ブーンミコ酢 ブーン系過去作まとめ

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(,,^Д^)は奪って堕ちてゆくようです  上の上

6 : ◆y1TBgQ3JzI:2007/04/15(日) 16:45:27
───────────────
   上の上   普通の高校生
───────────────



空を見てみる。

晴れ渡る空に散らばった一面の雲

曇っているところもあれば晴れているところもある。そんな感じだ。

雲の間から差す光が教室に侵入してくる

( ´∀`)「テスト返すモナー」

僕はその言葉で我に返る

だが、僕の番まではまだまだ回ってこない。

僕は教師の声を耳に入れながら外を見た

いい感じの空だ

僕は好きだ

( ´∀`)「タカラ」

(,,^Д^)「はい」

テストを取りに行く
.



7 : ◆y1TBgQ3JzI:2007/04/15(日) 16:46:13

普通の点数

点数なんてどうでもいいのさ。

親にも見せないし、親も見ないし

別に将来を期待もされていない

そんな子供がどうなろうと知ったこっちゃ無いのさ



何の独白だろうか、自分の頭は妄想に取り憑かれているようだ。

惨めなものだ

誰にも話しかけることなんて無い

なのに誰かに分かってもらいたいと思っている

だから独白

惨めなものだ



僕の頭はこんがらがったまま、停止していた

分かってほしい人なんて一人しかいないのに
.


8 : ◆y1TBgQ3JzI:2007/04/15(日) 16:46:48

そんな停止した頭もやけくそで独白を再び始める

僕の両親は共働き

家に帰っても誰もいない

誰とも関わりたくない

面倒なことに巻き込まれないように

毎日の授業も退屈だ

(*゚ー゚)「ねぇ……タカラ君?」

(;^Д^)「え?……何?」

(*゚ー゚)「消しゴム貸してくれない?」

ほら、邪魔者だ。しぃって名前だったっけ。

(,,^Д^)「……どうして持ってないの?」

(*゚ー゚)「今ちょうど使えなくなったの」

いつも僕に言ってくる

(,,^Д^)「ああ……そう…………ほら……」

なんで貸してやらないといけないのかな…………

そう思いながらも、八方美人の僕の手は勝手に消しゴムをしぃに渡していた
.


9 : ◆y1TBgQ3JzI:2007/04/15(日) 16:47:43

そんな僕を、でぃさんは見ていた

(#゚;;-゚)「…………」

僕がそのことに気がついて眼を合わせ返すと、彼女はすぐに目を逸らした

わざとじゃないだろう。彼女は優しいし。

僕は目を逸れされるほど変なことをした覚えは無い

(,,^Д^)「…………」

それでも僕の眼はずっと彼女を見続けていた

僕は、でぃさんが好きなんだ

そのことに気がついたのはずっと前

頭も良いし。優しいし。美人だ。

清楚な感じが本当にいい。

パーフェクトだろ……僕にはもったいないぐらい

でも、彼女には友達がいないみたいだった。誰にも好かれていないみたいだった。

原因は、幼い頃に母親から受けた虐待痕。

なんでも、噂では父親はでぃさんを庇おうとして母親に殴り殺され、

母親は捕まってずっとブタ箱にぶち込まれているそうだ

なんと不憫な話だろう。僕の脳がそう喋る。

偽善。
.


10 : ◆y1TBgQ3JzI:2007/04/15(日) 16:48:19



全てが嫌になる

僕は空にそう呟いた



気づいたときには、消しゴムは返ってきていた



あっと言う間に終わる世界

なんかアホらしい



僕は普通の高校生

至って普通の高校生

両親は共働き。友達はいない。学校はつまらない。好きな子がいる。

普通の高校生さ。

僕はね。

面白くないんだよ。



何か起こらないか。

そう思っていた矢先、荒巻という変態に出会ったんだ。


.


11 : ◆y1TBgQ3JzI:2007/04/15(日) 16:49:42

/ ,' 3 「わしの名前は荒巻というんじゃが……おぬし、力が欲しくないかね?」

Σ(;^Д^)「…………」

はあ?

