!」

(♯´・ω・`メメ)「違う!!高岡がそんな事をしているのが我慢出来ないくらいさ!!」

言ってくれるじゃあないか。俺が、言いたくても、いつも押し込めているその言葉を―

(♯ _ゝメ)「・・・じゃあお前は・・・救えるんだな?今すぐ!ハインを!!」

慟哭に近かった。俺が悩み続けていた事を、小石のように見るショボンが、許せなくて。

(♯´・ω・`メメ)「君よりは守れると思うけどね。」

(♯ _ゝメ)「ッ!!」

もう一発。胸元をどん突いた。

(´・ω・`メメ)「げほっ・・・」

(♯ _ゝメ)「お前はハインに同情しているだけだ。それと同じ努力をクーにしていれば、
      もっと違った結果が見えたかも知れないのに」

(´・ω・`メメ)「・・・クーに出来ない努力を、高岡にするのさ」

(♯ _ゝメ)「馬鹿言え。クーの不幸の上にそんな都合のいい話が成り立つか」

空が青く光る。刹那、雷鳴が轟いて雨が一層激しくなった。
てっぺんから爪先まで全部が水浸しで、背筋が凍りそうなほど冷たい。
なのに。俺の頭の中は冷めない。

(´・ω・`メメ)「君に信じて貰う必要性は無いよ。全ては高岡次第だ」

(♯ _ゝメ)「・・・まず、クーに話を通すのが最低の礼儀じゃないのか」

怒りだ。声が掠れて、上擦っているのは。


(´・ω・`メメ)「・・・僕らって付き合ってたの」


空に閃光。まるで世界ごとひび割れたような錯覚すら起こすほどの。


(´・ω・`メメ)「電話をすればつまらなさそうに切られる。帰ろうと誘えば無視。
       ・・・2人きりになった事すらない。それって、付き合ってるって言うの?」

淡々と紡がれる、彼の初恋への別離は。


(♯ _ゝメ)「・・・お前が怒らないからだろ?・・・俺やハインに泣き言を言うだけで、
       クー本人に一度でも本心をぶつけた事があったか?」

何か音がした。

(´・ω・`メメ)「そうだよ。僕らは恋人ごっこだったのさ」

ショボンの、薄っぺらい・・・張り付いたような笑い声。

(♯ _ゝメ)

くだらない。全部。

今すぐこの雨と一緒に記憶から洗い流されてしまえばいいのに。

61:◆ITqALJqy5Y
12/21(金) 00:45 US8OKFKV0

从 ゚∀从「オヤジ」

仕切り越しに手の平をあてがう。

('∀`) 「ああ、また来てくれたのか?」

オヤジはここ数日調子がいい。笑顔なんていつ以来だった?

从 ゚∀从「なぁ、オレ・・・」



('∀`)「ねぇ君、俺の娘を知らないか?」



从 ゚∀从「・・・・・・」

('∀`)「とっても可愛いんだ。ひとり娘でね。目に入れても痛くない程だよ」


从 ゚∀从「なに、言って・・・」


('∀`)「ハインリッヒって言うんだ。男っぽい名前だろう?」


オレは・・・ここにいるじゃないか?


('∀`)「今年で八歳だったかな。おてんば盛りでちょっと我侭だけど・・・自慢の娘だよ」

从-∀从「・・・・・・」


*(‘‘)*「ハインちゃん・・・」


从 ゚∀从「・・・おっさんの娘は、幸せ者だな」

('∀`)「はは。違うよ。俺が幸せ者なのさ」

从 ゚∀从「そのうち、遊びに来るって」

('∀`)「ふふ。」



从 ∀从


オヤジ、幸せそうだ。良かった。
だから。

8歳のオレの亡骸を、ママと一緒に道連れにしてくれ。

恥ずかしくて―『お母さん』と呼び出す前の―あの頃のオレを。

62:◆ITqALJqy5Y
12/21(金) 00:46 US8OKFKV0

( ^ω^)「阿部」

(´・ω///) 「・・・はい」

( ^ω^)「流石」

(□´_ゝ`) 「はい」


(;^ω^)「・・・お前ら、その顔どうしたんだお?」

(□´_ゝ`)「御法度野郎にやられました」

(´・ω///)「唐変木に襲われました」


(;^ω^)「?・・・欠席は・・・高岡と素直かお」


ヒソ…やっぱりあの2人…


( ^ω^)「こら、そこ!私語を慎みなさいお!」

欠席した2人と、怪我をしている2人。
あれは・・・付き合っているグループじゃないかお・・・?

