ブーンミコ酢 ブーン系過去作まとめ

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lw´‐ _‐ノv陽炎の夜のようです

2 名前:(-_-) ◆06NY4sFIG. :2008/08/27(水) 20:19:09.85 ID:pF2ZjsKN0

―――――8月12日


(-_-)「……」

カチッ カチカチッ


(-_-)「……エフッ」


(-_-)「エフッ エフッ エフッ エフッ」


(*-_-)「「アハッ ハハハハハ ハハハハハ、想像上のカマキリだとォ!!?」」lw´*‐ _‐ノv


(;-_-)「……あれ?」


3 名前:(-_-) ◆06NY4sFIG. :2008/08/27(水) 20:22:33.23 ID:pF2ZjsKN0













lw´‐ _‐ノv陽炎の夜のようです













4 名前:(-_-) ◆06NY4sFIG. :2008/08/27(水) 20:25:54.83 ID:pF2ZjsKN0

lw´‐ _‐ノv「ユージロー乙」

(;-_-)「え?え、え?」


いきなりの女の子の登場で、ぼくは現状を把握できずに戸惑ってしまう。


……何が起こったのか、理解するために少し記憶の整理をしよう。

ぼくの名前は小森 マサオ。
長男の17歳、現在ヒキコモリの高校生。
母親はすでに他界、父親は仕事の都合でほとんど家にいない。

今日も家に1人きりだったため、2ちゃんねるで面白そうなスレを探してた。
そしてとあるスレを見つけて1人で大笑いしてた。

はずだったんだけど……。

lw´‐ _‐ノv「おっと、そういえば挨拶がまだだったね。
       こんばんわっと」

(;-_-)「こ、こんばんわ……じゃなくて」

(;-_-)「えと……き、キミ、誰?」

目の前の女の子を見る。
白いシャツに短めのネクタイ、デニムのホットパンツ。
ロングのストレートで眠そうに細めている目と、アニメに出てくるような幼い声が印象的だ。


5 名前:(-_-) ◆06NY4sFIG. :2008/08/27(水) 20:29:16.54 ID:pF2ZjsKN0

人と話すのは久しぶりだ。
言葉が上手く出てこなかったが、何とか質問することが出来た。
そしてぼくの言葉を聞いた女の子は、表情を変えずに答えてくれた。

lw´‐ _‐ノv「一応、君のクラスメイトだよ。
       とりあえず自己紹介しとくね。
       私の名前は、砂尾 示由流(すなお しゆる)。
       みんなからシュールとかシューとか呼ばれてるから、君もそう呼んでくれると嬉しい」

lw´‐ _‐ノv「ちなみに私の名前はDQNネームじゃないよ。
       親が悩みに悩みぬいて考えた名前だよ。
       名前の由来がたしか……『示した理由を流す』だったかな?」


流したらだめじゃん……っていうかそんなこと聞いてないけど。

lw´‐ _‐ノv「まあ由来は嘘だけど」

いきなり嘘宣言ですか。カミングアウト早すぎでしょ。

lw´‐ _‐ノv「嘘を言ってもすぐ話す。それが私のジャスティス」

…………なんというか。


6 名前:(-_-) ◆06NY4sFIG. :2008/08/27(水) 20:32:35.08 ID:pF2ZjsKN0

(-_-)「……こほん。あ、あの、砂尾さん?」

lw´‐ _‐ノv「……他人行儀だね。私と君との仲なのに」

(;-_-)「……他人ですがなにか?じゃなくて」

lw´‐ _‐ノv「?」

(;-_-)「な、なんで勝手に人の家に上がりこんでるの?しかもこんな時間に?」

lw´‐ _‐ノv「??」

(;-_-)「……ただいま夜の11時なんですけど」

lwσ‐ _‐ノv「????」


(;-_-)「そこでワケワカランって顔しないで!!」


lw´‐ _‐ノv「……」


lw´‐ャ‐ノv ニヤ


(;-_-)「な、なに?」

lw´*‐ _‐ノv「元気があるようで安心したよ」


9 名前:(-_-) ◆06NY4sFIG. :2008/08/27(水) 20:35:55.44 ID:pF2ZjsKN0

(;-_-)「……」

砂尾さんはぼくの様子を見るためだけにここにきたのだろうか?
……多分ちがうと思う。

ぼくと砂尾さんは親しい間柄じゃない。
クラスメイトなのに顔を覚えてないぼくがそれを証明している。
そんな空気並みに希薄な関係で、ぼくのことを見にくるとは思えない。

先生に頼まれたからきた、というのも違う気がする。
学校が関わってるのなら、こんな非常識な時間にくるはずない。

だからプライベート的な……何らかの用件があるはずだ。
しかし、彼女はなかなか用件を言い出さない。
会話もさきほどのでストップしてしまった。
もちろん、ぼくからその用件を聞き出す、なんて芸当はできるはずがない。

……ひとまずパソコンの電源を切ることにしようか。

(-_-)「……ふぅ」

カチカチッ

lw´‐ _‐ノv「あれ?パソコンやめちゃうんだ」

lw´‐ _‐ノv「あれれ?どこいくの?」

(-_-)「……」


11 名前:(-_-) ◆06NY4sFIG. :2008/08/27(水) 20:39:17.41 ID:pF2ZjsKN0

とりあえず家を出ることにする。
砂尾さんから離れたかった。
他人を家に置いたままにしておくのは少し不安だが、問題ないだろう。
物を取るつもりならぼくに声をかけないだろうから。


じゃあなんの用でぼくの家にきたのだろう?
家に用がないとするなら、ぼくに用があった……きた理由はこれだろう。

じゃあぼくになんの用があったのだろう?
詳しくは知らない。もしかしたら学校に来いと説得しにきたかもしれない……聞く気も起こらない。

じゃあぼくはどうするべきだろう。
逃げるに決まってる。ぼくはそうやって今日まで過ごしてきたのだから。



lw´‐ _‐ノv「家に友人があがってるのに外出するのってある意味大物だね」

(;-_-)「……ついてこないで」

lw´‐ _‐ノv「いいじゃん減るものじゃないのだから」

(;-_-)「……」

うん。
逃げたかったんだけど砂尾さんは逃がしてくれないみたいだ。
彼女はぼくのうしろにぴったりついてきてた。


13 名前:(-_-) ◆06NY4sFIG. :2008/08/27(水) 20:42:41.83 ID:pF2ZjsKN0

lw´‐ _‐ノv「それで、どこにいくの?」

(;-_-)「……」

行き先は決まっている。
ただ答えたくなかった。
あまりぼくの生活に干渉してほしくなかった。
だから沈黙で抵抗した。

それでも彼女はぼくのあとをついてきたけど。

車の通っていない車道の真ん中を歩き、点滅した信号機がぼくらを照らす。
音は2人の足音しかなく、外が1つの大きな部屋のような錯覚を覚える。

やがて、ぼくらはとある公園にたどり着いた。

すでに消灯時間のため、公園内は暗かった。
それでも明かりがないわけではない。
ぼくは自動販売機の光を頼りに、その近くにあるベンチに腰を下ろす。
砂尾さんもぼくに倣って腰を下ろす。

lw´‐ _‐ノv「こんなところになにがあるの?」

(-_-)「……なにもないよ」

lw´‐ _‐ノv「フーン」


15 名前:(-_-) ◆06NY4sFIG. :2008/08/27(水) 20:46:15.03 ID:pF2ZjsKN0

(-_-)「……」

lw´‐ _‐ノv「……」

(;-_-)「ね、ねえ」

lw´‐ _‐ノv「ん?」

(;-_-)「そ、そろそろ日付が変わると思うよ。帰らなくていいの?」

lw´‐ _‐ノv「姉ちんに事情を話してきたから問題ない」

……どんな事情を話したのですか?

lw´‐ _‐ノv「……」

(;-_-)「……」

しかし……緊張するなぁ。
とにかく落ち着くんだ、ぼく。
ぼくにはもう1つ聞かなければならないことがあるはずだ。
どもってまともな会話ができなければ、翌日悶え苦しむのは自分なのだから。

深呼吸を1つ、2つ……


17 名前:(-_-) ◆06NY4sFIG. :2008/08/27(水) 20:49:36.68 ID:pF2ZjsKN0

(-_-)「ねえ」

lw´‐ _‐ノv「ん?」

(-_-)「なんでぼくにかまうの?」

lw´‐ _‐ノv「……」

(-_-)「ぼくは1人でいられればそれでいいんだ。
     だから放っておいてよ」

lw´‐ _‐ノv「……」

(-_-)「……」

lw´‐ _‐ノv「どうしてだろうね」

(-_-)「え?」

lw´‐ _‐ノv「んー……とりあえずあとで理由を話すよ。
       今は言えないってことで納得してほしい」

(-_-)「……」

lw´*‐ _‐ノv「秘密を持ってるってかっくいいよね?」

(;-_-)「……」


19 名前:(-_-) ◆06NY4sFIG. :2008/08/27(水) 20:53:06.03 ID:pF2ZjsKN0

(;-_-)「はぁ……」

lw´‐ _‐ノv「……」


lw´‐ _‐ノv「ねえ」

(-_-)「……うん?」

lw´‐ _‐ノv「君は1学期のあいだ、学校に来なかったよね?」

(-_-)「……」

lw´‐ _‐ノv「別に来ないから悪いといってるわけじゃないよ。
       私は教師でも委員長でもないから。
       ただ来ないなら来ないなりに理由でもあるんじゃないのかなって思って」

