ブーンミコ酢 ブーン系過去作まとめ

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20:M【残り30日】◆0ED/DArWzw
01/23(水) 01:43 YfxBm5meO

<みんみんみらくる、みっくるんるん…>



ドクオは、DVDを見ていた。
この時間から。
まるで年貢を納める様に。


('A`)「…」


黙視する彼の姿は、まさに引きこもりそのもの。
だが彼は、そんな事お構いなしだった。



〔ピンポーン…〕

この深夜に、チャイムが鳴り響く。
新聞の集金ではない事はわかった。


('A`)「…折角良いとこで…誰だよ全く…」


重い腰を挙げ、ドクオは玄関へ向かう。


('A`)「誰だ?」

(´・ω・`)「やぁ」

('A`)「ショボン…どうしたんだ?熱は?」

(´・ω・`)「熱?僕は昨日サボったんだよ」

('A`)「なんでまた…?」

(´・ω・`)「…上がらせてもらうよ」

('A`)「あぁ…」


ショボンとドクオは、広いリビングで、テーブル越しに互い座った。


('A`)「で、何の用だ?」

(´・ω・`)「これを見てくれ」


ショボンは何枚もの紙切れをドクオに手渡す。


('A`)「…こいつは…?」

(´・ω・`)「とある病院の、カルテをコピーしたものだ。どのカルテも、君と同じ、癌の患者のものだよ」

('A`)「何処でこれを?」

(´・ω・`)「僕は万屋だよ?なんだってできるさ」

('A`)「…確かに癌患者のカルテだな…だが…」

(´・ω・`)「そう。無数に重なるその紙切れのカルテコピーの約3分の1は、手術に成功した者だ」

('A`)「他は…」

(´・ω・`)「手術で失敗したか、手遅れの者だ」

('A`)「…2分もか?」

(´・ω・`)「そうだよ。ただし、末期癌だったのは、その2分から、約1に当たる」

('A`)「残りの1はなんだよ」

(´・ω・`)「早死…言わば、自害した者だ」

(;'A`)「そんなにいるのか…?」

(´・ω・`)「うん。死に急いだ。そう言った方が正しいかもしれない」


煙草に火をつけるドクオ。


('A`)「しかし…これが…なんだ?」

(´・ω・`)「此処にあるコピーは、計100枚。だけど、これはあくまで一部。後何千という枚数があるんだけど、その何千は、ほぼ全て、手術の経験者なんだ」

('A`)「…ほう」

21:M【残り30日】◆0ED/DArWzw
01/23(水) 02:00 YfxBm5meO

(´・ω・`)「しかし…」

('A`)「しかし?」

(´・ω・`)「その手術者の大体が、失敗で消えている」

('A`)「そうそう頻繁に失敗するものか?」

(´・ω・`)「体には、行き届かない範囲がある。そこに癌がいってしまったんだ」

(;'A`)「全員か?!」

(´・ω・`)「そう言っても過言じゃないよ」

(;'A`)「科学は進歩したんじゃないのか?」

(´・ω・`)「それはまだ研究範囲。実用としては、まだ時間がかかってしまうんだ」

(;'A`)「んな馬鹿な…」

(´・ω・`)「君、医師から言われた成功率を覚えてるかい?」

(;'A`)「0%…はっ…!」

(´・ω・`)「そう。今じゃ、何万もの人類が抱える悪菌、癌細胞だ。研究も前々から進められたけど、恐らく、人類の寿命という制限の99%は癌による死と考えておかしくない」

