ブーンミコ酢 ブーン系過去作まとめ

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ビコーズの災難のようです 第三話

3 名前: ◆L66fmP/Ue6 :2008/06/01(日) 00:51:51.76 ID:hOtU32g/O


誰から見ても無関心そうに見えてしまう自分だが、
実際は無関心なわけじゃない。

ちゃんと関心を持つことだってある。

例えば、例えばの話だが、近場に美味しいラーメン屋が出来たと聞けば行ってみたくなるし、
ファッションにだって気を使う事もある。

性的な意味でも不全だった覚えはない。



4 名前: ◆L66fmP/Ue6 :2008/06/01(日) 00:53:12.26 ID:hOtU32g/O


しかしながら、関心を持つだけでは余り意味がない。

あくまでも関心を持つという行為はキッカケであり、
そこからその関心を持った事柄に自分がどうするのかは別問題だ。

そして、自分はその部分において致命的に奥手である。

これは改善しなければならない。

ただ、

从 ゚∀从「なぁ、モナーってカツラだと思わないか?」

( ∵)「……」

コイツみたいなズレた関心を持つのもどうかと思う。




( ∵)ビコーズの災難のようです    第三話



6 名前: ◆L66fmP/Ue6 :2008/06/01(日) 00:56:38.76 ID:hOtU32g/O

--------------------------------------------------

昼放課。

从 ゚∀从「絶対にカツラだと思うんだよな」

自分が作った弁当をがっつきながら、ハインは我がクラスの担任、
モナーのカツラ疑惑について熱弁を奮っていた。

从 ゚∀从「なんか取れる気がするんだよなー、あの髪」

箸を持ったまま手で何かをぶんどる動作を見せる。

その箸に付いていたご飯粒が、自分の顔に飛んできた。




7 名前: ◆L66fmP/Ue6 :2008/06/01(日) 00:57:41.24 ID:hOtU32g/O

( ∵)「……」

一応モナー先生の為に言っておくが、
カツラ疑惑を持っているのはハインただ一人だ。

というか、ハインは自分とは別のクラスなのに、何故そこまでモナー先生を観察しているのか疑問である。

从 ゚∀从「今度試してみるわ」

何を試すのか、自分はご飯粒を拭い取りながら、敢えて聞かなかった。

聞かずとも大体予想はついたし、関わらない方が得策だ。

カツラであろうがカツラでなかろうが嫌な思いをするであろうモナー先生だが、
まぁ個人的にちょっとイラッとしてるヤツでもあるので、ハインを止めるような事はしない。




8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/01(日) 01:00:40.67 ID:hOtU32g/O


从 ゚∀从「……まぁ、その話はおいといて」

ご飯を口にしこたま掻き込んで、しばし喋るのを中断していたハインが尋ねた。

从 ゚∀从「アイツの方は解決したのか?」

アイツ……、しぃさんの事だろう。

彼女はあの手紙を渡した次の日に登校して来て、自分と一度挨拶を交わした。

それだけで自分の例の件を含む雰囲気は大分緩和されたように思う。

しぃさんの友達が彼女に何か聞いていたので、その時に自分に対する誤解を解いてくれたのかもしれない。

あまり話せないままに手紙を押し付けてしまったが、
手紙の内容を読んでくれたのか、はたまた笑顔の事は先日の欠席には関係なかったのか、
そこら辺は不明だが、結果としては誤解を解けたので十分だろう。

( ∵)「……」

……と言う雰囲気を、何となく醸し出す。



10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/01(日) 01:03:14.14 ID:hOtU32g/O


从 ゚∀从「ふぅん、問題はなさそうだな」

コレで通じるのだから有り難い。
便利な感覚を持っているものだ。

感心しつつ弁当を食べる。



ここ数日で、コイツに弁当を作ることは当たり前になってしまった。

実は、一日だけ作らなかった(正確に言えば作り忘れた)ことがあるのだが、
その時に「昼飯どーしろってんだぁぁぁ!」と首ったけを引っつかまれて、
前後左右に激しくグラグラと揺さ振られ意識喪失の危機に見舞われ、
挙げ句昼飯代を無理矢理に貸させられて以来、もう作らなくて良いかなという、怠惰から来る淡い期待を持つのは止めた。

