ブーンミコ酢 ブーン系過去作まとめ

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( ^ω^)この夏、僕は恋をする「ようです」 6

52 : ◆06NY4sFIG.:2008/08/30(土) 19:35:09
 
 
6
 
先生を怒らせてからというもの、それから僕はしっかりと部活に顔を出すようになっていた。
時間も始まるときにはいたし、課題も全て提出した。
兎に角僕はこれ以上先生に怒られたくないがために必死になった。
いや、それは違うのかもしれない。

川 ゚ -゚)「ふむ。提出ご苦労」

本日の課題であった風景画を先生へと提出する。
この糞暑い中、屋外に出て汗まみれになりながら絵を描くのは極めて困難だった。
と、いうのも。数多くの日陰に当たるところは他の部員に占拠されてしまっていたし、
仕方なく選んだのが屋上だったからだ。
日差しの照りつける中、僕は伝う汗も気にせずに必死となって見える景色を
紙へと起こしたのだった。

(;^ω^)「いやー、今日も一段と暑かったお…」

川 ゚ -゚)「この風景、屋上からか?頑張ったじゃないか」

(*^ω^)「お、おっおっ。まぁ、いい景色だったからお」


53 : ◆06NY4sFIG.:2008/08/30(土) 19:35:53
少し気恥ずかしくなって、僕は強がって見せた。
先生はそんな僕に、またあの微笑を見せて頭を撫でたのだった。

川 ゚ ー゚)「いや、よく頑張ってるよ、内藤は。見違えるほどさ」

その一言で僕はまた頑張れるのだ。
僕は本当は、怒られたくないから必死になっているのではない。

(*^ω^)「ま、まぁ、僕が本気出せばこんなもんだお!」

褒められたいから必死になっているのだ。


54 : ◆06NY4sFIG.:2008/08/30(土) 19:36:28
 
 
川 ゚ -゚)「それじゃ、今日はここまで」

午後三時。この日の部活はこれで終了した。
部員達はそれぞれ帰路に着き、美術室には静寂が訪れた。
否。相変わらず部屋には運動部の掛け声や蝉の鳴き声が響く。
やはり日差しは窓から差し込み、空気はどこか生ぬるかった。

川 ゚ -゚)「ん?どうした内藤。帰らないのか?」

( ^ω^)「おっ」

ボーッと外を眺めていた僕に、先生は近づいてきた。

川 ゚ -゚)「どうした?」

( ^ω^)「いや…何でも…」

返す言葉は冷たいが、僕は内心歓喜に満ち溢れていた。
今まで溜まっていた課題を片付けてからというもの、個人部活は無くなったし、
いざ一緒の空間、となっても他の生徒が居るものだから喋ることが少なかった。
だから今、こうして二人きりになれたことに喜んでいるのだ。


55 : ◆06NY4sFIG.:2008/08/30(土) 19:37:09
( ^ω^)「……」

僕は、未だ先生に気持ちを伝えていなかった。
何故、と問われれば、やはり前回の過ちゆえだ。
何だかまた怒らせてしまうような気がして行動に移せない。

( ´ω`)「はぁ…」

どうすればいいのだろう。
いっその事、このまま想いを伝えなくてもいいんじゃないだろうか。
だが、それで僕は納得できるか、と問われれば答えは否だ。
ツンを振った手前もある。だがそれよりももっと大事な何かがあるのだ。

川 ゚ -゚)「…何か悩んでいるようだな」

思い悩む僕に、先生がそんなことを言った。

( ´ω`)(ま、アナタのことなんですけどね)「まーお」

川 ゚ -゚)「恋でもしたか?」

( ゚ω゚)「ぶふっ!!」


56 : ◆06NY4sFIG.:2008/08/30(土) 19:37:59
先生にそう聞かれたものだから、僕は思い切り噴出してしまった。
何だこの人は、エスパーか何かか?