63:◆ITqALJqy5Y
12/21(金) 00:46 US8OKFKV0

(´<_` )「・・・・・・」

机に書き殴られた、『寝取られブラザーズ』の文字を擦る。
ほらな。双子ってだけでこういう扱いを受けるんだよ。

  _
( ゚∀゚)「クク」

(´<_` )「・・・・・・」

犯人はお前だろう?こんな汚い字じゃバレバレだ。

兄者が泥まみれの腫れあがった顔で帰ってきたあの日。
反吐が出そうだった。
学祭の騒動からすぐ後のことだ。気づかない方がどうかしてる。

ショボンの野郎とあの女の事で殴り合いになったのだろう。

馬鹿げてる。全く、馬鹿げてる・・・

  _
( ゚∀゚)「あれ~?弟者君?ひどいラクガキだなあ~」

(´<_` )「ああ。本当にな。書いた奴はよっぽど頭が足りないんだろうよ」

長岡はヘラヘラと笑みを崩さない。
これがひとつの血を分かっている証拠なのか。おれもこいつの事が好かないのは。
  _
( ゚∀゚)「オレが手伝ってやるよ」

だらだらと墨汁が机を流れ落ちて、おれの上履きにどす黒い模様を作っていく。

(´<_` )「・・・・・・」
  _
( ゚∀゚)「ホラ見てみ?全部真っ黒になってラクガキが消えたぜ?」

ドッとクラス中から笑いが巻き起こる。
  _
( ゚∀゚)「あれ?ウケた?オレ鬼才wwww」


(<_  )


(<_  ♯)「うあああああああああああああ!!!」

 _  
(;゚∀゚)「おっ!?」

胸倉を掴み上げて、後ろへと力任せに押し付ける。

 _
(; ∀)「ぐっ!!」

ひどく耳障りな音がして、ロッカーがへこんだ。

  _
(♯゚∀゚)「・・・にすんだコラァァァ!!!」

(´<_`♯)「黙れ!!」

長岡の腕がおれを絡めとり、次の瞬間衝撃とともに目の前が眩んだ。

(<_ ;)「が・・・」

頭突きを喰らったらしい。額にビリビリと痛みが駆け抜ける。

  _
(♯゚∀゚)「おぅらああああ!!」

(´<_`♯)「ああああああ!!!」

掴み合い、もつれ合ううちに机の中へ雪崩れ込んだ。
木とパイプ両方に痛めつけられてなお床を転げ回り、怒鳴り散らす。

/ ,' 3「お前たち!!何をしとるか!!」

担任が走りこんでくる。

  _
(♯゚∀゚)「前々から気に食わなかったんだよテメーはよォ!!」

(´<_`♯)「こっちの台詞だ!!!」


  _
(♯゚∀゚)「所詮テメーは、アニキの出来損ないじゃねぇかよ!!」


(<_  )