決してこんなヤツに自分の弁当が上手い上手い言われてついつい作ってしまうわけではない。
決して。


11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/01(日) 01:05:49.79 ID:hOtU32g/O


从 ゚∀从「あー、ごっそさん」

相変わらずの早さで弁当を食べおわったハインが、再び話題を提示してきた。

从 ゚∀从「お前さー、部活とか入る?」

その一言に、自分は口に運んでいた箸を止め、ハインに視線を移した。

何故なら、それは最近の自分における最大の関心事だったからだ。

部活と言えば、学生が己の学校生活をかけて取り組む、青春を謳歌するには最も一般的な手段だろう。

何かしら夢中になれるものを持つことは別に悪いことではなく、むしろ推奨されるべきだ。


自分はハインの問いに頷きで答えたが、
しかし、自分は部活動をしたいとは思いつつも、具体的にどんな部活に入るかを決めてはいなかった。



12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/01(日) 01:07:39.75 ID:hOtU32g/O


从 ゚∀从「ふーん。
アレか、お前もこの一週間で決めてしまおうってクチか」

ハインの発言には、今週、VIP学園では新入生の部活勧誘期間なるものが設けられていることがかかわっている。

平たく言えば、今は、新入生は好きな部活に仮入部出来て、在校生は大規模な部活勧誘が行える期間の真っ最中なのだ。

自分は部活を決める上で、勿論それを活用する気であった。


……そういえば、ハインはどうするのだろう。

从 ゚∀从「俺もまだ決めてないんだよなー」

くあー、と背伸びをしながらハインは言った。




13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/01(日) 01:10:09.06 ID:hOtU32g/O

( ∵)「……」

確かに、何となくそんな気はする。
コイツが何日も何日も何かまともな事に熱中する姿は想像できない。
どちらかといえばその場その場の即物的な快楽を求めるタイプだろう。
性的な意味ではなく。

……だから何だと言われても困る。
今までのコイツを見るに、何となくそう思っただけなのだ。

そんな無意味な人物像分析をしていると、昼休みの終了5分前を告げる予鈴が鳴った。

从 ゚∀从「ま、お互い好きな部活に入ろうぜ」

ハインはそう言って去っていった。
どうやら部活に入るつもりではあるようだ。

……別に気になんかなりはしない。

一緒に部活巡りなんて全く頭の中にかけらも微塵もなかった絶対に。


ハインの置いて行った空の弁当箱を拾い上げ、自分はそそくさと教室に戻った。



14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/01(日) 01:13:09.96 ID:hOtU32g/O


時は過ぎて放課後。

授業も終わり、自分は早速部活の様子を見に行くことにする。

一人で。

改めて考えてみなくとも、知り合いはアイツしかいないのだから当然である。

……まぁいい。
部活に入れば何とかなるさ。




15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/01(日) 01:14:18.32 ID:hOtU32g/O

------------------------------------------------

VIP学園は結構部活が盛んな学校である。

今もグラウンドには様々なユニフォームの運動部が汗を流し、
家庭室などの特別教室ではそれぞれ教室に合った文化部が活動して「いた」。

( ∵)「……」

……つまるところ、自分は部活を全て見学し尽くしてしまったようだ。

取り敢えず全部見て回ってみたのだが、未だにピンと来る部活は見つけられていない。

別にやる気が無いわけではない。

が、入りたいなぁと、素直にというか自然に思える部活がないのだ。


16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/01(日) 01:15:44.91 ID:hOtU32g/O



