ブーンミコ酢 ブーン系過去作まとめ

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(-_-)は世界を救うようです 1

3 : ◆y1TBgQ3JzI:2007/08/03(金) 15:19:30



【 一 】



光っては、消え。また明るくなっては部屋を闇に染める。



蛍光灯がちらちらうるさい。

もうすぐ切れるそうだ。

この光が二度と点かなくなったら

太陽も二度と昇らない。

そう決めている。



部屋の向かい側、来客のようだ。

おやおや、

あなた様はGではありませんか。

噂は聞いておりますよ?

そこらでブイブイ言わせているそうじゃないですか。

世間はあなたのことを『闇黒の貴公子』と呼んでいますよ。
.



...

4 : ◆y1TBgQ3JzI:2007/08/03(金) 15:20:26

そうですね……もう夏ですもんね……

あなたの季節ですよー。まったく。

そうだな……せっかく来てもらったのに……出せるお茶菓子は無いんですよね……

何をお出ししましょうか……



あれ? もうお帰りになるんですか?

あらあら

同族嫌悪ですか……?

いやはや、失礼。

あなた様のほうが上に決まっておりまする。

こともあろうに、私めはこんなに暗い部屋であなたをお出迎えすることに……

って、あなたならむしろ暗いほうが好きでしたね。



そうそう、

この光が二度と点かなくなったら、太陽も二度と昇らない。そう決めている。

これは嘘でした。
.


5 : ◆y1TBgQ3JzI:2007/08/03(金) 15:20:55

そう、真っ赤な嘘なのです。

太陽も二度と昇らない。そう決めたときには既に

光はもう無かったのです。

そうです。私は太陽を昇らせたくなかったのです。

釣られた皆さん乙です。

って釣り宣言は自らするもんじゃありませんよね。wwwwサーセンwwww



……さてと…………

行きますか……



そして、だ。

僕は走って家を出たわけだ。

誰もいない、光もついていない。

完全な廃墟からの脱出さ。

マントを翻してそういうことをすれば、たちまちカッコイイだろう。
.


6 : ◆y1TBgQ3JzI:2007/08/03(金) 15:21:24

あいにく、不幸にも、アンフォーチュネトリィ、

マントなんて着ていない。

そう、紙の中を飛び回るヒーローのように、空を飛ぶためのものならなおさら持っているはずもない。

だけど僕は空を飛ぶんだ。

この冷たいコンクリートを着たビルの上から。

ほら、高いだろ?

僕の目の前に高圧的にね、聳え立っているよ。



僕はできるだけ速く、階段を駆け上った。

昔からこれだけは得意だった。

意味も無く凄い勢いで階段を駆け上がるんだ。

変人扱いさ。

別にどうでもよかったけど。


.


7 : ◆y1TBgQ3JzI:2007/08/03(金) 15:21:52

さあ、着いた。

ここからの眺めは本当にいい。

その理由? 知らないね。



背後に、強く、風が吹きつけた。

背後だ。背後。

僕にじゃない。

風も僕を嫌うのかい?

そう思って後ろを振り返った。



('(゚∀゚∩「やっほー」

ほう、よくできた幻覚だ。

じゃあ僕は飛び降りることにしようかな。

手摺りを越すように体重をかけ……

('(゚∀゚;∩「ちょ、ちょちょちょちょーーーー!!」

(-_-)「…………何?」

元の位置に重心を直す。
.


8 : ◆y1TBgQ3JzI:2007/08/03(金) 15:22:36



後ろに現れた男はマントを羽織っていた。

青黒い、夜の闇と同化しそうな、いかしたマントだ。

('(゚∀゚∩「話があるんだよ!」

(-_-)「…………そうかい……」

(-_-)「お名前は?」

('(゚∀゚;∩「……え?」

そんなに予想外だったろうか。

(-_-)「……いや……話があるって言われてもねえ……いきなりっていうわけにもいかないでしょ……」

男は狼狽しながらも納得したようだった。

('(゚∀゚∩「……あ、ああ……なるほどね……」

('(゚∀゚∩「僕の名前は『なおるよ』だよ!」

(-_-)「変な名前だね」

('(゚∀゚;∩「ちょ……君に言われたくないなあ……『ヒッキー』……」

(-_-)「……僕の名前を……知ってる……?」

まあ、それぐらいのことは当り前なのだろう。
.


