ブーンミコ酢 ブーン系過去作まとめ

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(,,^Д^)は奪って堕ちてゆくようです  中の下

57 : ◆y1TBgQ3JzI:2007/04/20(金) 16:45:06
───────────────────
   中の下   黄金時代は、もう来ない
───────────────────



誰もいない



赤い光に焼かれている

僕は玄関を開ける

「ここが僕のうちだよ……」

「……おじゃまします……」

礼儀正しいね

そんなでぃさんが好きなんだ

僕は

似ても似つかないよね

なんで今頃こんなこと言ってんだろ

心臓が

爆発しそうだ

玄関を閉める

密室だよ

鍵は掛けてないけどさ

親も、帰ってくるはずはないんだ

両親とも出張中のはずだから

誰とも関わってないからさ、うちは

だからこの世界には君と僕だけさ

だから何? って言われたら

すぐにでぃさんを帰そう
.



58 : ◆y1TBgQ3JzI:2007/04/20(金) 16:46:03

「でぃさん?」

「なに?」

「……少し話でもしないか?」

「何の話?」

でぃさんの顔を直視できない

自分の顔も鏡で見れない

恐いよ

いろんな意味で

自分が恐い

「えーとね……なんだろ……」

自分の話題の無さも恐いね

「……そういえば……子供の頃はね、にんた○ら○たろうなんか見てたのにさ、

  最近は全然見ないね、N○Kの……放送」

苦し紛れ、困ったときのN○K。

「…………そうね……私も昔は見てたわ……」

「……もう……変わってしまったんだね……」

どうしてこんなに心が痛いんだろうか
.


59 : ◆y1TBgQ3JzI:2007/04/20(金) 16:46:56

「……いろいろと……懐かしいな…………子供時代ってさ……

  黄金期じゃないかい? 人生の中でも……」

「……そうね……おばさんみたいな発言になっちゃうけど……その通りね……

  でも、……大半は悪い思い出……」

「……え?……」

僕は致命的なミスを犯した

でぃさんは、母親に虐待されてたんだった

「あ!!…………ごめん…………」

「……いいのよ、気にしないで……確かにいい思い出だけ思い出せば……黄金時代よ」

「…………僕も……あんまり子供時代にいい思い出なんて無いんだ……でぃさんほどじゃないけど

  僕にも友達なんていなかった……いつもこんな……って今の顔はどんなふうになっているのか、

  分からないけど……笑顔だった……だけど……心の底から笑顔だったことなんて……本当に少ない……」

「……そう」

赤く、染まった部屋

僕らを焼く



寂しそうな顔だった気がする

愛おしい

心臓が、変な音を立てた
.


60 : ◆y1TBgQ3JzI:2007/04/20(金) 16:47:31



発情

かな

立ち上がって

カーテンに手を掛ける

「何してるの?」

でぃさんも立ち上がる。

閉める

「いや、……光が眩しいからね……」

心臓が破裂するよ



『立つ力を奪え』



「あれ……?」

でぃさんが崩れ落ちる

「……危ない!」

倒れそうになったでぃさんを支える
.


61 : ◆y1TBgQ3JzI:2007/04/20(金) 16:48:19



『抵抗する力を奪え』

『意識を少し奪え』



「大丈夫かい?」

ゆっくり座り、自分の膝の上に寝かせるように抱きかかえる

顔が近い

「……ちょ、ちょっと……どうなってるの?……」

「……………………」

でぃさんの、その難しい表情を見て思う

この、自分の腕の中にいる状態を見て思う



ここで『理性を破壊し』たらどうなるだろう



僕は襲われるか殺されるかだな

まあ、後者は無いだろう。殺人願望が無い限り

合法的に、でぃさんと……そういうことができるんだ

被害者ぶれるんだ

ここまで来て僕はチキンか。

面白いね

もう、でぃさんは僕の腕の中にいるんだぞ
.


62 : ◆y1TBgQ3JzI:2007/04/20(金) 16:48:51

「でぃさん…………」

「……な……に……?」

『嫌がるな──嫌がる気持ちを奪え』

少し意識も朦朧としてきているんだな……

「その……」

言いながら

めちゃくちゃ顔が近い

唇を近づけてみる





抵抗してくれないか?

お願いだから、嫌な素振りを見せてよ

抵抗する力を奪っておきながらそう思う

抵抗したら、一気にかぶりついてやろう

なぜか本末転倒

なんで抵抗したら、なんだよ……





結局無理だったんだ
.


63 : ◆y1TBgQ3JzI:2007/04/20(金) 16:49:50

無理だ

僕には

でも、

何かしなきゃ

しなくてもいいんだけど……

そうだ



胸を触ろう

僕はバカだ。

胸なら犯罪にならないとでも思っているんだ

でぃさんの胸を見て考える

考えるなんてたいそうなものじゃない

感じる……そんな欲望の塊の脳みその中と同じ

その感覚に理性なんて無い。

その胸の膨らみ……いい感じのものだ

いわゆる美乳というやつだ

……本当にバカだ……どこのオヤジだよ……

こんなに死にたいと思ったのは

初めてかもしれないな
.


64 : ◆y1TBgQ3JzI:2007/04/20(金) 16:51:25

やけだ。

どうするべきか、もう、分からない

僕はでぃさんに抱きつく

服の上から温もりが伝わってくる

ああ……でぃさんの体って…………こんなに温かかったんだな……

36度とは思えない

呼吸が荒くなる

体が震える

心臓が痛い



少しだけ体を離して

右手が、でぃさんの左の膨らみを包む

優しく……ゆっくり……





あれ?

なに?

今の





嬌声?



でぃさんの口から出たの?



いや、もう

なによ

なんなんだよ

そんな声出すなんて思ってなかった

僕はでぃさんから飛び退いていた

チキンだから
.


65 : ◆y1TBgQ3JzI:2007/04/20(金) 16:52:41

なあ、でぃさん

なんだいその挑発的な声は

そして、そのいやらしい顔

僕を誘っているのかい?

……そうか

そっちがその気なら

その誘いには



絶対に乗らないよ



チキンの言い訳さ

ごめんね

でぃさん

わざわざこんなところまで来させてさ

謝るべき点はそこじゃないよね

僕のこと、好きかも嫌いかも分からないのに

こんなことして

本当にごめん

目が覚めたよ

ありがとうね
.


66 : ◆y1TBgQ3JzI:2007/04/20(金) 16:53:27



『記憶を奪え──さっきの記憶を奪え』

『眠れ──意識を奪え』



でぃさんは、眠った

本当にごめんね

金輪際流さない

鬼になってやる

そう決めてたのに

涙は無情に流れてくれる

僕はまだ人間なんだ

信じられないけど。

僕はでぃさんに使っていない毛布を押入れから出して、掛ける

僕も疲れたよ

少しだけ眠りたいな

でも眠れないや

君の寝顔は素敵だから

本当にありがとうね

こんな僕でも、君は美しい寝顔を見せてくれるんだ。



──────────────────────
   中の下   黄金時代は、もう来ない   終
──────────────────────


[ 2000/03/06 20:14 ] 中篇まとめ | TB(0) | CM(0)

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