( ∵)「……」

どうしたものか。

いや、焦る必要はない。
まだ猶予はある。
じっくり考えるのも手だろう。

校舎三階の廊下、グラウンドを見渡せる窓から外を眺めながら、そんな思考を巡らせる。

とりあえずもう一度運動部でも見て回ろうか。

そう思い、一階に降りるべく階段に向かった時だった。



17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/01(日) 01:16:46.43 ID:hOtU32g/O


( ∵)「……?」

ドタタタ、と階段を駆け上がってくる音が聞こえた。

その正体はすぐに分かった。

次の瞬間、ハインが階段の折り返しから飛び出して来たからだ。

ハインは動きを止めて唖然としている自分の腕を引っつかむと、
階段を凄まじい速さで駆け上がった。

自分は状況を読めないまま、危うく転びそうになりながら、何とか踏み外さずに階段を昇る。

そのまま四階にまで到達すると、
从;゚∀从「隠れさせろ!」

唐突にそんなことを言い、猛スピードで自分の後ろに回り込み、
そのまま身を屈めて黙り込んでしまった。


18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/01(日) 01:18:17.45 ID:hOtU32g/O



長い距離を走ってきたのか、呼吸は粗い。

その上、何やら切羽詰まった表情をして、自分の影から前方を伺うように顔を出している。

从;゚∀从「前見てろ!」

さっきから何故命令口調なんだろうか。

不満に思いつつも、仕方なく視線を背後のハインから前に移す。

すると、それぞれが異なる運動部らしきユニフォーム姿の、女子の団体が凄まじい勢いで階段を駆け上がって来た。

「どこ行ったぁ!!」

何やら捜し回りながら、彼女達は自分の目の前を横切り、廊下を猛烈なスピードで走り去っていった。


19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/01(日) 01:20:13.66 ID:hOtU32g/O


从 ゚∀从「……ふぃー、参った……」

ハインは彼女達が通り過ぎたのを見届けて、ようやく強張った顔を緩ませ、立ち上がった。

一体何があったんだろうか。

从 ゚∀从「ちょっと運動部ではしゃいだだけで天才だの逸材だの身体のバネがどーのこーのって、
俺は入るつもりはなくて、ちょっと遊びたかっただけだからっつても聞きゃあしねぇでやんの」

( ∵)「……」

何その少年マンガ。



20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/01(日) 01:21:07.74 ID:hOtU32g/O


無気力な主人公がひょんなことからあるスポーツの才能を見いだされる、なんて王道ストーリーを地で行くか貴様。

屋根に昇るくらいだから身のこなしは軽いんだろうと思ってはいたが、いくらなんでもそれは美味しすぎるだろう。

そんな内心の妬みに、ハインは気付かなかったらしい。

从 ゚∀从「お前、部活見学はどうしたんだよ」

まだ少し荒い呼吸のまま、彼女は自分に尋ねた。

引っつかんで盾にしておいてそれはないと思うが。




22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/01(日) 01:22:26.09 ID:hOtU32g/O

从 ゚∀从「俺も一通り回ったんだけど、運動部はあの有様だし、
逃げ回りながら文化部も見てみたけど、なんかチマチマしてる感じがして好かないんだよなー」

さりげなく全文化部員を敵に回しつつ、ハインはつまらなさそうに言う。

どうやら自分と同じ状況らしい。

从 ゚∀从「チックショー、もっとこう、単純に面白そうだっていう部活はないもんかね」

多分彼女はスカイダイビング部だとか、そういう部活を探しているのだろう。
無論ある訳が無いが。


从 ゚∀从「あー暇だ暇だ暇だ……ん?」

つまらなさそうに後ろに倒れこんだ彼女の視線が、ある一点に定まった。

目を細めたために顔がしかめっ面に変わる。

从;゚∀从「「適当部」?」

( ∵)「……」

なんじゃそりゃ。




23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/01(日) 01:24:27.73 ID:hOtU32g/O

