ブーンミコ酢 ブーン系過去作まとめ

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(-_-)は世界を救うようです 5

95 : ◆y1TBgQ3JzI:2007/08/07(火) 16:06:46



【 五 】



(-_-)「……なおるよ……それ本当かい?」

僕は答えられなかった。

声が出なかったからだ。

( ´∀`)「…………」

モナーは僕を見た。

僕はモナーを見た。

「君が答えろ。そうでなければいけないんだ」

そう言っているような目を、僕に向けていた。

('( - ∩「…………分かったよ……モナー……」

僕の口はそう言った。

でも、まだ言葉が用意できていなかった。
.


96 : ◆y1TBgQ3JzI:2007/08/07(火) 16:07:22

取り調べを受けている容疑者の心境ってこんなもんだろうか。

目の前がぼやけている。

('( - ∩「…………僕たちは本来人間に干渉してはいけないんだ……」

何言ってんだ。

ヒッキーはそんなこと聞いていないぞ。

('( - ∩「……ヒッキー……君は優しい奴だ……」

挙句の果てにお世辞か……

耐えられないから、僕は二人の方から顔を逸らした。

('(-  ∩「…………なのに……世界は君を滅ぼそうとしていた……

       その通りだよ……モナーの言うとおりだ……

       君が今日までに死ななければ、世界は滅びる……これが真実だ……」

これで僕はヒッキーの顔をまともに見ることはできなくなった。

だが、必要だった。

嘘を教えた自分の責任だ。
.


97 : ◆y1TBgQ3JzI:2007/08/07(火) 16:08:19

「……そうか…………そうだったんだね……」

ヒッキーの声が聞こえてきた。

甚く冷静な色の声。

( ´―`)「…………なおるよ……後は僕から説明していいモナ?」

モナーの優しい提案に、僕は肯きを送って甘えることにした。

頭がこんがらがって、説明はできそうもない。自分で蒔いた種なのに。

( ´―`)「……ヒッキー……君が今までいろいろと酷い目に遭ってきたのは、

      この世界がそう決めたことだからだモナ……

      本来、君は三日前の夜には死んでいるはずだったモナ……

      だけど、それは変わってしまった。なおるよが止めたから……

      本来起こり得るはずのない事象……そういうのを防ぐために僕らは人間に干渉することを禁じられている……

      僕らはいないはずの人間……の成れの果てだからね……

      そして僕らはこの世界を管理する者だ……世界を安定して運営していく義務がある……

      君が死ななければ、世界は安定を失うことになり、それはすなわち世界の崩壊を意味していた。

      だから僕には君をこの世から遅くとも今日が終わるまでには消す必要があるんだモナ……

「さて、」と言って、モナーは僕のほうに向き直った。

( ´∀`)「……なおるよ……なぜ、彼を助けたのか……世界が滅びると分かっていたのにも関わらず……

      まだ時間はあるし、ゆっくりでいいから話してほしいモナ……全ての話はそれからにするモナ……」
.


98 : ◆y1TBgQ3JzI:2007/08/07(火) 16:09:04



モナーは、自分の「世界を救う」という仕事を僕らのために後に回してくれると言っている。

('( - ∩「……ありがとう…………本当にありがとう……」

僕には、ようやくヒッキーのほうに体を向けて話をする勇気が出てきた。

でも、やはり顔は直視できそうにない。

('( - ∩「…………まず最初に……これだけは言わせてほしい

       ……騙しててごめん…………謝って許してもらえるとは思っていないよ……」

僕の目は、地面の冷たいコンクリートを見ていた。

('( - ∩「……僕らは、昔から君の事を知っていた……そりゃあ当り前だよね……世界の管轄者なんだから……

      ……誰がどんなにいじめられていようとも……どこで戦争が起ころうとも

      ……それは世界が必要としていることなんだ……

      だから僕たちはそれを止めることはできない……むしろ、それを進めさせる側の者だ……

      たまにイレギュラーが発生するからね……それはなんとか排除していかなきゃならない……

      ……世の中にはさ、法律ってものがあったり、自然災害とかがあったりする……

      だからさ……ある程度は納得のいくような場合がほとんどなんだ……」
.


