ブーンミコ酢 ブーン系過去作まとめ

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( ^ω^)終末は雪となるもようです 1日目

4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/28(木) 18:11:15.65 ID:O2PBaOPsO

 

 いつ訪れるやも知れない、未来のこと。
 八月、真夏の真っ只中、雪が降った。

 いやに暑い夏であった。連日、過去最高の気温を記録していた。その中、雪が降った。
 勿論これは異常である。更に、それから毎日、雪の予報がされる。
 各国は、これを地球危機として発表。テレビ東京も緊急特番を組んだ。

 科学者たちは原因究明を急ぎ、政治家たちは今後に向け法改正に動き始める。

 しかし、雪はいつまでも積もるばかりだった。



     終末は雪となるもようです





5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/28(木) 18:14:12.88 ID:O2PBaOPsO

 
1日目 諦めの人

(;,,゚Д゚)「……あぁ」

 ギコはちらちらと降っている雪の中、呆然と立ち尽くしていた。
 値上がりを見越して大量に作付けしたトウモロコシが、全てやられてしまった。

( ,,゚Д゚)「このさき……どうしたらええんじゃ……」

 猛暑のおかげで、トウモロコシの出来はすこぶる良かった。
 それが、まさか一晩で全て枯れてしまうとは、ギコは想像していなかった。
 加えて、この異常な雪。なんとなく、真白でないように見える。

 昨晩は異様な冷え込みだった。まさかと思って出てみれば、死んだトウモロコシ畑。

( ,,゚Д゚)「……うちさ帰るかね」

 夏だというのに身震いをして、ギコは引き返した。



6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/28(木) 18:17:04.00 ID:O2PBaOPsO

 
(*゚ー゚)「ギコ! どうじゃった?」

( ,,゚Д゚)「壊滅じゃ、壊滅……もうわしらはやってけんかも分からんね」

 ギコが家に帰るなり、彼の妻は尋ねた。
 二人で育ててきた、息子のようなトウモロコシ畑だ。彼女、しぃも不安で仕方なかっただろうし、
 ギコの言葉を聞いて、しぃはがっくり膝をついてしまった。

(*゚ー゚)「……オラたちのトウモロコシ畑も、もう終いなんじゃな」

( ,,゚Д゚)「しぃ……」

 ギコは、うずくまって震えるしぃの、皺がたたまれた小さな手を取った。

(*゚-゚)「これから、どうすっかね……」

 今にも泣き出しそうな顔を上げて、しぃは言う。



8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/28(木) 18:20:03.56 ID:O2PBaOPsO

 
( ,,゚Д゚)「……どうしようも、ないじゃろな」

 ギコは長靴を脱いで、僅かに付いていた雪を払った。

( ,,゚Д゚)「……やっぱり、この雪はおかしいぞ。白くないし、そもそもいま夏じゃし」

(*゚ー゚)「天気予報じゃと、少なくともこの一週間は降るってな。それまではなんも出来んよ」

( ,,゚Д゚)「……はぁ、一週間。長く生きとりゃこんな事もあるもんかねぇ」

(*゚ー゚)「あるわけないっしょ、馬鹿じゃないの。……いよいよ人間サマの時代もおしまいかね」

 雪が、土間で融け、やがてじわじわと気体を発していたのは、誰も見なかった。
 ギコは、朝食のサンドイッチを食みながら、テレビの前の椅子に座る。



9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/28(木) 18:23:09.10 ID:O2PBaOPsO

 
(*゚ー゚)「……しっかし、あんなに暑かったんに、なしていきなし雪なんぞ……」

 今回の、真夏の雪。そのメカニズムは全く解明されていなかった。

 ただ、気温が著しく下降したこと、いま、世界中に厚い雪雲がかかり、
 これがしばらく止む見込みはないと言うことだけ分かっている。

( ,,゚Д゚)「理由なんて、わしらにゃ関係ないわ」

 ギコはぶっきらぼうに言った。

( ,,゚Д゚)「そんより、東京に行った息子は大丈夫かね?」

(*゚ー゚)「あぁもう、なんじゃ、言うと思った」

 しぃは苦笑した。ギコの子煩悩は、夏に雪が降ったって変わりないらしい。
 ギコは「なんだよ」と睨んでから、やはり笑った。



10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/28(木) 18:26:35.71 ID:O2PBaOPsO