(-_-)「……」

ぼくは今年の2月から学校に行ってない。
今、引きこもってるのに理由らしい理由はない。
ただ、行きたくないから行かないだけだ。

あえて理由をあげるとするなら、

(-_-)「そういう考え方をしてるからかな?」

lw´‐ _‐ノv「kwsk」


20 名前:(-_-) ◆06NY4sFIG. :2008/08/27(水) 20:57:40.60 ID:pF2ZjsKN0

(-_-)「今はどうも学校にいく気がしないんだ。
     皆が楽しくやってても、それに入り込めない。
     なにかが違ってる気がして、ね」

lw´‐ _‐ノv「ふーん」

(-_-)「まあ、苛められたからとか忙しいから、……などで不登校してるわけではないんだ。
     だから引きこもってる明確な理由もないんだ。
     今言った理由も、それほど悩んでるわけではないから理由にはならないだろうし」

lw´‐ _‐ノv「なるへそ」

(-_-)「……」

lw´‐ _‐ノv「……」

(-_-)「……」

lw´‐ _‐ノv「……」

(;-_-)「……ねえ」

lw´‐ _‐ノv「ん?」

(;-_-)「……黙らないでなにかしゃべって」

lw´‐ _‐ノv「っと言われてもねえ」


22 名前:(-_-) ◆06NY4sFIG. :2008/08/27(水) 21:00:53.87 ID:pF2ZjsKN0

引きこもり生活はとても閉鎖的だ。
そのため対人恐怖症に陥りやすい。
ぼくだって久しぶりに人と話すので、黙られると怖く感じる。

逃げちゃおうかな?

lw´‐ _‐ノv「私は君が不登校してる理由について、言うことはないよ。
       そういう考えもあるだろうし」

(;-_-)「……え?」

意外な言葉が返ってきた。
理由なく不登校していることを話せば、説得してくるものだと思ってた。
しかし、出てきた言葉は肯定だった。
おかげでぼくはみっともなく混乱してしまった。

(;-_-)「……登校するように説得しないんだ?」

lw´‐ _‐ノv「しないよ」

(;-_-)「???」

彼女は何を考えてるのだろう?


23 名前:(-_-) ◆06NY4sFIG. :2008/08/27(水) 21:04:11.06 ID:pF2ZjsKN0

(;-_-)「……砂尾さんは何しに来たの?」

lw´‐ _‐ノv「君に会いに来たんだよ」

(;-_-)「え?あ?………う?」


会いに?
ただそれだけのために?
えーと?
実はぼくのことが?
いやいや、そんなわけない!!
むしろ……

そうか、罰ゲームだ!
好きでもない男に告白するやつだ!!
今回の罰ゲームでぼくのところにきたんだ!!
そうに違いない!!!


lw´‐ _‐ノv「どうどう」

(;-_-)「ぅええ!!」


    い  き  な  り  抱  き  つ  か  な  い  で  え  え



25 名前:(-_-) ◆06NY4sFIG. :2008/08/27(水) 21:08:01.62 ID:pF2ZjsKN0

lw´‐ _‐ノv「……」

(;-_-)「あうあうあう!」

lw´‐ _‐ノv「………」

(;-_-)「あうあぅ」

lw´‐ _‐ノv「…………」

(;-_-)「あぅ」

lw´‐ _‐ノv「……………」

(;-_-)「……………」





lw´‐ _‐ノv「……落ち着いた?」

(;-_-)「……うん、だから離して」

lw´‐ _‐ノv「ほいほい」


砂尾さんはすぐ離してくれた。
やわらかかったなあ。


26 名前:(-_-) ◆06NY4sFIG. :2008/08/27(水) 21:11:18.43 ID:pF2ZjsKN0

lw´‐ _‐ノv「少し話を戻そうか。
       どうして登校するように説得しないか。
       君はそこに疑問を感じてるんだね?」

(;-_-)「う、うん」

lw´‐ _‐ノv「こういう言葉がある。
       『人間はひとくきの葦にすぎない。自然のなかで最も弱いものである。だが、それは考える葦である』
       ……意味分かる?」

(;-_-)「え、えと。
     人間は自然の中では矮小な生き物にすぎないが、考えることによって宇宙を超えるって意味だっけ?
     たしかパスカルって人の言葉だったかと」

lw´‐ _‐ノv「正解。彼の書いたパンセって断片集の一文だね」

lw´‐ _‐ノv「ではもう1つ質問。
       なんで考えることで宇宙を超えると思う?」

(;-_-)「……分からない」

lw´‐ _‐ノv「あのね。それは人間の頭の中には無数の自分がいる、ってことじゃないかな?」

(;-_-)「……えーと?」


28 名前:(-_-) ◆06NY4sFIG. :2008/08/27(水) 21:14:33.83 ID:pF2ZjsKN0

ぼくが砂尾さんの言葉を理解できなかった。
そんなぼくの様子を見た砂尾さんは、少し長くなるよ、と前置きをして説明してくれた。

lw´‐ _‐ノv「例えば、アイスを買いたいけどお金があまりないとしよう。
       当然、買うかどうか悩むよね。
       で、そのとき頭の中には、『アイスを買いたい自分』と『お金を使いたくない自分』の2種類の葦が確認できる」


lw´‐ _‐ノv「もっと細かく見ると、
       『おこづかい日が近いから買ってもいい自分』
       『太るからいらない自分』
       『どうしても誘惑に勝てない自分』
       『万引きしてアイスにありつこうとしている自分』……」


lw´‐ _‐ノv「簡単に考えてもこれだけの葦が確認できる」


lw´‐ _‐ノv「これより多くの葦が確認できたなら、人の頭の中は1つの世界と定義できる。
       さらに未知の葦の存在も含めると、それは1つの宇宙と定義できる。
       ……パンセなんて読んだことないから、私は勝手にそう解釈しているんだけどね」

lw´‐ _‐ノv「で、ね。
       そうなると頭の中の妄想世界と私たちが生きている現実世界、それらはとてもよく似ている。
       現実世界には、よく知る友達や知らない他人がいる。
       妄想世界にも、よく知る自分や知らない自分がいる。
       それなら現実世界と頭の中の世界はリンクしてるんじゃないかな?。
       妄想は現実があって成り立つものだからね」


29 名前:(-_-) ◆06NY4sFIG. :2008/08/27(水) 21:17:48.88 ID:pF2ZjsKN0

lw´‐ _‐ノv「私は私をよく理解できていない」


lw´‐ _‐ノv「そして私の中には『殻に引きこもる』葦の存在はまだ確認できていなかった」


lw´‐ _‐ノv「だから私は君には何も言えない」


lw´‐ _‐ノv「できることといったらせいぜい……それも1つの考え方かな、と肯定することだけなの」


安易な否定は思考停止してるのと同じだからね、と締めくくる。
それを聞いた感想は、

(;-_-)「……ずいぶん難しく考えてるね」

lw´‐ _‐ノv「そういうのが好きだから」


ぼくは脳内言語バーを出して1つの単語を登録する。

語句は『砂尾 示由流』
読みは『へんなやつ』

登録はすぐに終わった。


30 名前:(-_-) ◆06NY4sFIG. :2008/08/27(水) 21:21:06.51 ID:pF2ZjsKN0

lw´‐ _‐ノv「つまるところ、私ごときが君の考えに口出しできないってことだね。
       私が君と接触して『殻に引きこもる』葦をもらうことが出来たけど、まだ私の中に根付いていないから」

今の砂尾さんの言葉をすぐには理解できなかった。

えーと?こういうことかな?
“葦をもらう”っていうのは、ぼくのような考え方があると認識することで。
“根付いていない”っていうのは、完璧に理解しているわけではないってことかな?

lw´‐ o‐ノv「ん……ふぁあ」

(-_-)「……ねむいの?」

lw´‐ _‐ノv「ん?うん、いつも日付が変わるあたりに寝てるからね」

(-_-)「ふぅん」

そういえば今は何時くらいだろう。
まあ、確実に日付は変わっているだろう。
ぼくは引きこもってから、夜型になったのでなんともないけど。
砂尾さんは頭がゆらゆら揺らいでいる。

(-_-)「……もう帰ったほうがいいよ」

ここで、送っていくよ、と出てこなかったのは、ぼくが臆病者だから。
早く1人になりたいというのもある。
そんな卑屈な考えを露とも知らず、砂尾さんは、そだね、と告げた。


31 名前:(-_-) ◆06NY4sFIG. :2008/08/27(水) 21:23:30.06 ID:pF2ZjsKN0

lw´‐ _‐ノv「よっと」

彼女はベンチから立ち上がり、軽く体を伸ばす。
そのまま公園の出口へ足を向け……唐突に立ち止まり、ぼくの方を振り向く。

lw´‐ _‐ノv「そうだ。君に1つ問題を出そう」

(;-_-)「……?」


lw´‐ _‐ノv「『自分』とはなんぞや?」


lw´‐ _‐ノv「よく考えて答えを出してほしい」

lw´‐ャ‐ノv「おやすみ、ヒッキー」

彼女はそこまでいうと、今度こそ公園を出ていった。
そうしてぼくは1人になる。
『自分』とはなにか?
えらく哲学的なことを聞いてくるなぁ。
しかもいきなりそんな質問をぶつけてくるとは。

いや、それより……

(;-_-)「……ヒッキーって……ぼくのこと?」



32 名前:(-_-) ◆06NY4sFIG. :2008/08/27(水) 21:27:08.06 ID:pF2ZjsKN0

砂尾さんと別れたあと、無人の町を適当にぶらついた。
夏の夜特有の生ぬるい風をうけながら、ぼくは考える。

(;-_-)「……なにがしたかったんだろ?」

ぼくに会いにきて、外出するときは後ろを付いてきた。
ぼくと話をして、最後にはよく分からない質問をしてきた。

やっぱり罰ゲームかな?