99 : ◆y1TBgQ3JzI:2007/08/07(火) 16:09:42

なんだか笑えてきた。自分が信じられない。

('( ∀ ∩「……でもさ……君は……天罰なんて言葉が当てはまらない人間だ……

      いや、……ある程度は当てはまるだろう……だけど……絶対的におかしいんだ……君の場合は……

      ああ……決して幼い頃にポイ捨てしたことが原因なんかじゃないさ

      ……それぐらいのことでこんな目に遭うはずないじゃないか……

      ……何故君がこの世界に生まれてきたのか……疑問なぐらいだよ……

      ……世界は君を殺すためだけに誕生させた……そう言いきれる……」



目の前が、滲んだ。

僕は、泣いているのか。

「……許せなかったんだよ……この世界が……

 君だけにはピンポイントで不幸を与えてくるこの世界が……。

 ……ヒッキー……君は希望だけで生きてきたんだよね……社会に出ればなんとかなるって……

 人生の大半を占めている大人の期間があるから……そこでなら幸せになれるって……

 僕もそう思っていたし……そう願っていたよ……

 けど、僕らには近い将来の世界の状態を知る権利があってね……そして君に関する情報を見たらさ、これがなんと

 ……自殺で死ぬことになっていたんだよ……三日前にね……」
.


100 : ◆y1TBgQ3JzI:2007/08/07(火) 16:10:21

「…………でもさ、僕には伊藤がいたじゃないか……」

ヒッキーは平気そうな声を出していた。

僕は本当に平気であってくれることを願った。みっともない。

「……ああ……確かに……でもそれは君を失恋させて殺すためだったんだろう……

 とにかく君を惨めにしようとしてのことだと思うよ……

 そんなことで死ぬような君じゃないのにね……

 無駄な動きが目立ってきたこの世界も、やっぱり壊れてきてるっていうことだよ……すでに……」



足元のコンクリートが黒変した。

「……すでに……壊れてるよ!……君をわざわざ誕生させて……理不尽な目にずっと遭わせ続けて……

 そうでもしないと崩壊するような世界なんて!……今までは300年やってきてもこんなことなかったのに……

 ……こんな世界は……君が死んでも死ななくてもどのみち壊れるんだよ……

 だから僕は……君を唆して、生きてもらおうと思ったんだ……せめて最後まで……

 今まで助けてやれなかった罪滅ぼしじゃないけど……せめて人間としての願いぐらいは、と思って……!」



寒かった。どうしようもないぐらい。

コンクリートには染みが増える一方だった。
.


101 : ◆y1TBgQ3JzI:2007/08/07(火) 16:12:53

「……いや……見苦しい言い訳だね……僕は世界を滅ぼすために……君を唆してただけだ……

 最後まで、君のためだとか……ふざけるのも大概にしたほうがいいね……」



( ´∀`)「……なおるよ……それこそ見苦しい言い訳だモナ……」

('( - ∩「?……」

( ´∀`)「……君は……単純にヒッキーを助けたいと思っただけだモナ……

      そりゃ世界に対して怒りを感じたかもしれないけど……

      ヒッキーを助けるという行動は、怒りから起こしたものじゃないモナ……」



静寂が、またやってきて、破られた。

ずっと黙っていたヒッキーが喋りだした。

「……なおるよ……僕は楽しかったよ……この三日間……」



しばらく僕は黙ることにした。

ただ、嬉しくて。

何も言えそうにないし、

もう言うこともない。
.


102 : ◆y1TBgQ3JzI:2007/08/07(火) 16:13:22

僕にはヒッキーの顔を見る勇気がやっと出てきた。

(-_-)「……今になって考えてみると……助けられて本当に良かったよ……

     遊園地にも遊びに行けたし……楽しいバーにも行けたし……

     ……なにより伊藤の顔も見れたしね……」

いつもと変わらない無表情

じゃなかった。

無表情にも見えたけど、あれは彼の自然な笑顔なんだろう。

( ´∀`)「……なおるよ、君のしてきたことは間違いじゃないモナ……

      ……確実に一人の人間を救っているんだモナ……」

(-_-)「“Quite so.”(その通りです)……で合ってるよね?……ほら……バーで言っていた……」

('(゚∀;∩「……ああ、あれかい?……うん……正解だ……」



僕らは笑っていた。

下品じゃなく、自然で、この世で最も望ましい形の笑み。

涼しい風が、祝福してくれているようだった。



(-_-)「……モナーさん?」

( ´∀`)「……ん?」
.


103 : ◆y1TBgQ3JzI:2007/08/07(火) 16:13:52

(-_-)「世界が滅びたら、あなたたちはどうなるんですか?」



え?



ヒッキーなんでそんなこと聞くの?



( ´∀`)「……ああ、……そうモナね……」



モナー?

