ブーンミコ酢 ブーン系過去作まとめ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
[ --/--/-- --:-- ] スポンサー広告 | TB(-) | CM(-)

( ∵)不思議な恋のお話。のようです(#゚;;-゚)

4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/28(木) 19:40:30.07 ID:RbXu7zh9O


ふわふわ もふもふ

 真夏の昼間、陽射しの中をせっせと歩く小さな人影があった
ぼろっちいコートを纏って、それに不釣り合いな真っ白のワンピースを着た少女は
ふと立ち止まると空を見上げた。

空には、真夏のくせに小さな雲が一個だけ
『ここは私の舞台だ』と言わんばかりに浮かんでいた。


5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/28(木) 19:43:52.59 ID:RbXu7zh9O


(#゚;;-゚) 「暑いね」

彼女は真っ白なハットを被りなおしながら呟いた。

彼女の名前は でぃ。
僕が中学生になってからは、初めての友達。
風に吹かれてゆらゆら揺れる彼女のワンピースと、夏の澄み渡った空は本当によく合っている。

( ∵) 「そうだね」

僕は彼女の呟きに相づちをうつ。

そういえば
彼女との出会いはここ、橋の上だ。



6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/28(木) 19:46:03.05 ID:RbXu7zh9O


その日は嵐の去った次の日で、空はきれいに晴れていたけれど
川は泥や砂利で茶色く濁り、水嵩は増え、流れはいつもの何倍も速かったんだ。
僕はその流れに身を任せて死んでしまおうなんて考えてて、柵の上に立っていた。
そんなとき彼女は来た

まるでその日の川みたいに汚いコートと、晴れた空に浮かぶ雲のように美しいワンピースを着て。

そして僕にこう言ったんだ

(#゚;;-゚) 「ねぇ お隣良い?」


7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/28(木) 19:49:41.45 ID:RbXu7zh9O


それから、僕はでぃと柵の上で話をした。少しだけだったけど。
そうしたら僕はなんだか元気が出て、それからもここに来るようになった。
またでぃと話せたらいいな、なんて思って。
また、でぃも、僕のように思ってかどうかは知らないけれど、お昼頃にここに来てくれていた。

それから毎日僕らは、正午から十分間ぐらいだけ話すようになっていた。
けれど僕はもっと話をしたくて、今日、ある提案を持ちかけた

( ∵) 「ねぇ でぃ、できたらでいいんだけどさ」

(#゚;;-゚) 「何?」

(*∵) 「今日の夕方、またここに来れないかな?」

(#゚;;-゚) 「どうして?」


8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/28(木) 19:51:47.29 ID:RbXu7zh9O


僕は、とても緊張しながらも言葉を紡いだ

(*∵) 「すこし、見せたい物があって・・・」

その後に小さく、駄目かな?と呟くと、でぃはクスリと笑って答えた

(#゚;;-゚) 「いいよ」







――夕方、空がオレンジ色に染まる。


9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/28(木) 19:54:41.15 ID:RbXu7zh9O


僕は急いで家を出ると、橋へ向かった。
運動音痴の割には速く走ったつもりだったけど、僕が橋に着いたとき
そこにはもう、でぃが柵にちょこんと座って待っていた。

(;∵) 「お、遅れてごめん」

(#゚;;-゚) 「大丈夫 それより、見せたい物って?」

そうだった。
僕ははっとして橋から夕焼けを見上げる
もうすぐ日が沈んでしまう。急がなくちゃ!


10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/28(木) 19:56:47.75 ID:RbXu7zh9O


(;∵) 「こ、こっち!来て!」

僕はでぃの腕を掴んで来た道を駆け出した。
そして神社の階段を一気に駆け上がると、山の裏へと続く道をひたすら進む。
木々の生い茂る道を抜けて、少し開けた場所へと出る

こんな物をみせたいだなんて、我ながらベタすぎるな。
そう思いながらも、僕はそこに広がる景色を指さしていった

( ∵) 「これを、見せたかったんだ」

(#゚;;-゚) 「・・・・・・・!」


13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/28(木) 19:59:33.48 ID:RbXu7zh9O


そこには青とオレンジが入り交じった、まるでトロピカルジュースみたいな空があった





( ∵) 「ここだと、電線が無くって綺麗に見えるんだ」

(#゚;;-゚) 「きれい・・・」


(#゚;;-゚) 「空って、こんなに綺麗だったんだ・・・」

いつの間にか取ったハットをぎゅっと握りしめながら、でぃは空を眺めていた。
僕は、でぃがいつもは見せないような笑みを浮かべてくれたことが嬉しくて
日が沈んでしまうまで空を眺めていた。


15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/28(木) 20:01:29.22 ID:RbXu7zh9O




空も暗くなって、もう辺りでは鈴虫が鳴いている。

( ∵) 「ねぇ、でぃ そろそろ戻ろうか」

(#゚;;-゚) 「・・・・・・・・・・・」

( ∵) 「でぃ?」

おーい。とでぃの顔の前で手を振ってみるけど、でぃは未だ空を見上げたまま動こうとしない。
僕は少し心配になって、何度もでぃに呼びかけてみた。
そして、僕が6回目の呼びかけをしようとしたところで、でぃはぽつりと話し始めた。