んー、分からない。
分からないから違うことでも考えよう。
去り際に、自分とはなにか?って聞いてきたなあ。


自分、ねえ……。


(-_-)「とりあえずバカな奴だってのは分かるんだけどさ……」


1人ごちる。
もうちょっと散歩を続けてから家に帰ろうかな。




33 名前:(-_-) ◆06NY4sFIG. :2008/08/27(水) 21:30:23.07 ID:pF2ZjsKN0

―――――8月13日


(-_-)「……」


(-_-)「……」


(-_-)「……」


(-_-)「……」


lw´‐ _‐ノv(-_-) …フゥー


(-_-;)「あwせdrftgyふじこlp;@:!!!!」




35 名前:(-_-) ◆06NY4sFIG. :2008/08/27(水) 21:33:55.28 ID:pF2ZjsKN0

(;-_-)「す、す、すす砂尾さん!!」

lw´*‐ _‐ノv「耳に息を吹きかけられて、そんなに慌てるなんて……案外かわいいところあるじゃん」

誰でも慌てますから!

lw´‐ _‐ノv「というわけでこんばんわ、ヒッキー」

(;-_-)「こ、こんばんわ……じゃなくて」


混乱して言いたいことが出てこない。
いろいろ文句を言いたいのはたしかなのに。

不法侵入とかまた夜の11時にきたのかとか
耳に息を吹きかけないでとか夜に男の家にくるなとか
ぼくにかまわないでくれとかどうせくるなら分かるようにきてほしいとかえーとえーと!!


lw´‐ _‐ノv「……落ちついて。
       まだ慌てるような時間じゃないよ」


38 名前:(-_-) ◆06NY4sFIG. :2008/08/27(水) 21:37:41.10 ID:pF2ZjsKN0

(;-_-)「あ……ぐ……」

lw´‐ _‐ノv「……まったく」


lw´‐ _‐ノv「落ちつかないと、思春期の男の子がもってると言い伝えられてる聖書を全部もっていくよ?
       ベッドの下とか机の引き出しの奥が隠し場所の定番なんだよね?」






(;-_-)「 そ う だ ! 外 に 出 よ う ! ! 」





lw´‐ _‐ノv「え?」

lw;‐ _‐ノv「わわ、引っ張らないで」


これ以上なにかされてたまるか!!


39 名前:(-_-) ◆06NY4sFIG. :2008/08/27(水) 21:40:40.70 ID:pF2ZjsKN0

で、砂尾さんを連れて昨日の公園にまたきた。
2人で自動販売機の近くにあるベンチに座る。


lw´‐ _‐ノv「……そんなに聖書が大事なの?」

(;-_-)「……」

女性の裸ばかり載ってる聖書をあなたに見られるのが大事なんです!
……とはとてもいえないなぁ。

とりあえず話をはぐらかすとしよう。

(;-_-)「なんでまた来たの?」

lw´‐ _‐ノv「ん?昨日、ある程度話さなかった?」

(;-_-)「今は話せないってしか聞いてないよ」

lw´‐ _‐ノv「ちゃんとした理由はあとで話すよ」

(;-_-)「……今話せばいいじゃん」

lw´*‐ _‐ノv「秘密があったほうが萌えない?」

(;-_-)「ううん」

lw´‐ _‐ノv「……つまらん」


41 名前:(-_-) ◆06NY4sFIG. :2008/08/27(水) 21:43:36.48 ID:pF2ZjsKN0

lw´‐ _‐ノv「ともあれ、そういうことだから楽しみにしてなさいな」

(-_-)「……砂尾さんは素直じゃないね」

lw´‐ _‐ノv「そう?けっこう素直な奴じゃないかなーって思ってたんだけど?」

(;-_-)「自分でそれをいうか……」


(-_-)「でも、なんだかんだで隠し事してるし、素直じゃないんじゃない?
     そんな名字なのにね」

lw´‐ _‐ノv「相手にバカ正直に話すことが素直だっていうのなら、私は素直じゃなくていいよ」

(-_-)「でも素直って相手にバカ正直に話すから表現できるものじゃないの?」

自分に嘘をつかないのは『正直』。
相手に嘘をつかないのは『素直』。
こう考えてたんだけど……違うかな?

lw´‐ _‐ノv「そうかもね。
       素直っていうのは、ひねくれてなくて相手の言葉に従順なさま……って意味だからね。
       でも、私は君の質問にちゃんと答えてるよ。
       今、話したくないことは『後で話す』ってちゃんといってるし」


42 名前:(-_-) ◆06NY4sFIG. :2008/08/27(水) 21:46:40.37 ID:pF2ZjsKN0

(;-_-)「……うーん?」

lw´‐ _‐ノv「納得できない?
       じゃあさ、何をもって“素直”を表現できると思う?
       メイドのようにイエスマンになればいいの?
       サラリーマンのように頭を下げ続ければいいの?」

(;-_-)「それは違うでしょ……。
      彼らは仕事で従順なんだから」

lw´‐ _‐ノv「でも、プライベートで従順にふりまかないと素直じゃないと一概にはいえないよ?
       そもそも『従順』とは自分を放棄していること。
       それは自分に正直じゃないことを意味している。
       自分を偽って相手に接すれば、嘘をついてるも同じでしょ?」

(;-_-)「そう、なのかな?」


彼女のいってることは硬論で邪論じみてる。
でも、数式のように道理に沿って持論を展開していってる。

おかげで、ぼくの頭は熱をもち始めてきた。


43 名前:(-_-) ◆06NY4sFIG. :2008/08/27(水) 21:49:31.18 ID:pF2ZjsKN0

lw´‐ _‐ノv「だからこそ嘘をつく、つかないはそんなに大切なことじゃないよ。
       大切なのは自分の意思をもつ事だよ。
       そこを忘れてしまえば、私たちは駄作 ・ 原作レイプのアニメの登場人物と同じだよ。
       テンプレートな行動しかできない私たちが自分の意思を持たないと、結果、うすっぺらい人間にしかならない」

(;-_-)「……テンプレート?」

lw´‐ _‐ノv「そ。
       私たちはキラ様みたいにフリーダムじゃないんだ。
       肉体的、精神的、社会的な縛りでガチガチに固められている。
       だから『常識』、『アイデンティティー』などのテンプレートに従い、行動している。
       べつにテンプレートが悪いといってるんじゃないよ?
       流されようが流されまいが、自分をしっかりもったほうがいいといってるんだ」


lw´‐ _‐ノv「なぜなら私たちは現実を生きてるからね。
       だから私は二次元的な素直さをもってないかもしれない。
       でもね、四次元を生きてる私はなるべく自分に嘘をつかないようにしてるよ」


lw´‐ _‐ノv「なるべく、といってるのは嘘をつかない人間などいないから。
       嘘のない人生を送れるのは、平面に住んでるヒトカタの何かだけだよ。
       なら自らの意思を持ち、うまく嘘と折り合いをつける。もしくは正直に嘘をつく。
       ……それが素直というものじゃないかな?」


(;-_-)「砂尾さんは相変わらず難しく考えるね……」

正直、よく分からないけど……でもなんだか砂尾さんが素直な奴に思えてきたから不思議だ。


46 名前:(-_-) ◆06NY4sFIG. :2008/08/27(水) 21:52:49.11 ID:pF2ZjsKN0

lw´‐ _‐ノv「……」





lw´‐ _‐ノv「ところでさ。その『砂尾さん』っていうの、いいかげんやめてくれない?」

(;-_-)「……え?」

lw´‐ _‐ノv「シュール、シュー、or 示由流。
       どれかで呼んでちょうだいな」

(;-_-)「で、でも」

lw´‐ _‐ノv「……苗字で呼ばれるの、きらいなんだよ」

(;-_-)「……」


(*-_-)「分かった………シュー……ル」

lw´*‐ _‐ノv「おーおー、顔を紅くしちゃってまあ。やっぱ可愛いねえ」

(;-_-)「う」

lw´‐ _‐ノv「ともあれサンクス、ヒッキー」



47 名前:(-_-) ◆06NY4sFIG. :2008/08/27(水) 21:56:27.13 ID:pF2ZjsKN0


 ヒュー

    パーン


(-_-)「ん?」

lw´‐ _‐ノv「花火の音だね。
       深夜だっていうのに若人が頑張ってるのかねえ?」

(-_-)「そういえばそんな季節だったね」

lw´‐ _‐ノv「もうお盆だしね」

(-_-)「そうだったんだ?」

lw;‐ _‐ノv「……カレンダーくらいみなよ」


そんなこと言われても……。
外に出ない生活をしてると日付のことなんて頭からトぶものですよ?
見る必要ないし。


49 名前:(-_-) ◆06NY4sFIG. :2008/08/27(水) 21:59:17.31 ID:pF2ZjsKN0

lw´‐ _‐ノv「そういえば」

(-_-)「ん?」

lw´‐ _‐ノv「今年のお盆なんだけど、ヒッキーはどこかへ行く予定ある?」

(-_-)「ないよ、全然ないよ」

なんせお盆のことなんて今日知ったくらいなんだから。
父さんも何も話さないから、きっと忙しいのだろう。
つまり、明日から引きこもり天国なのだ。

lw´‐ _‐ノv「なら、明日は花火を持っていくよ」

(;-_-)「……」


……スケジュールはシュール強襲地獄に変更してしまいました。


50 名前:(-_-) ◆06NY4sFIG. :2008/08/27(水) 22:02:21.40 ID:pF2ZjsKN0

lw´‐ _‐ノv「さて、今日は何を話そうか?」

(-_-)「もう充分話した気がするんですけど」

lw´‐ _‐ノv「ところがどっこい、まだ日付は変わってない…………っっ!!!!」

(;-_-)「話す以外に何かやることないの?」

lw´‐ _‐ノv「なにもないよ」


シュールは両手を肩の高さまでもってきて、「やれやれだぜ」といいそうなポーズをとる。
どうやら『手ぶらで来た』とアピールしているらしい。
じゃあ、小難しい話をするしかないのか……はぁ。
……知恵熱が出てもいいように覚悟だけはしとこう。

