ブーンミコ酢 ブーン系過去作まとめ

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( ^ω^)この夏、僕は恋をする「ようです」 5

37 : ◆06NY4sFIG.:2008/08/30(土) 19:24:40
 
 
5
 
遠くから聞こえる、ヒューン、バーン。
夜空にはいくつもの花が咲き誇り、枯れて行く。

「なーいーとーうー!」

花火の音色に夢うつつだった僕を、誰かが呼び戻す。
腰掛けていたイスから立ち上がり、窓の外を覗く。
外には、浴衣を着込んだツンの姿があった。

ξ゚⊿゚)ξ「花火!見に行きましょうよ!」

( ^ω^)「おっ!今行くお!」

特にすることも無かった。
だから僕はツンの誘いに嬉々として受けたのだった。


38 : ◆06NY4sFIG.:2008/08/30(土) 19:25:17
 
 
『村人達は祭りの準備』
この川原は毎年多くの人でにぎわう。
所謂絶景スポットなのだ。
あけた空、上がった花火は雄大な水面に映り、どこか幻想的な印象を受ける。

( ^ω^)「綺麗だおー」

僕の家からこの川原まで、歩いてさほどかからない距離だ。
行く途中にも花火が見え、その度に僕もツンも歓喜をあげていた。

ξ゚⊿゚)ξ「……」

そんなツンは、ここに到着してからというもの無言だった。

( ^ω^)「ツン、見てみろお!すんげー綺麗だお!」

ξ゚⊿゚)ξ「え?あ、そうね」

( ^ω^)「…?」

どこか、ツンからよそよそしさを感じた。


39 : ◆06NY4sFIG.:2008/08/30(土) 19:25:52
( ^ω^)「な、何か食いたいものとかあるかお?買ってくr」

ξ゚⊿゚)ξ「ねえ、内藤」

(;^ω^)「お、ぉお?」

唐突にツンの声が遮った。
ツンは僕に真剣な眼差しを向けている。

ξ゚⊿゚)ξ「あんた、あれ以来、その、好きな人とは、どうなのよ?」

ひゅるるるる、ばーん。
空には色鮮やかな花が咲き、何処からとも無く歓声が沸き立った。

(;^ω^)「どう、って…」

ξ;゚⊿゚)ξ「う、うまくいってるのかどうかってことよ!」

暗い視界、ふと花火により照らされたツンの顔は、どこか熱を帯びていた。

( ´ω`)「…微妙だお。前回怒らせてからというもの、話しかけにくくて」


40 : ◆06NY4sFIG.:2008/08/30(土) 19:26:47
実際、あの日以降僕は先生に話しかけにくくなった。
何だか未だに先生が根に持っているように思えたからだ。
僕の思い違いかもしれない。しかし、それを確かめることさえ僕には出来なかった。
理由は、分からない。いや、本当は分かっている。
嫌われそうで、怖いのだ。

ξ゚⊿゚)ξ「…ごめんね、私のせいで」

(;^ω^)「おっ、あ、いいんだお、別に。実行した僕が馬鹿だったんだお」

本当は違う。
心のどこかで、ツンを怨んでいた。
だが、怨んだところでもはや変わるまい。
そう思うと、何時の間にか僕の心にあったツンへの怒りは、静かに消えていった。

( ^ω^)「ま、過ぎたことはしょーもねーお」

それより、と僕は意気込む。

( ^ω^)「せっかく花火を見に来たんだから、もっと楽しもうお!」


41 : ◆06NY4sFIG.:2008/08/30(土) 19:27:19
そう言って僕は立ち上がり、ツンに手を指し伸ばした。
ツンはニコリと微笑み、僕の手をとると立ち上がる。

ξ゚⊿゚)ξ「―そうね!今日ははしゃぐわよー!」

バン、ドンドンドン、バーン。
賑やかな音色、人々の歓声。
その中に僕とツンはいた。
まるで子供の頃のように走り回る僕達。
時たま花火に照らされたツンの姿が、どこか可愛らしく見えた。


42 : ◆06NY4sFIG.:2008/08/30(土) 19:27:57
 
 
( ^ω^)「あー、楽しかったおー」

帰り道を行く僕は呟く。
夏の夜というのは僕は好きだ。
涼しげで、どこからともなく聞こえてくる虫の音色。
空気からは火薬の香りが漂い、祭りの後なのだと実感する。

( ^ω^)(夏も悪いもんじゃねーお)