おれの何かが千切れた。



(<_ ♯)「あぁあああ!!」

長岡が抵抗も出来ずにおれに殴られていく。墨汁と鼻血が拳の上で混じりあった。

<;ヽ`∀´>「こら、2人とも止めるニダ!!」

荒巻1人の手に負えずに、体育教師のニダーがおれを押さえつける。

(<_ ♯)「離せ!!離せよ!!あぁあああああ!!!」

なおも腕を振り回し、逃れた瞬間に長岡の顔面を殴打する。

(<_ ♯)「おれは!出来損ないなんかじゃねぇえええ!!!」

長岡が遠ざかっていく。違う。おれだ。力任せに引き剥がされた。

(<_゚ ♯)「コイツを殺させてくれよぉおおおお!!!」

狂犬のような鳴き声を張り上げた。

64:◆ITqALJqy5Y
12/21(金) 00:48 US8OKFKV0

(´・ω///)「・・・・・・」

天は僕に味方したようだ。

キィ・・・

あの日から固く閉ざされていたドアが、ゆっくりと開く。赤い髪。

(´・ω///)「やぁ」

从 ∀从

高岡に先に2人きりで会えたんだから。


从 ∀从「・・・何の用だよ」

(´・ω///)「会いたかったんだ。」

从 ∀从「・・・誰に?」

(´・ω///)「高岡に」

从 ∀从「・・・・・・」

高岡はくるりと僕に背を向けて、部屋の中へと行ってしまう。

(´・ω///)「・・・高岡?」

返事が、無い。

(´・ω///)「・・・入るよ?」

靴を脱いで、一歩踏み入れる。やはり返事は無かった。



从 ∀从「・・・・・・」

高岡は無言のまま、カーテンを閉め切った部屋で三角座りをしていた。

(´・ω///)「・・・・・・」

从 ∀从「死んだよ」

突然、ポツリと、一言だけが。

(´・ω///)「え」

从 ∀从「・・・・・・」

再び黙り込んでしまう。すう、と指先が伸びた。
その先には・・・

(´・ω///)「!」

二匹仲良く寄り添う様に、目を閉じたハムスター。

携帯が鳴り出した。高岡のだ。
着信は兄者。

(´・ω///)「・・・出ないの?」

出て欲しく無いのに、出たらすぐ奪って切ってやるつもりなのに、僕は訊く。
高岡は答えない。

音楽が止まり、息が止まりそうな程の静寂が部屋を覆い尽くした。


从 ∀从「・・・なんでだ」

(´・ω///)「・・・・・・」

从 ∀从「何でお前が来るんだよ」

(´・ω///)「・・・・・・」

从 ∀从「どうして兄者が直接会いに来ないで電話なのに、お前がオレの前にいるんだ」

(´・ω///)「・・・高岡」


(´・ω///)「来れないんだ。彼は」

从 ∀从「・・・・・・」

(´・ω///)「今日、彼の弟が暴力沙汰を起こしてね。当分外出禁止だそうだ。・・・2人、仲良く、ね。」

僕はいつからこんな挑戦的になった?
クーの頃からは想像がつかない。高岡を見ていると、抑えきれ無い程の感情が溢れ出す。

从 ∀从「・・・その隙に、オレに会いに来たのか」

(´・ω///)「・・・そうだね。その通りだ」

从 ∀从「・・・・・・」

高岡は一度も目を合わせない。
何を考えているのだろう。僕が疎ましい?兄者の事?それとも。

从-∀从「・・・・・・」

音も立てず立ち上がる。両腕が交差して・・・

(;´・ω///)「!?」

トレーナーが無造作に床へ落ちた。

(;´・ω///)「高岡?」

シャツが。

(;´・ω///)「何をしてるんだ!」

ズボンが。

( 从从「・・・・・・」

後姿は、完全に下着。

(;´・ω///)「う・・・ぁ・・・」

酸欠の金魚のように、意味もなく僕の口が言葉を求めて動く。

パサ。

とうとう下着までも外されて。
高岡の白い肌が目を射る。

( 从从「・・・おい」

(´・ω///)「・・・・・・」

動けず、へたり込んだままの僕へと、彼女は向き直った。

从 ∀从「ショボン」

彼女は、一体どんな表情をしているのだろう。

(´・ω///)「・・・・・・」

例えば。クーと丁度対照的であろうその体。

浮き上がった鎖骨。

小さな胸。右側にホクロ。

垂直と言っていい程、膨らみが全くない腹部。骨盤が連なり、真ん中に小さく覆われた場所。



从 ∀从「お前、オレを抱いてみろよ」



高岡の呟きが零れ落ちた。

65:◆ITqALJqy5Y
12/21(金) 01:07 US8OKFKV0

(□´_ゝ`)「・・・・・・」

20回目のコールで、留守電の無機質な音声が流れ出す。

(□´_ゝ`)「・・・どうして出てくれないんだ?」

突然携帯が奪い取られた。

(□´_ゝ`)「っ!!」

(´<_`メ)「いつまで女々しい真似をしている」

弟者だった。

(□´_ゝ`)「返せこのッ・・・!!」

(´<_`メ)