 
(*゚ー゚)「ジョルジュはさっき電話してきちょったよ。お友達の研究所に来とるんじゃって。
     今、みんなで雪を止めようとがんばっとる頃じゃろ」

 しぃは薬缶に湯を沸かしながら、その日で手を暖めていた。
 酷暑の中の唐突な極寒は、ただでさえ辛いだろうに、老体の二人への影響は計り知れないだろう。

( ,,゚Д゚)「じゃあ、いま電話したら迷惑かのう。まあえぇ、しぃ。倉庫の作物をみんな売ってまおか」

 じゅうっ、としぃの手が一瞬薬缶の表面で焼けた。

(;゚ー゚)「あっちゃちゃちゃちゃ!」

 やや緩慢な動きでしぃは退き、手首を振り回すと、「真夏にこんなもん要らん」と、薬缶を火からおろした。

(;゚ー゚)「ギコ、そらどういう意味じゃ?」

( ,,゚Д゚)「どういう意味て。じゃからな、倉庫に収穫した作物があるじゃろ。それを売る!」

(;゚ー゚)「そんな事は分かっとる! 何で売る!」



11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/28(木) 18:29:05.94 ID:O2PBaOPsO

 
 しぃは、ギコがいよいよボケたかと疑った。
 そしてすぐ、自分の考えが、安寧秩序の社会にふやけている事を知った。

( ,,゚Д゚)「じゃから。そんで作った金と、今ある金をみぃんな、ジョルジュに送る。それを資金にしてもらうんじゃ」

(*゚-゚)「……ギコ?」

 正気の沙汰ではなかった。全て売り払うとして、自分たちはどうなる?
 冷蔵庫の残りだけで、今後を賄えるはずもない。ギコの言動に、しぃは戸惑った。

(*゚ー゚)「……またそんな事言って」

( ,,゚Д゚)「わしゃあ本気じゃ。ジョルジュならこの雪を止めると思うとるんじゃ」

(*゚ー゚)「わしじゃってそう信じたか。けど……」

( ,,゚Д゚)「じゃったら任せようや。こん星の未来を、ジョルジュに」

 ギコがこれほどまでに焦っている理由が、しぃには分からなかった。
 自分の人生を諦めてまで、この雪を止めなければならないのだろうか?



13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/28(木) 18:32:06.05 ID:O2PBaOPsO

 
(*゚ー゚)「……ギコ」

( ,,゚Д゚)「ん?」

(*゚ー゚)「あんた……死期、悟ったん?」

 そうとしか思えなかった。「死のう」なんて言う人間は、厨二病か死期を知った老人だ。
 ギコが今更厨二病にかかるとも思えない。だから、きっとギコは。

( ,,゚Д゚)「まぁ、そんな所だ。最後の願いと思って、聞いちゃくれねえか」

(*゚-゚)「ギコ……」

 生涯最期の願いだと言って、しぃは断れるはずもなかった。
 これを受け入れることで、自分に苦しみがやって来るとは分かっていた。

(*゚ー゚)「わぁったよ。勝手にすりゃいい」

( ,,゚Д゚)「ん、ありがとさん。……それじゃあ、業者を呼んでっと」

 *




14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/28(木) 18:35:04.07 ID:O2PBaOPsO

 
( ´∀`)「こんなもんでどうですかモナ?」

( ,,゚Д゚)「どれどれ……!」

   。 。
  / / ポーン!
(,, Д )

  * *   * *
 * * * * * *
  * *    * *
     パーン!
(,, Д )

(*゚ー゚)「やっぱし夏の花火はええの」

 モナーは、付き合いの長い信用できる仲介業者だ。しかし、ここまでの額を提示するとは、ギコも意外だった。
 意外すぎて、眼球が飛び出て爆発した。

(;,,-Д-)「いや、こりゃ無理してるでしょ、モナーさん」

(;゚ー゚)「1kgあたりが……3600円!? ちょっと、わしら冗談に付き合ってるような暇は……」

( ´∀`)「本気だモナ」

 あまりに相場と桁違いすぎた。焦りまくる二人に、モナーは電卓を懐にしまいながら、土間に座り込んだ。



16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/28(木) 18:38:02.65 ID:O2PBaOPsO

 
( ´∀`)「藻前ら、そもそも何で倉のもんを売ろうと思ったんだモナ?」

 しぃは答えに詰まった。まさか、夫が人生を見限って死のうとしたから、とは言えなかった。

(*゚ー゚)「……ちょっと、お金が入り用でさ」

 嘘ではない。実際今ごろジョルジュは資金難に喘いでいるだろう。
 ……もし、あそこの電卓にあった金額が手に入るなら。

( ´∀`)「モナは、滅びを悟ったんだモナ。だからいっそ死のうかと」

 それまで、眼の欠片を集めて合わせていたギコが、いよいよあるべきものを眼窩に収めて言う。

( ,,゚Д゚)「じゃああんたも、わしとおんなじじゃな」

 ギコは、不審な目をするモナーに、自分の考えを説明した。



17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/28(木) 18:41:17.24 ID:O2PBaOPsO