(-_-)「で、何を話すの?」

lw´‐ _‐ノv「そうだね、ここは1つ……」



lw´*‐ _‐ノv「愛、について語り合おうか」

(;-_-)「ぶッッッ!!!!!」


52 名前:(-_-) ◆06NY4sFIG. :2008/08/27(水) 22:05:10.39 ID:pF2ZjsKN0

lw;‐ _‐ノv「ヒッキー……きちゃない……」

(;-_-)「いや、あの、その……あうあう」

lw´‐ _‐ノv「まあ私が君と恋仲になりたい、ってわけじゃないから安心して」

(-_-)「……ですよねー」


lw´‐ _‐ノv「さて、と。
       ヒッキーは愛というものを自覚したことがあるかい?」

(-_-)「……ないよ」

lw´‐ _‐ノv「そういうと思ったよ。
       でもね、ヒッキーの中にも愛はあるんだよ」

(;-_-)「……どこらへんに?」


lw´‐ _‐ノv「家に引きこもる行為。
       いいかえると、これは自分を守る行為なんだよ」

lw´‐ _‐ノv「つまり一般的に『自己愛』って呼ばれてるやつだね」

(-_-)「ふむ」

lw´‐ _‐ノv「……愛とはなにかの対象を肯定する気持ち。
       対象に存在意義や価値を見出したり快を感じたりする気持ちのことだから、」


53 名前:(-_-) ◆06NY4sFIG. :2008/08/27(水) 22:08:39.75 ID:pF2ZjsKN0

lw´‐ _‐ノv「……つまり愛とは欲求のことでしょ?」


lw´‐ _‐ノv「欲求を満たせる存在に対して向ける思考を愛というなら……。
       私たちはシマウマを食べるライオンと違いがあるだろう?」


lw´‐ _‐ノv「私はないと思う。
       私たち人間は、他の獣とちがって少しだけ賢かったんだよ。
       だからこそ欲求とはちがうと考え、より高貴と自己暗示かけたものを愛と呼んでるんじゃない?
       人間は、自身の理想像として『神』を創ってまで愛を肯定してるからね」


lw´‐ _‐ノv「神は全てのものを平等に愛する。
       でも人は神にはなれない。
       神というのは人間の無理難題を押し付けられて創られた理想像だから。
       だから宗教やってる人は、神に頭を垂れる」


lw´‐ _‐ノv「……私が何をいいたいか理解できてる?」

(;-_-)「全然」

lw´‐ _‐ノv「おkおk、分かりやすく話すよ」


54 名前:(-_-) ◆06NY4sFIG. :2008/08/27(水) 22:11:29.38 ID:pF2ZjsKN0

lw´‐ _‐ノv「私はね、引きこもりの人を獣と考えてないんだ。
       引きこもりはね、神に通じるものがあると思ってるんだ」

(;-_-)「……どこらへんが?」

lw´‐ _‐ノv「孤独で他人に影響を与えない。
       ネットの普及もあって、人間関係を結ばなくても世界の大まかな事柄を見渡せる。
       全てのものを愛するということは全てのものを愛さないと同義だから、外の世界に関心がうすい」


lw´‐ _‐ノv「これらの点に引きこもりと神との違いはないと思うんだ」


lw´‐ _‐ノv「ただ他人に影響を与えないというのは、あくまで巨視的に見た場合に限るけどね。
       引きこもりでも何らかの形で認識されてるからね。
       認識するのは、ストーカーから社会、ペットまで様々なものがある」

lw´‐ _‐ノv「だから『不完全な神』といったほうがいいね。
       頭を垂れるのは親だけだしね」

(;-_-)「……orz」


lw´‐ _‐ノv「……神になろうとしても結局人間は神になれない。
       人が神になれないなら、獣のまま対象に欲求をぶつけたほうがいい。
       そのほうが私たちらしい。
       そうは思わない?」


56 名前:(-_-) ◆06NY4sFIG. :2008/08/27(水) 22:14:36.95 ID:pF2ZjsKN0

(;-_-)「……思ったらいけないと思う。
      それがまかり通ったら、性的犯罪を肯定してるも同じだよ」

lw´‐ _‐ノv「そうだね。
       ただ、愛なんてものは全てが全て、崇高なものじゃないよ。
       社会の常識に沿った“貴賤”というものがあると思うの。
       『愛は正義』なんて全てに当てはまらないよ」


lw´‐ _‐ノv「じゃあ、どうすればより貴い愛を示すことが出来るか?
       ……これは人それぞれに答えがあるだろうと思う。
       もちろん私だけの貴い愛があるし、ヒッキーだけの貴い愛がある。
       でもね、千差万別の答えがあるから自分にしか分からないんだよね」

lw´‐ _‐ノv「だからヒッキーにも貴い愛に気づいてほしい。
       それが人を愛すことにつながるかもしれないから。
       だから頑張りなよ?」

(;-_-)「最後、投げやりだね……」

lw;‐ _‐ノv「あのねえ……私にだって全てをうまく説明することはできないの。
       16歳の乙女なんだから、森羅万象を理解して分かりやすく話せってのは無理があるでしょ」


lw´‐ _‐ノv「あ。
       それと、これはあくまで1つの考え方、という点を理解しておいてね。
       この考えはあってるかもしれないし、違うかもしれない」

(-_-)「ふーん」


57 名前:(-_-) ◆06NY4sFIG. :2008/08/27(水) 22:18:26.29 ID:pF2ZjsKN0

lw´‐ o‐ノv「というわけで、私にとって愛とはそういうm……ふぁぁ……そういうものなの」

(-_-)「……眠い?」

lw´‐ _‐ノv「……うん」

(-_-)「じゃあこれで解散だね」

lw´‐ _‐ノv「……うん」

さて、と。
さっさと家に帰るかな。

(-_-)「んじゃ、バイバイ」

lw´‐ _‐ノv「とぅ!」

(;-_-)「うげっ!」


別れの挨拶をしてこれから公園から出ようというときに、背中に衝撃を受けた。
倒れそうになる体を足でふんばり、体勢を立て直そうとして……背中にずっしりとした重みを感じた。