さんざん夏が嫌いだと言って来たが、これだけは許しておこう。

ξ゚⊿゚)ξ「花火、綺麗だったわねー」

僕の隣を歩くツンがそう言った。
彼女の家は、実は僕の隣だったりする。

( ^ω^)「来年もまた来ようお、ツン」

ξ゚⊿゚)ξ「え?」


43 : ◆06NY4sFIG.:2008/08/30(土) 19:28:35
その時、本当に一瞬だけ時が止まった気がした。
風の音も、虫の鳴き声も、そして僕の呼吸の音さえも、全てが止まった気がした。

(;^ω^)「……?」

それに対する疑問は無い。何しろ唐突だし、理由も分からないからだ。
けど、ツンは未だ僕を見たまま眼を見開いていた。

ξ゚⊿゚)ξ「…それって、どういう意味?」

( ^ω^)「おっ?」

ツンのその態度は、怒っているときのものだ。
僕はこれでもツンとは長い付き合いだ。それくらい手に取るように分かる。
だが、何故怒っているのか、それが謎だ。

( ^ω^)「どういうって―」

ξ゚⊿゚)ξ「友達としてなの?」

リンリン、ミンミン。
静寂の中には、ただ虫の音だけが響いていた。


44 : ◆06NY4sFIG.:2008/08/30(土) 19:29:17
(;^ω^)「ツン、何を言ってんだお。何で怒ってんだお?」

駄目だ、いくら考えても怒らせた理由が分からない。
僕はツンへと近寄ると、その手をとろうとした。

ξ ⊿ )ξ「っ!」

バシ、と音が響く。ツンに手を撥ね退けられたのだ。
僕が戸惑っていると、突然ツンが来た道を走り出してしまった。

(;^ω^)「ツン!」

慌ててツンの背を追う。
もはや理解不能だ。僕は何をやっているんだ。
けど、今はとにかくツンを追いかけなきゃいけない。
そんな気がした。
 
走って十分ほどだろうか。
ようやく立ち止まったツンを確認した僕は疲れた体を休めながら
ツンへと近づいていった。
ふと、頭の中に『CIBICCOさんよ なんばしよんの?』と響いた。


45 : ◆06NY4sFIG.:2008/08/30(土) 19:30:09
(;^ω^)「げは、はぁ、はぁっ…ツン、どうしたんだお」

運動の大嫌いな僕が、本気で走って追いつける速度のツン。
あとはご想像通り。そう、僕は体力を使い果たしていた。

ξ ⊿ )ξ「……」

僕が話しかけても、ツンが返してくれることは無かった。
そんな状態が何時まで続いただろうか。
ようやく体力も回復し、しびれを切らした僕はツンへと近寄り、肩を掴んだ。

(;^ω^)「ツン、僕が何か気に障るようなことをしたのなら謝るお。ごめんお。
      けど、もう時間も遅いお。早く帰ろうお」

それでも無言。
一体、僕にどうしろと言うのだろう。
あーでもない、こーでもないと考え、いっそのこと帰ってしまおうかと考え、
手を引っ込めた瞬間だった。

( ^ω^)「――」

ξ ⊿ )ξ「――」

ツンが、僕に抱きついたのだ。
ふわん、と鼻腔をくすぐる甘い香り。
僕はその時、ああ、これは女性特有の香りなのだなあと初めて理解した。


46 : ◆06NY4sFIG.:2008/08/30(土) 19:30:55
( ^ω^)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
(;^ω^)(いやこれどういう状況ですかおー!?)
 
もう、これは唐突ってレベルじゃねーぞ、とか。
体に押し付けられてる小さなプリン最高、とか。
数多の疑問と欲とがせめぎあい、頭の中を駆け巡っていた。

( ^ω^)「ああああああの、ツンさん。これこれここれは一体」

もはや限界を超えた僕の頭は爆発寸前である。

ξ ⊿ )ξ「私ね、内藤」

( ^ω^)「はい」


47 : ◆06NY4sFIG.:2008/08/30(土) 19:31:31
ξ ⊿ )ξ「あんたが好きなの」

( ^ω^)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
( ^ω^)ヘーイテーキオーイ、ハガターターン、コゥゲキナラヤルイミナ・アーイ

