ブーンミコ酢 ブーン系過去作まとめ

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まとめ読み

1:M
01/22(火) 00:29 Fq4AoezpO

俺は今、病院にいる。
息が苦しくなったのだ。

だから、こんな夜中に、緊急で来ている。

日付が変わった頃に診断が終わった。
医師の表情から察するに、告げられる言葉は、深刻かつ大胆な発言だろう、という事だ。

( ゚д゚)「…ご両親の方は?」

('A`)「今外で、ちょっと戻れないみたいです」

仕事関係は、昼夜問わず連絡が相次ぐし、俺は既に愛想が尽かされた。
緊急の電話をしたのは、両親の、最後の世話だろう。

( ゚д゚)「…君しか、いないのか…」

('A`)「えぇ。…それで、結果は…?」

( ゚д゚)「…聞く勇気が必要だが、それでも聞くかい?」

その言葉を聞いた時、俺は予感した。
"危険"、その言葉が頭に浮かんだ。

('A`)「…はい」

意を決してうなずく事にした。
"聞きたくない"なんてのは、小学生までだ。

( ゚д゚)「…癌だ。それも、かなり進行している質の悪い病状だ」

癌。
よくテレビでも聞く話だ。

( ゚д゚)「今回、息が困難になったのは、君が肺癌というのもある。しかし、君の場合は既に…いや…」

医師は話をためらった。

( ゚д゚)「非常に考え難い話なんだが…君は、既に死んでもおかしくないんだ」

('A`)「…どういう事…です?」

( ゚д゚)「君は、末期癌だ。しかも、生まれた時には、既に」

耳を疑った。
そんな話があるのか?

( ゚д゚)「正直、君がそのままで、今回まで生きていた事が一番不思議で仕方無い」

('A`)「…なぁ、先生」

( ゚д゚)「…なんだね」

('A`)「…俺の余命は、何時なんだ?」

もはや、敬語使う事じゃない。
俺はタメで話を聞く。

( ゚д゚)「…」


医師から告げられた言葉は、余りに重すぎた。










( ゚д゚)「…今日から31日後。つまり、2月22日だ」












('A`)の寿命は後1ヶ月のようです。

2:M【1日目】◆0ED/DArWzw
01/22(火) 01:28 Fq4AoezpO

('A`)「…1ヶ月後に、俺…」

( ゚д゚)「残念だが、その予想は当たっている」


2008年、1月22日。
時間にして午前1時過ぎ。
俺の1日目は、幸先の悪いスタートとなった。









―自宅に戻ると、両親は家には居ず、真っ暗な部屋が残されていた。
真っ暗なのは、今が夜中だからなのか、誰も居ないからなのか、そんな事はどうでも良かった。
医師から告げられた言葉だけが頭に過ぎる。

( ゚д゚)『君が生き残るには、手段が無いわけじゃない』

('A`)『…手段?あるのか!?』

( ゚д゚)『肺を取り替えればいい』

('A`)『…肺?』

( ゚д゚)『確かにさっきは、末期とは言ったが、まだ手を尽くせる範囲だ。といってもギリギリで、成功率なんて0に等しい。いや、0と言ってもおかしくない』

('A`)『…つまり、無謀な選択というわけか…』

( ゚д゚)『そういう事だ。手術をすれば、助かる余地はあるが、成功率は無い。死亡が早まる。だが、ほっておけば、君は1ヶ月後には夢の世界…という事になる』

('A`)『…そう言われちゃ、どんな選択したって死ぬ様な言い方だな』

( ゚д゚)『選択は君に任せる。1ヶ月を優雅に過ごしてこの世を去るか、早死の可能性が高まる手術で成功を祈るか…』

( ゚д゚)『1ヶ月側には、君が入院寝たきりにならない位に体力には問題ない。つまり、走ったり肉体労働したって、進行は早まらないというメリットがある。デメリットは、1ヶ月後の未来は考えられない。1ヶ月の15日前(2月7日)には、進行が進み過ぎて恐らく手がつけられない、というものだ』

('A`)『ほぅ…』

( ゚д゚)『手術側は、もしかしたら治るメリットがある。15日前迄に来ればな。デメリットは、成功率0%。死を覚悟した方がいい』






('A`)「…ははは、笑っちまうよな…」

暗い部屋で、俺は笑った。
声に出して。


俺は携帯を片手に、友人に連絡をした。
あいつなら起きてるハズだ。

3:M【1日目】◆0ED/DArWzw
01/22(火) 01:51 Fq4AoezpO

( ^ω^){もすもす}

('A`)「おぉ、ブーンか。お前は絶対起きてると思った」

( ^ω^){お前だってそうだおww}

('A`)「あ…そうだったな。こんな時間だし」

( ^ω^){バンブレ最高だおwww}

('A`)「あぁ、そうだな」

( ^ω^){ところで、こんなタイミングの悪さに何用だお?}

('A`)「えっ…あぁ、そうそう。俺、1ヶ月経ったら死ぬみたいだ」

( ^ω^){へぇ~、遂に自殺……}

(;^ω^){…死ぬみたいって、どういう意味だお?}

('A`)「いやぁ、癌みたいだぜ、俺w」

(;^ω^){…みたいだって…お前、釣りにも加減ってのがあるお。危うく釣られかけたおwww}

('A`)「…」

(;^ω^){…現状は…?}

('A`)「…肺が、ギリギリ手を尽くせる範囲だ。手術したら、成功率は0%」

(;^ω^){…何その死亡フラグ…}

('A`)「いやぁ…生まれつきらしいよ?知らなかったwww」

(;^ω^){…}

('A`)「1ヶ月生きても死ぬし、手術しても死ぬみたいだし。こりゃ笑っちまうよww」

(;^ω^){…ドクオ…?}

('A`)「お前、バンブレ見てたんだったな?わりぃ、邪魔したな。また掛ける」

(;^ω^){ちょっ…待つお…!}

('A`)「なんだ?」

(;^ω^){…釣り宣告は、しないのかお?}

('A`)「…」

(;^ω^){…}



('A`)「悪いな」




俺はそう言って通話を切った。
ブーンには、悪い思いさせちまったかな…。
だけど、伝えとかなきゃ、駄目な気がした。
この暗い部屋の中、残された日数で、何をやるべきか。



…1日が過ぎるのは早いからな。
下手な事は出来ない、そんな気がした。

4:M【残り31日】◆0ED/DArWzw
01/22(火) 02:15 Fq4AoezpO

('A`)「次はショボンか」

アドレス帳を呼び出し、電話番号にキーを当てる。

「プルルルル…」という呼出音を聞くのも、後僅か、か。



(´・ω・`){こんな時間に、何の用だい?}

('A`)「いや、実はな…」

(´・ω・`){癌なんだろう?}

('A`)「…なんで知ってんだ」

(´・ω・`){…ブーンから聞いたよ。1ヶ月なんだってね?}

('A`)「あぁ。早いよな、1ヶ月って」

(´・ω・`){今日告げられて1ヶ月…後31日なのかい?}

('A`)「恐らくそうだろな。来月の今日、俺は終わるらしい」

(´・ω・`){手術は受けるのかい?}

('A`)「…まだわからね。何せ失敗したらそこまでだし」

(´・ω・`){…学校には、来るのかい?}

('A`)「さぁな。もしかしたら、いないかもな」

(´・ω・`){君が決めた事には逆らえないが、損しない様にね。やり残しはないのかい?}

('A`)「童貞卒業以外、何も無いが?」

(´・ω・`){それだけなら、僕が幾らでも用意してあげるよ}

('A`)「いや、いいよ。サクラとかそういうの、何か好きにはなれないし」

(´・ω・`){全く、そんなとこで見栄張ってもしょうがないのに…}

('A`)「いいじゃないか、それくらい」

(´・ω・`){何かやれる事があれば、協力するからね。この様子だと、釣りじゃなさそうだし}

('A`)「飛び切りの釣りなんかありゃしないさ」

(´・ω・`){さて、僕はそろそろ寝るよ?明日も学校だからね}

('A`)「あ、あぁ」


電話が切れた。
また、暗闇無音の部屋になった。


('A`)「…寝るか…」


俺は床に就いた。
限られた時間に縛られるこの恐怖は、何に喩えりゃいいんだか、例えが見つからない。

7:M【残り31日】◆0ED/DArWzw
01/22(火) 07:48 Fq4AoezpO






―朝。
俺にとっても忌々しきこの上ない時間帯だ。
朝から死にたくなるこの悲しみを味わうのも、残り僅かなのか?

携帯を見ると、ブーンからメールが届いていた。
要約して4文字、「学校こい」。
学校程ダルいものは存在しないだろう。
わざわざ自分から義務でもない、高校に向かうとは。
最近の奴等がわからない。

('A`)「…」

まぁ、どうせ宛も無かったんだ。
行ったって意味はもう無いが、友人関係にヒビが入っても、悔いが残るだけだ。



俺は学校に行く事にした。

8:M【残り31日】◆0ED/DArWzw
01/22(火) 08:16 Fq4AoezpO



学校に着くなり、ブーンは俺に話し掛けてきた。

( ^ω^)「おいすー」

('A`)「よう」

( ^ω^)「…ドクオ…、なんで来たんだお」

('A`)「学校来ないと、友情決裂するオチがあるからだ」

( ^ω^)「決して勉強じゃないのかお?」

('A`)「ありゃ、人間が生んだゴミ箱だ。わざわざ漁る理由も無いだろ」

( ^ω^)「留年しないかお?」

('A`)「悪いな、俺はもう桜吹雪は見れそうにない」

( ^ω^)「…あ…そう、だったお…」

申し訳なさそうに戸惑うブーンに、俺は言った。

('A`)「気にすんなよ。決まってたんだから仕方無いさ」

(;^ω^)「そ…そうだけど…余りに1ヶ月は、早過ぎだお…?」

('A`)「まぁ…ん?ショボンはどうしたんだよ」

( ^ω^)「熱を出したらしいお」

昨日会話したのが、そこまで堪えたのか?