(;'A`)「事故死とかは?」

(´・ω・`)「癌から見れば、1%にも満たない。0.000…とにかく、それだけ微弱極まりないものなんだ」

(;'A`)「俺は、どうすりゃいい?!」

(´・ω・`)「そこなんだ。何しろ今は、研究に重なる日々。何かしらの発展は考えられなくもない。だが、0%という事を聞く限りじゃ、期待はしないべきだ」

(;'A`)「…」

(´・ω・`)「手術を、しない方が正しいのかもしれないんだ」

(;'A`)「ふ…ふざけるな…」

(´・ω・`)「…」


ドクオは煙草を灰皿に打ち付け、立ち上がり、ショボンの胸倉を掴む。


(#'A`)「それじゃあ、俺は死を待てというのかよ!!」

(´・ω・`)「無い可能性より、有り得る可能性を信じるんだ」

(#'A`)「どういう意味だ!わかるように言えよ!!」

(´・ω・`)「君は、まだ死ぬとは限らないわけだ。1ヶ月。1ヶ月あれば、上手くいくかもしれないんだ!」

(#'A`)「だからどういう意味だってんだよ!!」

(´・ω・`)「君は助かるかもしれない」

(#'A`)「…なんだと?末期だぞ?手の打ち様も危ない状況で、何をどうしろってんだっつってんだよ!!!」

(´・ω・`)「科学は進歩する。もし間に合うならば、君は、助かる。つまり、手術とは言えないが、手術には変わりない手術をするんだ」

(#'A`)「…お前、何言ってやがる!」

22:M【残り30日】◆0ED/DArWzw
01/23(水) 02:17 YfxBm5meO

(´・ω・`)「さっき調べたんだ。そしたら、癌に対抗するワクチンが開発されるというんだ」

('A`)「…で?」

(´・ω・`)「確率は2分の1。手術0%よりは、まだ奇跡が見えるだろ?」

('A`)「…」


ドクオは、ショボンの胸倉を持つ手を離した。


(´・ω・`)「飲み薬で2分の1を狙うか、1ヶ月、優雅に過ごすか、手術で0%に信じるか。どうしたい?」

('A`)「…そのワクチンってのは、いつ…」

(´・ω・`)「生産は、君の命日予定の、2月22日」

('A`)「お前ふざけんなよ?」

(´・ω・`)「だから言ったろう。2分の1だと」

('A`)「…」

(´・ω・`)「…じゃ、そろそろとんずらしますかな」

('A`)「…」

(´・ω・`)「…また来る。じゃあね」


バタン。
玄関で聞こえた音。

ドクオは悩んだ。
新たな題材が増えた苛立ちと、更に増えた選択肢の戸惑いと。


(#'A`)「…俺にどうしろってんだよぉぉぉぁ!!!!!」


壁、家具を蹴り入れた。
とにかくやつ当たった。


(#'A`)「はぁ…はぁ…」


暴れすぎて体力が尽きた。


('A`)「…寝るか…」


とにかく、最善を選ぶには。
どれもこれも、重いものばかりだ。


ひとつ。
=1ヶ月間一切手を打たない=
つまり、何も手を打たないで、やり残しを達成するゆえに死を選ぶ。


ふたつ。
=成功率0%の手術を受ける=
手術で眠って、起きた時には真っ暗な闇か、白い天井を見て開放感を得るか。


みっつ。
=ワクチンで2分の1に懸ける=
ただし、生産日は命日。
15日前には、手は打てない状況。
ワクチンの奇跡1分か、死亡フラグの1分か。






('A`)「…選択肢…増えちまったかな…」



自室に戻り、横になって、ふと思う。

俺が死ねば、クーは、どうなるのだろう。
何を頼りに、生きるんだ、クー。
もしかして、お前は、この事を既に知っていたのか?
なら、なんで俺の元に…

23:M【残り30日】◆0ED/DArWzw
01/23(水) 08:17 YfxBm5meO

寝ていたドクオは起床し、辺りを見回す。


('A`)「…雪なんか降ってる…」


時間は、既に遅刻だった。


('A`)「…行くしかないか…」

鞄を持ち、クーを起こす。


川 ゚ -゚)「もう時間だったか」

('A`)「あぁ。…行くか…マンドクセ」

川 ゚ -゚)「なら休めばいい」

('A`)「…そうするか」

ドクオはテレビを点け、一息つく。


('A`)「こんな雪中、行ってられるかってんだよ」

川 ゚ -゚)「まぁな」

('A`)「飯にすっかな」

川 ゚ -゚)「私が作ろう」


クーは台所へ移動し、朝食の支度をしだす。


('A`)「…休んじまったが、もう進級は無理かもな…」

24:M【残り30日】◆0ED/DArWzw
01/23(水) 17:04 YfxBm5meO

川 ゚ -゚)「そんなに落ち込むなドクオ。30日しかないんだ。気長にいこう」

('A`)「お…う」


返答は微妙だったものの、考える余裕はあると確信したのか、ドクオは煙草を片手に、そして携帯を片手に、ブーンにメールをする。


[件名:Re

本文:

よう。
今日は休む。
じゃあな。]


('A`)「よし、送信っと…」


通話ボタンを押して送信する事を確認して、一眠りする事にした。


川 ゚ -゚)「…ドクオ、…現実を受け止めるしかないみたいだ。…青い鳥は、いないんだ」


クーは、寝ているドクオにそう呟いて、テレビを見始めた。

25:M【残り30日】◆0ED/DArWzw
01/23(水) 18:50 YfxBm5meO

ブーンは授業を知らないのか、返信は早かった。


('A`)「もうか…」


メールを見る。


[件名:Re
本文:

ドクオらしくないお。
いつも何だかんだ言ってくるくせに

]


('A`)(「雪 が め ん ど い」っと…)


メールを送信し、無事行った事を確認して、煙草に火をつける。


('A`)「また寝るかな…」


クーは黙々とテレビを見ている隣りで、ドクオが横になろうとした時、自宅電話機に連絡が入る。
大きなのっぽの古時計が鳴り響く着信音に耐え切れなくなったドクオは嫌々ながら受話器をとる。