すり抜けた手の向こうで、携帯からおかしな音がした。

(□ _ゝ)「・・・・・・」

(´<_`メ)「あんたには、過ぎたオモチャだったな」

かからない。何度いじっても。

(´<_`メ)「ムダだよ。あんたはPCは使えても携帯オンチだろうが」

(□ _ゝ)「・・・・・・」

言い返す気力も無い。ショボンも、コイツも、クーも、皆狂ってしまった。

(□ _ゝ)「・・・何故ここまでハインを嫌う?」

(´<_`メ)「醜いから」

即答。迷いの欠片から見られない。

(□ _ゝ)「・・・お前がハインの何を知っているというんだ?」

(´<_`メ)「誰が見たってあの女は異常だろう?何故短期間に男があんなに群がるかわからないのか?」

(□ _ゝ)「可愛いからだろ」

(´<_`メ)「馬鹿が感染ったか?あの女の魅力はただひとつ。させてくれるから。だ。」

ドッ!!

(□ _ゝ)「・・・・・・」

パラパラと破片が零れ落ちる。弟者の顔ギリギリ、背後の壁に拳が吸い込まれた。

(´<_`メ)「・・・・・・」

顔色ひとつ変えない。
昔は分かったはずだ。この張り付いた能面の向こうの感情が、手に取るように。

(□ _ゝ)「お前が言っている高岡ハインリッヒは、悪魔だ」

(´<_`メ)「・・・今更気づいたのか」

(□ _ゝ)「学校の、無責任な噂話が創り出した・・・架空の化け物だよ」

(´<_`メ)「いい加減にしろよ。それこそがあんたの妄想だ」

(□ _ゝ)「お前が繰り返すハインって女は何者だ?薄っぺらい。実体が無い。」

(´<_`メ)「貴様・・・」

(□ _ゝ)「一度でも本人と喋ったか?2人きりで会った事があるか?アイツが料理好きな事は
      知っているのか?面倒見がいい事は?」

止まらない。

(´<_`メ)「それがどうしたっていうんだ!!」

(□ _ゝ)「ハインに人を好きになる資格が無い事。愛される資格が無い事。それは、誰が決めたんだ?」


沈黙。



(´<_`メ)「世界だよ」



(´<_`メ)「あの女は」

(´<_`メ)「生まれてくるべきじゃなかった」



( <_ メ)「あんたは、エリートになって、人より恵まれた将来を約束されているくせに」

( <_ メ)「自らハンデを背負って生きて・・・楽しいか?」


声が震えていた。


( <_ メ)「そういう行為が」

( <_ メ)「おれや、あの女に取って」

( <_ メ)「どれ程屈辱的な事か・・・わかっているのか?」

握り締めた拳に血管が浮き上がる。

(□´_ゝ`)「・・・何を言って・・・」

( <_ メ)「あの女も言われているんだろ?」

( <_ メ)「『兄者には、取るに足らない女だ』と」

(□´_ゝ`)「弟者?」


( <_ メ)「エリートなのに」

( <_ メ)「出来損ないばかりに囲まれて、可哀想に・・・」

(□´_ゝ`)「・・・・・・・」

ポタリ。

見間違いじゃなかった。弟者は、泣いていた。

( <_ メ)「おれがあんたの弟である事。あの女があんたの彼女である事」

( <_ メ)「それだけでおれたちは罪だ」

( <_ メ)「・・・そういうおれたちに、自己犠牲のフリをして近づくお前は・・・」

反射的に耳を塞ごうとして、言葉が鼓膜に捻りこまれた。

( <_ メ)「ただの偽善者だよ。自己満足の、かたまりだ。」

66:◆ITqALJqy5Y
12/21(金) 01:08 US8OKFKV0

(´・ω///)

高岡の体の上に跨って、顔を見下ろす。
はじめての事だった。
兄者は何度この角度で彼女を見つめたのだろう。
どんな言葉を囁きかけていたのだろう。

从 ∀从

長い前髪に隠れて、高岡の目が見えない。
通った鼻梁、薄く横長の唇。

顎に指先を添えて、口付けようとした。

頭が真っ白になっていく。心音だけが耳を打つ。
顔が熱くなっていって、次第に息が速くなるのがわかった。

触れるか触れないかの刹那。

从 ∀从「そこは、一週間前レイプされた時に突っ込まれた場所だ」

冷たい高岡の声が、僕の背筋を凍らせた。

(´・ω///)