( ^ω^)「とにかく、授業を真っ当するお!」

('A`)「俺は寝かせてもらう」

( ^ω^)「寝過ぎだおwww」

('A`)「いいじゃねぇか、別に」

( ^ω^)「まぁいいお。先に教室行ってるから、早く来るお!」


そう言うなり、俺の目の前からブーンは消えた。
俺が消える時には、全部消えるのに。


川 ゚ -゚)「ドクオか?」

(;'A`)「っ!?…なんだクーか…脅かすなよ…」

俺のクラスメートであり、俺の片思い相手。
よく考えてみれば、まだ告白なんて自殺行為はまだしていなかった。
どうせ人生が消えるんだ。
恥じらいもいらん。
やり残しは、やっとかなきゃな。


('A`)「…クー!」

川 ゚ -゚)「なんだ?」

相変わらず返事が早い。

('A`)「…いや…何でも」

川 ゚ -゚)「…?そうか」


いきなり、告白なんか出来るわけなかった。
ちょっと危なかった気がする。
あの場で告白したら、人生があの時点で終わる気がした。


('A`)「…何恥じらってんだよ…畜生…」

自分で自分を嫌がる俺は、クーを追う様にして教室へ向かった。

10:M【残り31日】◆0ED/DArWzw
01/22(火) 16:24 Fq4AoezpO




変わらぬ授業、変わらぬ友人、変わらぬ休み時間に変わらぬ


ただ変わったのは、紛れも無い。
…俺だという事だ。


( ゚∀゚)「今日はこれでお終いだ!明日は…」


明日の予定を淡々と話す担任。
俺の真実は、知らないだろう。


( ゚∀゚)「解散!」


HRも終わった後、俺はブーンと共に帰路で会話していた。


( ^ω^)「ドクオ…。このまま終わっていいのかお?」


俺がクーの事好きなのは、こいつは知っている。
自分の事は把握仕切れないくせに、友人の事はやたらに詳しい。


('A`)「…なぁ、ブーン?」

( ^ω^)「なんだお?」

('A`)「…告白って、やっぱり恥じらうもんなのか?」

(;^ω^)「ばっ…あったり前だお!!普通にしてるなんて僕には出来ないお!!」

('A`)「はは、だよなぁ…」

( ^ω^)「…決心、したのかお?」

('A`)「いや…まだ、俺は言えないみたいだ」

(#^ω^)「んな戯言言ってる場合かお!!!後1ヶ月!それだけしかないんだお!!」

('A`)「…」


俺は隠し持っていた煙草に火をつける。
何故ブーンが、そこまで怒るのか。
俺にはわからなかった。


(#^ω^)「言ってしまえば、後は楽なんだお!やり残しはするなと言ったはずだお!!」


鞄を地面に叩き付けてまで、俺に説教するブーンが、何故か凛々しく見えた。


( ^ω^)「やり残しは良くないお!」


ブーンはそう言い残して歩いて行った。



自宅に戻る。
鍵が開いている…両親が帰宅したのだろうか。



('A`)「親父いんのk…」










川 ゚ -゚)「本日2回目だな…」

('A`)「…あぁ…クーか」

川 ゚ -゚)「うむ」

('A`)「ちょっとテレビ見る」

川 ゚ -゚)「そうか」

テレビをつけ、一息つく。



('A`)「…あのさ、聞いて良いか?」

川 ゚ -゚)「なんだ?」

(;'A`)「…なんで此所にいんの?」

川 ゚ -゚)「早く突っ込め。全く」

(;'A`)「いやそうじゃなくて…」

11:M【残り31日】◆0ED/DArWzw
01/22(火) 17:48 Fq4AoezpO

川 ゚ -゚)「じゃあなんだ?」

なんだって…
こんなタイミングが良いわけがない。
しかも二人きり。
ブーン辺り、どこかに隠れているのか?