何言ってんだこのおっさん……

随分年食ってんなあ……



学校からの帰り道

ちょっと人通りの少ないところにその変態はいた

真っ白なローブ。いかにも仙人。

まあまあ治安が良かったので、僕はたまに気分を変えるためにたまに通っていた道だった。



(,,^Д^)「……力……?」

/ ,' 3 「そうじゃよ。力じゃ。人智を超えた力が欲しいじゃろ?」

信じているわけがない。

おっさんをからかうつもりで「興味がある」と答えた。

面倒は嫌だったっていうのに、答えてしまった。

それは吉だったのか凶だったのか

吉だと思い込まないと、やってられないよ。
.


12 : ◆y1TBgQ3JzI:2007/04/15(日) 16:50:40

/ ,' 3 「じゃ、ほれ」

ほれ?

荒巻というおっさんは僕に何かを放り投げた

ようなアクションをした。

/ ,' 3 「ほれ、これでおぬしには力が備わったぞい」

(;^Д^)「…………どんな……?」

ふざけんなよ、このクソじじい。

/ ,' 3 「そうじゃな…………じゃあ、あのカラスに向かって『飛ぶ力を奪え』と念じてみよ」

荒巻はそういって、空を飛んでいる二羽のカラスを指さした

(;^Д^)「……は……はあ……」

何言ってんだよ……

恐怖心さえも出てきた。

僕は少し引き気味になりながらも、カラスを見、念じてみた



『飛ぶ力を奪え』


.


13 : ◆y1TBgQ3JzI:2007/04/15(日) 16:51:43

なんだ? これは



二羽のうち、僕が念じたほうだけ、落ちた



自分でも何を言っているのか分からない。

「え……」

思わず声に出た

黒い物体が、落ちた

高い空から、落ちた



堕天使の姿



ホントに、失速して落ちた。

念じなかったほうは、落ちた奴を見て、そのまま飛び去っていった

死んだのかな……

/ ,' 3 「ほほう……ちゃんと力はついているようじゃの……」

ほほう……じゃねえよ。

僕は少し怪訝そうな眼で睨んでやった。

/ ,' 3 「おぬしに与えた力は『対象物の感情・意識を奪う』というものじゃ

    だが、わしの力を受けた能力者相手には通用しないから、間違っても戦いに使ってはならんぞ

    おまけに、能力者に技をかけたときは、その内容が伝わるからの。わしも能力者じゃから、

    おぬしが何を言っても無効じゃ。試してみよ。」



…………なんか凄そうだな……

僕は信じられない速度でその世界に引き込まれていたようだ。
.


14 : ◆y1TBgQ3JzI:2007/04/15(日) 16:52:31

(,,^Д^)「じゃあ早速……」

意識を荒巻に集中して……



『立つ力を奪え』



/ ,' 3 「今、立つ力を奪えと念じたな?」

(,,^Д^)「え、ええ……」

……これはやばい。

論理的に言っても、直感的に言っても、変わりは無い。

絶対的に、凄い世界に触れてしまった。

/ ,' 3 「あと、その力は『奪え』と言う命令表現でしか使えないから注意することじゃ。『無くせ』ではだめじゃ。

     自分自身に命令をかけるようにな」

(,,^Д^)「……は、はい……」

面倒なルールだ

/ ,' 3 「それと、持続するような命令の解除は、そう念じれば解ける。念じなくても、

     対象物に対しておぬしの意識が向かなくなれば、自然に消えていくぞい。

     ……で、わしが言っておかねばならんことはこれぐらいじゃろう。では、さらばじゃ」

Σ(;^Д^)「え?! ちょ、ちょっと!」

僕が荒巻のほうを見たときには、超絶な速さの後姿に変わっていた。
.