(#゚;;-゚) 「私、旅をしているの」

( ∵) 「え?」


16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/28(木) 20:03:42.39 ID:RbXu7zh9O

(#゚;;-゚) 「沢山の景色を見てきた。けど、こんなに綺麗だったのは初めて」

でぃが僕をまっすぐ見る

(#゚;;ー゚) 「きっと君と一緒だからだよ  ありがとう、ビコーズ」



暗闇の中でも光っていた君の笑顔を僕はずっと忘れないだろう。


17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/28(木) 20:06:37.27 ID:RbXu7zh9O

その後、僕らは神社の前で別れ、家へ帰った。
家へ帰ると、雨が降ってきた。さっきまでは星も見えていたというのに。
しかも、雨はかなりの勢いだ。僕は「ああ、明日川の水位が上がるだろうな」なんてのんきに考えて眠った。

次の日、雨はまだ上がっていなかった。
一様、傘を指して橋まで行ってみたけれど、やっぱりでぃはいなかった。
誰もいない橋の上。荒れ狂う川に飲み込まれてしまいそうで、僕は怖くなり、早足で家へ帰った。


18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/28(木) 20:09:46.95 ID:RbXu7zh9O


また次の日。今度は雨は上がっていた。快晴の空だ。
僕は昨日でぃに会えなかったからかな?いつも以上にでぃに会うのを楽しみにしていて、早めにお昼を食べるとすぐに家を出た。
出てから(少し早すぎたかな)と思い、ゆっくり道を歩いていく。
神社の前を通りかかると、ジージーと蝉が鳴いている。こんどはでぃと蝉取りでもしようかな?

そんなことを考えている内に、もう橋についていた。

予想通り、川はあの日のように茶色く渦巻いている。


そして、いつもどおり、でぃは橋の上にいた。


19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/28(木) 20:13:30.20 ID:RbXu7zh9O


でも、見間違いだろうか?今日のでぃは何だかいつもより、キレイ

(*∵)「や、やぁ でぃ」

僕は少しドキドキしながら話しかけた。

(#゚;;-゚)「………ねぇ」

( ∵)「…?」

快晴の空をバックに、でぃが口を開いた。





(#゚;;-゚)「わたし、もう行かなくちゃ」


20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/28(木) 20:16:46.58 ID:RbXu7zh9O





( ∵)「えっ…?」

それは突然の一言で、理解をするのに少し時間がかかってしまった。

引き留める言葉が出てこない。
僕はまだ君と話したい。もっと色んな事もしたい。
言いたい事は山ほど頭を駆け巡るのに、喉で渋滞を起こす。

(#゚;;-゚)「ビコーズ。私、貴方のこと忘れない」

でぃが僕に背を向けて歩き出す。
なにか、なにかいわなくちゃ


21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/28(木) 20:19:46.59 ID:RbXu7zh9O



いや、君に絶対伝えなきゃいけないことがあった

( ∵)「でぃ…っ!待って!ぼ、僕は」


あの日、君が僕の前に現れたとき
あの日、君が裏山で微笑んでくれたとき
さっき、空を見上げてる君を見つけたとき


僕は思ったんだ


( ∵)「僕は君のことが―――」







            ―――好きなんだ。


22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/28(木) 20:23:47.29 ID:RbXu7zh9O


そう言いかけたとき、でぃが振り向いて

笑った


いつものでぃらしくない、まるで幼い子供のように。無邪気に笑った。
けど、少し寂しそうに見えて

僕は、続きを言うことができなかったんだ。


23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/28(木) 20:27:10.26 ID:RbXu7zh9O


次の瞬間突風が吹いた。

僕は思わず目を瞑った。頬を生暖かい風が打ち付ける。
そして、また目を開けたときにはもう―――――


でぃは目の前からいなくなっていた



( ∵)「でぃ……?」

ぽつりと呟くと、足に何かが当たる感触がした。
みてみると、そこには真っ白なでぃのハットが。


24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/28(木) 20:30:53.18 ID:RbXu7zh9O


きっとさっきの突風で飛ばされてしまったんだろう。
そう思い、僕はハットを拾い上げようとした。

しかしハットは僕の手に触れる前にシュワっという音と共に、水滴と化して空へと上がっていってしまった。


水滴の後を追うように見上げれば、快晴だったはずの空に一つ
「ここは私の舞台だ」と言わんばかりに、小さな雲が浮かんでいた。

茶色く濁った川の上。
ワンピースのように白い白い雲が浮かんでいた。


25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/28(木) 20:33:42.01 ID:RbXu7zh9O







これは、ある夏の、僕の不思議な恋のお話。




[ 2008/09/05 00:30 ] 夏祭りまとめ | TB(-) | CM(0)

コメントの投稿













管理者にだけ表示を許可する







上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。