川 ゚ -゚)「さっきからキョロキョロして、なんだ」

(;'A`)「いや…あのさぁ、なんでいるの?」

川 ゚ -゚)「遊びにきたのさ」

鍵が閉まっていたのに入れる理由を是非とも伺いたかったが、この際どうでもよくなった。

川 ゚ -゚)「少し部屋を拝見させてもらったら、これを見つけた」

クーは、俺の診察表を見せた。

川 ゚ -゚)「どういう事か、説明してもらえるか?」

('A`)「…仕方ねぇか…」



それから、俺はクーに全てを話した。
癌の事、余命の事、全て。

川;゚ -゚)「…1ヶ月…」

('A`)「あぁ。何しろ、逃げられない立場になっちまったし、逃げても逃げなくても、結末が似たり寄ったりってわけさ」

川;゚ -゚)「手術は受けるのか?」

('A`)「いや、まだわからん」

川;゚ -゚)「…そう、か」

流石に戸惑いを見せるクー。
かける言葉が無いのは、何か悲しいな。

川 ゚ -゚)「誰か他に知ってる人はいるのか?」

('A`)「ブーンとショボン位だろうが、何とも言えん」

川 ゚ -゚)「…そうか」

('A`)「…あぁ」



暫く沈黙が続いた。
この重い空気で、どうすりゃいいのかわからなかった。

('A`)「…実はな、クー」


俺は、当たって砕けてみる事にした。


川 ゚ -゚)「?」

('A`)「…俺、お前の事が、好きなんだ」

川 ゚ -゚)「……」

(;'A`)「…」

川;゚ -゚)「…この状況で告白とは…なかなか挑戦者だな…」

('A`)「やり残しは、嫌いだしな」

川;゚ -゚)「えっと…そ…そうか…」

('A`)「もしかして、クーは…」

川;゚ -゚)「いや…そういうわけじゃないんだ。ただ、急過ぎるから、戸惑ってるだけだ」

('A`)「…それで、返事は?」

川;゚ -゚)「え…あぁ…私も好きだが?」

('A`)「それは、"友人"としてか?"恋人"としてか?」

川 ゚ -゚)「…"恋人"だ」


予感は的中した。
フラグの神様ありがとうございました。


川 ゚ -゚)「…私も、それを言いにきたのだが、先を越されてしまったな」

(;'A`)「えっ?」

12:M【残り31日】◆0ED/DArWzw
01/22(火) 18:08 Fq4AoezpO

(;'A`)「そ…それの為に、此所へ…?」

川 ゚ -゚)「そうだ。君の家を調べるのは容易いからな」

(;'A`)「そ…そういえば、どうやって家に入った?」

川 ゚ -゚)「ブーンから鍵を拝借したんだ」


クーはポケットから、ブーンに渡していたハズの合鍵を持っていた。


川 ゚ -゚)「自分の友人に鍵を渡しておくとは、君はなかなか狙われやすい男だ」

(;'A`)「ま、まぁな」



そんな会話をしていると、既に17時を過ぎていた。


(;'A`)「おい、もうこんな時間だけど、帰らないのか?」

川 ゚ -゚)「?誰が帰ると言った?今晩は泊めてもらう為に来たんだが」

(;'A`)「泊めるなんて言ってないぞ!!」

川 ゚ -゚)「だが、君の親は今日も帰りそうにないじゃないか。夕食はどうするつもりだ?」

(;'A`)「うっ…」

川 ゚ -゚)「今日もカップ麺で済まそうと思っただろう。そうはいかん」

(;'A`)「いやしかし…」

川 ゚ -゚)「食材なら買ってある。冷蔵庫を拝見させてもらったが、スッカラカンじゃないか」

(;'A`)「…」

川 ゚ -゚)「ついさっき、恋人になったんだ。泊めてくれてもいいじゃないか」

(;'A`)「…」


食材まで買ってきて貰って、帰れとは言い難くなってしまった。
もし「帰れ」と言ったら、間違い無く大変な事になりそうだ。


(;'A`)「…わ…わかった。宿泊の事は完敗だ。泊めてやるよ」

川 ゚ ー゚)「それはどうも」

('A`)「しかし、お前の親が心配してないか?」

川 ゚ -゚)「そこらへんも手続きは済ませた」

('A`)「そしたら?」

川 ゚ -゚)「"早く孫の顔が…"とか言っていたが、快く許可を頂いた」


何を期待したんだよ…。


('A`)「ま…まぁ、そういう事なら、取り敢えずゆっくり落ち着こうじゃないか、な?」

川 ゚ -゚)「うむ。ゲームでもしようか」

('A`)「ゲーム?対戦はぷよぷよしか無いぞ」

川 ゚ -゚)「構わない。やろう」

(;'A`)「そ…そうですか…」


クーがゲームだなんて、聞いた事無い。
見掛けで判断は、やっぱり良くないな。
勉強になったよこれは。

13:M【残り31日】◆0ED/DArWzw
01/22(火) 18:40 Fq4AoezpO

〈アイスストーム!〉



川 ゚ -゚)「フィーバーになればこちらのものだ」

(;'A`)「…うっそーん…」


既に5戦しているが、こんなに早く決着がつくとは思わなかった。
しかも5戦1勝4敗。
…惨敗だ。


アルルが勝ち誇った顔でこちらにピースをしている。
クーも真似て、俺に勝利のVサインを見せつけた。


川 ゚ ー゚)「意外に弱いな君は」

(;'A`)「お前が強いんだよ…」

('A`)「しかし、クーがここまでとは、凄いな。やりこんだか?」

川 ゚ ー゚)「まぁそれなりにな」

('A`)「それなりで済む事かよ…」

川 ゚ -゚)「そろそろ時間だ。風呂を焚いてもらえるか?」

('A`)「お…おう」

川 ゚ -゚)「私は夕食の支度をするとしよう」


そう言ってクーは台所へ。
俺は風呂場へ。


('A`)「風呂洗いなんてマジックリンで充分だな」


洗剤を振りまけ、スポンジで適当に磨いた後、洗剤を落としてお湯を入れる。




('A`)「クー、終わったぞ」

川 ゚ -゚)「早かったな」

('A`)「まぁな」

川 ゚ -゚)「支度にはまだ時間がかかる。部屋にいてくれないか?」

('A`)「?俺も手伝おうか?」

川 ゚ -゚)「大丈夫だ。何かあったら呼ぶから、暫くテレビを見ていてくれ」

('A`)「あぁ、わかった」


部屋に戻って、煙草に火をつける。

('A`)「…テレビっつったってなぁ…」


この時間はろくな番組がやっちゃいない。
仕方無く俺はDVDを取り出して、暫く観賞する事にした。


川 ゚ -゚)「待て」

(;'A`)「うわぁぁっ!なんだよいきなり!」

川 ゚ -゚)「それは"ぽてまよ"だな?巷で噂になっていたから、是非見たかったんだ」

(;'A`)「あ、そう…」

川 ゚ -゚)「2巻までしか無いみたいだな…。まぁいい。それは後で見ようじゃないか」

(;'A`)「そうっすか…」


仕方無くDVDを取り出して箱にしまった。


('A`)「じゃあ俺は何をしてればいいんだよ?」

川 ゚ -゚)「テレビ見とけ」

('A`)「それが嫌だからDVD見るのに…」



仕方無く俺は、ニュース辺りを見ざるを得なかった。

14:M【残り31日】◆0ED/DArWzw
01/22(火) 19:21 Fq4AoezpO

川 ゚ -゚)「できたぞ」

('A`)「来たか」



クーが作ったわけだ。
wktkせざるを得まい。


('A`)「鍋か?」

川 ゚ -゚)「そのつもりだ」


見たところ、チゲ鍋辺りだろう。
真っ赤だ。


('A`)「早速頂きますよ」

川 ゚ -゚)「うむ」



俺は何のためらいも無しに鍋につつく。
後を追う様にクーも箸を掴む。


川 ゚ -゚)「どうだ?」

('A`)「美味いです本当にありがとうございました」

川 ゚ ー゚)「そうか、ならよかった」


クーは微笑むと、鍋にありついた。
俺は取り敢えず腹が減っていたからか、高価な料理を食している気分だった。










('A`)「ふぅ…もう食えん」

川 ゚ ー゚)「片付いて嬉しいなこれは」


見事に鍋も平らげた俺は、風呂に入る事にした。


('A`)「じゃあ、先いいか?」

川 ゚ -゚)「あぁ、構わない」




俺は服を脱いで湯船に浸かる。
1日の疲れが癒せる唯一の世界…あぁ…パラレル…。


川 ゚ -゚)「どうだ湯加減は」

('A`)「いやぁ、まずまずだな」

川 ゚ -゚)「そうかそうか。じゃあ入るぞ」

('A`)「あぁわかっt」


(;'A`)「待ってくださいクーさん!」

川 ゚ -゚)「?どうした」

(;'A`)「そんな異性同士で入らんでも…」

川 ゚ -゚)「私はドクオと入りたいんだが?」

(;'A`)「…」








('A`)「クー」

川 ゚ -゚)「なんだ」

('A`)「俺、思うんだ。どうも、1ヶ月に死ぬ様な気がしないんだ…」

川 ゚ -゚)「しかし、現状は痛々しいものだ。さ、早く出よう。上せたら困る」

('A`)「あぁ」

15:M【残り31日】◆0ED/DArWzw
01/22(火) 21:32 Fq4AoezpO

俺は、親の布団を自分の部屋に敷き詰め、クーの寝床を作った。


川 ゚ -゚)「わざわざすまない」

('A`)「構わないさ。どうせ寝る場所なんだからさ」

川 ゚ -゚)「私はドクオの隣りで寝ても良かったが?」

('A`)「本能が疼くんで勘弁してください」

川 ゚ -゚)「大丈夫だ。そこまで私は墜ちた人間じゃない」


風呂一緒に入る時点で如何なものか。


('A`)「特に興味をひく番組は無いな…」

川 ゚ -゚)「ドクオ、パソコン借りるぞ」

('A`)「あぁ」


クーは電源を入れ、ファイルを片っ端から見物していく。

川 ゚ -゚)「む…これは」


クーの目の先には、ファイル名に、[TIME PARADOX]と書かれたファイルを見つけた。


川;゚ -゚)「…メタルギアか…?」

川;゚ -゚)「いや…そうじゃない、…未来を変えてはならない…?」


恐る恐るマウスを動かし、ファイルを開く。


川;゚ -゚)「っ…!?」


クーは唖然とした。
ファイルの中には、メモが1件残されたままだった。
最終更新日は1991年の2月10日。
長々と記されたメモのタイトルには、[先の未来]と書かれていた。








「ドクオへ。


君が生まれた日、医師から聞いた言葉に私達は涙を流さずにはいられなかった。
少なくとも君がこのメモを見たという事は、自分の本来の現状を見つめる時だろう。

聞いたかもしれんが、君は生まれながらの癌であり、本来なら君はもういない。
無茶苦茶な話だが、長く生きて、2007年末…もしくは、2008年初期になるとされている。
君が長く生きていてこのメモを、生きて見たならば、悪い事は言わん。
自害をする他、楽な死に方は無い。
生みの親がこんなふざけた事を言うのは如何だとは思う。
だが、私達からの、せめてもの願いだ。
君が、楽に死ねる方法は幾らでもある。
こんな事を言うのは実に癪に触るのだが、こうするしかないんだ。
君がもし、自害せずに生きれば、周りの人々に菌を移す様なものなのだ。



生んでしまって、申し訳ない。




父より」

16:M【残り31日】◆0ED/DArWzw
01/22(火) 21:49 Fq4AoezpO

川#゚ -゚)「ふっ…ふざけてるのか…!?」


クーはデスクトップを殴りかけた。
挙げられた右手を、静かに降ろす。


川#゚ -゚)「だからタイムパラドックス…周りの未来を変えるな…そういう事か!」


画面に向かって叫ぶクー。
この事実を最近知ったというのに、何故直接言わなかったのか。
それも、生まれて間もない時期に書いたものだろう。



('A`)「ん?どうかした…」


騒ぎを聞き付け、ドクオが画面に目をやる。


('A`)「…そうか…本当に、生まれながらの癌だったんだな…」

川#゚ -゚)「納得するのか?まだ死んでないお前に、しかも、生みの親から死ねと言われてるんだぞ!?」

('A`)「みたいだな」

川#゚ -゚)「何故平然とできる!こんな親、腐ってる以外に何を」

('A`)「クー」


クーの話を途中で止めた。


川#゚ -゚)「…なんだ!」

('A`)「気持ちはわかる。だがな、もしそうなら、その時点であいつらも、俺を殺したハズだ」

川#゚ -゚)「しかし!自ら自害など、できるわけがなかろう!!」

('A`)「…まぁな。防衛本能ったっけか?」

川#゚ -゚)「自ら自害するならば…菌とやらを是非移してもらいたいものだ!」

('A`)「…しかし、こいつら、根本的な間違いをしているな」

川 ゚ -゚)「…どういう事だ」

('A`)「癌は、移らないハズだ」

川 ゚ -゚)「た…確かに」

('A`)「…とにかく、俺には、死ぬしか道がない」

川#゚ -゚)「自分をしっかり持てドクオ!病人本人がそれでどうするんだ!」

('A`)「ま…まぁ…な。…だけど、…俺は、末期なんだ。1歩踏み外せば死に至る。変わらないんだ…そこらへんは」

川 ゚ -゚)「…」



「ドスッ」という音と共に、クーの拳が壁を殴る。


川 ; -;)「…くそっ…くそっ…私は…私…」

(;'A`)「お…おい!やめろよ!手…おかしくなるぞ!!」

川 ; -;)「ドクオ、教えてくれ…」

('A`)「…」

川 ; -;)「私は…何ができるんだ?お前を、どう…助ければ…いいんだ…?」

('A`)「…」


ドクオは、何も喋れなかった。
喋る提案が、見つからない。

18:M【残り31→30日】◆0ED/DArWzw
01/23(水) 00:00 YfxBm5meO

泣き崩れたまま寝てしまったクーを布団の上に寝かせる。

あそこまで泣いてくれる異性は、生まれて初めてだ。
生きていてこのかた、異性とは縁のない男だと思っていたからだ。
なのに、こうも縁が結ぶとは…。


('A`)「…こんな顔だってのに、面白い1ヶ月だな、本当に…」


残り、1ヶ月。
まだだ…。
まだつまらない終わり方はしないぞ…。


('A`)「…なめるなよ、クソ病めが…!」



ドクオ自身、本気で死のうとは思ってはいない。
死ぬのが怖い、という理由じゃなく、死んだら負ける…という理由だ。

此処で死ねば、何も残らない。


('A`)「…はぁ…」


ドクオが深く溜め息をした瞬間、デスクトップに光が灯る。
所謂時報機能だ。
丁度0時を示した瞬間、ドクオの容態が変わった。


(;'A`)「なっ…っ!?」


息ができない。
むしろ、息をしようと試みれば、心臓部に針が刺さるかの様な、尋常ではない激痛が走る。

まるでパソコンに精気を奪われるような。


(;'A`)「はっ…ぁっ…はぁ…っっ…」


息が徐々に荒くなっていく。
もはや死さえ覚悟したその時…

[0時01分をお知らせします…]


時報機能がその言葉を告げた時、ドクオを苦しめた激痛が一気に失う。
気がつけば、痛くも痒くもない。


(;'A`)「はぁ…はぁ……な…るほど…」


息が上がる中、意外に冷静なリアクションをした。


(;'A`)「…そうか、後…30日か…」


ゆっくりと迫るカウントダウンに、改めて身を持って知った。
その騒ぎに気付いたのか、クーが寝ぼけ様で起き上がった。


川 ゚ -゚)「どうかしたか?」

(;'A`)「いや、何でもない、ちょっと、レス祭りに騒いだだけさ」


デスクトップに映るのは、2ちゃんねるとは言い難い、時報画面にしか見えない。
しかし、寝ぼけているのか、視界はぼんやりしている。


川 ゚ -゚)「…まぁいい…おやす…」


言いかけて寝てしまった。
さほど眠いらしい。


('A`)「…よし…寝るには惜しい、少しロムるかな…」


ドクオはパソコンに向き合う。


('A`)「っと…トイレ行こっ」


ドクオが席を外す。
トイレに入った時、パソコンは勝手に黒くなる。
真ん中には、白文字で、一行、文字が書かれていた。












[ドクオ 残り 30 日]

--------------------------------------------------------------------------

20:M【残り30日】◆0ED/DArWzw
01/23(水) 01:43 YfxBm5meO

<みんみんみらくる、みっくるんるん…>



ドクオは、DVDを見ていた。
この時間から。
まるで年貢を納める様に。


('A`)「…」


黙視する彼の姿は、まさに引きこもりそのもの。
だが彼は、そんな事お構いなしだった。



〔ピンポーン…〕

この深夜に、チャイムが鳴り響く。
新聞の集金ではない事はわかった。


('A`)「…折角良いとこで…誰だよ全く…」


重い腰を挙げ、ドクオは玄関へ向かう。


('A`)「誰だ?」

(´・ω・`)「やぁ」

('A`)「ショボン…どうしたんだ?熱は?」

(´・ω・`)「熱?僕は昨日サボったんだよ」

('A`)「なんでまた…?」

(´・ω・`)「…上がらせてもらうよ」

('A`)「あぁ…」


ショボンとドクオは、広いリビングで、テーブル越しに互い座った。


('A`)「で、何の用だ?」

(´・ω・`)「これを見てくれ」


ショボンは何枚もの紙切れをドクオに手渡す。


('A`)「…こいつは…?」

(´・ω・`)「とある病院の、カルテをコピーしたものだ。どのカルテも、君と同じ、癌の患者のものだよ」

('A`)「何処でこれを?」

(´・ω・`)「僕は万屋だよ?なんだってできるさ」

('A`)「…確かに癌患者のカルテだな…だが…」

(´・ω・`)「そう。無数に重なるその紙切れのカルテコピーの約3分の1は、手術に成功した者だ」

('A`)「他は…」

(´・ω・`)「手術で失敗したか、手遅れの者だ」

('A`)「…2分もか?」

(´・ω・`)「そうだよ。ただし、末期癌だったのは、その2分から、約1に当たる」

('A`)「残りの1はなんだよ」

(´・ω・`)「早死…言わば、自害した者だ」

(;'A`)「そんなにいるのか…?」

(´・ω・`)「うん。死に急いだ。そう言った方が正しいかもしれない」


煙草に火をつけるドクオ。


('A`)「しかし…これが…なんだ?」

(´・ω・`)「此処にあるコピーは、計100枚。だけど、これはあくまで一部。後何千という枚数があるんだけど、その何千は、ほぼ全て、手術の経験者なんだ」

('A`)「…ほう」

21:M【残り30日】◆0ED/DArWzw
01/23(水) 02:00 YfxBm5meO

(´・ω・`)「しかし…」

('A`)「しかし?」

(´・ω・`)「その手術者の大体が、失敗で消えている」

('A`)「そうそう頻繁に失敗するものか?」

(´・ω・`)「体には、行き届かない範囲がある。そこに癌がいってしまったんだ」

(;'A`)「全員か?!」

(´・ω・`)「そう言っても過言じゃないよ」

(;'A`)「科学は進歩したんじゃないのか?」

(´・ω・`)「それはまだ研究範囲。実用としては、まだ時間がかかってしまうんだ」

(;'A`)「んな馬鹿な…」

(´・ω・`)「君、医師から言われた成功率を覚えてるかい?」

(;'A`)「0%…はっ…!」

(´・ω・`)「そう。今じゃ、何万もの人類が抱える悪菌、癌細胞だ。研究も前々から進められたけど、恐らく、人類の寿命という制限の99%は癌による死と考えておかしくない」