…………まさか。

lw´‐ _‐ノv「おんぶ」

(;-_-)「……そこの大きい赤ちゃん、降りなさい」


59 名前:(-_-) ◆06NY4sFIG. :2008/08/27(水) 22:22:00.40 ID:pF2ZjsKN0

lw´‐ _‐ノv「ねむいからおくっていって?」

(;-_-)「……重いから却下」

lw#‐ _‐ノv「……女の子に向かって重いっていうな」

(;-_-)「はいはい。でも家知らないからやっぱり却下」

lw´‐ _‐ノv「案内するから」

(;-_-)「遠いだろうから却下」

lw´‐ _‐ノv「ここから200m程度だよ」

(;-_-)「うん、遠い」

lw´‐ _‐ノv「近いってば」

(#-_-)「……引きこもりの運動神経をなめないでほしい」

lw;‐ _‐ノv「うわーあ、だーめにーんげーん」

(-_-)「うん、駄目人間だよ。だから却下」


lw´*‐ _‐ノv「 死 ん で も こ の 腕 を は な さ な い ! ! ! 」


(;-_-)「……」


60 名前:(-_-) ◆06NY4sFIG. :2008/08/27(水) 22:25:30.04 ID:pF2ZjsKN0

lw´‐ _‐ノv「あきらめなよ」

(;-_-)「……はぁ」

結局、大きい赤ちゃんを送っていくことになった。

(;-_-)「シュールってさ、ひょっとして抱き癖ある?」

lw´‐ _‐ノv「ないよ。
       ヒッキーにだけ抱きついてるだけだよ。
       君はすぐ逃げようとするからね」

(-_-)「……ん、たしかにそうかも」

lw´‐ _‐ノv「……」

(-_-)「……」


lw´*‐ _‐ノv「で、胸を押し当ててるんだけどどうよ?興奮する?」

(;-_-)「っ」


やわいです。
おおきいです。
めろんちゃんです。

意識しないようにしてたので改めていわないでください。


62 名前:(-_-) ◆06NY4sFIG. :2008/08/27(水) 22:28:42.36 ID:pF2ZjsKN0

lw´‐ _‐ノv「お、そこを右に曲がって」

(;-_-)「……右側にあるのは道じゃなく川ですよ。突っ込む気ですか?」

lw´‐ _‐ノv「蛍を見たい」

(;-_-)「眠いのだからベッドに直行しなさい」

lw´*‐ _‐ノv「……えっちぃね」

(;-_-)「っ」



(;-_-)「……ぼくで楽しんでるでしょ?」

lw´‐ _‐ノv「当たり前でしょ」


64 名前:(-_-) ◆06NY4sFIG. :2008/08/27(水) 22:31:37.58 ID:pF2ZjsKN0

lw´‐ _‐ノv「話がはずむと眠くなりにくいものだよ」

(;-_-)「じゃあ、なんでおんぶさせてるのさ?」

lw´‐ _‐ノv「逆に言えば、話し相手がいないと眠っちゃうの。おんぶは君を逃がさないためだよ」

(;-_-)「……さいですか」


lw´‐ _‐ノv「っと、ここまででいいよ。
       ありがとね」

(;-_-)「……ふぅ」


lw´‐ _‐ノv「さて、ここでお別れだけど……今日も1つ問題を出しておこう」

(-_-)「……?」


lw´‐ _‐ノv「『愛』とはなんぞや?」


lw´‐ _‐ノv「よく考えて答えを出してほしい」

lw´‐ャ‐ノv「また明日ね、ヒッキー」


……


65 名前:(-_-) ◆06NY4sFIG. :2008/08/27(水) 22:34:30.44 ID:pF2ZjsKN0

―――――8月14日


(-_-)「……あ、……あー」


(-_-)「うん、声は出るね」


(-_-)「こほん、そこの貴方に質問!」


(-_-)「不肖ながらわたくし、歌を歌いたいと思います!」


(-_-)「何かリクエストはありませんか!?」



lw´‐ _‐ノv「お?ならスカボローフェアで」

(;-_-)「……うん、なんとなくいるような気はしたよ」

lw´‐ャ‐ノv「むっふっふ~♪」


本当は独り言だったんだけどね。


68 名前:(-_-) ◆06NY4sFIG. :2008/08/27(水) 22:37:46.52 ID:pF2ZjsKN0

(-_-)「で、なんだっけ?スカトr」

lw#‐ _‐ノv「やっぱり却下」

(;-_-)「なんでさ?」

lw#‐ _‐ノv「……わっぱ、それ以上汚い言葉を使おうものなら拳骨では済まさんぞ?」


(;-_-)「え、ええ?スカt」


lw´*‐ _‐ノv「ここで爆竹やったら面白そうだよね?」



(;-_-)「ごめん、もういわない」

lw#‐ _‐ノv「……ったく」


69 名前:(-_-) ◆06NY4sFIG. :2008/08/27(水) 22:40:58.40 ID:pF2ZjsKN0

w´‐ _‐ノv「さ、外に出るべ」

(;-_-)「……今、18時ですよ?早くないですか?」

lw´‐ _‐ノv「いいんだよ。
       むしろ、いつもより早めに出ないと花火はできんよ」

(;-_-)「だって、まだ外明るいよ。
      こんな時間に出れるわけないじゃん」

lw;‐ _‐ノv「……黄昏時で暮色蒼然となってる町並みを明るいと申すか」

(-_-)「ごめんねー。ぼく、日の光を浴びると灰になっちゃうから」

lw;‐ _‐ノv「だから日は沈んでるんだってば」

(#-_-)「大体、ぼくが外に出れる時間帯は深夜なんだよ!
     日中は人が沢山いて出れるわけないじゃないか!!」

lw;‐ _‐ノv「……日は沈んでるって何回言えばいいんだろう?」

(-_-)「そんなわけで人がいなくなるまで出ないのでよろしく」


lw#‐ _‐ノv「……へぇ?なら最終手段を使おうかな?」

(;-_-)「た、たとえ家の中で花火をやられても出ないんだからね!!」

lw´‐ャ‐ノv「ほうほう?」


70 名前:(-_-) ◆06NY4sFIG. :2008/08/27(水) 22:44:04.79 ID:pF2ZjsKN0

シュールはバックから携帯電話をとりだす。
なにをするつもりだろう?
疑問に思いつつ、彼女の行動をかんさつする。
彼女はボタンをいじくり、やがて携帯を耳にあて、


lw´‐ _‐ノ】「もしもし。
       おー、わたしわたし。
       ちょっと内気な男子がいてね。
       うん……性格を矯正したいんだよ。
       だから連絡簿でクラスの皆に『今夜、その男子の家にくるように』って伝えておいてくれにゃい?」


(-_-)




……………はい?



71 名前:(-_-) ◆06NY4sFIG. :2008/08/27(水) 22:46:56.34 ID:pF2ZjsKN0

lw´‐ャ‐ノ】「うん?
       大丈夫。彼、料理うまいし。
       晩ごはんごちそうしてくれるって。
       え?誰の家かって?」

lw´*‐ _‐ノ】「あのね、小もr」



(;-_-)「うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
      あああああああああああああああああああああああああああ
      ああああああああああああああああ
      あああああああああああああああああああああ
      ああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!」



lw;‐ _‐ノv「うわなにをするやめr「なにやってんの!ぼくを殺す気なの!!」(-_-#)

もみくちゃになったよ。
ちからづくで奪ったよ。
そっこうで通話きったよ。
ひさしぶりに全力で運動したよ。

もうね、肉体的にも精神的にも疲労で倒れそうだよ。


73 名前:(-_-) ◆06NY4sFIG. :2008/08/27(水) 22:49:57.40 ID:pF2ZjsKN0

(;-_-)「はぁ……はぁ……」

lw;‐ _‐ノv「ふぅ……ふぅ……」


lw;‐ _‐ノv「けーたい……かえして……」

(;-_-)「もう仲間を……呼んだりしない……?」

lw;‐ _‐ノv「うん……」

(;-_-)「なら……」


はい、と携帯を渡す。
シュールは、ありがと、といって受け取る。


lw´‐ _‐ノv「リダイヤルっと」


(;-_-)「ぎゃああああああああああああああああああああああああ
      あああああああああああああああああああああ
      ああああああああああああああああああああああああああああ
      あああああああああああああああああああああああああああああああああ」


76 名前:(-_-) ◆06NY4sFIG. :2008/08/27(水) 22:52:48.27 ID:pF2ZjsKN0

lw´‐ _‐ノv「はい、この画面をよく見て」

(;-_-)「ああああああああ……………え?」



……117番?

lw;‐ _‐ノv「ハッタリのつもりだったんだけど……効果は抜群だったね」






(;-_-)「……orz」


ぼくはその場で崩れおちた。


77 名前:(-_-) ◆06NY4sFIG. :2008/08/27(水) 22:56:18.52 ID:pF2ZjsKN0

その後、自力で立ち上がることができなかったぼくは、シュールに引っ張られて外にでた。
といっても、玄関からでて数歩程度の外だが。

(-_-)「……」

lw;‐ _‐ノv「……怒ってる?」

(-_-)「……」

lw;‐ _‐ノv「……ごめんね」

(-_-)「……」

lw;‐ _‐ノv「……むぅ」

(-_-)「……」



lw´‐ _‐ノv「んじゃ許してもらわなくていいや。
       ところでさ、ここで花火やる?」

(;-_-)「…………すっごい話題の変え方だね」

lw´*‐ _‐ノv「お?やっと食いついてきたか」


78 名前:(-_-) ◆06NY4sFIG. :2008/08/27(水) 23:00:02.36 ID:pF2ZjsKN0

(;-_-)「……たまにシュールのことが分からなくなるよ」

本当はたまに、じゃなくて常時なんだけどね。
それは言わぬが花だろう。

lw´‐ _‐ノv「どこが分からないの?
       私で教えられるのなら詳しく説明するよ?」

(;-_-)「じゃあ……許さなくていいって考え方が」

lw´‐ _‐ノv「あー」

半ば習慣になっている夜の散歩のおかげで、自然と足を公園に向ける。
シュールは花火セット&バケツをもってぼくのあとに続く。


lw´‐ _‐ノv「怒っている人を説得するなんて至難の業なんよ。
       そういうときは怒りが静まるのを待つしかないよ」

(-_-)「ふーん」

lw´‐ _‐ノv「なにしろ相手は話をきく態勢がととのってないからね。
       だから怒らせとけばいい。
       怒りをぶつけたいなら受け止めてやる。
       ……こちらはそういう姿勢でいたほうがいいんだよ」


81 名前:(-_-) ◆06NY4sFIG. :2008/08/27(水) 23:03:27.83 ID:pF2ZjsKN0

(-_-)「大人だね」

lw´‐ _‐ノv「そうでもないよ。
       私も子供だから、だめな時はだめなんだよ。
       怒らせると困っちゃうし、怒られると悲しいし、…………無視されるとつらい。
       泣いちゃうことだってあるよ」