('A`)「もしもし?」

( ゚д゚)『ドクオ君かい?』

('A`)「その声は…確かあの時の医者…」

( ゚д゚)『君が助かるかもしれない』


その発言を聞いた時、ショボンとの会話を思い出す。


('A`)「…ワクチンとかいうのっすか?」

(;゚д゚)『っ!知ってたのかね!』

('A`)「友人から聞いた話です」

( ゚д゚)『そうか…ならば、手っ取り早い。君はどうするつもりだ?』

('A`)「…まだ、決めてません」

(;゚д゚)『決めてないだと?!君が今どういう状況かわかっているのかね!』

('A`)「わかってますよ。…でも、もし死ぬなら、最後まで…って言うでしょう」

( ゚д゚)『君が選択するから、我々は何とも言えんが、早急な答えを頼みたい』

('A`)「ワクチンとやらは、命日に生産なんでしょ?だったら急ぐ必要…ないじゃないですか」

( ゚д゚)『確かにそうだが、そのワクチンには、欠陥がある』

('A`)「?」

( ゚д゚)『本来、ワクチンという名称は、病原菌やウイルスを弱毒化したり死滅させたりしてつくった、感染症の予防接種の免疫材料という意味だ。既にワクチンなんて名称じゃない。我々はそれを[最終物質]と読んでいる』

('A`)「はぁ」

( ゚д゚)『だが、その物質を使うには、君を一度手術しなくてはならない。使うという前提ならば、移植は試みないから、死には至らない』

('A`)「だけど、命日に生産してからだと…」

( ゚д゚)『そう。打っても手遅れの可能性が強い。だが、移植手術とは違い、成功率が50%に変わる』

('A`)「50…」

26:M【残り30日】◆0ED/DArWzw
01/23(水) 19:00 YfxBm5meO

( ゚д゚)『少しの、しかもかなりの可能性が出てきたんだ!どうする?君は』

('A`)「…まだ待ってもらえませんか?」

( ゚д゚)『それは構わない。だが、制限がある』

('A`)「またか…」

( ゚д゚)『決断期限は、2月1日だ』

(;'A`)「なっ…」

( ゚д゚)『君がYESと言えば、命日まで動けない代償として、50%のチャンスがやってくる。君がNOと言えば、残すは移植か、無作動だ』

('A`)「…お願いです。考えさせてください」

( ゚д゚)『わかった。2月1日、どちらを言うにも病院には来てくれ、いいな?』

('A`)「…わかりました」



受話器をおく。


川 ゚ -゚)「どうかしたか?」

('A`)「何でもないさ。学校からみたいだ」

川 ゚ -゚)「…そうか」


少しためらったクーは、何かを察していた。
だが、気のせいだと感じたのか、煩悩を消す様に頭を叩く。


('A`)「…」


3つの選択肢と残された僅かな時間。
上手く生き残るには、手段が少な過ぎる。

27:M【残り30→29日】◆0ED/DArWzw
01/24(木) 00:00 ZTU7WeZvO

('A`)「また削られる時間が来たみたいだな…」


1回目で慣れたのか、そんなに構えてはいなかった。
自分の命日、それまでの攻撃。
耐え兼ねないこの苦痛を、自ら招いているようにも見えた。


川 ゚ -゚)「どうした?」

('A`)「もうすぐで、俺の1日が消えるんだ」

川 ゚ -゚)「それはわかっているが…」

('A`)「なぁに、1分で済む。心配すんなって」


ドクオはパソコンの前に立つ。


('A`)「さぁ、かかってこい」


その声と共に、画面が光出す。

[午前、0時をお伝えします…]


それと同時に、あの痛みが襲う。

(;'A`)「うっ…ぐっ…かはぁっ!」

川;゚ -゚)「ド…ドクオ!」


その場で倒れかけたドクオを支えるクー。


(;'A`)「はぁ…はぁ…はっ…クッ…ク…ー…」


喋る度に息が上がる。
喋り続けたら、それこそお終いだ。


川 ; -;)「喋るな!息をするんだドクオ!!」


そして、パソコンからは、[0時01分のお知らせ]が伝えられた。


(;'A`)「はぁ…はぁ…」

川 ; -;)「…も…もう平気なのか…?」

('A`)「…これは、カウントダウンだ。ちょっとじゃ死なんよ」

川 ; -;)「…良かった…」


クーはその場で腰を抜かす様に座り込んだ。

('A`)「まだ、終わらん見た意だからな」



ドクオは、クーを宥めた。
その後ろに映る画面には、黒い背景で、しっかりと、白文字で書かれていた。














[ドクオ 残り 29 日]

[ 2003/03/16 19:41 ] 中篇まとめ | TB(0) | CM(0)

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