そう呟いたハインを見て、自分は彼女の視線の先を見た。

適当部。

あまり使われない特別教室しかないはずの最上階の端っこの多目的教室のドアに、
大雑把な文字でそう書かれた紙が張られていた。

その下の方に「新入部員募集中!大歓ゲイ!」とも書いてある。

何故に歓迎の「迎」の字だけがカタカナなのだろう。

書けなかったんだろうか。



25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/01(日) 01:25:10.14 ID:hOtU32g/O


从 ゚∀从「……面白そうだな」

反動を付けて起き上がったハインが、ニヤつきながらその教室に歩み寄る。

( ∵)「……」

面白そう。
それに関しては同意だった。

二人してドアの前に立つ。

从 ゚∀从「頼もー!」

道場破りかよ。

叫びながらドアを勢いよく開けたハインに心の中で突っ込んだ自分は、目の前の光景に絶句した。



28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/01(日) 01:26:54.00 ID:hOtU32g/O


(゚A゚)「ビックリするほどユートピア!! ビックリするほどユートピアァァアァアアァ!!」

パンツ一丁の学生が、気違いじみているとしか思えない奇妙な動きをしている。

从 ゚∀从( ∵)     (゚A゚)

そして、その男子学生と目が合った。

从 ゚∀从「……お邪魔しましたー」

それだけでドアを閉めるには十分な理由である。


29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/01(日) 01:28:40.14 ID:hOtU32g/O


(;'A`)「ま、待ってくれー!」

危ない男子学生が、パンツ一丁のままこちらに向かってきた。

从;゚∀从「うるせー変態!来るんじゃねー!」

寸でのところでぴしゃりと閉めたドアに男子学生がへばり付き、
開けようとするのを自分とハインが必死に食い止める。

(;'A`)「話を聞いてくれ!君たちは誤解してる!」

ドアなはめ込まれたガラスに片頬を押しつけながら変態は弁解する。

从;゚∀从「うるせー! 半裸の変態の言い訳を聞く耳は持ってねー!」

ハインは言い訳を聞かずに却下し、自分と二人でドアを開けさせまいと必死に押さえ込んだ。




30 名前: ◆L66fmP/Ue6 :2008/06/01(日) 01:29:38.86 ID:hOtU32g/O

(;'A`)「頼むから! 明日から露出魔呼ばわりされるとか嫌だから!」

从;゚∀从「嫌も何も事実だろ!
おまけに変態ダンスも踊ってたろーが!」

二人がぎゃあぎゃあとわめき合っている、その時。

「何をしている」

背後から落ち着いた口調の女声が聞こえた。




32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/01(日) 01:30:01.46 ID:hOtU32g/O

ハインと自分が振り返ると、片手に学生カバンを持った女子生徒が立っていた。

川 ゚ -゚)「すまないがどいてくれないか。
君たちが何故そんな行動をしているのかは知らないが、私はその部屋に用があるんだ」

長い黒髪。端正な顔立ち。
美少女という単語がこれほど似合う女性を、自分は見たことがなかった。

(;'A`)「クー!ちょうど良かった!」

ハインも美少女生徒に見とれてしまい、誰も塞ぎ止めなくなったドアを開けた変態男子学生が、その美少女生徒の名前を呼んだ。




33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/01(日) 01:31:03.30 ID:hOtU32g/O

川 ゚ -゚)「……とにかくその格好をどうにかしてください、ドクオ部長。
そこの二人が変態と叫んでいたのも仕方ないような姿ですよ」

呆れたような溜め息をついて、美少女生徒……どうやらクーというらしい……は、
ドクオと呼んだ男子学生に着衣を促す。

('A`)「いや、今、「頭の良くなる踊り」を試している最中だったんだよ」

川 ゚ -゚)「むしろ馬鹿にしか見えませんが」

(;'A`)「手厳しいな」

川 ゚ -゚)「どうも。
……ところで、そこの二人は?」

( ∵)「……」

表情を変えずに会話を進める彼女に何故か親近感を覚える。



34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/01(日) 01:32:05.68 ID:hOtU32g/O