(-_-)「……意外だなあ。
     キミならなんでも跳ね返せそうな気がするのに。
     いつものおかしな論調でさ」

lw;‐ _‐ノv「あのねぇ……私は鉄人じゃないんだから常に無敵無双みたいにいわないの」

(;-_-)「ご、ごめん」

lw´‐ _‐ノv「それは私がいうべき旨でしょうが」

(-_-)「……それもそうだね」


lw´*‐ _‐ノv「じゃあこれでチャラにしようか?」

(*-_-)「だね」


82 名前:(-_-) ◆06NY4sFIG. :2008/08/27(水) 23:06:31.65 ID:pF2ZjsKN0

道中、仲直りをしたぼくらは果たして公園に着いた。
その後、定位置のベンチに花火をおき、迅速に準備をする。
ぼくはろうそくを立てて火をともした。
シュールはバケツに水をくんできた。

(-_-)「で、どんな花火をもってきたの?」

lw´‐ _‐ノv「見ればわかるよ」

(-_-)「どれどれ?」


えーと?
ドラゴン×5コ、爆竹×50束、へび玉×50袋、煙玉×30コ、線香花火×50束……


(;-_-)「ドラゴンはいいとして……そのほかの花火がおかしいんですけど」

lw´‐ _‐ノv「私が選んで買ってきたものにケチをつけるとな?
       おかしいと思った根拠をいってみよ」

(;-_-)「あ、そっか。お金はあとで払うよ。
      根拠は地味すぎ。
      そして地味なやつの数がありえない」


83 名前:(-_-) ◆06NY4sFIG. :2008/08/27(水) 23:09:32.41 ID:pF2ZjsKN0

lw´‐ _‐ノv「……………地味な子でもいいじゃん」

(;-_-)「見栄えわるくない?」

lw´‐ _‐ノv「派手なのより落ち着けるよ?
       大体さ、文句いってももう店しまってるから新しいの買えないよ?」

(;-_-)「う」

lw´*‐ _‐ノv「だから今日はこれで楽しむべ」

(;-_-)「……そうだね」


たぶん楽しめるだろう。
うん、楽しめるにちがいない!!

……そう自分を騙さないとやってられないような気がするけどさ!


86 名前:(-_-) ◆06NY4sFIG. :2008/08/27(水) 23:12:26.08 ID:pF2ZjsKN0

lw´*‐ _‐ノv「最初は何をやる?ドラゴン?」

(;-_-)「待った!
      ドラゴンは数少ない派手な花火だからあとでやろうよ。
      最初からとばしていって、地味なのを延々とやってたら情けなくて泣いちゃうから」

lw´‐ _‐ノv「それもそうだね。
       じゃあ爆竹?」

(-_-)「……まあ無難なチョイスだと思うよ。
     爆竹は地味そうに見えてけっこう派手だからね」

lw´*‐ _‐ノv「んじゃ1番、砂尾示由流……いきます!!」

(*-_-)「おーいけいけー」


   シュウウゥゥゥゥ…………………………


(;-_-)「って早く手をはなしなよ!!!」

lw´‐ャ‐ノv「むっふっふ~♪…………ていっ!」


  パンパンパンパパンッ



88 名前:(-_-) ◆06NY4sFIG. :2008/08/27(水) 23:15:19.90 ID:pF2ZjsKN0

(;-_-)「……心臓にわるいよ」

lw´*‐ _‐ノv「ぎりぎりまでもってて、爆発する瞬間に投げるのが爆竹の楽しみ方じゃないの?」

(;-_-)「そういう楽しみ方もあるだろうけど……」

lw´*‐ _‐ノv「では2番、小森マサオ……いきます!!」

(;-_-)「絶対いかない!!!」


lw´‐ _‐ノv「……けつの穴の小さいやつめ」

(;-_-)「小さくてけっこうです」


lw´‐ャ‐ノv「なら私の爆タケをうけてみよ!!」


(;-_-)「ぎゃああああああこっち投げるなああああああああああああ!!!!」





89 名前:(-_-) ◆06NY4sFIG. :2008/08/27(水) 23:18:20.88 ID:pF2ZjsKN0

………………………………………


lw´*‐ _‐ノv「次はなにやる?」

(;-_-)「地味なのをお願いします……」

lw´‐ _‐ノv「……爆竹投げられたくらいで元気をなくすなんて、貴様、それでも若人か?」

(;-_-)「残りの爆竹全て投げられたらこんなものですよ……。
     にげるので疲れたので体力を使わないのを本当にお願いします……」

lw´‐ _‐ノv「なら煙玉だね」


lw´*‐ _‐ノv「一気にいくよ!!」








(;-_-)「……煙で何も見えないのですが」


      「煙玉ってこういう……ゲホゲホ……も゛のでじょ?」

(;-_-)「……むせてるね」


90 名前:(-_-) ◆06NY4sFIG. :2008/08/27(水) 23:21:10.05 ID:pF2ZjsKN0

………………………………………


lw´‐ _‐ノv「そろそろドラゴンいってみる?」

(*-_-)「いいねー」

lw´*‐ _‐ノv「ならまとめて……と」

(;-_-)「待て、その理屈はおかしい」

lw;‐ _‐ノv「え?」

(;-_-)「っていうか、ふと思ったんだけど。
      花火はまとめて火をつけるものと勘違いしてない?」


lw;‐ _‐ノv「…………」


lw´*‐ _‐ノv「またまたぁー、私をからかおうたってそうはいかないよ」



91 名前:(-_-) ◆06NY4sFIG. :2008/08/27(水) 23:24:18.16 ID:pF2ZjsKN0

(; _ )「ドラゴンだけは……ドラゴンだけは1コずつ楽しませてください……」

lw;‐ _‐ノv「……何も泣かなくても」

(; _ )「さっきの煙が目にしみたんだよ……」

lw;‐ _‐ノv「……」



lw;‐ _‐ノv「花火ってまとめて火をつけるものじゃないの?」

(; _ )「よい子を見れば分かるでしょ……危険なんだよ……」



lw´ _ ノv「……なんということだ」





93 名前:(-_-) ◆06NY4sFIG. :2008/08/27(水) 23:27:18.40 ID:pF2ZjsKN0

………………………………………


lw´*‐ _‐ノv「ドラゴンを1コずつ見るのもわるくなかったね」

(*-_-)「でしょ」

lw´‐ _‐ノv「次は」


lw;‐ _‐ノv「……へび玉」

(;-_-)「……」


lw;‐ _‐ノv「1袋5コ入りで50袋あるけど……これも1コずつ?」

(;-_-)「それはまとめてやろう。時間がかかりすぎるよ」

lw´*‐ _‐ノv「ん、そうだね」

(;-_-)「……」


(;-_-)「もしかして、まとめてやるために山買いしたの?
      爆竹も煙玉も線香花火も…………へび玉も」

lw;‐ _‐ノv「お願い聞かないで」


95 名前:(-_-) ◆06NY4sFIG. :2008/08/27(水) 23:30:08.76 ID:pF2ZjsKN0

………………………………………


(;-_-)「うん……すごかったね」

lw´‐ _‐ノv「数が数だったからね。
       煙もすごかったね」

(;-_-)「生まれ落ちたものの量もね」

lw´‐ _‐ノv「これだけあれば何か作れそうだね」

(-_-)「灰だから無理だけど……これでふがし作れたらいいね」

lw´*‐ _‐ノv「あー、黒糖をよく使ってる駄菓子だね。
       うんうん、それいいね」

(*-_-)「さて、この灰を壊そうか」

lw´*‐ _‐ノv「ぶっちゃけるとそれが楽しみでした」




101 名前:(-_-) ◆06NY4sFIG. :2008/08/28(木) 00:09:29.03 ID:jnCKQ+be0

………………………………………


lw´‐ _‐ノv「じゃあそろそろ線香花火といこうか」

(-_-)「線香花火っていつも最後だよね」

lw´‐ _‐ノv「あの侘しさが締めにちょうどいいからじゃない?」

(-_-)「たしかに」

lw´*‐ _‐ノv「んじゃまとめてっと」

(;-_-)「……いきなり1束ってアホの子ですか?」

lw´‐ _‐ノv「こうでもしないと減らないよ」

(;-_-)「そんなことしたらすぐに火が落ちるじゃん……あー」

lw´‐ャ‐ノv「むっふっふ~♪」

(;-_-)「すぐ落ちるのに火をつけるなんて……」





lw´‐ャ‐ノv「~♪」

(;-_-)「…………なんで落ちないの?」


102 名前:(-_-) ◆06NY4sFIG. :2008/08/28(木) 00:14:34.02 ID:jnCKQ+be0

………………………………………


なんだかんだで全ての花火を消費できた。
そしてそれなりに楽しめた。
地味な花火で通夜みたいになると思ったが、シュールのバカげた花火利用のおかげだろうね。


爆竹は、1コをのぞく全てがぼくに投げられた。
煙玉は、1度に全て火をつけたため、屋外バルサンになった。
ドラゴンはぼくが哀願したおかげで1コずつたのしめた。
へび玉は灰をふみつぶすときの感触が心地よかった。

線香花火は……なぜかシュールの火がおちなかった。すごく不思議だ。


(;-_-)「あんな大量の線香花火で火が落ちなかったのか……不思議でならない」

lw´‐ _‐ノv「昔、特訓してね。
       まあ慣れだよ、慣れ」

(;-_-)「すごいね」

雑談しながらぼくらは後片付けをする。
シュールはゴミの片付けを、ぼくは花火で黒くした地面をタワシでこする作業を。
シュールも黒ずみを綺麗にするといったが、さすがに重労働なのでぼくがやることになった。
これは男の意地だ。