从 ∀从「そこは、何人のおやじにナメられたかわかんねぇな」

高岡の声は続く。

从 ∀从「そこは、ムチだかでスパンキングされまくって筋がイカレてる」

从 ∀从「そっちは・・・」

髪の先から爪先まで。
高岡は淡々と「そこを通り過ぎた男」の話をした。

僕はゆっくりと視線を上へと移動させる。

从 ゚∀从

高岡の目に僕の引き攣った顔が映っていた。


从 ゚∀从「兄者は」

从 ゚∀从「オレの息が止まりそうな程キスをした」

从 ゚∀从「兄者は」

从 ゚∀从「何も残って無いこのオレを何度も抱いた」

(´・ω///)「僕は・・・」

从 ゚∀从「ショボン」

从 ゚∀从「オレの体、今のお前にはどう見える?」

(´・ω///)

掌で支えていた体重を倒して、高岡を抱き締めた。
折れそうな、頼りない肩に腕を回して。

从 ゚∀从「オレの体には」

从 ゚∀从「見えないけど、傷がある」

从 ゚∀从「多分」

从 ゚∀从「頭ん中は、もっと酷い」

(´;ω///)

強く結んだ腕が、すり抜けそうな程細く。
僕はただ泣いて
どうして抱く事が出来ないのかと


从 ゚∀从「もう、どうでもいい」


(´;ω///)「高岡・・・たかっ・・・か・・・っ」

嗚咽がこみ上げて、赤髪が濡れる。

(´;ω///)「ゴメンッ・・・ごめ・・・」

違うんだ。こういう事を望んでいたんじゃない。
君があまりに笑う時が幸せそうだったから。
そのまま留めておきたかった。
こんな、人形のように虚ろな顔をさせるつもりは、なかったのに。

从 ゚∀从「・・・お前、誰が好きなんだ?」

从 ゚∀从「クーじゃない?オレでも無い?」

从 ゚∀从「ああ」

从 ゚∀从「自分が一番好きなのか」


(´;ω///)「――ッ!!」





高岡は、もう僕には、・・・笑ってくれない。

67:◆ITqALJqy5Y
12/21(金) 01:54 US8OKFKV0

从 ∀从「・・・痛く、ない・・・」

カミソリが転がり落ちて、血を振り撒いた。

何も痛くない。
暑いのも、寒いのも、全てが消えた。

从 ∀从

ああ、いいや。
オレは最高の人生だったじゃねぇか。

オレの事を誇りに思う父親がいた。

オレを愛してくれる男がいた。

オレを友達だと言ってくれるヤツがいた。

オレを信じてくれる教師がいた。

みんな、オレと一緒に笑ってくれた。

从 ∀从

みんなが大好きだ。オレ。
本当に。大好きだ。

だから、オレが消えれば。
またみんな、笑ってくれるよな?