(;'A`)「事故死とかは?」

(´・ω・`)「癌から見れば、1%にも満たない。0.000…とにかく、それだけ微弱極まりないものなんだ」

(;'A`)「俺は、どうすりゃいい?!」

(´・ω・`)「そこなんだ。何しろ今は、研究に重なる日々。何かしらの発展は考えられなくもない。だが、0%という事を聞く限りじゃ、期待はしないべきだ」

(;'A`)「…」

(´・ω・`)「手術を、しない方が正しいのかもしれないんだ」

(;'A`)「ふ…ふざけるな…」

(´・ω・`)「…」


ドクオは煙草を灰皿に打ち付け、立ち上がり、ショボンの胸倉を掴む。


(#'A`)「それじゃあ、俺は死を待てというのかよ!!」

(´・ω・`)「無い可能性より、有り得る可能性を信じるんだ」

(#'A`)「どういう意味だ!わかるように言えよ!!」

(´・ω・`)「君は、まだ死ぬとは限らないわけだ。1ヶ月。1ヶ月あれば、上手くいくかもしれないんだ!」

(#'A`)「だからどういう意味だってんだよ!!」

(´・ω・`)「君は助かるかもしれない」

(#'A`)「…なんだと?末期だぞ?手の打ち様も危ない状況で、何をどうしろってんだっつってんだよ!!!」

(´・ω・`)「科学は進歩する。もし間に合うならば、君は、助かる。つまり、手術とは言えないが、手術には変わりない手術をするんだ」

(#'A`)「…お前、何言ってやがる!」

22:M【残り30日】◆0ED/DArWzw
01/23(水) 02:17 YfxBm5meO

(´・ω・`)「さっき調べたんだ。そしたら、癌に対抗するワクチンが開発されるというんだ」

('A`)「…で?」

(´・ω・`)「確率は2分の1。手術0%よりは、まだ奇跡が見えるだろ?」

('A`)「…」


ドクオは、ショボンの胸倉を持つ手を離した。


(´・ω・`)「飲み薬で2分の1を狙うか、1ヶ月、優雅に過ごすか、手術で0%に信じるか。どうしたい?」

('A`)「…そのワクチンってのは、いつ…」

(´・ω・`)「生産は、君の命日予定の、2月22日」

('A`)「お前ふざけんなよ?」

(´・ω・`)「だから言ったろう。2分の1だと」

('A`)「…」

(´・ω・`)「…じゃ、そろそろとんずらしますかな」

('A`)「…」

(´・ω・`)「…また来る。じゃあね」


バタン。
玄関で聞こえた音。

ドクオは悩んだ。
新たな題材が増えた苛立ちと、更に増えた選択肢の戸惑いと。


(#'A`)「…俺にどうしろってんだよぉぉぉぁ!!!!!」


壁、家具を蹴り入れた。
とにかくやつ当たった。


(#'A`)「はぁ…はぁ…」


暴れすぎて体力が尽きた。


('A`)「…寝るか…」


とにかく、最善を選ぶには。
どれもこれも、重いものばかりだ。


ひとつ。
=1ヶ月間一切手を打たない=
つまり、何も手を打たないで、やり残しを達成するゆえに死を選ぶ。


ふたつ。
=成功率0%の手術を受ける=
手術で眠って、起きた時には真っ暗な闇か、白い天井を見て開放感を得るか。


みっつ。
=ワクチンで2分の1に懸ける=
ただし、生産日は命日。
15日前には、手は打てない状況。
ワクチンの奇跡1分か、死亡フラグの1分か。






('A`)「…選択肢…増えちまったかな…」



自室に戻り、横になって、ふと思う。

俺が死ねば、クーは、どうなるのだろう。
何を頼りに、生きるんだ、クー。
もしかして、お前は、この事を既に知っていたのか?
なら、なんで俺の元に…

23:M【残り30日】◆0ED/DArWzw
01/23(水) 08:17 YfxBm5meO

寝ていたドクオは起床し、辺りを見回す。


('A`)「…雪なんか降ってる…」


時間は、既に遅刻だった。


('A`)「…行くしかないか…」

鞄を持ち、クーを起こす。


川 ゚ -゚)「もう時間だったか」

('A`)「あぁ。…行くか…マンドクセ」

川 ゚ -゚)「なら休めばいい」

('A`)「…そうするか」

ドクオはテレビを点け、一息つく。


('A`)「こんな雪中、行ってられるかってんだよ」

川 ゚ -゚)「まぁな」

('A`)「飯にすっかな」

川 ゚ -゚)「私が作ろう」


クーは台所へ移動し、朝食の支度をしだす。


('A`)「…休んじまったが、もう進級は無理かもな…」

24:M【残り30日】◆0ED/DArWzw
01/23(水) 17:04 YfxBm5meO

川 ゚ -゚)「そんなに落ち込むなドクオ。30日しかないんだ。気長にいこう」

('A`)「お…う」


返答は微妙だったものの、考える余裕はあると確信したのか、ドクオは煙草を片手に、そして携帯を片手に、ブーンにメールをする。


[件名:Re

本文:

よう。
今日は休む。
じゃあな。]


('A`)「よし、送信っと…」


通話ボタンを押して送信する事を確認して、一眠りする事にした。


川 ゚ -゚)「…ドクオ、…現実を受け止めるしかないみたいだ。…青い鳥は、いないんだ」


クーは、寝ているドクオにそう呟いて、テレビを見始めた。

25:M【残り30日】◆0ED/DArWzw
01/23(水) 18:50 YfxBm5meO

ブーンは授業を知らないのか、返信は早かった。


('A`)「もうか…」


メールを見る。


[件名:Re
本文:

ドクオらしくないお。
いつも何だかんだ言ってくるくせに

]


('A`)(「雪 が め ん ど い」っと…)


メールを送信し、無事行った事を確認して、煙草に火をつける。


('A`)「また寝るかな…」


クーは黙々とテレビを見ている隣りで、ドクオが横になろうとした時、自宅電話機に連絡が入る。
大きなのっぽの古時計が鳴り響く着信音に耐え切れなくなったドクオは嫌々ながら受話器をとる。


('A`)「もしもし?」

( ゚д゚)『ドクオ君かい?』

('A`)「その声は…確かあの時の医者…」

( ゚д゚)『君が助かるかもしれない』


その発言を聞いた時、ショボンとの会話を思い出す。


('A`)「…ワクチンとかいうのっすか?」

(;゚д゚)『っ!知ってたのかね!』

('A`)「友人から聞いた話です」

( ゚д゚)『そうか…ならば、手っ取り早い。君はどうするつもりだ?』

('A`)「…まだ、決めてません」

(;゚д゚)『決めてないだと?!君が今どういう状況かわかっているのかね!』

('A`)「わかってますよ。…でも、もし死ぬなら、最後まで…って言うでしょう」

( ゚д゚)『君が選択するから、我々は何とも言えんが、早急な答えを頼みたい』

('A`)「ワクチンとやらは、命日に生産なんでしょ?だったら急ぐ必要…ないじゃないですか」

( ゚д゚)『確かにそうだが、そのワクチンには、欠陥がある』

('A`)「?」

( ゚д゚)『本来、ワクチンという名称は、病原菌やウイルスを弱毒化したり死滅させたりしてつくった、感染症の予防接種の免疫材料という意味だ。既にワクチンなんて名称じゃない。我々はそれを[最終物質]と読んでいる』

('A`)「はぁ」

( ゚д゚)『だが、その物質を使うには、君を一度手術しなくてはならない。使うという前提ならば、移植は試みないから、死には至らない』

('A`)「だけど、命日に生産してからだと…」

( ゚д゚)『そう。打っても手遅れの可能性が強い。だが、移植手術とは違い、成功率が50%に変わる』

('A`)「50…」

26:M【残り30日】◆0ED/DArWzw
01/23(水) 19:00 YfxBm5meO

( ゚д゚)『少しの、しかもかなりの可能性が出てきたんだ!どうする?君は』

('A`)「…まだ待ってもらえませんか?」

( ゚д゚)『それは構わない。だが、制限がある』

('A`)「またか…」

( ゚д゚)『決断期限は、2月1日だ』

(;'A`)「なっ…」

( ゚д゚)『君がYESと言えば、命日まで動けない代償として、50%のチャンスがやってくる。君がNOと言えば、残すは移植か、無作動だ』

('A`)「…お願いです。考えさせてください」

( ゚д゚)『わかった。2月1日、どちらを言うにも病院には来てくれ、いいな?』

('A`)「…わかりました」



受話器をおく。


川 ゚ -゚)「どうかしたか?」

('A`)「何でもないさ。学校からみたいだ」

川 ゚ -゚)「…そうか」


少しためらったクーは、何かを察していた。
だが、気のせいだと感じたのか、煩悩を消す様に頭を叩く。


('A`)「…」


3つの選択肢と残された僅かな時間。
上手く生き残るには、手段が少な過ぎる。

27:M【残り30→29日】◆0ED/DArWzw
01/24(木) 00:00 ZTU7WeZvO

('A`)「また削られる時間が来たみたいだな…」


1回目で慣れたのか、そんなに構えてはいなかった。
自分の命日、それまでの攻撃。
耐え兼ねないこの苦痛を、自ら招いているようにも見えた。


川 ゚ -゚)「どうした?」

('A`)「もうすぐで、俺の1日が消えるんだ」

川 ゚ -゚)「それはわかっているが…」

('A`)「なぁに、1分で済む。心配すんなって」


ドクオはパソコンの前に立つ。


('A`)「さぁ、かかってこい」


その声と共に、画面が光出す。

[午前、0時をお伝えします…]


それと同時に、あの痛みが襲う。

(;'A`)「うっ…ぐっ…かはぁっ!」

川;゚ -゚)「ド…ドクオ!」


その場で倒れかけたドクオを支えるクー。


(;'A`)「はぁ…はぁ…はっ…クッ…ク…ー…」


喋る度に息が上がる。
喋り続けたら、それこそお終いだ。


川 ; -;)「喋るな!息をするんだドクオ!!」


そして、パソコンからは、[0時01分のお知らせ]が伝えられた。


(;'A`)「はぁ…はぁ…」

川 ; -;)「…も…もう平気なのか…?」

('A`)「…これは、カウントダウンだ。ちょっとじゃ死なんよ」

川 ; -;)「…良かった…」


クーはその場で腰を抜かす様に座り込んだ。

('A`)「まだ、終わらん見た意だからな」



ドクオは、クーを宥めた。
その後ろに映る画面には、黒い背景で、しっかりと、白文字で書かれていた。














[ドクオ 残り 29 日]