从 ゚∀从「一応、部活見学者だけど……」

川 ゚ -゚)「そうか。見苦しいところを見せてすまなかった。
こんな部活に興味があるならゆっくりどうぞ」

それだけ言って、彼女は自分達の脇を通り過ぎて教室に入っていった。


从 ゚∀从「……クッ」

横を見ると、ハインが息を殺すような笑いを浮かべていた。

从 ゚∀从「ヒャッヒャww 何だアレw」

身体を小刻みに震わせながら笑いだす。

( ∵)「……」

ハインの言い方は無礼だが、確かにキャラの濃い人達だ。

適当部。

一応見学しておいて損は無いかもしれない。



36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/01(日) 01:32:45.94 ID:hOtU32g/O

(*'A`)「えー、先程は失礼致しました!
私が適当部部長、三年生のドクオであります!よろしく!」

教室……適当部部室に入った自分達は、パイプ椅子に座り、
学生服を着た部長の自己紹介を受けていた。


('A`)「こちらが二年生で副部長のクー!」

川 ゚ -゚)「どうも」

部長に指を指された彼女は、ポットから急須にお湯を入れる作業を中断することなく軽い会釈をした。



38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/01(日) 01:34:12.95 ID:hOtU32g/O


('A`)「君達は部活見学ということで、まずは我々の活動内容について説明しよう!」

ドクオ部長はハイテンションのまま、教室の奥にあったホワイトボードを引っ張りだし、
ペンででかでかと「適当」と書いた。

('A`)「我々の活動内容はこの一言に限る。
逆に言えば、これこれこういう活動をする部活ですよ、と詳しく説明することはできない!」

( ∵)「……」

意味が分からない。

('A`)「つまりだな……特に活動内容もスケジュールも予定も決めていないのさ」

( ∵)「……」

それは部活とは言わない。




39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/01(日) 01:35:17.02 ID:hOtU32g/O


内心でツッコミを入れるが、部長の熱弁は止まらない。

('A`)「一年生の諸君は適当部の「適当」の意味を「どーでもいい」とか、
「やっつけでいいや」などという感覚だと捉えているかもしれないが、それは大きな間違いだ!
我が部の「適当」の真意とは、「状況に適している」の方であると考えていただきたい!」

川 ゚ -゚)「どうぞ」

クー副部長が湯飲みを差し出して来た。
軽く会釈をして受け取る。

('A`)「つまり!その時その時の状況に適した活動を行うという、臨機応変なスタンスの下、
我々適当部は活動しているのだ!」

川 ゚ -゚)「「臨機応変」と言われてますが、どう考えても踊るのにあんな格好である必要性があったとは微塵も感じられませんよ?」

湯飲みを乗せていたお盆を脇に抱えた副部長が淡々と鋭いツッコミをいれ、部長の脇腹をえぐった。


41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/01(日) 01:36:20.20 ID:hOtU32g/O



(;'A`)「い、いや、それはだな……」

川 ゚ -゚)「部活見学の期間中に行うべき行動としても適当とは言いかねますね」

(;'A`)「う……」

部員によって自らが部のスタンスに反している事を指摘された部長は、なす術もなく閉口する。

副部長はこちらに向き直ってこう言った。

川 ゚ -゚)「長ったらしい説明だったが、要するに「やりたいことをやりたいときにやる部活」ということだ。
部活と言う体のいい名前の下に好き勝手をやっているだけと考えてくれ」

('A`)「オレの出番……ウツダシノウ」

さらに分かりやすい説明までされて、部長はお株まで奪われてしまった。
もはや形無しである。




42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/01(日) 01:37:14.33 ID:hOtU32g/O

从 ゚∀从「質問。部員は何人?」

ハインが左手を股の間の座席に突っかえ、前掲姿勢で手を挙げて尋ねる。

川 ゚ -゚)「私とあの変態部長だけだな」

副部長は自分達に対面するように椅子を置いて腰掛け、ハインの質問に答えた。

从;゚∀从「ええ……!? 廃部寸前だな」

川 ゚ -゚)「ああ、部長がもっとまともなら、もう少し活気もあると思うんだが」

部長を無視しつつ、二人の会話は続く。



43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/01(日) 01:38:21.93 ID:hOtU32g/O