104 名前:(-_-) ◆06NY4sFIG. :2008/08/28(木) 00:18:49.26 ID:jnCKQ+be0

引きこもりは無駄にプライドが高くて困るね。
他の引きこもりはどうなのかは知らないけど。

(;-_-)「これで……どう?」

lw´‐ _‐ノv「んー……いいんじゃない?
       暗くて微妙に分からないけど」

(;-_-)「ん」

lw´‐ _‐ノv「明日の昼に来てみて、目立つようなら私がやっておくから」

(;-_-)「うーん……じゃあお願いしようかな。
      昼はさすがに厳しいからね、ぼく」

lw´‐ _‐ノv「日の光を浴びると灰になっちゃうもんね」

(;-_-)「うん、そうだね」


lw´‐ _‐ノv「ところでこれからどうする?」

(-_-)「解散でいいんじゃない?」

lw´‐ _‐ノv「まだ早いよ?」

(-_-)「世間一般では充分深夜で通る時間帯でしょ」


106 名前:(-_-) ◆06NY4sFIG. :2008/08/28(木) 00:24:04.26 ID:jnCKQ+be0

けっこう花火で遊んだからね。
今は大体9時くらいだし。
大体、というのは公園の時計で時間を知ったんじゃないから。
掃除の途中で消灯したので、それくらいだろうなあ、と思ったから。

lw´‐ _‐ノv「いつも日付が変わるあたりで解散してるじゃん」

(-_-)「まあ、そうだね」

lw´‐ _‐ノv「だからもう少しここにいない?」

(-_-)「でも……何をするの?」

lw´‐ _‐ノv「駄弁る」

(-_-)「好きだねー、キミも」

lw´*‐ _‐ノv「よせやい、照れるじゃないか」

(;-_-)「呆れてるんだよ」

lw´‐ _‐ノv「……大声で泣き叫ぶぞコラ」

(;-_-)「やめて。ぼくが冤罪で捕まっちゃう」

lw´‐ _‐ノv「なら駄弁ろうぜ!」

(;-_-)「はぁ……」


108 名前:(-_-) ◆06NY4sFIG. :2008/08/28(木) 00:27:28.35 ID:jnCKQ+be0


グゥ…

lw´‐ _‐ノv「……」

(-_-)「……」

lw´‐ _‐ノv「そういえば晩ご飯食べてなかったなあ」

(-_-)「おなか減ったね」

lw´‐ _‐ノv「あれ?私のおなかが鳴ったと思ったんだけど?」

(-_-)「いや、ぼくのおなかも鳴ったよ。
     ダブって鳴ったんだね」

lw´‐ _‐ノv「これが噂のシンクロニシティか……!!」

(;-_-)「絶対違うよ」


109 名前:(-_-) ◆06NY4sFIG. :2008/08/28(木) 00:31:05.14 ID:jnCKQ+be0

こんなこともあろうかと、と前置きしてシュールが弁当箱を2箱取り出した。
あらかじめ準備をしていたようだ。
中身は簡単に作れるものの代表、おにぎりだった。

そんなわけでぼくらは公園で少し遅い晩ご飯をとることにした。

lw´‐ _‐ノv「うまい?」

(-_-)「うん……おなかが減ってるからおいしく感じる」

lw´‐ _‐ノv「なんか引っかかるいい方だね」

(;-_-)「だってねぇ……作ってきてもらって何なんですが、いわせてもらいますよ。
      コレ、具が入ってませんよ」

lw´‐ _‐ノv「あ、それ大当たり」

(;-_-)「おみくじじゃないんだからさ。
      あと、これはどう見てもはずれじゃない?」

lw´‐ _‐ノv「日本人たるもの、白米をおかずに白米を食えずにどうする!?」

(;-_-)「……どうするったって、ねえ?」


まあ、いってみただけです。
作ってきてもらったのだから、ぼくに文句をいう資格はないのだろうし。
でもなぁ……。


112 名前:(-_-) ◆06NY4sFIG. :2008/08/28(木) 00:34:22.24 ID:jnCKQ+be0

明らかに物足りなく感じてしまうのは贅沢な悩みなのだろうか。
シュールはぼくの顔をみて一言。

lw´‐ャ‐ノv「あとは外ればかりだからどんどん食いなしゃい」

具が入ってるのなら外れでもいいですよ。
とりあえずその言葉に従うことにする。



lw´‐ _‐ノv「さて、話は変わるけど……人とのつながりとは何だろうね?」

(;-_-)「唐突に変えるねえ」

lw´‐ _‐ノv「変化は常に唐突なものだよ。で、どう思う?」

(-_-)「んー、やっぱり家族とか友達のことじゃないの?……モグモグ」

lw´‐ _‐ノv「まあそうだね」

(;-*-)「すっぱあ!!」

lw´‐ _‐ノv「レモン……大外れだね。
       でもそれだと、私と君はつながってないことになるよ?」


113 名前:(-_-) ◆06NY4sFIG. :2008/08/28(木) 00:37:47.92 ID:jnCKQ+be0

(;-_-)「うへあ……。
      つながってないってどうして?」

lw´‐ _‐ノv「はいはい、このお茶をのめい。
       だって家族でもなければ友達でもないじゃん。
       もちろん恋人でもないしね」

シュールは話しながらペットボトルのお茶を渡してきた。
ありがたく頂戴し、口の中のすっぱさを流す。

(-_-)「フゥ……ありがとう。
     たしかに友達といわれると疑問符が付くね。
    じゃあぼくらの関係って何さ?」

lw´‐ _‐ノv「うーん……縁?」

(-_-)「えにし?……モグモグ」


(;-Д-)「からああああっっ!!」

lw´‐ _‐ノv「からし……凶外れだね。
       ほら、お茶をのむのむ」


114 名前:(-_-) ◆06NY4sFIG. :2008/08/28(木) 00:40:53.52 ID:jnCKQ+be0

lw;‐ _‐ノv「っていうかさっきからすごい外れ引いてるね」

(;-_-)「っていうか、からしはおかしいでしょ、からしは……。
      あー、ヒリヒリするー、あーあー」

lw;‐ _‐ノv「あーあーいい過ぎ」

(;-_-)「この方が楽なんだよ。
      で、縁だっけ?
      ずいぶん宗教的なものを持ってくるね。そっち方面の人?」

lw´‐ _‐ノv「私は一応無宗教だよ。
       縁は仏教から引用させてもらったけど。
       まあ4大宗教は1つの考え方としてありだと思うよ?」

(;-_-)「ふーん」

lw´‐ _‐ノv「ちょっと宗教を分かりやすく説明しとくね。
       宗教は平たくいってしまえば神任せってことなんだ。
       大抵、任せる内容は『現在以外の時間』の事柄だね」

(;-_-)「現在以外?」

lw´‐ _‐ノv「そ。未来なら明日1日から死後まで幅広くサポートするよ」


115 名前:(-_-) ◆06NY4sFIG. :2008/08/28(木) 00:45:13.33 ID:jnCKQ+be0

lw´‐ _‐ノv「例えば……そうだね、イスラム教を例にだしてみるね。
       イスラム圏に旅行にいってガイドさんに、明日8時に起こしてくれ、といったとするよ。
       するとね、十中八九こう答えるよ。
       分かりました、インシャラー……ってね」

(-_-)「いんしゃらー?」

lw´‐ _‐ノv「イン ・ シャー ・ アッラーの略だね。
       『もしも神がそれを望んでおられたなら……』って意味だよ。
       つまりね、未来の事柄を神におしつけたってことなんだね」

(-_-)「おしつけたってことは……もし、翌日8時に起こしにこなかったら神のせいにするの?」

lw´‐ _‐ノv「お、理解がはやいね。そうだよ。
       ガイドさんは『神が8時にくることを望んでなかったから』とかいうだろうね」

lw´‐ _‐ノv「この考え方はキリスト教や仏教でも同じことなんだ。
       キリスト教では、イエス様が『明日のことまで思いなやむな』っていってるね。
       仏教では、お釈迦様が『過去を追うな。未来を願うな』うんぬんいってるしね」

(-_-)「スケジュール立てれないね」

lw´‐ _‐ノv「だね。
       ちなみにこれらの言葉は『未来は神に任せろ』というと同時に『今を精一杯生きろ』ってことなんよ。
       予測不能な未来にとらわれず、変えることのできない過去にとらわれず、いかに現在を過ごすか……それが宗教的考えの1つだよ。
       まあカルトみたいなのもあるから一概に言い切れないけどね」


119 名前:(-_-) ◆06NY4sFIG. :2008/08/28(木) 01:07:05.34 ID:jnCKQ+be0

lw´‐ _‐ノv「で、『今を精一杯生きろ』ってわけだけど。
       ぶっちゃけ『今』なんて自分1人しか把握できないわけなんよ」

(-_-)「どういうこと?」

lw´‐ _‐ノv「そうだね……私たちは会話してるよね。
       私の言葉をきいてヒッキーは疑問を投げかけた。
       でもそれは『過去の私』の言葉をきいての疑問なんだよ」

(-_-)「そりゃあ、返答するってことは反応をかえすってことだからね」

lw´‐ _‐ノv「そうそう。
       つまり『過去の私』に接しているわけだね。
       会話だけじゃない、見るという動作でも同じこと。
       目で見て、脳に電気信号が届いて、やっと像を認識できる。
       そのわずかな時間差だけ過去を見てるということだよ」


lw´‐ _‐ノv「いってしまえば『今を精一杯生きる』ってことは『1人で今を過ごせ』ってことと変わらない。
       『今』を認識できるのは自分だけだからね」

