ブーンミコ酢 ブーン系過去作まとめ

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( ^ω^)この夏、僕は恋をする「ようです」 1

2 : ◆06NY4sFIG.:2008/08/30(土) 18:59:59
 
 
1
 
『気づいたら俺はなんとなく夏だった』
僕の好きな曲のワンフレーズに、こんな言葉がある。
その曲を演奏しているバンドはとても破壊的で、僕は好きだ。

(;^ω^)「『なんとなく夏』ってレベルじゃねーお」

それでもこの暑さはどうしようも無いんじゃないだろうか。
茹だる様な暑さ、身を焼く太陽。
時期は八月と夏真っ盛りで、僕はCDウォークマンを聴きながら一人呟いた。

(;^ω^)「さっさと学校に行くお…」

イヤフォンから耳へと届く音の塊は、『気づいたら夏だった!!』と叫んでいた。



3 : ◆06NY4sFIG.:2008/08/30(土) 19:00:36
 
 
僕の名前は内藤ホライゾン。
何処にでも居る、いたって普通の男子中学生だ。
現在は夏休みで、日々を無駄に過ごす事に精進している。
だというのにも関わらず、今はこうして夏日の射す道を歩いている。
服装は中学指定のジャージで、赤色のソレはまさしくこの季節にピッタリだ。

( ^ω^)「久々の部活だけど…」

僕は美術部に所属している。
別に絵が得意というわけでもないし、好きと言うわけでもない。
ただ何となく、一番楽そうな部活を選んだのだ。
夏休みに入って三日目にして、初の部活。
どこぞの運動部たちとは違い、美術部は夏の活動が少ない。
いや、そもそもそれを知って僕は入部したのだ。

( ^ω^)「面倒なことこの上なしってかお」

それでも面倒なものは面倒だ。
何のための夏休みなのだ。僕はこの一ヶ月間という休暇を存分に謳歌したいというのに。
いや、そもそもそれは誰もが思うことだ。僕はそう思う。
何ともいえない不服感を、僕は今耳に届く破壊を奏でるアーティストへと委ねる。
そうすると、『I don't know』と繰り返し叫んだ。
煩い、僕だって知ったことか。


4 : ◆06NY4sFIG.:2008/08/30(土) 19:01:12
 
 
( ^ω^)「おいすー」

ガラッ、と戸を開けて僕はそう言った。
しかし予想外なことに、部室には誰も居ない。

( ^ω^)「…お?」

おかしい、今日は活動日なはずだ。
だというのに、美術部の拠点である美術室には誰も居ない。

「皆もう帰ったぞ」

そんな教室でつっ立っていた僕に、誰かが後ろから声をかけた。

( ^ω^)「先生」

川 ゚ -゚)「今日は午前で終わりのはずだが、お前今の時間を言ってみろ」

言われ、壁にかけられている時計を見やる。


5 : ◆06NY4sFIG.:2008/08/30(土) 19:02:26
( ^ω^)「二時丁度だお」

さも当然といった態度で、僕はそう言った。
先生は一つ溜息を漏らすと、僕の頭を小突いた。

( ^ω^)「っていうか、午前だったなんて知らなかったお」

これは事実だ。
小突かれた額をさすり、僕は先生にそう言った。

川 ゚ -゚)「その割りには驚いてなさそうだが」

( ^ω^)「いや、むしろラッキーだおごふぁ!」

唐突に腹を殴られ、うめき声が漏れた。
これ暴力だろ。

川 ゚ -゚)「まさかお前、帰れるとでも思ってるんじゃないよな?」

( ^ω^)「…え?」

川 ゚ -゚)「今日の課題は人物のラフスケッチだ。私がモデルをやってやる、さぁ描け」

教室の中、僕と先生の二人きり。
先生の名前は素直クーという。美術部の顧問で、しかし教師としてはまだ若い。
僕は面倒くさそうにまた溜息をついて、キャンバスをイーゼルに置く。
ふと、セッティングする中、僕は教室の中を見渡してみた。
夏の日差しが差し込み、開かれた窓からは野球部の声が入ってくる。
ジワジワと蝉の鳴き声も混じっていて、やはり夏なのだと実感した。


6 : ◆06NY4sFIG.:2008/08/30(土) 19:03:22
 
 
川 ゚ -゚)「お前は好きな画家はいるのか?」

キャンバスに鉛筆を走らせる僕に、先生はそう訊いた。

( ^ω^)「いないお」

僕に芸術なんて分からないし、その道を歩んできた人物なんてからきしだ。
唯一知っている画家と言ったらピカソだろう。

川 ゚ -゚)「そうか」

それきり、教室には僕のキャンバスに描く音だけが響く。
はっきり言って僕は絵が得意じゃない。
陰陽やら、色だとか、そもそも絵を描くこと自体が苦手だ。
何故、と問われれば分からない。
単に嫌いなのかもしれないし、不器用だからなのかもしれない。

( ^ω^)「先生は好きなバンドとかあるのかお?」

ふと何とはなしに、そう訊ねてみた。
先生は一瞬、キョトンとした顔をしたが、すぐにこう返した。


7 : ◆06NY4sFIG.:2008/08/30(土) 19:04:16
川 ゚ -゚)「んー、スーパーカーかな」

へぇ、と僕は呟く。
らしいと言えばらしいんじゃないだろうか。
ふと、そう言えば彼らもこんな曲を歌っていたな。
『All we need is summer!!』
アーティスト達は夏が好きなんだろうか。
なら僕はアーティストには向いていないだろう。何故なら夏が一番嫌いな季節だからだ。
理由は単純明快、暑いし汗まみれになるからだ。
『あー、夏は暑い』と、そういえば僕の好きな曲にそんな呟きが混じっていたのを思い出す。

川 ゚ -゚)「お前は何が好きなんだ?」

顔を動かさず、先生は訊いてきた。

( ^ω^)「僕はナンバーガールが好きだお」

『通じ合わないで 触れ合わないで』
彼らはそう歌ったが、僕はそうするつもりはない。

川 ゚ -゚)「へぇ、お前がか」


8 : ◆06NY4sFIG.:2008/08/30(土) 19:05:10
少し笑いを含めた声が聞こえた。
むっとした表情で睨むと、先生は先ほどまでのようにぴたりと横顔をむいて、表情を無にした。

川 ゚ -゚)「何処が好きなんだ?」

それでも先生は僕にそう尋ねた。

( ^ω^)「んー」

ミンミン、蝉の鳴き声が嫌に響く。
先生は相変わらず無表情だが、答えを待っているようだ。

( ^ω^)「全部だお」

そうとだけ言って、また筆を進めた。


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[ 2008/09/05 00:53 ] 夏祭りまとめ | TB(-) | CM(0)

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