-------------------------------------------------------
34:M【残り29日】◆0ED/DArWzw
01/24(木) 01:39 ZTU7WeZvO

暫く2人は静まり返り、クーが一言、ドクオに問う。


川 ゚ -゚)「…ドクオ。…私は待つぞ?」

(;'A`)「…な…なんだ…藪から棒に…」

川 ゚ -゚)「君の話を、すまないが聞かせてもらった。昨日のショボンとの会話、あの電話の事も、全てな」

('A`)「…聞かれてたのか…」

川 ゚ -゚)「その物質があれば、君は助かるかもしれないなら。その為に、どんな苦痛があろうと、私は君を助ける」

('A`)「…クー…」

川 ゚ -゚)「…頼む」

('A`)「…あの物質を使うならば、俺は、この生活と別れなくちゃならないんだ」

川 ゚ -゚)「…」

('A`)「…自分で、自分を動かせなくなる、この悲しみ…苦しみ…忌ましみ…。お前に…わかるのか…?」

川 ゚ -゚)「…」


クーは黙り込む。


('A`)「動けないんだ…。動きたくないんじゃない…!動きたくても、もう動けなくなる悲しみがわかるのか?!」

川 ゚ -゚)「…わかっているつもりだ」

(#'A`)「…っならば!何故自らの動源力を犠牲にしてまで!」

川 ゚ -゚)「君は間違っている」

('A`)「…?」

川 ゚ -゚)「動けない代償として、君は助かるかもしれない。その間、確かに動けないだろう。しかし、君は、助かるかもしれないという可能性を手にするのだぞ?」

('A`)「…わからねぇな。もし失敗すりゃ、寝たきりだった命日までの日数が台無し…」


パンッ。

クーは、ドクオにビンタを一発。


川 ゚ -゚)「…まだわからぬか」

('A`)「…」

川 ゚ -゚)「君は、生存の道がある。末期ですぐに世を消え去る患者よりも、君はまだチャンスがあるんだ。1度の未来を揉み消す様な自害はするものでない」

('A`)「…だが…わかってるのか?それが、どういう事かなんてのは」

川 ゚ -゚)「…いつまでも付き添ってやる。安心しろ」

('A`)「…」


ドクオは、とある連絡先に連絡を入れる。


('A`)「…もしもし、…はい、ドクオです。はい、内科の…はい…その先生です、えぇ…」

川 ゚ -゚)「…」


('A`)「…先生ですか?…えぇ、はい。じゃあ今日辺り…はい…わかりました」


電話を切り、クーに振り向く。


('A`)「…50%に、懸けてみるしか、なさそうだな」

川 ゚ -゚)「そうか」

35:M【残り29日】◆0ED/DArWzw
01/24(木) 01:58 ZTU7WeZvO

('A`)「もう、此処にも戻れるかわからないな…」

川 ゚ -゚)「信じろ。今の科学を」

('A`)「…」

川 ゚ -゚)「何かあったら、私が助けてやる。君は安心して、生きる事だけを考えるんだ」

('A`)「…こんな事…あったんだな。…自分が、この歳にして末期癌なんて…煙草だけでも、こんなに早く末期には至らんのに…」

川 ゚ -゚)「…」

('A`)「…あれ、おかしいな…なんか…」

川 ゚ -゚)「どうした?」

(;A;)「いや…目から…水が溢れちまって…おか…しいな…?」

川 ゚ -゚)「…」

(;A;)「なん…でだよ…どうして…俺……」

川 ゚ -゚)「…泣いていいんだぞ?」

(;A;)「うっ…うぁぁぁぁぁっ!!!」


ドクオはクーにしがみつき、泣き叫んだ。
幼い子供の様に、明るい部屋に響く、ドクオの情けなく泣き響く絶声。
嬉し涙なんかじゃない。
笑い泣きでも、もらい泣きでも無い。

ドクオ自身が溜めていた、誰にも打ち明けられなかった、過去の分の涙。
そして今の、悔しみの涙。


川 ; -;)「…」


1人で、帰っては来ない両親にも打ち明けない涙を、ただただ、抱え込んでいたその涙を、今、全て流す。


川 ; -;)「…辛かった…だろう…」

(;A;)「うぅぅっ…ひっ…ひっく…」

川 ; -;)「泣くんだ。全て流して、前に、進むんだ…!」


慰める事しかクーにはできない。
しかしドクオは、それでも良かった。
自分の涙を認めてくれる誰かが、いてほしかった。


川 ; -;)「…うっ…」


クーは、しがみつくドクオを抱く。
ドクオは応える様に、クーを抱く。


川 ; -;)「いつまでも…お前の隣りにいるからな…!」

(;A;)「あぁぁぁぁぁっっ!!っっ畜生……畜生…!」


その叫びは、数十分の間、止む事は無かった。

40:M【残り29日】◆0ED/DArWzw
01/24(木) 17:07 ZTU7WeZvO

2人はいつの間にか就寝し、朝どころか、昼を迎えていた。


('A`)「…今からでも行くか…」

川 ゚ -゚)「私も行こう」

('A`)「…あぁ」


ドクオは、最後になるかもしれない自室に向け、一礼した。
そして、2人は病院に向かう。





( ゚д゚)「やっと来たかね?」

('A`)「いや…すいません」

( ゚д゚)「気にしていないさ。さ、中に」



[内科―]



( ゚д゚)「さて、…もう一度聞くよ?どうするんだね?」

('A`)「…物質でお願いします」

( ゚д゚)「…命日まで、全く体が動かなくなるぞ?」

川 ゚ -゚)「私がいる」

( ゚д゚)「…この子は?」

('A`)「…彼女です」

( ゚д゚)「彼じ…っ!…何か、すまない事をしてしまったね…」

('A`)「そんな事ないですよ」

( ゚д゚)「…しかし…いいんだね?」


ドクオは、ゆっくり頷いた。


( ゚д゚)「…私につきてきなさい。」


ドクオとクーは、後を追った。

41:M【残り29日】◆0ED/DArWzw
01/24(木) 18:12 ZTU7WeZvO

('A`)「…此所は?」

( ゚д゚)「…君の人生を変える部屋だ。…わかるかね」

('A`)「…」


ドクオの人生を、変える場所。
遂に、手術室に来た。


( ゚д゚)「無論、今からやるわけじゃないさ。暫く時間をおいて、早くても明日の早朝になるだろう。今日はこの病院に泊まって、点滴打ちながら…だな」

('A`)「わかりました」

( ゚д゚)「…私は正直、驚いているよ」

('A`)「?」

( ゚д゚)「君の様な、まだ成人でもないのに、この意志を持てるとは…なかなか肝が座った兄ちゃんだな…」

('A`)「…そうですか…?」

( ゚д゚)「あぁ。…君のその意志、無駄にはしないぞ」

('A`)「頼みます」



ドクオは、個室に入れられた。
受付にいたクーも個室に来る。


川 ゚ -゚)「言わば今日は、嵐の前触れ…か」

('A`)「…まぁ、受け取りは間違っちゃいない」

川 ゚ -゚)「ドクオ…」

('A`)「…落ちるとこまで落ちりゃ、後は登るだけさ」

川 ゚ -゚)「まぁ…そうは言うがな…?」

('A`)「ま、暫く落ち着こう。テレビまでついてるんだぜ?快適じゃないか」

川 ゚ -゚)「…」



クーは、わかっていた。
ドクオはああして快感を得ようとしているが、違う。
それは作られた仮の顔。
本心は、絶望に満ちた…今にも自殺しかねない願望者にしか見えない。

42:M【残り29日】◆0ED/DArWzw
01/24(木) 18:24 ZTU7WeZvO

('A`)「…わりぃ、ちょっと、俺の家からノートパソコン持ってきてくれないか?」

川 ゚ -゚)「…わかった」


クーが病室を出ると、ドクオは孤独に浸った。


('A`)「…もう、アニメとも触れ合えそうにない…な」


ベッドに横たわり、天井を見つめる。


('A`)「二次元の世界に…行ける日が…わざわざ向こうからおい出ましてくれるとは思わなかったな…」


孤独に浸った後、ドクオは一眠りついた。












一方、クーは、ノートパソコンを入手し、玄関の鍵を閉める。


川 ゚ -゚)「さて、行くか」


クーが前に踏み出そうとした。


踏み出そうとした足を、止めた。

43:M【残り29日】◆0ED/DArWzw
01/24(木) 18:41 ZTU7WeZvO

(;-@∀@)「こ…こんにちは」

川;゚ -゚)「あ…あぁ、こんにちは」

(;-@∀@)「いきなりで悪いんですけど、私、貴方の事が好きです!」

川;゚ -゚)「…!!」


所謂一目惚れというやつだろう。
クーは暫く黙って、口を開いた。


川 ゚ -゚)「悪いな。既に私には愛すべき人間がいる」

(;-@∀@)「…えぇっ…!」

川 ゚ -゚)「君には悪いが、諦めてもらいたい」

(;-@∀@)「いやだ…いやだいやだ!!認めないぞ!そんなの!」

川;゚ -゚)(扱いにくい少年だな全く…)