68:◆ITqALJqy5Y
12/21(金) 01:57 US8OKFKV0

そう、わたしはわかったんだ。あなたを地に引きずり下ろしてしまったことを。

わたしはずっと自分を偽りつづけてきた。

あなたとだけ一緒に生きていける、などと思ったりもした。

でも、抱えた傷と痛みをとおして、ようやく認めるべきときが来たんだ。

あなたが愛しているこの世界は、至高の世界だということを。



だからこそ、悲しいことだけれど、わたしが為すべきことは、

それに終止符を打って、永遠に旅立つことだと思う。

起きてしまったことは、仕方がない。眩暈がする。

ああ、かつてあった幸せと、いまここにある悲しみ。

わたしはもう決して愛することはない、世界は終わろうとしている。



時間を元に戻せたらいいのにと思う。

だって、今や、わたしは罪を一身に背負っているのだから。

あなたの愛する人たちから信頼されるようでなければ、生きるに値しない。

わたしたちは起きてしまったことを、なかったことにはできないし、

なおかつあなたが愛と誇りを捨てることはないだろう。

そのことが、わたしの心を内側から切り裂く。



すべては無に還る。

すべては崩れゆく、崩れゆく、崩れゆく。

すべては無に還る。

わたしはそこにずっと横たわる、横たわる、横たわる。



わたしは悟ったの。

わたしはもう愛することができないし、すべてを失ってしまった。

わたしにとって大事なこと、この世界の諸々を。



時間を元に戻せたらいいのにと思う。

だって、今や、わたしは罪を一身に背負っているのだから。

あなたの愛する人たちから信頼されるようでなければ、生きるに値しない。

わたしたちは起きてしまったことを、なかったことにはできないし、

なおかつあなたが愛と誇りを捨てることはないだろう。

そのことが、わたしの心を内側から切り裂く。



すべては無に還る。

すべては崩れゆく、崩れゆく、崩れゆく。

すべては無に還る。

わたしはそこにずっと横たわる、横たわる、横たわる・・・。




和訳・甘き死よきたれ

69:◆ITqALJqy5Y
12/21(金) 01:57 US8OKFKV0











10月5日。

高岡が、死んだ。
父親の入院する病院から飛び降りて。

70:◆ITqALJqy5Y
12/21(金) 02:04 US8OKFKV0

川  -)「・・・・・・」



川  -)「私は・・・」

ショボンに、汚れていると思われたくなかった。
その意味を裏返して考えた事などなかった。
あの時の私の告白を、君はどんな気持ちで聞いていたんだろう、と。

ハイン。君を一番蔑視していたのは・・・私だった。






(  _ゝ)「・・・・・・」



(  _ゝ)「俺は・・・」

本気でハインを愛していた。
誰に後ろ指をさされ様と、傍に居たかった。
俺に力がついたその日には。

過去の事など関係無いと、彼女を笑わせる事が出来るようになりたかったのに。



(<_  )「・・・・・・」



(<_  )「おれは・・・」

双子というだけで常に兄者と比べられる事が辛かった。
出来損ないと罵られて。それでも兄者への憧憬は捨てられなくて。
そんな兄者の傍にいた高岡ハインリッヒに・・・

おれは、自分を重ねて見てしまった。




ξ ⊿)ξ「・・・・・・」



ξ ⊿)ξ「私は・・・」

兄者と付き合うようになったハインに置いていかれたようで、寂しかった。
クーたちの方が大事になってしまって、私の事はただの知り合いなんだって。
『ダメだ!・・・長岡とお前を・・・付き合わせる訳にはいかねぇんだよ・・・』

ハイン。クッキー作るから、私に謝らせてよ。




  _
( ゚∀゚)「・・・・・・てめぇ」

ジョルジュの口から、ボタボタと血が流れ落ちる。

  _
( ゚∀゚)「はっ・・・わらえ・・・たぜ?オレの、お下がりを・・・ぶら下げて、よ・・・」

もう一度ナイフを捻じ込む。排水溝が詰まったような、歪な音がした後、その口は2度と言葉を
発さなくなった。





( ´ ω`)「・・・・・・」



( ´ ω`)「僕は・・・」

ハインに慰めを求めていた。ずっと好きだったクーの幻影を、彼女に重ねて。
僕は結局何ひとつ行動する事が出来なかった。・・・だから。

アイツを連れて行く事だけが、精一杯だった。









从 ∀从『もしもし?ブーン?』

从 ∀从『オレの最後の小説、読んでくれよ。ポストに入れておくからさ』

从 ∀从『まだだぞ?まだダメだからな。約束だ。10月5日、その日に読んでくれ。』

从 ∀从『・・・なぁ』


从 ∀从『信じれば、空も飛べるはずだろ?』


从 ∀从『大好きだぜ。 内藤先生 』






(  ω)「・・・・・・」


(  ω)「僕は・・・」

無力な教師だったお。
君の外見に一番惑わされて、真実が見えなかったのは―僕の責任だお。
だから高岡。僕を好きだと言わないでお。

僕は君を守ってやれなかったんだお。





『从 ゚∀从ハインがメンヘラになるようです 作・高岡ハインリッヒ』





END




[ 2008/03/26 18:38 ] 中篇まとめ | TB(0) | CM(2)

Re: ハインメンヘラ 5

全俺が泣いた
[ 2008/07/31 20:46 ] [ 編集 ]

タイトルに騙された
良作良作
[ 2009/10/05 20:31 ] [ 編集 ]

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