9 : ◆y1TBgQ3JzI:2007/08/03(金) 15:23:09

('(゚∀゚∩「知ってるよ! 君の事は大体把握してるんだ!」

(-_-)「…………まあ……予想はついていたけどさ……」

僕の後ろに、風と共にやってきたんだ。

人間なわけがない。

だが、そんなことはどうでもいい。

早くこの会話を終わらせたい。

面倒なことになりそうだ。

だが、どうしても気になることがあった。

それを聞かないと、どっちにしろ通さないつもりなんだろう。

(-_-)「……じゃあ話を本題に戻そうか…………君は一体何者で、なんで僕の前に現れたんだい?」

('(゚∀゚∩「……そうだったそうだった……じゃあ一つずつ説明するからね……」



('(゚∀゚∩「まず、僕の存在だけど、これは『神みたいなもの』と、考えてくれていいんだよ!」

(-_-)「……神?…………信じられないな……」

嘘だ。

別に信じてもいい。
.


10 : ◆y1TBgQ3JzI:2007/08/03(金) 15:23:47

('(゚∀゚;∩「……ちょ…………しょうがないな……僕は君が自殺しようとしていた理由も知ってるんだよ?」

(-_-)「へえ……じゃあ聞かせてもらおうか……」

('(゚∀゚;∩「……え……いいのかい……」

普通の人間は自殺の理由なんて他人から聞かされるのは嫌だろう。

(-_-)「僕が望んでいるんだ」

わざわざこうする必要はないのだが、

('(-∀-∩「……分かった…………君はあまりにも不幸な人生を送ってきた……」

絶対的な自信があった。

('(-∀-∩「君の両親は、君が幼い頃ケンカ別れをしているね……なぜか夫婦仲は最悪だった……

       君はどちらにも引き取られることは無く、天涯孤独の身になった……君の所為じゃないはずなのにね……」

絶対にわかりっこない。

('(-∀-∩「学校でも悲惨だったね……義務教育の期間はずっといじめられてきた……

       かなり酷い……内容のいじめだったね……」

絶対当てさせない。

('(-∀-∩「孤児院でも……国家の扶助も受けたみたいだけど、もう就職できるようになってからは見離された……

       就職活動をいくらしても……世界は君を相手にしなかった……」



(-_-)「お見事…………全部外れだ」
.


11 : ◆y1TBgQ3JzI:2007/08/03(金) 15:24:31

('(゚∀゚;∩「…………?」

いい気味だ。たいそう不思議そうな顔をしている。

(-_-)「君が言ったのは僕が自殺しようとした直接的原因じゃないよ」

('(゚∀゚∩「…………」

(-_-)「僕はね、もうどうでもいいんだ。この世界なんてどうでも……

     いつまでいても仕方ないから都合の良いときにでもおさらばしようと……それだけさ……

     人生を悲観して……ってわけじゃない……」

('(゚∀゚∩「……そうかい……でもまあ、どっちにしろ同じ様なもんじゃないのかい?……」

少し呆れたのか、男はそんなことを言った。

(-_-)「まあそうだけどね」

答えたら、思わず顔が弛んだ。



(-_-)「さあ……じゃあ僕のもとに現れた目的というものを聞こうか?」

('(゚∀゚∩「やっと話せるよ!…………いいかい……」





('(゚∀゚∩「君が死んだら世界は滅びるんだよ!」



へえ、よくできた嘘だね。

勝ち誇ったような、なおるよの顔に少し憤りを感じながら、心の中でそっと呟いた。


.


[ 2000/03/07 19:17 ] 中篇まとめ | TB(0) | CM(0)

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