 
( ´∀`)「なーるほどー」

 そしたらモナはこうするモナ、と顎を撫でる。

( ´∀`)「モナは君らにお金を渡す。それからモナは、生きたい人々に君らのトウモロコシを寄付するモナ」

( ,,゚Д゚)「殊勝な死に方じゃな」

 ギコはどこか小馬鹿にしたように笑って、それでもモナーを讃えていた。二人で声を上げて笑い、ギコは気付く

( ,,゚Д゚)「しぃ?」

 しぃは胸を押さえてうずくまっていた。その苦しみを、ゼェゼェと荒い息で体現しながら。

(;゚ー゚)「ギコ……わし、なんか苦しく……」

(;,,゚Д゚)「……分かった。もう話さなくていい。お前は奥で寝てて構わん」

 しぃの体調不良の原因は何となく知れていた。まさか、屋内まで来ていようとは。
 済まなそうに奥へ歩いていくしぃの背中に、ギコは言った。

(;,,゚Д゚)「……まだ、死ぬんでねぇぞ」

(*゚ー゚)「……ん」



18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/28(木) 18:44:08.97 ID:O2PBaOPsO

 
(;´∀`)「何事だモナ?」

 しぃが消えてった方を心配そうに眺めて、モナーは尋ねた。

( ,,゚Д゚)「恐らく、この雪の所為じゃ」

( ´∀`)「雪……モナ?」

( ,,゚Д゚)「あぁ」

 徐々に積もるようになってきた雪は、止む気配がない。一週間続くと言われたのだから当然か。
 相変わらず、僅かなネズミ色を混ぜて、窓の外で踊っている。

( ,,゚Д゚)「わしも若干気分が悪い……じゃが、息子にさっきのン百万を送るまでは死なんよ」

( ´∀`)「そうだモナ。収穫をモナのトラックに積むのは、明日でも良いモナ」

( ,,゚Д゚)「近くの銀行に行こう。トラックを出せ」

 今は、自分の残りの命を精いっぱい輝かすだけ。ギコはもう、いつかの若輩の目に戻っていた。



19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/28(木) 18:47:13.81 ID:O2PBaOPsO

 
 世界のために、命も捨てる。
 いつだったか、そんな死に方に憧れもしたか。

( ,,゚Д゚)(……いや、)

 今も、憧れているんだ。でなければ、この鼓動の高鳴りに説明がつかない。

( ´∀`)「ギコ」

 トラックで雪の降る道を飛ばすモナーが、ぼんやりと見えにくい前方を見据えながら言う。

( ´∀`)「藻前がそこまでしてお金を寄越したい、息子さんって何をしてるんだモナ?」

( ,,゚Д゚)「うぅん……よく知らんが、東京で科学者ゆうもんをやっとるな」

( ´∀`)「……なるほど。いやはや、その子にほんとに雪を止められたら困りもんだモナ」

( ,,゚Д゚)「その時は……どうしようかの?」

 考えても仕方がなかった。もともと後戻りのきかない方法だ。
 こんな後先ないものを実行してしまうのも、老いたる徴だろうか。ギコは窓の外を見て、フッと笑った。



20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/28(木) 18:50:13.16 ID:O2PBaOPsO

 
(;´∀`)「ギコ……なんか、やたら救急車が通らないかモナ?」

 たしかに、とギコは頷く。むしろ、先ほどからサイレンが止んだためしがない気がする。
 ギコはじっと外を観てみる。ふと、通り過ぎた人影の様子がおかしかった。

( ,,゚Д゚)「やっぱり、雪の所為じゃな」

(;´∀`)「この雪……なんなんだモナ?」

( ,,゚Д゚)「分からん。だが、危険なことには違わん。あまり外に出んほうがいいじゃろ」

(;´∀`)「……気をつけるモナ」

 かくして、銀行に到着し(車から銀行内までは息を止めた)、
 モナーとギコの貯金を、みなジョルジュのところへ集めた。

(,,-Д-)「任せたぞ、ジョルジュ……」

(;´∀`)「こんな所で柏手を打つなモナ。受付のねーちゃんに睨まれてるモナ」



21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/28(木) 18:53:06.48 ID:O2PBaOPsO

 
 それから、モナーに送られて家に帰ったギコは、すぐさま奥の間で寝ているしぃの元へ向かった。

(;,,゚Д゚)「しぃ、調子はどうじゃ?」

(*゚ー゚)「ん……少しは良くなったよ」

 しぃは気だるげに手を挙げて、簡素な生命反応を示した。ギコは大きく息を吐いて、
 横たわったしぃの頭を、胸に押しつけるように抱きしめた。

(;,,゚Д゚)「心配だったぞゴルァ……」

(;゚ー゚)「や、やめなさいもう、いきなり……加齢臭!」

( ,,゚Д゚)「……ごめん」

 平謝りをしながら、しぃを手放した。小さな咳をして、また訊く。

(*゚ー゚)「それで? やることはちゃんとやったの?」

( ,,゚Д゚)「もちろんさ。……あ、そだ、ジョルジュに連絡もしないといかんな」

 ギコは畳を立って、黒電話を回しに行った。
 その背中を見送りながら、しぃは心の中で呟いた。

(*゚ー゚)(……ありがとな)