从 ゚∀从「確かになぁ。ドア開けたらパンツ一丁で踊り狂ってんだもんなー。
見る人によっちゃ卒倒されても文句は言えねーよな」

川 ゚ -゚)「全くだ。見苦しいことこの上ない」

さらに続く精神的攻撃に、ホワイトボードの脇でうずくまっていた部長が根をあげた。

(;A;)「チクショー!どーせオリャー変態のダメダメ部長だよクソー!」


いきなり立ち上がると、涙を振り撒きながらドアを開け、凄い勢いで出ていってしまった。



44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/01(日) 01:38:43.58 ID:hOtU32g/O


从 ゚∀从「ヒャッヒャッ、へたれな部長だなー」

川 ゚ -゚)「いつものことさ」

ハインがその背中を見ながら軽快に笑い、副部長は彼を止めずに淡々と見送る。

( ∵)「……」

部長を少し哀れに思いつつ、自分はお茶を啜る。

ズズー

……あ、これは美味しい。




46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/01(日) 01:39:16.67 ID:hOtU32g/O

从 ゚∀从「てかさ、何気に豪華だなこの教室」

ハインの一言を聞いて、教室を見回すと、成る程確かに設備の整っている教室だと思った。

教室の後ろの壁のエアコン、右前のテレビ台に乗った大型のテレビ、その上の丸められて吊されているスクリーン、
さらにはちょっとくたびれてはいるものの、大人が寝転がれる大きさの柔らかそうなソファー等……、
是非ともここを自分のクラスルームにしたくなる充実振りである。



47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/01(日) 01:40:24.96 ID:hOtU32g/O


从 ゚∀从「げ。ゲーム機まであんのかよ」

椅子から立って、テレビ台の扉を開けたハインが、驚きと感嘆の混じった声を上げた。

川 ゚ -゚)「元々、というか今も一応は多目的教室だからな。ソファーやゲームは別だが、殆どは教室そのものの設備だ。
授業への使用頻度は限りなく低いので好きに使わせて貰っている」

( ∵)「……」

すげーな適当部。




48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/01(日) 01:40:42.70 ID:hOtU32g/O

どうやってソファーやらを持ち込んだのかも気になるが、
そうなると逆に何故部員が集まらないのかも疑問だ。

常識的に考えてたまり場のようになりそうなものだが。

川 ゚ -゚)「これで部長がしっかりしていれば、活動内容はともかく、それなりの人数も集まってくれると思うんだが」

結局はそこか。
コレほどの魅力の教室から人を遠ざけるとは、かなりの変人らしい。

……まぁ、第一印象からして確かに変態だったが。




50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/01(日) 01:42:50.60 ID:hOtU32g/O


从 ゚∀从「そこまで言っといて、何で副部長サンは副部長やってんのさ」

ハインが再び椅子に座りながら尋ねる。

川 ゚ -゚)「私が止めたら、多分彼は号泣し、私は噂やらなんやらで何かしらの被害を被るだろう。
……まぁ、それなりに暇なのもあるが」

彼女はそう言って、自分自身がいれたお茶を湯飲みに両手を添えて一口飲んだ。

从 ゚∀从「ん?この部活の創始者は奴なのか」

川 ゚ -゚)「ああ。最初は先生の許可も取らずに勝手にな。
色々あったらしいが、何とか先生を納得させたようだ。
ちなみに私以外には、今まで入部希望者すらいない」



从 ゚∀从「へぇー。じゃあアタシが「最初の」三人目の部員か」

あまりに唐突な感嘆文に、自分は茶を噴き出し、副部長も目を丸くした。



51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/01(日) 01:43:16.40 ID:hOtU32g/O