(;-@∀@)「こうなったら…襲ってしまえ…!!」


少年は全速でクーに向かった。
クーは少年を避ける様に逃げる事を試みる。
…しかし



(;-@∀@)「フヒヒ…捕まえた!」


あっさり捕まってしまった。


川;゚ -゚)「はっ…離せ!」


腕を振るが、一向に離れない。
ドクオが待つというのに…。


(;-@∀@)「貴方は僕のものなんだよ!既に決まってたんだからさ!おとなしく僕の妻になってよ!」


慣れた手つきでクーの制服を脱がし始める。


川;゚ -゚)「やめろ…、やめろ…!!!」


ワイシャツのボタンがほつれた後、簡単に上半身下着姿になってしまった。
少年は、止まる事を知らない様だ。


(;-@∀@)「貴方は僕のもの、僕のもの…」


自らのズボンを脱ごうとしているのか、チャックを開けようとしている。
しかし、噛んでなかなか降りない。

逃げるなら今だ。


川;゚ -゚)「くっ!」


ノートパソコンを持ち、下着姿のまま走り出す。
病院までは、走れば3分もかからない。


(;-@∀@)「あっ!待て!」


少年は気付いたのか、クーの後を追いかける。


川;゚ -゚)「助けて…助けてくれ…」


ブツブツ喋ったが、勿論聞こえるわけもない。

44:M【残り29日】◆0ED/DArWzw
01/24(木) 19:16 ZTU7WeZvO

川;゚ -゚)「はぁ…はぁ…」


病院まで目と鼻の先。
病院の入口には、ドクオがいた。


('A`)「遅すぎだな…何してんだよ…」

川;゚ -゚)「ドッ…ドクオ!!!」

('A`)「あれっ…?なんであいつ…」


ドクオは多少疑いながら、クーに近付く。


(-@∀@)「待って~!!」


その姿が見えたのか、ドクオは表情を変えた。


川;゚ -゚)「ドクオ…あ…これには…」

('A`)「…任せとけ。500万は頂く」

川;゚ -゚)「?」

('A`)「死ぬ前に善はしとかないとな」


そう言ってクーに上着をかけ、少年の元へ走り出す。


(;-@∀@)「?」


差が無い程の近距離に達した。


('A`)「よぉぉいっっしょぉぉぉぉぉぉーっ!!」


凄まじきドロップキックを少年にぶつけた。
少年は元いた地点から数メートル先へ飛ばされた。


(#-@∀@)「なにするんだ!」

('A`)「黙れ。500万は頂いたぁぁぁぁぁぁ!!!」


血相変えて少年の元へ走り出し、更に蹴りを飛ばす。


(;-@∀@)「痛いっ…痛い…!」

(#'A`)「死ね!死ね!死ねぇぇぇぇぇぁぁぁぁぁぁ!!!」

とどめの蹴りをくらわせた後、少年は気絶してしまった。

(#'A`)「よっしゃぁぁぁぁ!!警察GO!!」


少年を引きずり、近くの交番へ走り出した。
とても引きずっているとは思えない。






暫くクーは、その場を動こうとはせず、ドクオが戻るのを待っていた。



('A`)「おまたへ」

川;゚ -゚)「ドクオ…!」

('A`)「あいつは指名手配だったんだ。意外にホイホイやってくるんだな、金ってのは」

川 ; -;)「…うっ…」

(;'A`)「お…おい…取り敢えず病室行こう。な!」


クーは黙って頷き、病室に戻った。

45:M【残り29→28日】◆0ED/DArWzw
01/24(木) 19:25 ZTU7WeZvO

病室に戻る途中、ドクオは立ち止まった。


(;'A`)「…っ…またか…」


恒例とでも言えよう、時報の時。
1分を経った後、通常に戻る。


(;'A`)「…この痛みは好きになれないな…」


時計を見ていなかった為か、不意打ちにあってしまった。


川;゚ -゚)「ドクオ…見てくれ!パソコンが…」


パソコンには、[ドクオ 残り 28 日]と書かれていた。


('A`)「…ふっ…時報にカウントダウンされるたぁ、何とも言えん感覚だな」

川;゚ -゚)「…」

('A`)「取り敢えず、部屋行こうぜ?受付にいても仕方無いじゃないか」



2人は病室に戻り、パソコンをまじまじと見ていた。

--------------------------------------------------------------
48:M【残り28日】◆0ED/DArWzw
01/25(金) 07:46 MfTA0P4rO

( ゚д゚)「さ、行くぞ」

('A`)「…はい」


手術開始時間、13時30分。


川 ゚ -゚)「…」

('A`)「…大丈夫。今回は死にゃしない」

川 ゚ -゚)「…わかっている」

('A`)「…じゃ、行ってくる」


その言葉を最後に、ドクオは手術室へ向かって行った。


川 ゚ -゚)「…」


何も言わず、ただ座っているしか無かった。












( ゚д゚)「…」

('A`)「―」


ドクオは麻酔で睡眠状態にあり、数名の医師が、寝ているドクオの周りに集まる。


( ゚д゚)「…これより、手術を始めます」

(*゚ー゚)「宜しくお願いします」



こうして、短い様で長い、手術は開始された。

49:M【残り28日】◆0ED/DArWzw
01/25(金) 08:19 MfTA0P4rO

"今日は時間経過が早い"。

クーはふとそう思った。


目を離したスキに、時間は既に19時をまわっていた。


川;゚ -゚)「…何も無ければいいんだが」


幾らなんでも、時間が経ち過ぎている気がしたクー。
調べようにも調べられない。
クーは携帯を取り出し、ショボンに連絡する。


(´・ω・`)『どうかしたかい?』

川 ゚ -゚)「実はカクカクジカジカ」

(´・ω・`)『そうか…遂にドクオ…』

川 ゚ -゚)「…あぁ…」

(´・ω・`)『…それで、手術してるの?』

川 ゚ -゚)「簡易的なものだが、にしたって時間が長い」

(´・ω・`)『手術はそんなもんさ』

川 ゚ -゚)「ならいいんだが…」

51:M【残り29日】◆0ED/DArWzw
01/25(金) 13:20 MfTA0P4rO

(´・ω・`){待たない事には始まらないさ}

川 ゚ -゚)「し、しかし…」

(´・ω・`){そう簡単にアイツは、死なないさ}

川 ゚ -゚)「…あぁ…」


21時39分―。
手術にしては、以上なまでの遅さだ。
とその時だった。


( ゚д゚)「ふぅ…」

川 ゚ -゚)「先生!」


手術室の扉は開かれ、医師が出てくる。


( ゚д゚)「君か。彼なら心配いらない。麻酔で寝ているだけだから、そのうち起きる」

川;゚ -゚)「そ…そうですか…」


焦りと不安が隠せずに、汗が出る。


( ゚д゚)「まぁまぁ。そう焦らなくて大丈夫。体勢を整いただけですから、本番は、ここからになります」

川 ゚ -゚)「えぇ」

( ゚д゚)「暫く、ドクオさんに付き添っていて下さい」

川 ゚ -゚)「わかりました」

55:M【残り28→??日】◆0ED/DArWzw
01/25(金) 15:28 MfTA0P4rO

ドクオは、病室で寝たきり状態で、未だ起きようとはしない。


川 ゚ -゚)「もうすぐあの時間だな…」


クーがそう呟くと、ノートパソコンの画面が光出す。


('A`)「…」


本来なら0時で、ドクオが苦しんでいるハズだ。
だが、0時になっても、痛みを訴えるどころか起きもしない。


川;゚ -゚)「…?」


クーは少々焦り気味だった。
起きないからだ。
息もしている。


川;゚ -゚)「…大丈夫なのか…?」


クーがそう思っていると、1分経過の知らせと共に、カウントダウンが宣告された。

[ドクオ 残り 27 日]


川 ゚ -゚)「…?」


画面は動こうとはしない。
故障でもしたのだろうか?


川 ゚ -゚)「どうしたんだ?」


不安に思ったクーは、ノートパソコンに近付く。
すると、ノートパソコンに映された文字が化けてきた。


川;゚ -゚)「なっ…?」


数字のみ化けだした文字。
そして元に戻った。


戻った時、クーは鳥肌が立った。


川;゚ -゚)「う…嘘だろ…?」


画面に映された文字、それは、




[ドクオ 残り 3 日]



川;゚ -゚)「…」


何時まで経ってもドクオは起きようとはしない。
クーは血の気が引いたかの様に、その場で座り込んでしまった。


川;゚ -゚)「あ…あぁっ……」


確かにあの医師は、成功したと言っていた。
それに、移植ではないから、死ぬわけが無い。
では、この映された文字は…?


川;゚ -゚)「…私はどうすれば…」


クーはただ、黙って見ているしかなかった。

57:M【残り3日】◆0ED/DArWzw
01/25(金) 18:40 MfTA0P4rO

川;゚ -゚)「…ド…ドクオ…?」

そんな訳がない。


川;゚ -゚)「おい…目を覚ませ!寝過ぎだぞ!」


数時間前まで、明るい笑顔だったのに。


川;゚ -゚)「ドクオ!ドクオ!!おい!」


心拍数は正常。
死んでいるわけがない。


川;゚ -゚)「おい!!ドクオ!」


未だ動かないノートパソコンの画面。


('A`)「…」


ドクオは未だに起きようとはしない。


川;゚ -゚)「おい…今更怯えて起きたくないとか言うんじゃないだろうな?」


返事は無い。


川;゚ -゚)「ドクオ…!ドクオ…!おい…ドクオ!!」


未だ返事は無い。


川;゚ -゚)「…!」


ドクオのそばに掛けてあったナースコールを押す。

…暫くして、ナースが来た。


(*゚ー゚)「どうかしましたか?」

川;゚ -゚)「ドクオが…まだ起きないんだ!医師…医師を呼べ!!」

(;゚ー゚)「わ、わかりました!」


ナースはその場を逃げる様に去り、医師を呼びに向かった。

まだ医師が居るだけ有り難い。


川;゚ -゚)「頼む…ドクオ……無事でいてくれ!」


ノートパソコンの文字が、自分の見た幻覚だと信じたい。
クーはそう願った。

だが、現実は、酷い有様だった。

58:M【残り3日】◆0ED/DArWzw
01/25(金) 19:18 MfTA0P4rO

(;゚д゚)「どうしたんだね!」


慌てて駆け付ける医師。


川;゚ -゚)「一体、何時まで寝ているつもりだ!!」


医師は、近くにあったノートパソコンを見つけ、まじまじと見つめる。


(;゚д゚)「…」


医師は、ポケットから聴診器を取り出し、腹部、胸部に当てて心臓の様子を伺う。


(;゚д゚)「心臓は正常に動いてはいるが…確かに、ここまで寝ていると、どうもおかしい…!手術は成功したハズなのに…?」


川;゚ -゚)「成功したんだな?本当に…?」

(;゚д゚)「あぁ…間違ない。無駄な神経だけを抜き取っただけの手術…。下手すりゃ素人でも出来るんだ」

川;゚ -゚)「…しかし…」

(;゚д゚)「あぁ。未だ起きないのは前代未聞だ。…タダでさえ前代未聞だと言うのに、…麻酔も多くない…」

川;゚ -゚)「ドクオは…どうなるんだ!」

(;゚д゚)「このままだった場合、…考えてはならない事になる」


医師はノートパソコンを見つめ、言う。


(;゚д゚)「…3日というのも、謎が深まる…。このパソコンの文字は、事実を写し出すのか?」

川;゚ -゚)「間違ない。カウントダウンも正常だった」

(;゚д゚)「…という事は…」

川;゚ -゚)「…」

(;゚д゚)「…」

(;゚ー゚)「…」


一同は喋る事はできなかった。
ただ聞こえるのは、ドクオの寝息だけった。

59:M【残り3日】◆0ED/DArWzw
01/25(金) 20:27 MfTA0P4rO

川;゚ -゚)「…先生…」

(;゚д゚)「残り…3日だと…?冗談も程々にしろ!物質が来るのは来月なんだぞ?!後3日って事は、今月…28日だぞ?どう手を尽くせばいいんだ!」


医師は壁に拳をぶつけ、おもむろに叫んでいた。


(;゚ー゚)「先生…」

(;゚д゚)「くそっ…折角助かる選択肢が見つかったというのに…ここまでなのか!」

川 ; -;)「…うっ…」


クーはその場で座り込み、泣き崩れた。


(;゚д゚)「…君はこの子を頼む。私は、何か無いか探してみる」


そう言って医師は病室を抜け出した。


(;゚ー゚)「…貴方、クーって、言ってたわね?」

川 ; -;)「ひっ…ぐ…は…はい…」

(*゚ー゚)「…私には、こんな事しか言えないけど…、きっと、助かるわ」

川 ; -;)「で、で…も」

(*゚ー゚)「私達が信じなくてどうするの?助けるのは医師だけど、そうじゃないわ。貴方にしかない、信じる心がなきゃ、ドクオ君も、足掻く(あがく)事ができないわ」

川 ; -;)「…」

(*゚ー゚)「…私もね、彼氏が癌になっててね。しかも、手が尽くせない程だったの。…でも、私も彼も、諦めなかったわ。案外、信じる事は大事みたいでね?その後、癌の進行が遅くなるどころか、手が尽くせる範囲まで回復して、彼は助かったのよ」