川 ゚ -゚)「何だ、図星か」

(;^ω^)「ち、ちげーお!」

苦し紛れにそう言うが、先生は憎たらしい笑みを浮かべている。

川 ゚ -゚)「うむ、青春だな。いいことだ」

(;^ω^)「馬鹿にしてんのかお」

川 ゚ -゚)「いやいや、そんなつもりは滅相も無いよ」

(;^ω^)「……」

その割には、未だ憎たらしい笑みが消えていない。

川 ゚ -゚)「ま、好きな人が居るのならさっさと想いを伝えてこいよ」

( ^ω^)「え?」


57 : ◆06NY4sFIG.:2008/08/30(土) 19:38:35
ブワッ、と風が入り込んできた。
この季節の風は柔らかい。僕は風に包まれながらそう思った。

川 ゚ -゚)「意外と、待ってたりするものなんだよ、女っていうのはね」

そう言って、顔を僕に向けた。
風に吹かれた髪はフワリと靡いて、よりいっそうその美しさに磨きがかかる。
ほんの数秒、僕は完全に見とれていた。

( ^ω^)「…でも、先生。その人と僕、歳が離れすぎてるんだお」

先生からようやっと僕は顔を戻すと、もう一度窓の外を見る。
グラウンドでは陸上部やサッカー部、野球部が精を出している。
気合の入った掛け声が美術室まで入り込んでは、また消えていった。
広がる空は青く、雲は白く、太陽は強く輝いている。

川 ゚ -゚)「…いいんじゃないか?愛に歳の差なんて、関係ないと思うぞ」

はっとした。
瞬間、僕は顔を俯かせる。


58 : ◆06NY4sFIG.:2008/08/30(土) 19:39:36
( ^ω^)「…ずるいお、先生」

川 ゚ ー゚)「ふふっ…」

『赤いキセツ 到来告げて』

( ^ω^)「けど、まぁ、いいお」

僕は決心がようやく着いた。
この夏、初めての恋を知り、そうしてきっと、それはうまくいくだろう。

川 ゚ -゚)「帰るのか?」

『今、俺の前にある」

( ^ω^)「うんお。それじゃ」

じゃ、と言って僕は戸を開ける。
ふと振り返ると、先生は寂しそうな顔で僕を見ていた。
だから僕はこういうのだ。


59 : ◆06NY4sFIG.:2008/08/30(土) 19:40:26
( ^ω^)「先生」

川 ゚ -゚)「ん?」

『軋轢は加速して風景』

( ^ω^)「明日、大事な話があるんだお。だから……」

何だか気恥ずかしくなり、僕は背を向けた。

( ^ω^)「だから―」

川 ゚ -゚)「部活後」

( ^ω^)「え?」

ミンミン。
振り返れば、そこには微笑んだ先生が居た。

川 ゚ ー゚)「部活後、聞いてやる」

『記憶、妄想に変わる』


60 : ◆06NY4sFIG.:2008/08/30(土) 19:41:00
(*^ω^)「お、おっ!分かったお!それじゃ、ばいぶー!」

川 ゚ ー゚)「ああ、また明日」

勢いよく教室を飛び出し、その速度を保ったまま僕は学校から走った。
相変わらず空気はムシムシしてるし、日差しは射すし、蝉が煩い。
けれど、今の僕は、それが嫌じゃなかった。
眼に映る物も、肌で感じるものも、どれもが新鮮に感じるのだから。

(*^ω^)「ああ~!」

きっと、これが恋なのだ。
逸る心は止まらなくて、何もかもが愛しく思える。
居た堪れなくて、けど頭は冷静。
 
恋は素晴らしいことだと思う。
例えばソレはチョコレートのような誘惑。とろけるように甘く、切ない。
例えばソレは画鋲を放り込まれた上靴。身の危険を回避するために捨ててしまう。
一喜一憂し、時には叫びたくなるような胸のくすぶり。
締め付けられるような、体がしびれるような。
好きな人を想うだけで顔が真っ赤になったり、恥ずかしくなったり。


61 : ◆06NY4sFIG.:2008/08/30(土) 19:41:37
(*^ω^)「恋って最高!」

叫び、そうして僕は駆けていく。
迫る明日に向けて、僕は駆けていくのだ。

『気づいたら俺はなんとなく夏だった』
 
僕はこの夏、恋を知った。
 
 
end


[ 2008/09/05 00:50 ] 夏祭りまとめ | TB(-) | CM(0)

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