15 : ◆y1TBgQ3JzI:2007/04/15(日) 16:53:39



僕の人生の岐路だった。

18で、こんな岐路に立たされるとは思っていなかった

僕はこの力を持って、

強くなった気がした。

何もかもがうまくいくような気がした。

情けない。

アホらしい。

自分に対する嫌悪感はそのままに、

それでもいいじゃないか

適当さや、寛容さ

自分に対する全てが

甘く、おいしくなった

僕は言うんだ。

全てを分かった上で

「それでもいいんだ」と



不敵な笑み

こんな感じかな、と

商店街のガラスに投影された自分の顔を見ながらそう感じた



──────────────────
   上の上   普通の高校生   終
──────────────────


16 : ◆y1TBgQ3JzI:2007/04/16(月) 18:13:08
───────────────
   上の中   くだらないこと
───────────────



それにしても、荒巻というあの男、何者だったんだろう

どうでもいいことだが。

家に帰る道、そんなことを考えていた

そうやって歩いていると、交差点に引っ掛かった

信号は赤だ

僕の左前方に、「いかにも」って奴がいた。

ああ、やっぱりだ

車側の信号が赤になった。まだ歩行者側の信号は赤じゃない。

それでも奴は歩いたんだ

だから止めてやるのさ



『青になるまで待て──信号無視をしようとする気持ちを奪え』



奴は止まった。なんか呆然としている

さぞかし変な気持ちになっただろう

僕は間抜けな「奴」を見て少しほくそ笑んだ。
.


17 : ◆y1TBgQ3JzI:2007/04/16(月) 18:14:11

さあ、青だ

存分に歩くがいい

僕は奴から意識を放し、横断歩道を渡った

奴よりも速く。ね

下らない優越感に浸ってやる。



そんなこんなで家に帰りつく

親はいない

一人、制服やらなんやらを脱ぎ散らかす

僕は眠ることにした。

どうでもいいや。

力の使い道なんてどこにあるんだよ

よくよく考えてみると、変な話だ

人を自由自在に操れるという力をもったところですることなんてほとんど無い

それに、僕の力はそこまで有能じゃない

単に、人を妨害するだけのもの。

だから面白い遊びを思いつくまで眠るのさ
.


18 : ◆y1TBgQ3JzI:2007/04/16(月) 18:15:04



親が帰ってきた。11時

どうでもいいよ。

僕は既に寝ていた

歯も磨いて、風呂にも入って

寝たのさ

明日は学校が休みだ

何して遊ぼうか



やっぱりこの能力を存分に使って遊ぼうか



そんなこんなで僕は次の日、公園に繰り出した

wktkしながら

皆はどんな風に僕を笑わせてくれるのだろうかと


.


19 : ◆y1TBgQ3JzI:2007/04/16(月) 18:15:46

朝食も摂らずに家を出る

鍵をかける

正真正銘誰もいない家

それを尻目に公園へ出かける

晴れ渡った空

僕はこんな空が好きだ

微妙に曇っている長閑な昼の陽射しも好きだけど

水色の中に一際輝くオレンジも、この季節なら好きだ

どうでもいいこと、だけどね



公園

近所の子供がうるさい

爽快な騒音

それを僕は奪うことができる

『騒ぐ気を無くせ──発声する気を奪え』
.


20 : ◆y1TBgQ3JzI:2007/04/16(月) 18:16:18

急に静かになる

親も不思議そうだ

子供達は平気そうだがね

ただ、走り回る

なるほど人形のようだ

小鳥のさえずりだけが響き渡る

不思議なものだ。面白くない

子供のうるささは有ってしかるべき、というわけか

子供が再び騒ぎ出す

力を解除した。どうでもよくなったから

子供──

子供子供子供──

平衡感覚を奪えばそれは面白いことになるだろうな……

でも、しない。

なぜそんなことをしなければならないのか
.


21 : ◆y1TBgQ3JzI:2007/04/16(月) 18:17:03

良心じゃない

「なぜしてはいけないのか」という問いに対して答えられない場合

「してもいい」ということになる

だが、逆に「しなくてもいい」ということでもある

だからしない。

全てが自由の今、選択権は僕にある

どう使おうと僕の勝手

いつの間にこんなにいい身分になったのかねえ

自分を嘲る。

自分の思い上がりを嘲る

でも、僕はその思い上がりに従う

皆、

僕を見ておかしいと思うかい?