川 ゚ -゚)「…」

(*゚ー゚)「その彼、今じゃ私よりも上にいるの。今は医者をやって、同じ様になった人を助けてるの」

川 ゚ -゚)「…それはまさか…」

(*゚ー゚)「さっきまで、居たのがそうよ」

川 ゚ -゚)「…」

(*゚ー゚)「ふふっ…涙も枯れたみたいだし、まだチャンスはあるわ。信じる事位、貴方にも出来るハズよ!」

川 ゚ -゚)「…そう、だな」

(*゚ー゚)「貴方も少し疲れたでしょ?少し寝なさい」

川 ゚ -゚)「でも…」

(*゚ー゚)「サポーターがしっかりしなくてどうするのよ。さ、早く寝なさい」


そう言い残し、ナースは病室を出た。


川 ゚ -゚)「信じる、か…」


クーはしばしその場に座り込んだまま動こうとはしなかった。

-------------------------------------------------------------------
61:M【残り--日】◆0ED/DArWzw
01/26(土) 00:00 K373eyLpO

('A`)「…ん…?こ…こは…」


ドクオが目を覚ました所は何故か自室のベッドの上。
勿論、誰もいない。


('A`)「…なんだってこんなとこで寝てたんだ?」


ドクオは不審に思い、ベッドから起き上がる。


(;'A`)「うぐっ…」


初めて出会ったのは、激しい頭痛。
ドクオは部屋を歩き、状況を把握しようとするが、手掛かりは全く無し。


(;'A`)「一体全体、なんなんだよ…?」


ドクオが目にしたのは、紛れも無い…認める程のやつれかけた顔、細身の体…そう、自分自身だった。


(X'A`)「よう」

('A`;)「…あんた誰だ?」

(X'A`)「誰って…お前だよ。お前」

('A`;)「…んなまさか…」

(X'A`)「残念だな。現に今、此処でお前と会話してる」

('A`;)「…で、何の用だ?」

(X'A`)「お前、なんで此処にいるか知ってるか?」

('A`;)「?」

(X'A`)「お前、3日後には死ぬんだよ。そんで、今のお前は幽体離脱状態ってわけさ」

('A`;)「そんな話…」

(X'A`)「なんだ。まだ信じられないか?なら、お前が居た病院の、病室にいる本体に呼び掛けたらどうだ?早くしないと、お前はあの世の人になっちまうぜ?」

('A`;)「…?!」

(X'A`)「まぁ、じきに死ぬ奴だから、どうだっていいけどよ!!」

('A`;)「くそっ」


ドクオは家を飛び出し、病院へ向かった。


(X'A`)「…さて、俺はどうすっかな…」


?は、うっすらと消えていった。









(;'A`)「はぁ…はぁ…っ」


頭痛と吐気を訴えながら、病院へ走り出すドクオ。
よく見れば、空が赤暗い。
完全に異世界のようだった。


(;'A`)「早くしないと…クー…!」


やっと病院に着いた時、病院前に薄暗い影が見えた。


(X'A`)「遅かったじゃないか」

('A`;)「だ…黙れ…」

(X'A`)「しかしまぁ、自分が死ぬってのに…クーに告白なんかしちゃって。馬鹿だよ、お前」

('A`;)「な…なんだと…!」

(X'A`)「なんだ?泣いてくれる奴を探してたのか?わざわざ死を見せる為に告白したのかよwwwwww」

('A`;)「…てめぇ…」


ドクオの手には、拳が作られていた。

63:M【残り--日】◆0ED/DArWzw
01/26(土) 00:20 K373eyLpO

(X'A`)「なんだ?正当な回答を述べただけじゃないか?死に際に彼女作って、夢だけでも見ておこうって魂胆か?ざまぁねぇな」

('A`;)「ふ…ふざけるな…!そんな安い関係じゃないんだ!」

(X'A`)「価値なんかありゃしないさ。どうせ消えて無くなるんだからさ?」

('A`;)「言葉を考えた方がいいんじゃないか…?」

(X'A`)「別に?慎む言葉なんかありゃしない。そんなに悔しいなら、3日後、此処に来ない様に頑張るんだな」

('A`;)「…ちっ…」

(X'A`)「さ、どうぞ?限られた時間で、ごゆっくりどうぞ?」


?は病院の入口への道を空けた。
まるで、地獄に勧誘する様だった。


('A`;)「…」


ドクオは一目散に走り出した。


(X'A`)「…」










病室に近付くにつれ、頭痛が半端では無くなる。
限度を超えたんじゃないかと問いたくなる様なその痛みに何とか耐え続け、病室に辿り着く。


('A`;)「っ…!!」


バットで殴られている様な感覚。

ドクオは扉を開けて、ベッドを見る。
そこには、自分の体が横たわっていた。


(;'A`)「……おい……しっかりしろっ…」


体を揺さぶる。
すると、自分自身の体が光出した。


(;'A`)「…これで、いいのか…?」


そう発した瞬間、ドクオ自身が消えた。



64:M【残り3日】◆0ED/DArWzw
01/26(土) 00:28 K373eyLpO

川 ゚ -゚)「…」


気付いたら寝てしまっていたようだ。
クーは体を起こし、ドクオを見つめる。


('A`)「…ん……」


川 ゚ -゚)「…今…」


空耳か、はたまた幻聴か。


('A`)「あ…ん…ん?」

川 ゚ -゚)「…ドクオ…」

('A`)「…お…ぉ、クー」

川 ゚ ー゚)「…何時まで寝こけていたんだ…全く」

('A`)「あぁ…悪いな…」

川 ゚ -゚)「…早速悪いが、悪い知らせがある」

('A`)「…縮んだんだろ、寿命」

川 ゚ -゚)「…お見通しってわけか」

('A`)「はは…わざわざ、急展開になるなんてなぁ…これは、もう…」

川 ゚ -゚)「体は動くか?」

('A`)「いや…小指さえ動かない」

川 ゚ -゚)「そうか…」


二人はノートパソコンを見つめる。
何時変わったのか、画面はホームになっていた。


('A`)「…安楽死くらいが、俺は好きだがな…」

川 ゚ -゚)「縁起でもない、やめてくれ」

('A`)「あぁ…すまない」

川 ゚ -゚)「そう気を落とすな。まだやれる」

('A`)「…だと良いがな…」


ドクオはゆっくり、窓の景色を見つめた。
その景色は、高い階だからか、県を一望できた。

65:M【残り3日】◆0ED/DArWzw
01/26(土) 13:46 K373eyLpO

('A`)「腹減った」

川 ゚ -゚)「?そうか、待ってろ」


クーは病室を出る。
出た瞬間、見慣れた姿を目撃した。


(´・ω・`)「やぁ」

川 ゚ -゚)「…お前は…」

(´・ω・`)「ドクオは元気かい?」

川 ゚ -゚)「まぁそれなりにな」

(´・ω・`)「ならよかった。日にちはまだまだあるから…」

川 ゚ -゚)「その事なんだが、ドクオは明後日辺りに命を落とす」

(´・ω・`)「…ごめん、もう一度言ってくれる?」

川 ゚ -゚)「ドクオは3日後、死ぬ」

(´・ω・`)「…どういう事だい?」

川 ゚ -゚)「寿命が縮んだ…と言うべきか」

(;´・ω・`)「…3日だって…?じ…冗談もはだはだしい…」

川 ゚ -゚)「…」

(´・ω・`)「…本当に…?」

川 ゚ -゚)「…あぁ」

(;´・ω・`)「…そんな話…あるのか…?」

川 ゚ -゚)「…」

(;´・ω・`)「…融通が利く話だな…それ…」

川 ゚ -゚)「…」

(´・ω・`)「…またくる」


そう言い残し、ショボンは病室を後にした。

68:M【残り3→??日】◆0ED/DArWzw
01/26(土) 15:18 K373eyLpO

川 ゚ -゚)「ドクオ、持ってきたぞ」


クーが病室に入ると、まず目にしたものは、ベッドの上に残されたノートパソコンだった。


川 ゚ -゚)「…?」


まじまじとノートパソコンを見てみる。


川 ゚ -゚)「…」


自分の目が狂った。
そう思いたいクーの目線の先に映るパソコン画面には、またしても"急展開"が起きた。
そういえば、ドクオの姿が無い。


川 ゚ -゚)「…これ以上、何をするというんだ…」


パソコン画面には、[ドクオ 残り 3 時間 22 分]と書かれている。
昨日までは3日もあったというのに。


(*゚ー゚)「来たみたいね」


病室から顔を出したのは、昨日のナースだった。


川 ゚ -゚)「…これ…は…?」

(*゚ー゚)「…ドクオ君、今手術中よ」

川;゚ -゚)「…」

(*゚ー゚)「ドクオ君にナースコールされて、私達が病室に来た時、ドクオ君の心拍数が急低下していたわ。貴方が昼食を持ってくる真っ最中よ」

川;゚ -゚)「そんな馬鹿な話…」

(*゚ー゚)「…多分、貴方には見て欲しくなかったのよ。自分がもがく姿なんてのは…ね?」

川;゚ -゚)「今は…?」

(*゚ー゚)「成功するとは言えない。だけど、あのままだとマズいわ。何より、そこのパソコンが証拠よ」


画面は、秒数でカウントダウンしている。


川;゚ -゚)「あと…3時間ですよ?!展開が早過ぎる!有余もないのか!!」

(*゚ー゚)「その件だけど、あの子、急性の癌なのよ」

川;゚ -゚)「…病院に、急性もあるのか…?」

(*゚ー゚)「えぇ。珍しい事なんかじゃないわ」

川 ゚ -゚)「…」

(*゚ー゚)「…行きましょ」


二人揃って、手術室に向かった。
手術室前に着いた時、ナースは言った。


(*゚ー゚)「貴方は、此処で待っててくれます?」

川 ゚ -゚)「…はい」


扉が開けられ、ゆっくり閉められた。


川 ゚ -゚)「…何とも理不尽な癌だな…」


クーは携帯を取り出し、ショボンに連絡した。

69:M【残り3時間】◆0ED/DArWzw
01/26(土) 15:26 K373eyLpO

(´・ω・`){…さっき、3日って言わなかったかい?}

川 ゚ -゚)「…あぁ」

(´・ω・`){僕の耳が異常なら、言ってくれないかい?}

川 ゚ -゚)「…少なくとも、君の耳は正常極まりない」

(´・ω・`){…今、病院の前にいるんだ。すぐそっちに向かうよ}

川 ゚ -゚)「あぁ」


電話を切り、次にブーンに連絡をいれる。







( ^ω^){…ブーンの耳が腐ったみたいだお。ちょっと耳鼻科行くお}

川 ゚ -゚)「君の耳は正常だ」

( ^ω^){…ん?あれはショボンかお?病院に向かったみたいだお…ちょっと後をつけてみるお}

川 ゚ -゚)「わかりやすい奴で何よりだ」



電話を切った途端、二人が現れた。


(´・ω・`)「…あながち、嘘では無いみたいだね」

( ^ω^)「ショボンから確認したお」