モナーたのむから言わない──



      ──世界もろとも消えるモナ」

(-_-)「そうですか……では」




.


104 : ◆y1TBgQ3JzI:2007/08/07(火) 16:14:36



ヒッキーの体が

宙に漂っていた。



「僕はこの三日間楽しかったよ

 君のおかげだ

 最後の三日間だけでもこんなに楽しいことの連続になったとは正直驚いているんだよ

 この世の中も捨てたもんじゃないのかもね

 最初は助けてもらってさ、迷惑だと言ったけど

 本当はとても嬉しかったのかもしれないよ

 でもさもういいんだ

 これ以上に楽しいことなんて無いよきっと

 それにそうだ最初に君は言ったじゃないか

 この世界を救ってほしいってさ

 その代わりに君は僕を楽しませてくれたじゃないか三日間めいっぱい

 だから僕は救うよ

 君の世界を」


.


105 : ◆y1TBgQ3JzI:2007/08/07(火) 16:15:23



鉄色のマントが

風に乗って

月の光に映えて

















やさしい



やさしすぎる衝撃音が

この世界のすべての生物の心の奥底に

響いた







.


106 : ◆y1TBgQ3JzI:2007/08/07(火) 16:15:58








空は嫌みなぐらいに普通だ。

雲も我が物顔で空に漂っていて、

世界は相変わらずだ。



僕らはヒッキーの家に来ていた。

跡片付けするためだ。

いやはや全く、ヒッキーぐらいの人間になると

死んだことさえ気づかれていない。

賃貸だっていうのに。管理人の頭の中にここは入っていなかったんだろう。

普通ならヒッキーはずっと前に追い出されていたはずだ。

ヒッキーは大人になってから、どこまでも空気になってしまったということなのだろうか?

そのわりに、ヒッキーに対するこの世界の態度は敵意さえ見えるときもあった。

やっぱりこの世界には釈然としないことが多い。

本末転倒、ヒッキーを殺すために、余計に不自然になっていたのかもしれない。

('(゚∀゚∩「……じゃ、入ろうか……」

( ´∀`)「……ああ」
.


107 : ◆y1TBgQ3JzI:2007/08/07(火) 16:17:12



扉を開ける。

中は少し汚いぐらいの空間だった。むしろ綺麗な場所に見えたぐらいだった。

少し埃っぽい。僕は換気のために窓を開けた。

滑りの悪さに、少し業を煮やした。

('(゚∀゚∩「モナー……荷物どうする?」

( ´∀`)「……消しちゃえば……引き取るわけにもいかないし」

('(゚∀゚∩「消す?……そんなことできたっけ?」

モナーは「えい」と無気力に言って、そこにあった埃一粒を消した。

('(゚∀゚;∩「……い……いつの間にそんな力を……」

「さあね、興味ないモナ」と、モナーは軽く流した。

なんというか、モナーはつかみどころが少ない。

だから、僕は少し苦手なのだ。それはこれから何年経っても変わりそうにない。



突然何かが現れた。僕らの足元。漆黒のコートを着ている。

Gだ。

そして僕らに向かって飛んできた。

('(゚∀゚;∩「わわっ! なんだよ……」

周章狼狽な僕をよそ目に、モナーはまったく動じていなかった。というよりも、不思議がっていた。

( ´∀`)「……?……Gって上には飛べないはずじゃ?」

('(゚∀゚;#∩「飛べるのだっているんじゃないの?」

僕はGの奇襲に少しだけキレていた。
.


108 : ◆y1TBgQ3JzI:2007/08/07(火) 16:17:36

モナーは少し唸って考えて、「そうかもしれないモナ」とまた軽く受け流した。

真剣に受け止められるべき話題でもないが、答えが平凡なら損した気分になるのは必然だ。

( ´∀`)「なおるよ」

( ´∀`)「もうやめにするモナ……その黒い彼は……

      ヒッキーの部屋を荒らされたくないと思っているのかもしれないモナ」

('(゚∀゚;∩「……え? ちょっと……家具はどうするの……」

( ´∀`)「どうにでもなるモナ……大家に引き取ってもらうとかなんでもどうにでも……それより……見るモナ」

モナーの指先は、さっき換気のために開けた窓。

の向こう側に見える黒い飛翔物に向いていた。

いつの間に出ていったんだろうか。

( ´∀`)「あのゴキブリを追いかけるほうが面白いんじゃないモナか?」

('(゚∀゚;∩「はあ?……」

( ´∀`)「……ま……僕はそんなに興味ないけどね……どうする? 僕は君についていくことにするモナ」

何で僕に……

('(゚∀゚#∩「じゃあ、追いかけるコースで」

(#´∀`)「了解」

僕らは妙にハイテンションになっていた。
.