23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/28(木) 18:56:03.27 ID:O2PBaOPsO

 
( ,,゚Д゚)「はぁ……さて、わしのやりたい事はみんな終わったかな」

(*゚ー゚)「……なぁ、やっぱり他の道はなかったんかい?」

 ギコは頭を掻いた。

( ,,゚Д゚)「もうちびっと生き延びる道はもちろんあったじゃろうな。
     ……じゃが、地べた這いずって、何もできないままこの雪にやられるよか、えかったと思う」

(*゚-゚)「……分からんね。ほんとかどうか。……まぁ、」

 疑るような目を向けながら、しぃは笑みを堪えられないようだった。

(*゚ー゚)「信じる信じないの話とちゃうけど……わしゃあ、ギコがやろうとしたことは、みんな正しいって信じるて」

( ,,゚Д゚)「……あぁ」

(*゚ー゚)「……なぁ、ギコ」

 しぃの手が、僅かに目的の方向とは別に行きかけてから、ギコの服の裾を掴んだ。



24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/28(木) 18:59:07.95 ID:O2PBaOPsO

 
 ギコはそれを見逃さなかった。

(;,,゚Д゚)「しぃ、お前、もう……」

(*゚ー゚)「……目が、ちょっと悪いかねえ。まぁええさ、ギコ」

 ギコは、自分の腰元にあった、震えるしぃの手をぎゅっと握った。

(*゚ー゚)「……どうやって、死のうけぇ?」

(,, Д )「……っ」

 いまさら、ギコは悔いた。しぃが同意しているかしていないかなど関係ない。
 彼女を決断に追い込んだのは自分だ。正義を掲げ逃避する、愚かな自分だ。

( ,,゚Д゚)「そうじゃな……」

 今から償うことは叶わない。せめて、しぃの気持ちからは逃げないで、応えようと思った。

( ,,゚Д゚)「外行こうや。雪が綺麗じゃて」

(*゚ー゚)「……ええね」



25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/28(木) 19:02:09.46 ID:O2PBaOPsO

 
 綺麗に言ってみるなら、雪が彩る葬式とも言える。しかしこれは、ただ野垂れ死にだ。

(*゚ー゚)「……ほんとに、雪が降っとうね」

 この日はじめて、立ち止まって雪を見れたしぃは、降りてくる雪をいくつも手に乗せていた。
 灰色の空の向こうから降ってきているような、わずかな黒を帯びた雪。

( ,,゚Д゚)「……いまさら、何言ってんじゃい」

(*゚ー゚)「じゃって、こんだけ長く生きとって、雪を見るんは初めてじゃ。てんしょんも上がるわ」

( ,,゚Д゚)「ふーん、はいからな言葉を……まぁ、この辺は雪の降る気候じゃあらんしな」

 毎年、酷暑に見舞われるこの地域では、冬でも雪は降らなかった。
 ギコもしぃも、この地で生まれ育った。テレビの天気予報で見る雪だるまのマークをみては、今年こそと心を躍らせたものだった。



27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/08/28(木) 19:05:11.62 ID:O2PBaOPsO

 
(*゚ー゚)「ギコ……わしな、夢があったんよ」

( ,,゚Д゚)「そりゃあ何じゃ?」

 しぃは朽ちたトウモロコシの茎を撫でながら、やっぱり空を見ていた。

(*゚ー゚)「ギコと一緒に、雪を見るんじゃ。……だから、今、叶ったねぇ」

( ,,゚Д゚)「……こんな年になって、こんな季節に……こんな雪でも、雪は雪じゃからな。
     ……わしも、最期にしぃと雪が見れたこと、幸せに思うのぅ」

 不意に、強い眠気が襲う。ギコは「はふぁ」と欠伸をして、急に真剣な目になって言った。
 
( ,,゚Д゚)「しぃよ。こんなジジィになって薄気味悪いことを言うが、聴いてくれ」

(*゚ー゚)「……なんね? ……早よ、言って……」

 既にしぃは辛そうだ。ギコは唾を飲み込んだ。

(;,,゚Д゚)「……あ、あいしてる。しぃと居れて、幸せじゃった」

(*゚ー゚)「……わしもじゃ、ギコ……」

 それが、二人の間に交わされた最後の会話となった。

 翌日、モナーが商品を引き取りに来た際、二人は肩を寄せ合って、
 若き恋人たちが眠りに就いているように死んでいたという。



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[ 2008/09/01 23:36 ] 夏祭りまとめ | TB(-) | CM(0)

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