川 ゚ -゚)「…そうか」

(´・ω・`)「…後何時間だい?」

川 ゚ -゚)「…今…3時間切った」

( ^ω^)「…そんなバナナ…」

(´・ω・`)「待つ事しかできないとは…」

川 ゚ -゚)「…」

( ^ω^)「…馬鹿だお…ドクオは馬鹿だお…」

(´・ω・`)「…」

川 ゚ -゚)「私は、どうすればいいのだろうか…」

( ^ω^)「…」

72:M【残り2時間】◆0ED/DArWzw
01/26(土) 23:45 K373eyLpO

(´・ω・`)「…信じるしか、無いでしょ?」

(#^ω^)「呑気だお…ショボンは…呑気過ぎるお!!」

川;゚ -゚)「やめろ!此処は病院だぞ!!」

(#^ω^)「大切な仲間が、消えちまうんだお!!そんな呑気に待ってたら死んじまうお!」

(#´・ω・`)「じゃあ君は何かできるのかい?」


ショボンは叫んだ。
その叫びはこだまして帰ってきた。


(#^ω^)「…」

(#´・ω・`)「君は何ができる!癌を瞬時に退治する能力でもあるってのかい!?」

川;゚ -゚)「ショボン…」

(#´・ω・`)「あぁそうさ!確かに、現にこうして待つしか策が無い…しがない凡人さ!だが、それが何かわかるか?僕達じゃ手が出せない域なんだよ?!」

(#^ω^)「…」

(#´・ω・`)「どうだい?その為に、医師というのがいるんじゃないのかい?!確かにブーンの論もわからなくはない。だが、筋があるだろ?筋書き通りいくなら、ドクオはとっくに助かってるんじゃないのかい!?」

( ^ω^)「…」


ブーンの怒りは、次第に涙に変わった。


( ;ω;)「…わかってるお。…不可能だってことは…だけど…だけど…」

(´・ω・`)「…すまない、少し…度が過ぎた」

( ;ω;)「…謝るのは僕だお…。僕が…僕が…」

川 ゚ -゚)「…」


凍り付く3人。
重苦しい空気。
どうしようもないこの状況の中、残り…2時間を過ぎ、1時間となったのは、変わりない現実。

ドクオの手術は、未だ終わる気配が無い。

76:M【残り1時間】◆0ED/DArWzw
01/27(日) 01:11 PJJNePcbO

(´・ω・`)「…1時間か…」

川 ゚ -゚)「…」

( ^ω^)「…」


黙って、見てるしか無かった。
ただ黙って、黙々と、静かに、そこに誰もいない…そう思える程、気配が無い程、黙って病室を見ていた。


( ^ω^)「…こんな事、考えるのは、自分に腹が立つけど…」

(´・ω・`)「…」

川 ゚ -゚)「…」


二人は黙ってブーンの話に耳を向ける。


( ^ω^)「…ドクオが、もし…死んじゃったら、どうすればいいのだろう…」

(´・ω・`)「…」

川 ゚ -゚)「…」


その問題の返答は、返る事は無かった。


(´・ω・`)「…どうするも…何もないだろ」


返答は、ショボンだった。


川 ゚ -゚)「…」

(´・ω・`)「…死んだら…なんてのは、そうなるまで、言うもんじゃない。言霊は、そういうのからできてしまうんだ」

( ^ω^)「わかっているお。少なくとも、この空気だって読めたつもりだお…」

(´・ω・`)「…そう思うかい?」

( ^ω^)「…いや…、読めちゃいないお。…わかっちゃいるお…不安が不定を呼ぶ…なんとかこの空気を壊そうにも、壊せない…」

川 ゚ -゚)「…壊せぬ壁も、あるって事なのか…」

(´・ω・`)「…僕達は、ただ、無事を祈るしかないんだよ…」

川 ゚ -゚)「…」























―手術室内










ピー…という、悍ましい音が、手術室内に流れる。


(;゚д゚)「で、電気ショックだ!早くしろ!!」


付き添いは電気ショックを用意し、医師はドクオの体に出力部を貼り付けた。


(;゚д゚)「最初は10万…」


ドクン、と、ドクオの体が一瞬飛ぶ。
嫌な音は鳴り止まない。


(;゚д゚)「死なせはしない…!!」


医師は、更にボルトを上げた。












78:M【残り15分】◆0ED/DArWzw
01/27(日) 01:19 PJJNePcbO

川 ゚ -゚)「…」

( ^ω^)「…」

(´・ω・`)「…」


沈黙は深まる。


川 ゚ -゚)「頼む…」

(´・ω・`)「…クー…」

( ^ω^)「…願うしか無いお」

(´・ω・`)「…」



憎たらしく光るパソコン画面は、秒刻みで、カウントを続ける。


(´・ω・`)「…パソコン…壊せばなんとかならないか?」

( ^ω^)「…気が狂ったかお?」

(´・ω・`)「パソコンが秒刻みするなら、元を消せばいい。…つまり、このパソコンを起動不可能にすれば…」

川 ゚ -゚)「止めてくれ…そんな冗談」

(´・ω・`)「…あぁ…」

川 ゚ -゚)「私達には、もう信じる事だけが取り柄なんだ」

(´・ω・`)「…」




時間は、刻一刻と迫る。
あと10分、5分、3分、2分…。



いつの間にか…時間は来た。

79:M【残り 日】◆0ED/DArWzw
01/27(日) 01:38 PJJNePcbO

カウント終了と共に、医師が手術室から出てくる。


川 ゚ -゚)「…」

(´・ω・`)「…」

( ^ω^)「…先生…」


医師は何も言わない。


川 ゚ -゚)「…全部、言ってもらえるか?」

( ゚д゚)「…肺は勿論、胃、肝臓、全てに細胞が増殖している。…強いて言えば、手が尽くせない。そして、先程心拍数が停止…」


予感が、当たらない事だけ、クーは願った。


( ゚д゚)「…こんな事、言うのは…嫌なんだが…」


やめてくれ―。
事実は、聞かせないでくれ―。
もう触れないで―。


( ゚д゚)「…1月…27日…午前、1時30分手前…」



(´・ω・`)「…」


ショボンは、後ろを振り向く。


( ^ω^)「…」

川 ゚ -゚)「…」


二人は、黙って聞く。


( ゚д゚)「…ご臨終です」



その瞬間、クーは発狂しかけた。


川 ゚ -゚)「…」


後ろを振り向いていたショボンは、黙って、肩を揺らす。


( ^ω^)「…」


川 ゚ -゚)「そ…んな…まさか…」



(´・ω・`)「…」




川 ; -;)「う…っ…」


一体、何度泣いてきただろう。
数えたくもない。


( ^ω^)「…」

(´・ω・`)「…」


二人は黙って、クーの泣き声を聞くしかなかった。
此処で話しかければ、悲しみを現実にさせてしまいかねない。


川 ; -;)「う、あ…あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


クーは、とにかく大きな声で、喚く様に、泣いた。
解決はしない。
わかっているのに。
現実はわかっているのに。
…泣きやむ事は、できない。


(´・ω・`)「…クー。…よく、聞いてくれ」

川 ; -;)「う…ぁ…」

(´・ω・`)「君が涙ぐんで見ている今は、紛れも無い…今なんだ。だが…君には、大事なものがあるじゃない」

川 ; -;)「ぇ…あ…」

(´・ω・`)「…ほら」


ショボンは、ノートパソコンを開いてクーに見せた。





[>…クーか?]


川 ; -;)「…!」

[>わりぃな。先に逝っちまったみたいだ。…ほんと、何やってんだろうな、俺は]

川 ; -;)「ド…クオ?」

[>あぁ…泣くな。泣いたって始まらないし、俺は、こうして此処にいるだろ?]

80:M【残り 日】◆0ED/DArWzw
01/27(日) 01:50 PJJNePcbO

川 ; -;)「ひっ…ひっ…」

[>まぁ…そう焦るなよ。俺は、体こそ死んだが、心はこうして健康体だ!]

川 ゚ -゚)「…あ…ぁ…」

[>お前、追いかけようとか考えるなよ?]

川 ゚ -゚)「…そんな…事するか…」

[>だろうな。…とにかく…そういう事だ。わかるよな?]

川 ゚ -゚)「…あぁ」

[>…なら良いさ。頼むぜ?これから]

川 ゚ ー゚)「…言っただろう?ついていく、とな」

[>…そうだったな]


クーは立ち上がり、パソコン片手に歩き出す。


(´・ω・`)「クー」

川 ゚ -゚)「?」

(´・ω・`)「…頼むぞ」

川 ゚ -゚)「…任せとけ」

( ^ω^)「頼むお」

川 ゚ -゚)「あぁ」



クーは歩き出す足を、また止めた。




川 ゚ -゚)「…」


クーは、手術室を見つめた。


川 ゚ -゚)「…じゃあな」


川 ゚ -゚)「…」








川 ゚ -゚)「また、何処かで会う事もあるだろう」



そう言い、手術室を背に向け、クーは歩き出した。

片手にパソコンを持ったまま―。
クーの目線は、絶えず、まっすぐなまなざしだった。

81:M【残り 日】◆0ED/DArWzw
01/27(日) 02:01 PJJNePcbO






―それから、半年が経った。









[>おい、クー]

川 ゚ -゚)「どうした」

[>お前、就職したみたいだな]

川 ゚ -゚)「あぁ、デザインの会社らしい」

[>家は、帰れそうに無いのか?]

川 ゚ -゚)「いや、夕方には戻れるみたいだ」

[>それはよかった]

川 ゚ -゚)「寂しいのか?」

[>ふっ…馬鹿言え。話相手がいなきゃつまらんだろ]

川 ゚ ー゚)「…そうか」

[>早く、帰ってこいよ]

川 ゚ -゚)「あぁ」



クーは玄関の戸を開け、外に出た。
太陽は、変わらぬ日差しを照らす。


川 ゚ -゚)「じゃあな」


クーは戸を閉め、鍵をかける。



[>気をつけてな、クー。]










体こそは、死んだ。
だが、心は、生きている。
見えない明日でも、地につく事は出来る。
例えそれが、悪夢だとしても。











パソコンの画面には、白文字で、こう書かれていた。















[>>('A`)の寿命は後1ヶ月のようです END]

82:M◆0ED/DArWzw
01/27(日) 02:11 PJJNePcbO

[>皆様、急展開で完結したのは申し訳ないです。
ネタが消えました。
だけど、完結はさせたくて、すいません。

ちゃんと次から考えてやります。
楽しんでもらえれば幸いです。


それでは、またネタ考えます。]


[ 2003/03/16 19:52 ] 中篇まとめ | TB(0) | CM(0)

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