109 : ◆y1TBgQ3JzI:2007/08/07(火) 16:17:59

少し頭を冷やすべきなのかもしれない

そうは思いながら、頭の中のTCA回路はスピードを増していくだけだった。



僕らの足はなかなか速いほうで、僕らの目はなかなか良い。

何年この世に留まっていても変わらず、元気なままだ。

だから僕らはのんびりと空に浮かぶ黒い点を追いかけることにした。

( ´∀`)「不即不離。追跡には不即不離が一番。あんまり早く追いかけてモナんだし」

('(゚∀゚;∩「もう随分離されてると思うよ。ところで、それはひょっとしてギャグで(ry」



なんでこんなときに陽気なんだろう。

昨日、ヒッキーが死んだばかりだというのに。

そう考えると、少しは涼しくなった。

回路のスピードも緩くなったように思う。

('(゚∀゚∩「……モナー」

( ´∀`)「……ん?」

('(゚∀゚∩「……昨日は……いろいろと迷惑をかけたね」

モナーは「気にするなモナ」とだけ言った。

モナーの歩みが少し速まったのは気のせいだろうか。
.


110 : ◆y1TBgQ3JzI:2007/08/07(火) 16:18:27



########################################

('(゚-゚∩「…………」

( ´―`)「…………」

ヒッキーが落ちた。

僕の目が節穴じゃなければ、それは真。

そして僕の目は節穴じゃないときた。



月は顔色一つ変えない。

憎らしいなあ。



('(゚-゚∩「……もう僕、三百二十何歳になるはずだよ……ねえ……

      なのにさ……なのにこれぐらいのことで──



慟哭。



何も考えたくなくなった。
.


111 : ◆y1TBgQ3JzI:2007/08/07(火) 16:18:51

それから先は少し覚えていない。

はっきり自分が冷たいコンクリートの上に寝そべっていると認識できるようになったときには、

側にモナーが座っているだけだった。

僕は泣き疲れて、眠ってしまった。

ヒッキーの遺体はすぐに警察が来て運んですぐに焼却された。

モナーはそう教えてくれたが、多分前者は嘘だろう。

モナーに罵詈雑言吐いてしまったかもしれない。

「気にするなモナ」

問いただしても、返ってくるのはそれだけ。

そして僕はまた、それに甘えてしまった。

いつまでたっても情けない奴だ。



後者もいろいろと不自然なところはあるけど、どうやらそれは本当なのだろう。

ヒッキーのこととなれば、超常現象さえも起こすのだろうから。この世界は。

だがそれも全部失策だろう。
.


112 : ◆y1TBgQ3JzI:2007/08/07(火) 16:19:23

( ´∀`)「……なおるよ……勘違いしちゃだめモナよ……

      ヒッキーが死んだのは決してこの世界のためなんかじゃないモナ……

      『君の世界』……それと『伊藤さんの世界』……この二つのためのはずモナ……

      いや、君のために死ぬわけないモナ。『伊藤さんのため』だけモナね……」

僕が気に負わないように、か。……いや、モナーのことだ。本気で言っているのかもしれない。

( ´∀`)「世界に殺されたわけでもないモナ……彼が自分で選んだ最善の道だったはずモナ……

      だから……彼を責めてはいけないモナ……『なんで死んだんだ』なんて思っちゃだめモナ……」

とにかく、モナーは僕が起きたときにこう言った。だから多分、世界の策は失敗に終わってる。

だから世界の負け。ヒッキーの勝ち。

ま、勝ち負けの問題じゃないけどさ、なあこの世界よ。

そういう風にでも考えないとさ、ヒッキーのことを責めてしまいそうなんだよ。

つまり、これじゃあ完全に僕の負けだね。うん、ヒッキーさえお前に勝てばそれでいいんだよ。

########################################


.


113 : ◆y1TBgQ3JzI:2007/08/07(火) 16:19:53

僕らはしばらく歩いていた。順調にGの尾行も成功していた。

気がついてみればもう西の空は綺麗に赤く染まっていた。

( ´∀`)「……あ」

('(゚∀゚∩「どうしたの?」

(;´∀`)「……ちょ……ちょっとね……調べるべきことがあったんだった……僕はもう帰るモナ!」

('(゚∀゚;∩「なっ……いきなり何言って──

僕が言い終わる前にモナーは消失していた。

まだ夜じゃないんだぞ。

誰にも見られていないよな……いきなり人が消えたら大騒ぎになるだろ、常考……

それにしても……今の挙動、何か企んでいるのだろうか?