( ∵)「……ゲホッ!」

やっべ。気管支に入った。

从;゚∀从「うおい!汚ねーな!」

激しく咳き込みつつも、こちらを見るハインに「本気か」という問い掛けを含めた目線を向ける。

从 ゚∀从「……何だよ。入部希望がそんなに可笑しいか」

訝しげにそう呟いたハインに、副部長が答える。

川;゚ -゚)「いや……何しろ入部希望者そのものが初めてだからな……」

自分に雑巾を手渡し、苦笑いしながら副部長が言う。




52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/01(日) 01:43:59.30 ID:hOtU32g/O

从 ゚∀从「俺は問題無いっスよ。
楽しそうだし。
辞めたくなったら辞めるし」

川 ゚ー゚)「……フフッ……」

いけしゃあしゃあと言うハインに、副部長が声を上げて笑い出した。

川 ゚ー゚)「面白い人だな、君は」

( ∵)「……」

そのうち彼女が面白がるのを通り越して呆れることのないように祈りたいものだ。

雑巾で自身の失態を払拭しつつそう思っていると、ドアの向こうからテンポの速い足音が聞こえた。


53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/01(日) 01:44:16.51 ID:hOtU32g/O



(*'A`)「入部希望って本当!?」
勢い良くドアを開けたのは散々バカにされて逃げ出したダメ部長である。

ハインの入部宣言を聞き付けたのか。

とんでもない地獄耳だ。

川 ゚ -゚)「ええ。こちらが希望者……」

息を切らし、必死の形相でこちらを見つめる部長に、副部長が答えた瞬間だった。




54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/01(日) 01:45:04.17 ID:hOtU32g/O

(*'A`)「ありがとぉぉぉぉぉぉぉ!!」

部長は瞬間移動のごとき速さでハインに詰め寄ったかと思うと、彼女の両肩を掴んで揺さ振った。

从;゚∀从「ちょ、待……」

(*'A`)「ありがとぉぉぉぉぉぉぉ!!」

ハインの抵抗を無視し、部長はハインの首を上下に揺らし続ける。



55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/01(日) 01:45:52.05 ID:hOtU32g/O


(*'A`)「ありがとぉぉぉぉ川 ゚ -゚)「黙れ」 

ズガンッ!

(;゚A゚)「ゴヘッ!」

バタッ。

永遠に続くかと思われた部長の揺さ振りは、
部長の後ろに立った副部長が部長の後頭部に振り下ろした魔法瓶の一撃によって終わり、
部長はあっけなく床に崩す折れた。

川 ゚ -゚)「……全く」

( ∵)「……」

……怖っ!




56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/01(日) 01:47:21.67 ID:hOtU32g/O

从 ゚∀从「……うはー……」

川 ゚ー゚)「……失礼。大丈夫かな」

呆然とするハインに、副部長はオーラを解除しないまま笑いかけた。
俗に言う「冷徹な笑み」ってヤツだ。

目が笑っていない。

ハインすら気圧されている。 



57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/01(日) 01:48:33.86 ID:hOtU32g/O

(#'A`)「大丈夫なわけあるかァ!」

突然、床に突っ伏していた部長が跳ね起きた。

川 ゚ -゚)「あなたには聞いていません。
しかも生きてましたか。しくじりましたね。」

副部長はそう言うと、再び魔法瓶を持ち上げた。

(;'A`)「わー! ストップ! ストップ! 分かった! 俺が悪かった!」

何この修羅場。

横を見ると、ハインは笑っていた。



58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/01(日) 01:49:09.12 ID:hOtU32g/O


川 ゚ -゚)「……」

部長の平謝りに、副部長は無言で魔法瓶を下ろした。

(;'A`)「ふぅ……」

部長も安堵の息を漏らす。

が。

ズゴッ!