(;-_-)「……うーん」


120 名前:(-_-) ◆06NY4sFIG. :2008/08/28(木) 01:10:03.62 ID:jnCKQ+be0

lw´‐ _‐ノv「さて、そこで人とのつながりだ。
       今、私たちにつながりはあるだろうか?
       おそらく今はないだろうと思う」

lw´‐ _‐ノv「人とのつながりが『今』にないならどこにあるだろう?
       ……『今』にないなら、これまで積み重ねてきた『過去』にしかないだろうね。
       だって過去を見て人と触れあってるんだもの」


lw´‐ _‐ノv「だから縁なんだよ。
       『今を生きてる』私たちにはあずかり知らぬもの。
       それが私とヒッキー、人と人とのつながりじゃないのかな?」






(;-_-)「……最後に神のせいにしたね?」

lw´‐ャ‐ノv「それも1つの考え方だよ」


121 名前:(-_-) ◆06NY4sFIG. :2008/08/28(木) 01:13:19.45 ID:jnCKQ+be0

(-_-)「ふむ……しかし……なるほどね」

シュールの考えをまるまる受け止めることはできないが、考え方は理解できた。
現在とは自分1人しか感じとれない。
だから人は過去をみて他者を感じている、ということだろう。


……過去か。

(-_-)「今回のシュールの持論……いままでより理解しやすかったよ」

lw´‐ _‐ノv「さっき、うなってなかった?」

(;-_-)「そりゃあなかなかぶっとんだ話だからね。
      難しかったけど、いままでと比較するとかんたんだったってことだよ」

lw´‐ _‐ノv「ふーん」

シュールは一通り話し終えたらしく、おにぎりに手を向ける。
個性のかけらもないそれらの1つを弁当からとりあげ、小さく一口かじる。
口に含んだ米をゆっくり咀嚼し、嚥下し、一言。

lw´*‐ _‐ノv「肉じゃが……当たりか」

(;-_-)「すっごくうらやましいのですが」

lw´*‐ャ‐ノv「むほほほほ~」


122 名前:(-_-) ◆06NY4sFIG. :2008/08/28(木) 01:16:39.48 ID:jnCKQ+be0

lw´‐ _‐ノv「ムグムグ……で、今回の話は理解しやすかったんだよね?」

(-_-)「うん。…………改めてきくなんてどうしたのさ?」

lw´‐ _‐ノv「えーとね……ムクムグ」

(;-_-)「食べおわってからでいいよ」

lw´‐ _‐ノv「さんきゅー。んじゃダッシュで」

lw´‐ 0‐ノv「あーん」

シュールは口を大きくあけ、手のひらに乗っているおにぎりをパクリ。
コンビニ弁当を袋にいれるように、残り全てを一気にたいらげる。

『女の子は人前で大口をあけることはない』
そう考えてた時期がぼくにもありました。

まあ、これがシュールだからね。
そう考えると、この動作も彼女にとっては自然な気がしてくる。

やがて、全てを飲みこんだシュールはぼくに尋ねてきた。


lw´‐ _‐ノv「ヒッキーは過去につらいこととかあった?」


123 名前:(-_-) ◆06NY4sFIG. :2008/08/28(木) 01:20:10.43 ID:jnCKQ+be0

(;-_-)「また、突拍子もないことをきいてくるね」

lw´‐ _‐ノv「突拍子なくないよ」

(-_-)「どうしてそんなこと聞くの?」

lw´‐ _‐ノv「んーとね……今回の話、理解しやすかったんだしょ?
       理解できるってことは自分もそういうふうに考えたことがあるからなんだよ。
       私の話してることはあくまで考え方についてだからね」


lw´‐ _‐ノv「前に葦の話をしたよね。
       あれはね、いろんな物事の考え方が自分の中にあるかどうかについての話なんだよ。
       もし自分の中にその考え方がなかったら、困惑するのが普通なんだよ。
       学校で行列を習ったときのようにね」

(-_-)「行列が苦手なんですね、わかります」

lw´‐ _‐ノv「うっさい。
       で、困惑しないですんなり自分の中に入ったなら……その考え方はもとから自分の中にあったということ。
       今回の『人とのつながり』では過去 ・ 現在 ・ 未来について話した。
       ………………。
       ねえ、ヒッキー……」


124 名前:(-_-) ◆06NY4sFIG. :2008/08/28(木) 01:23:34.52 ID:jnCKQ+be0

lw´‐ _‐ノv「君の中にはどんな葦があるの?
       未来を他者に任せる、という葦?
       それとも1人で今を過ごせ、という葦?
       それとも……過去を見て人と触れ合っている、という葦?」

(-_-)「……」

lw´‐ _‐ノv「1つ目なら問題ない。みんな誰かに頼って生きてるんだから。
       2つ目ならちょっと悲しいが問題ない。強引に接すれば孤独を紛らわせられるだろうから。
       3つ目なら…………うん」

(-_-)「3つ目ならなにさ?」

lw´‐ _‐ノv「……今を精一杯生きて、過去を見るくらいならいいんだよ。
       でもね、過去に縛られすぎて現在で動けなくなるくらいだと……とても悲しい。
       君の過去を知らないかぎり、私にはどうすることもできない」

(-_-)「……」



125 名前:(-_-) ◆06NY4sFIG. :2008/08/28(木) 01:26:56.24 ID:jnCKQ+be0

(-_-)「全部」

lw;‐ _‐ノv「え?」

(-_-)「今あげた全ての葦があるよ。
     未来なんて何も考えてないから誰かに任せるしかないし。
     引きこもりだから1人で今を過ごしてきたし。
     過去に嫌なことがあったから、引きこもり生活を始めたんだし」

lw;‐ _‐ノv「え、え?
       引きこもり生活はなんとなく始めたんじゃないの?
       君、以前、そういってたじゃん」

(-_-)「以前?……ああ、初めて一緒にこの公園にきたときね。
     あれは『現在引きこもってる』理由であって、『昔、引きこもりを始めた』理由じゃないんだよ。
     引きこもるようになったのは別に理由があるよ」

lw;‐ _‐ノv「……」

(-_-)「まあ、そういうこと。
     未来は見えなくて、今も見てなくて、過去ばかり見て……。
     ぼくはそんなだめ人間ですよ~」

lw;‐ _‐ノv「……過去に、縛られているの?」

(-_-)「おそらくね」


127 名前:(-_-) ◆06NY4sFIG. :2008/08/28(木) 01:30:13.13 ID:jnCKQ+be0

他人事のようにいって自分を自虐する。
だって自他ともに認めるだめ人間だもの。

会話が途切れる。
他にやることもないから、ぼくたちは黙ってベンチに腰掛けている。
遠くからみれば恋人のようにみられそうで、近くでみれば他人のようにみられそうだ。


(-_-)「……シュール。何か話さないの?」

lw´‐ _‐ノv「……」

シュールは何も答えない。
彼女に目を向けると、熱心に考え事をしてるみたいだ。
もしかしなくても、ぼくのことについて考えているのだろう。

彼女と話すのは正直楽しい。
内容があまりにも常識から外れてるからだろうから、新鮮味がある。
でも、ぼくのことで悩むということは……多分、常識的なことを言おうとしてるんだろうな。

例えば、『相談に乗るよ』とか『元気出せ』とか。
『私がそばにいるよ』……は幻想の見過ぎか。

そういう言葉は聞きあきてる。
だから、そういう言葉をきく前にぼくは立ち去ることにする。

(-_-)「じゃ、そろそろ帰るから」

lw´‐ _‐ノv「……」


129 名前:(-_-) ◆06NY4sFIG. :2008/08/28(木) 01:34:17.23 ID:jnCKQ+be0

一言だけ、そういってぼくは立ちあがる。
そしてシュールから離れるために足を動かす。

が、すぐに止まる。
後ろから服を引っぱられているからだ。

(;-_-)「はなして」

lw´‐ _‐ノv「……ヒッキー、今夜の問題だ」

(;-_-)「?」


lw´‐ _‐ノv「『人とのつながり』とはなんぞや?」


lw´‐ _‐ノv「よく考えて答えを出してほしい。
       できれば今日の私とは違う答えもみつけてほしい」

lw´‐ _‐ノv「じゃあ……おやすみ」



131 名前:(-_-) ◆06NY4sFIG. :2008/08/28(木) 01:37:51.37 ID:jnCKQ+be0

シュールは服を掴んでいた手を離し、ぼくに別れの挨拶をした。
ぼくはその行動をみて、シュールに背を向けて公園から出る。

結局、シュールはシュールだった。
聞きあきた言葉じゃなくいつも通りのそれをぼくに送った。
それが少しだけ嬉しく、寂しい。
そして少しだけほっとしている自分がいる。

(-_-)「……何を考えてるんだろうね、シュールは」


独り言は夏の夜空に吸い込まれていく。
答えは決まっている、“ぼくには分からない”ことだ。
何を考えてるか分からないから、シュールとの話は楽しい。
むずかしくて知恵熱がでることがよくあるけど。

今日の問題は『人とのつながり』か。
これまたむずかしいのをきいてきたね。
つながり、ね。

引きこもりのぼくにきいてまともな答えが返ってくると思ってるのかねえ。


(-_-)「とりあえず考えておくかな」

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[ 2008/08/30 23:51 ] 夏祭りまとめ | TB(-) | CM(0)

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