ξ ⊿ )ξ「マジメに聞いてよ!」

( ^ω^)「ごふぁ!」

現実逃避をしていた僕に、突然襲い掛かる腹への激痛。
ようやく現実へと戻された僕はツンから離れた。

( ^ω^)「…ツン。それは、本当なのかお…?」


48 : ◆06NY4sFIG.:2008/08/30(土) 19:32:11
僕とツンは幼馴染だ。
物心ついたときにはいつもツンと一緒だった。
そんなツンのことを、好きか、と問われたとき、僕はどう答えるだろう。
ツンのことは好きだ。だが、それは友達としてである。
恋愛感情を抱いたことはあるかもしれない。
けど。

ξ ⊿ )ξ「…私はね、ずっと、ずーっと内藤のことが好きだった」

( ^ω^)「……」

ξ ⊿ )ξ「幼稚園のときも、小学生のときも、そして、今も」

ツンの頬に伝う何かがあった。
それは涙だ。

ξ;⊿;)ξ「内藤に好きな人が出来たって聞いたとき、悲しかった。
       だからメチャクチャな事いって、破滅させようと思った」

最低だよね、ごめんね、とツンは呟く。


49 : ◆06NY4sFIG.:2008/08/30(土) 19:32:57
ξ;⊿;)ξ「ずっと告白しようと思ってた。けど、自信が無かった。
       けど、さっきの言葉!何よ、何なのよ!」

ξ;⊿;)ξ「何で、期待させるようなことを言うの!?
       何で、きっぱりと諦めさせてくれないの!?
       酷いよ、内藤!」

浴びせられた言葉に、ようやく僕は理解する。
ああ、そうか、僕はツンに酷いことをしてしまったんだな。
僕のあの言葉は、きっと友達へと向ける些細な言葉だったのかもしれない。
けど、僕がツンだったとしても、あれでは期待してしまうだろう。

( ^ω^)「…ごめんお、ツン」

ここできっぱりと言わなきゃいけない。
それはきっとツンも望んでいることだ。
僕には分かる。
何故なら、僕はツンと一番の友達だから。

( ^ω^)「僕は、ツンの事を友達としか見れないお」

そこで、またごめんと言いかけた。
きっと、言ってしまったら余計にツンを傷つけてしまう、そんな気がして
僕はその言葉を留まった。


50 : ◆06NY4sFIG.:2008/08/30(土) 19:33:42
( ^ω^)「僕には好きな人がいるお。それは、クー先生だお。
      ツンも知ってる、僕等の学校の先生だお」

( ^ω^)「正直、高望みだって言うのは分かってる。
      僕みたいな子供が、あんな綺麗で、きらびやかな大人相手に叶うわけないってことくらい。
      けど、それでも諦めれないし、あの人以外に好きになれる気がしないんだお。
      だからツン、僕は君の気持ちにはこたえられないお」

ξ;⊿;)ξ「……」

ようやく言い終えたとき、ツンはただ黙って僕を見つめていた。

ξ;⊿;)ξ「…ふん、ばっかよね」

ξぅ⊿;)ξ「あんたみたいな奴が、クー先生みたいな美人と釣りあうわけないわよ」

(;^ω^)「おっ、おー」

ξ ⊿ )ξ「けど」

涙を拭い、目の真っ赤なツン。
だがそれよりも印象に残ったのは。

ξ゚ー゚)ξ「この私を振ったんだから、成功させなさいよね!」

今まで見たことも無いほどの、綺麗な笑顔だった。


51 : ◆06NY4sFIG.:2008/08/30(土) 19:34:16
(;^ω^)「おっ!まかせろお!この内藤ホライゾン、見事成し遂げてやるお!」

ξ゚⊿゚)ξ「はっ、どーだか。おめおめと振られても、もう遅いわよ?」

(;^ω^)「ふ、ふん!こっちから願い下げだお!」

あっ、しまった、と思ったときにはもう遅かった。
額に血管を浮かせ、静かな怒りを纏うツンの姿がそこにはある。

ξ#゚⊿゚)ξ「ほぅ、いい度胸じゃない!こら、待て!」

(;^ω^)「待てと言われて待つ馬鹿はいねーお!」

ギャーギャーと叫び声を揚げながら、僕達は追いかけっこをしながら帰路に着く。
どこか名残惜しく、それでいてさわやかな気分になった、そんな一夜だった。


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[ 2008/09/05 00:51 ] 夏祭りまとめ | TB(-) | CM(0)

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