(;'A`)「がぺらッ!?」

次の瞬間、アッパーのごとく振り上げられた魔法瓶が部長の顎を打ち抜いた。

なんという鬼畜……。



59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/01(日) 01:50:05.27 ID:hOtU32g/O


川 ゚ -゚)「これは--の分です」

今度はゆっくりと仰向けに倒れた部長を見据え、副部長は言い放った一言はよく聞こえなかった。

从*゚∀从「ダメだwwwwがまんできねぇwwww
副部長最高wwww」

ハインは堪え切れずに吹き出すと、大声で笑い始めた。

从*゚∀从「もう絶対入部するわwwww」

一体何処に彼女に入部の意志を固めさせる要素があったのか甚だ疑問だが、
そもそも彼女の頭の中を理解しようとするのが無駄な行為な気がしたので考えるのは止めた。




61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/01(日) 01:51:42.18 ID:hOtU32g/O

川 ゚ -゚)「そうか。歓迎するよ。
入部希望届は職員室にいる顧問のモナー先生が持っているはずだ。
すまないが私はコレの後始末をつけておくから、必要事項を記入して提出してくれ」

副部長は部長を足蹴にしながら、ハインに入部手続きの説明をする。

从 ゚∀从「ウィースw」

副部長に返事をして職員室に向かうハインに、自分は付いていくことにした。

この雰囲気に耐えるなんて、自分には無理な話である。 



62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/01(日) 01:52:02.49 ID:hOtU32g/O


------------------------------------------------

从 ゚∀从「失礼しやーす」

職員室に入った自分達は、適当部顧問かつ我がクラスの担任、( ´∀`)の姿を探す。

……いた。
隅の机でパソコンを弄っている。




63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/01(日) 01:53:12.32 ID:hOtU32g/O


从 ゚∀从「センセー、入部届書きたいんですけど」

( ´∀`)「おお、ハインリッヒさん、もう部活を決めたモナか?
まだ初日モナよ?」

ハインに話し掛けられ、モナーは、椅子を回転させてこちらを向いた。

从 ゚∀从「楽しそーな部活見つけたんで」

( ´∀`)「それは良かったモナ。
是非とも励んで欲しいモナ。
入部届と鉛筆はそこの棚の上モナ。
書けたら提出してくれモナ」

从 ゚∀从「あざーす」

ハインは、脇にあった棚の上にあった箱の中から入部届を取り出し、そのまま棚の上で書き始めた。




64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/01(日) 01:53:46.55 ID:hOtU32g/O


( ∵)「……」

……そういえば自分は結局部活を決めてない。どうしたものか。

まだ日にちはあるとはいえ、時間を費やせば決められるものでもない。
ファーストインプレッションが大事なのだから。

いっそ帰宅部になって華麗に帰る技を磨k( ´∀`)「あれ?ビコーズ君も入部モナか?」

……何だって?




66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/01(日) 01:54:58.67 ID:hOtU32g/O

見ると、担任の手には二枚の入部届があった。

自分はハインの方を見遣る。

从 ゚∀从「いや、どうせ暇なんだろーと思ってよ」

ちょっと一発殴らせろ。

( ´∀`)「しかも適当部モナ!?
確かにコレは僕が顧問モナが……えらく個性的な部を選んだモナね。
……いや、生徒の自由モナね。変な事を言って悪かったモナ」

担任のどうでもいい謝罪と共に、入部届はそそくさと担任の机へと封印されてしまった。



68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/01(日) 01:56:05.01 ID:hOtU32g/O


そして聞こえる足音。

勢い良く開け放たれるドア。

(*'A`(#)「話は聞いた!
君も入部希望(ry」

( ∵)「……」

何だこの黄金コンボ。

って言うか部長、いつの間に右頬殴られたんですか?


69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/01(日) 01:56:50.18 ID:hOtU32g/O

そんなことはお構いなしに、部長は自分の首根っこを掴んだ。

(*'A`(#)「ありがとぉぉぉぉぉぉぉ!!」

自分は変態部長に首を揺さ振られ、ハインの笑い声を聞きつつ、こう思った。

なるようになっちまえ、と。


( ∵)ビコーズの災難のようです   第三話   おしまい


[ 2008/06/04 00:09 ] 中篇一覧 | TB(0) | CM(0)

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