ま、

あんたらがどう思おうと勝手だけどね

誰もいない空間に、心の中で語りかける
.


22 : ◆y1TBgQ3JzI:2007/04/16(月) 18:18:03

足元を見ると、蟻がいた

じっと、黒い生き物を見つめる

黒い生き物、黒い動物、黒い動く物体

修飾語を取ると

物体

(,,^Д^)「『mother mを○ったら──other 他○です』……ってか」

僕の脳みそに、懐かしい衝突球の映像が流れた



『動く力を奪え』



なんと。

動かなくなった

非常にだるそうだ

そりゃ、昨日のカラスだって落ちたんだ
.


23 : ◆y1TBgQ3JzI:2007/04/16(月) 18:18:55

『元に戻れ』

そう念じ、蟻を再度動けるようにする



『氏ね──命を奪え』



憎かったわけではない

ただ、やってみた

手までかざして、強く念じた

ふざけて、だよ?

氏ね。死ねじゃなくて、氏ねって言ってるだろ?

実験さ

するとどうだろう

蟻は



動いている



ほっとしたような、残念のような

ま、殺人鬼にはならなくてすみそうだね。



黒い物体は、僕から遠ざかっていき、芝生の緑と同化した
.


24 : ◆y1TBgQ3JzI:2007/04/16(月) 18:19:39



子供達は楽しそうだよ

親御さんたちもね

僕は公園を出た



この世界は僕の物

この大空も……

なんて上を見つめて歩いていた

衝撃。

肩に誰かの肩がぶつかっていた

(,,^Д^)「すみま──



『気にするな──怒る気を奪え、違和感を奪え』



相手の男はそのまま去っていった
.


25 : ◆y1TBgQ3JzI:2007/04/16(月) 18:20:15

謝りたくなかった

別に謝る必要もないだろう

だからやった

僕は少しほくそ笑んで、下品な笑い声を少し漏らして

進んだ

ああ、madってこんな感じかな?



しばらく歩くと、住宅地が見えてきた

皆子供の頃はピンポンダッシュなんてやってたっけ……

僕はバカバカしいと思って、なにより怒られるのが怖くてやらなかったけど



やろうかな

18になってピンポンダッシュ……バカバカしいね

だが、それが良い

僕の指はインターホンを押していた
.


26 : ◆y1TBgQ3JzI:2007/04/16(月) 18:20:48

「はい?」

(,,^Д^)「あ、すみません押し間違えました」

「……は?」

呆気にとられている

まあまあかな

住民は不思議そうな顔をして「そうでしたか」と言ってインターホンを切った

こんなピンポンダッシュじゃ子供のやるのと同じかな……

新ジャンル「逃げずにいいわけをする」は大して新しくもないかもしれないし……

まだまだ低レベルか……

もっとハイクオリティに……どうする?



うん、くだらないね

僕は飽きやすい

同時に、僕は情けない

何より、アホだ

救いようがないぜよ
.


27 : ◆y1TBgQ3JzI:2007/04/16(月) 18:21:48



僕は家に帰る途中、この力について考えた

あの、荒巻はなんだったんだろう

能力者に対してはこの力は使えない……どういうことだ?

他にも能力者はいるって事なのか?

荒巻の目的は?

僕は探偵じゃない。

荒巻については、あっちから来てくれないと話が進まない

僕は貰った力を活用するだけだ

今の使い方が活用と言えるのか?

言えないだろうな。

ま、

それを決めるのは僕だろ?

それでも活用とは言えないことぐらい分かっているさ

面白いね、人間の考えることってさ

なに? この自己矛盾



─────────────────
   上の中   くだらないこと   終
─────────────────


[ 2000/03/06 19:33 ] 中篇まとめ | TB(-) | CM(0)

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