でも、僕も何か大事なことを忘れている気がする。

そしてそれは忘れててもいいことなんだろうか。



周りを見る。

Gも見失った。

どこに行った?

よく見たら、

僕は一人だ。
.


114 : ◆y1TBgQ3JzI:2007/08/07(火) 16:20:21



僕も、もう帰ろうかな。

夕焼けは異様に熱い。涼しく暗い世界にいつもいる僕を責めるように。

自分のマントを見た。青褐のマントも、薄汚い黒になっていた。

この時間帯は、他のどの時間帯よりも、寂しい。

少なくとも僕はそう思う。

それに優しくない。特に目には優しくない。

紫外線をバンバンぶち込んで白内障になりやすくしたり、哀愁をバンバンぶち込んで涙を流させたり。

だから、僕はもう帰ろうかな。



僕はなるべく暗いところにそそくさと移動した。

誰にも見られていないことを確認して、あの世界へ逃げ帰った。

変なことを考えて、哀愁をバンバンぶち込まれる前に。


.


115 : ◆y1TBgQ3JzI:2007/08/07(火) 16:20:57

┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼

出現する場所を間違えたのだろうか?

明るい。僕の見慣れた空間とは言えそうもない。

月の光のようなものが降り注いでいる。

( ´∀`)「……あ、なおるよ、お帰りモナ」

モナーが居るあたり、出現する空間を間違えたわけじゃなさそうだ。

('(゚∀゚∩「……今日はいつになく明るいね……」

( ´∀`)「今日はそういう仕様にしているモナ」

('(゚∀゚∩「……変わったことするね」

モナーはこんなことの為に早めに帰ったのか?

まあ、あり得るけど。



('(゚∀゚∩「……ちょっと世界の様子見てくるね」

( ´∀`)「? さっきまでいたじゃないかモナ」

('(゚∀゚∩「いや、そうじゃなくて、……全体的にさ……」

なんとなく、この空間に斥力を感じた。
.


116 : ◆y1TBgQ3JzI:2007/08/07(火) 16:21:32



自動的に、僕は眼下に広がる世界を見渡していた。

夕日はまだ沈んでいない。



ヒッキーごめん。

僕はやっぱり君が死ぬことはなかったんじゃないかなって思うんだ。

「なんで死んだのさ」っていう感情とも違うかな……

「なんで死ななきゃならなかったのさ」ってことだよ。

君にとっては不可抗力だから、君を責めるのは御門違いさ。

だから責めこそはしないよ。

でも分からない。

ねえ、君は今までこの世界に吸い尽くされてきたんだろ?

『君の世界』は護られなかったんだろ?

君が死んでさ、『みんなの世界』は救われたけど、

なんで『君の世界』は救われなかったの?
.


117 : ◆y1TBgQ3JzI:2007/08/07(火) 16:22:06

僕は泣き出しそうになった。

だけど、それは中止だ。



だって

背後に、強く、風が吹きつけたから。



僕は数秒考えた。

振り返ると、

そうだな、もう泣いてもいいのかな。



「やっほー」



鉄色のマントを着ている男が立っていた。

足元に『闇黒の貴公子』を携えて。

「君の挨拶だろ?」という顔。

いや、「何泣いてんの?」という顔でもあった。



じゃあさ、ヒッキー

君は『君の世界』も救うことができたんだね。
.


118 : ◆y1TBgQ3JzI:2007/08/07(火) 16:22:45

……そういえば、モナーのときから600年、僕のときから300年経ってる。

なるほどそういうことか、僕が何か忘れていたことって、これだったのか。

え? じゃあモナーの挙動が不審だったのも途中でこのことに気づいて?

……この世界もたまには粋なことをしてくれるんだねえ

……このことまで世界は想定していたんだったら……僕は見事に釣られ──



いや、今はどうでもいい。

ただ再会を喜ぼう。

だから僕は取り敢えず、こう言っておいた。



「やっほー」








        (-_-)は世界を救うようです     終わり


.


119 : ◆y1TBgQ3JzI:2007/08/07(火) 16:24:12



はい。

これで本作品はおしまいになります。
読んでくださった皆さんに感謝いたします。

ありがとうございました。
.

[ 2000/03/07 19:33 ] 中篇まとめ | TB(0) | CM(0)

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